「感銘」「感服」「敬服」「感心」の意味と違い、敬語での使い方

正直なところ、この4つの言葉の違いを論理立てて説明しろ!と言われてもできません。

私は国語学者でも何でもなく、普通の営業マンなものですから…。

また、類語辞書を読むと「感銘・感服・敬服」の違いが細かく説明されています。

しかし辞書の説明というのは実用的でなく、しかも意味不明です。したがって、ビジネスシーンにおける使い分けについて、なんとな~くですが、まとめておきます(汗)。

感銘・感服はどんなビジネスシーンでも「素晴らしい!」の代わりに使える

「感銘」「感服」という言葉は「感動」の意味が強いため、どんなビジネスシーンでも万能に使えます。

イイね!素晴らしい!の堅苦しい敬語バージョンだと認識しておいてください。

「敬服」は相手を敬う意味が強い

「敬服」は他の言葉とは少し違って、感動というよりも「相手を敬う、尊敬する」意味で使われます。

部長ってマジで凄いな~!!の堅苦しい敬語バージョンだと認識しておいてください。

「敬服」は上司など目上の人に使う言葉としてふさわしい表現ではあるものの、使う相手によっては、かしこまり過ぎている印象を与えます。

社内で上司に使う言葉づかいは、丁寧すぎると逆に「バカ丁寧=慇懃無礼(いんぎんぶれい)」だと感じてしまいますね。いっぽうで取引先など社外の相手に対して使う表現としては、とても丁寧です。

したがって相手をよく見て使いましょう。

感心には「感動」以外の意味もある!

そして、最もややこしいのが「感心」です。

実は感心には「①感動すること」以外に2つ別の意味があり、使い方によっては目上の人に失礼となります。具体的には「②行動や行為が褒められるべきさま」「③暗に批判する、バカにする」という意味です。

たとえば、上司が部下の行為を褒めるとき「月100時間も残業するなんて、キミは感心だねぇ」という表現。部下が上司には使いません。

また、皮肉っぽく使うとき「先輩のゴマすり根性には感心するねぇ」といった使い方も目上の人に使うと失礼に当たります。

詳しくはこちらの記事(「感心する」が目上の人にNGなんて嘘!正しい意味と敬語・使い方 )で解説していますので、ご参考にどうぞ。

感心は目上の人に使わないほうが無難

「感心」の本来の意味は「何かに素晴らしく感服すること、感動すること」ですから、目上の人に使っても全く失礼じゃない、すばらしい表現です。

ところが、ゴミメディアのせいで「感心する・感心させられる=目上の人に失礼」みたいになっちゃってるのです。

だから、使わないほうが無難です。

確かに「感心する・感心させられる」は使い方によっては目上の人に失礼となります。理由は先ほど示した別の2つの意味があるから。

だからといって、「感心=失礼」みたいに曲解してしまうのはどうかと思うのですが…。

ただ、言葉というのは「本来の意味で使われなくなったら、意味自体が変わる」という気持ち悪いルールがあります。

たとえば「全然OK」という言葉。もともと「全然」はネガティブな意味で「全然ダメ」といった言葉で使われていました。ところが時代は変わり「全然OK」みたいな使われ方も普通になりました。

したがって「感心」も目上 → 目下の人に使う言葉だ!

と認識されれば、それが事実となります。それを決めるのは、言葉を使うあなた次第ですね…。

謙譲語は2つの用法を押さえればOK!

何かとややこしい謙譲語の使い方を復習します。

まずは文化庁の「敬語の指針」より、彼らの主張を要約します。

謙譲語には2種類あり「謙譲語Ⅰ」「謙譲語Ⅱ」とする。それぞれの用法は以下のとおり。

  • 謙譲語Ⅰ:動作・行為のむかう先を立てる敬語
  • 謙譲語Ⅱ:話の相手(聞き手や読み手)を立てる敬語

はい、これでは意味不明ですね(私の頭が悪いだけかも)。

ということで私が「謙譲語」について整理するとこんな感じになります。

  1. 謙譲語①:「伺う」「いたす」などの、へりくだる表現。自分の行為・行動に使う。
    → 例文「伺います」「報告いたします」「連絡いたします」「対応いたします」
  2. 謙譲語②:謙譲語の一般形「お(ご)~する」「お(ご)~いたす」「お(ご)~申し上げる」を使う。自分の行為や行動であっても使える。
    → 例文「ご連絡(報告・対応)」「ご連絡(報告・対応)いたします」「お願