ところでIT企業大手のNECや富士通の平均年収は、
・NEC「43歳・804万円」
・富士通「43歳・797万円」
と低い数字になっています(2017年3月期)。
いっぽうでIT業界最大手である
NTTデータの平均年収は「38歳・812万円」。
年齢を加味するとNEC・富士通は
IT業界の同レベル企業よりも低い平均年収。
※平均年齢が1歳ちがうと±10-15万円と考えます。5歳ちがいだと±50~75万円がふつう。
この理由は以下3つあるものと推測。
理由①住宅補助がすくない+寮や社宅あり
NEC・富士通の平均年収が低い理由。
ひとつめは「住宅補助がすくない」
NEC・富士通のように家賃補助を現金でわたす企業では
平均年収の計算に住宅補助をカウントします。
住宅補助の金額をNTTデータとくらべてみましょう。
【NTTデータの住宅補助】
・独身者4万円/月=48万円/年
・既婚者7万円/月=84万円/年
・住宅保持者=ゼロ
【富士通の住宅補助】
・独身者30歳までmax 1.6万/月=19.2万/年
・既婚者40歳までmax 3.3万/月=39.6万/年
・寮、社宅=ゼロ
・住宅保持者=ゼロ
【NECの住宅補助】
・既婚者max 4万/月=48万/年
・寮、社宅=ゼロ
・住宅保持者=ゼロ
※独身寮/社宅制度/借り上げ社宅制度は会社が住宅にかかる費用を負担しているため、年収計算に反映されない。
これでくらべてみると一目瞭然。
NTTデータの住宅補助がもっとも恵まれています。
したがって
NTTデータの平均年収がもっとも高くでます。
ただ、
住宅補助ゼロの住宅保持者もたくさんいると思われるため、これだけでは10-30万円/年くらいの違いにしかならないでしょう。
理由②同業他社比で賞与が低い
NECと富士通の平均年収が低い理由。
ふたつめは「同業他社比でボーナスが少ないから」
賞与も年収を決めるうえで重要なファクター。
NEC、富士通、NTTデータの賞与を比較してみると…
・NECのボーナス: 基本給×4.0ヶ月/年
・富士通のボーナス: 基本給×4.45ヶ月/年
・NTTデータのボーナス: 基本給×5.5ヶ月/年
※2017年の平均ボーナス月数
このようになります。
ボーナスは会社の業績に連動するのが普通ですので年によって違いますが…。この3社は業績も低位安定しており、おおきく変わることはないでしょう。
で、NECとNTTデータの比較ではなんと基本給×1か月分もの違いあり。そうすると平均年収で30-35万円のインパクトが出てきます。
ということで
ボーナスの差がNECの年収低いもっとも確かな理由です。
理由③総合職の占める比率
NEC・富士通の平均年収が低い理由。
最後は「総合職が少ないから(IT企業との比較)」
NECや富士通は電機メーカーでもあり工場をもっています。
ということは、
大卒総合職だけでなく一般職の高卒ワーカーもおおく雇います。
いっぽうのNTTデータはITサービスを提供する仕事なのでモノづくりはしません。
ということは、
一般職の高卒・短大卒はすくなくて大卒総合職の比率が高くなります。
一般職は年収が低く、総合職は年収高い。
したがって大卒の少ない富士通・NECのほうが平均年収低くなります。
SE職の平均年収はなぜ高い?
ところで
SE職がおおいIT業界の平均年収は他業界とくらべて高い傾向にあります。
そうじて年収が高いといわれるSE職ですが…
基本給+ボーナスは同クラスの企業とくらべて決して高いわけじゃありません。
これってなぜでしょうか?
その理由はシンプルで
従業員に残業代を多く支払っているから。残業の多いSE職, SIer職が平均年収を引き上げているものと考えます。
年収の絶対額を重視するかたはSE職でもよいとは思いますが、仕事量にたいする年収をみる人には就職・転職をおすすめしない職種。
楽なわりに給料高い企業がいい!
というあなたは、
別の業界・職種をさがしましょう。
日本電気(NEC)に転職・就職するあなたへ
日本電気(NEC)はリーマンショック前後から
儲からないハードの事業(パソコン、スマホなど)をどんどん縮小・事業撤退し、ソフト(ITシステム、サーバーなど)の事業を強化しています。
その結果として大量のSE職が必要となり毎年、多くの新卒を採用しています。ある程度の学歴があれば就職・転職するのは容易かと思われます。
ただし
激務であることは予め認識しておきましょう(部署や上司によりますが…)。
また
いわゆる末端の仕事を請け負う中小企業のエンジニアよりは全然マシです。
IT業界の中でどのくらい?
日本電気(NEC)の年収は
IT業界・企業の中では「中の上~上の下」。NTTデータや富士通、日立製作所と似たような給与水準。あとはボーナスで決まります。
ボーナスの差で
日立製作所 > NTTデータ > 富士通 > NEC > 東芝 のようなイメージになるでしょう。もちろん外資系にはどの企業も及びません。
ちなみに、
主任クラスでも裁量労働じゃない部署にいたり、激務すぎて残業代が支給されたり、22時以降の深夜残業がおおければ年収1000万円超えます。
が、おおくの社員は年収1000万円に到達することなく会社人生を終えるでしょう。
ただ、
総じて世間一般の水準からすると恵まれています。仕事量にみあうレベルだと思われます。
また、
もし激務な部署に配属となってしまったら…転職をご検討ください。激務でも我慢できるような年収レベルではありません。
さらに他業界との比較では…
大手銀行や大手商社・証券・トップメーカーに劣ります。課長以上に出世すればメーカー大手よりもちょっと低いくらいの水準。そうでなければ中途半端な年収です。
生涯賃金ベースでは…
メガバンクや証券・保険より高く大手商社・大手損保・大手メーカーよりも低い、という感じ。
IT業界研究記事
準備中
日本電気(NEC)の社員クチコミ・評判
日本電気(NEC)の
「①激務度・ブラック度」「②年収事例」「③キャリアパス(出世の難易度)」「④その他」「⑤福利厚生」に関して情報をお持ちの方へ。「コメント欄」にてご教示いただければ幸いです。
転職者・就活生の役に立つようなコメントでしたら何でも構いません。事実に基づく批判もウェルカムです。またデータには万全を期しておりますが、2017年公開時点での情報ですのでご了承ください。お力添えのほど、宜しくお願いいたしますm(_ _)m
「正社員」として、採用される一般職は全体の約2%程ですので、そこまで影響は大きいとは思えませんが・・・。