現役営業マンが作る本当の年収ランキング。電機メーカー・電子部品メーカー大卒総合職編(文系&理系)です。
世間の年収ランキングは一般職も含む平均なので大卒には当てはまりません。そこで電機・電子部品メーカー大卒・総合職の給料をまとめてみました。就職活動や転職のご参考になりましたら幸いです。
電機メーカー・電子部品メーカーの平均年収ランキング(全従業員)
まず一般論として全従業員の平均年収から。電機メーカー・電子部品メーカーの平均年収ランキングをまとめます。
- キーエンス:1756万円
- ファナック:1571万円
- レーザーテック:1038万円
- ジーエス・ユアサ・コーポレーション:1020万円
- アクセル:1000万円
- 横河電機:936万円
- SONY:935万円
- ルネサスエレクトロニクス:910万円
- 東京エレクトロン:903万円
- 大日本スクリーン製造:884万円
- 日本光電工業:869万円
- アドバンテスト:867万円
- エスケーエレクトロニクス:863万円
- 日立製作所:868万円
- 日本電気NEC:833万円
- カシオ計算機:831万円
- リコー:829万円
- 東芝:827万円
- セイコーエプソン:827万円
- オムロン:824万円
- 安川電機:822万円
- 富士通:810万円
- TDK:808万円
- メディアグローバルリンクス:799万円
- 三菱電機:798万円
- パナソニック:789万円
- キャノン:787万円
- シスメックス:784万円
- 新電元工業:782万円
- 村田製作所:782万円
- 日立国際電気:779万円
- 象印マホービン:777万円
- ダイヘン:775万円
- サクサホールディングス:775万円
- コニカミノルタ:773万円
- 日本航空電子工業:772万円
- 日本無線:763万円
- スター精密:763万円
- 日置電機:762万円
- ヒロセ電機:760万円
- アンリツ:758万円
- コンテック:755万円
- ユニデン:755万円
- 明電舎:753万円
- アズビル:752万円
- 沖電気工業:752万円
- 日本信号:749万円
- 富士電機:746万円
- ホーチキ:745万円
- ブラザー工業:745万円
- フクダ電子:744万円
- 東芝テック:742万円
【ランク外】富士電機:726万円
【ランク外】ジャパンディスプレイ:726万円
【ランク外】京セラ:703万円
【ランク外】小糸製作所:671万円
【ランク外】日本電産:654万円
【ランク外】シャープ:633万円
【参考】全上場企業の平均年収:597万円
※出典:各社の有価証券報告書
大企業であればそれなりの平均年収になっていることがわかります。でも平均年収1,000万円を超える企業はトップ5のみ…平均だけみると魅力の低い年収となっていますが、大卒・総合職の年収はどうでしょうか?
電機・電子部品メーカーの管理職年収と年収特徴を詳しくみていきます。管理職年収を重視する理由は会社ごとに大きな差がでるから。30代中盤まではどの会社の年収もほとんど変わらず、残業代の多い少ないで年収が決まります。
電機・電子部品メーカー総合職の年収事例
それでは各メーカーごとに大卒・総合職の年収事例をみていきましょう。一応、年収ランキング形式で上に位置するほど年収期待値が高くなります。
- キーエンス:
新卒3年目で年収1000万円。そのあとの伸びは緩やかになるが管理職では年収2000万円以上(1/50人くらいの確率、降格人事もある)。また家賃補助などの手当てがほぼゼロのため実際の年収は▲100万円で見ておいたほうが良い。 - ファナック:
30歳で年収1000万円(基本給は低く残業代、業績連動ボーナスが多い)。管理職1200万円。 - 日立製作所:
管理職40歳以降で年収1000~1200万円(ほぼ全員だが近年、厳しくなる方向へ)。管理職になれなくても年収800万円+残業代が保証される。 - アドバンテスト:
管理職40歳以降で年収1000~1300万円。会社業績連動のボーナスで大きく変わる(ボーナスゼロにもなり得る)。 - 安川電機:
管理職40歳以降で年収1000~1200万円。好業績のため年収高い。 - パナソニック:
主幹(ぺいぺい管理職)最速35歳~で年収1000万円前後。主幹昇格の難易度は1/2人くらい。昇格できないと係長クラス750万円+残業代で頭打ち。 - 富士電機:
幹部職38歳以降で年収900~1100万円。ボーナス・業績で変動。幹部職になれなければ年収700万円+残業代で頭打ち。 - 村田製作所:
管理職40歳前後で年収1000万円(難易度は1/2人)。昇格しないと係長クラス35歳・年収750万円+残業代で頭打ち。 - オムロン:
管理職40歳以降で年収900~1000万円。業績による上下があるため幅をもたせた。 - 横河電機:
管理職40歳以降で年収900~1000万円。 - GSユアサ:
管理職40歳前後で年収900~1000万円。 - 日本光電工業:
管理職40歳以降で年収900~1000万円。会社業績連動のボーナスで大きく変わる。 - TDK:
管理職40歳以降で年収800~1000万円。係長クラスであれば年収800万円+残業代が限界。残業代次第で係長クラスのほうが年収高くなる。 - 三菱電機:
管理職40歳前後で年収1000万円~(難易度高い)。管理職になれなければ係長クラス35歳・年収750万円からじわじわと上がり続け、50過ぎには年収1000万円に到達する(年棒制ではない)。35歳・係長クラスから裁量労働制。 - ソニー:
統括課長40歳前後で年収1000~1200万円。業績悪化、大量のバブル世代を抱えており管理職になれない人材が多くいる。統括課長になれない場合は統括係長35歳・年収800~900万円+残業代でず〜っと頭打ち。課長以降は裁量労働制である。また家賃補助などの手当てがほぼゼロのため実際の年収は▲100万円で見ておいたほうが良い。 - キャノン:
課長M1・目安40歳で年収1000~1200万円(難易度1/10~15人)。ただし目安30歳で受ける主任クラスG3の試験が突破率低し(1/5~10人の難易度)。G3に通らなければ年収600万円+残業代でじわじわと昇級するが40歳で年収750万円+残業代という、悲惨な状況になる。いっぽうG3にうまく通ればG4主任クラス〜課長M1クラスまでゴマすりでいける。また家賃補助などの手当てがほぼゼロのため実際の年収は▲100万円で見ておいたほうが良い。 - 富士通:
管理職40歳前後で年収1000万円(難易度高い)。主任クラスであれば年収800万円+残業代が限界。 - リコー:
管理職38歳以降で年収800~1000万円(難易度高い)。会社業績連動のボーナスによる振れ幅が大きく、業績がよければ年収1000万円を超えるが今の状況では厳しい。係長クラスであれば年収800万円+残業代が限界。 - 東京エレクトロン:
管理職40歳前後で年収800~1000万円。会社業績連動のボーナスによる影響での振れ幅を加味した。 - 日本電気NEC:
管理職40歳以降で年収900万円。部長で年収1000~1200万円。管理職になることすら難しい。主任クラスであれば年収700万円+残業代が限界。 - セイコーエプソン:
管理職42歳前後で年収800~1000万円(難易度高い)。会社業績連動のボーナスによる影響での振れ幅を加味した。今の業績を維持していれば管理職年収1000万円はあると思われる。管理職に上がれない場合は主任35歳・年収750万円+残業代で頭打ちとなる。 - レーザーテック:管理職900万円(業績・成果により大きく変動するため平均取れず)。
- ルネサスエレクトロニクス:
ぺいぺい管理職38歳以降で年収800万円前後。業績悪化により20%程度カットされてこの金額。業績がよければ管理職の年収1000万円。 - コニカミノルタ:
管理職40歳前後で年収800~900万円。会社業績連動のボーナスによる振れ幅が大きい。 - カシオ計算機:
管理職38歳以降で年収800万円。 - 大日本スクリーン製造:
ぺいぺい管理職40歳以降で年収800万円。 - 日本無線:
ぺいぺい管理職40歳以降で年収750万円。 - 日本航空電子工業:
ぺいぺい管理職40歳以降で年収750万円。
※注意①年収は会社業績などによって±10%程度の振れがある。
※注意②各種手当ては年収に加味していない。
※注意③管理職になるのは厳しい。特に出世難易度の高い企業は記載している。
電機・電子部品メーカーの年収特徴
20代の年収特徴
- 20代はゴミみたいな給料で年収400~600万円くらいしかない。大学の同窓会でバカにされるレベル。若手のうちは仕事も忙しいため理不尽に感じることだろう。
30代の年収特徴
- 30歳ちょうどで年収600万円。月30時間残業して700万円越えるくらい。それでもなお大学の同窓会でバカにされる。
- 30代中盤で年収750万円前後。残業おおい人は30代中盤で年収900万円くらいにはなる。この辺りで大手金融・証券・保険業界・メーカー業界の負け組を抜くが総合商社には到底およばない。
- 30代後半で給料高いメーカーでなおかつ管理職にちゃんと昇格できた場合に限り年収1,000万円を超える。管理職になれなければ年収800万円こえるくらいにしかならない。化学メーカーのように誰でも管理職になれる、という業界でないため注意が必要。
30代後半以降の年収特徴
- 30代後半~は運と実力次第。電機メーカーは今でも採用人数が多いが、バブル時代の景気の良い時期には今よりもっと大量採用していた。つまり上が詰まっていて出世競争きびしい。管理職にすら到達できずに会社人生を終える人が大半である。
生涯年収の特徴
- 生涯年収はメーカーでは中の上くらいのイメージ(出世競争も加味する)。
- メーカー以外と比較しても生涯年収は決して高いとはいえない。業界自体が儲かっていないから仕方ない…仕事も決して楽ではない。
各種手当ての特徴
- ほとんどの会社は独身寮or社宅or家賃補助あり(基本給と別カウント)。上記に概ね100万円/年を加算した額が本当の年収。
- 管理職になる際にふるいわけが行われる。管理職になれなければつらい人生が待っている…昇格試験は何度でも受けれる会社もあれば、回数制限のある会社もある。目安は3回落ちたら終わり。
- 残業代はちゃんと支給されサービス残業は(会社・部署によるが)少ない。
- 会社によっては係長・主任クラスの35歳前後で残業代のでない裁量労働制に移行する。
- 管理職以上は年棒制、残業代なしの会社が多い。管理職よりも主任クラスのほうが年収高くなるという逆転ケースあり。
その他いろいろな考察
- 使えない大量のバブル世代をクビにできれば若手の未来は明るい。が、今の状況では若手は忙しいだけで給料も満足な水準になく、いつ会社が傾くかも分からない、いつリストラ候補にされるかも分からない、というとても厳しい状況。
- かつてアップル社がそうだったように、潰れそうな状況であっても何かとんでもなく凄い商品を生み出せば会社は一気に持ち直せる。儲かるときはとてつもなく儲かるが、ダメなときは潰れる寸前まで行く。時間軸がメーカーの中では速く「中途半端にぬくぬくやれる」という業界ではない。
- 安定志向であればBtoB(対法人)をメインにしている企業がおすすめ。
- 電子部品メーカーの村田製作所、京セラ、TDKなど。インフラ電機メーカーの日立製作所、富士通、日本電気NEC、三菱電機など。産業用ロボット大手の安川電機、重工業の富士電機、他BtoBのオムロン、横河電機など。
- 波乱万丈に生きたいならBtoC(対消費者)をメインにしている企業がおすすめ。
- パナソニック、ソニーなど
- ちなみにジャパンディスプレイとシャープに就職してはいけない。中小型液晶ディスプレーで世界No.1といっても稼いでないようではどうしょうもない。見ていてサムい。
SEとSIerの年収事情
ご存知の通り電機メーカーはSEとSIerを大量に採用している。その場合も同じように上記の年収事情は適用できるが以下の点に気をつけること。
- 残業代が多く年収は高い、20代~30代前半でも残業込み年収800万円とかになる(長時間労働・残業が常態化しているため)。
- 日本電気NEC、富士通、日立製作所、三菱電機といった大企業の残業代は青天井。が、裁量労働制へ移行する年齢になると残業代でなくなり年収下がる。中小企業はサービス残業常態化。
- 基本、めちゃくちゃ忙しい。平日は毎日22時まで会社にいることが普通だと考えること(今後は改善するかも)。
- 座りすぎ、パソコン画面の見すぎに注意。体をいたわること(特に腰まわり、肩まわり、目)。
まとめ
電機・電子部品メーカーの年収は業績連動ボーナスの影響を受けやすい。そして会社の業績自体も波が激しい。ということは年収は毎年、大きく振れてしまう。
あなたが管理職になる頃に好業績を出せていることがもっとも重要なのですが、そんなことは神にしかわからないですね…浮き沈みの激しい業界で10年後、20年後を予測することがとても難しい。だから今の実力はまったく気にせず会社選びをしても大丈夫です(一部の明らかにおかしい会社はダメ)。
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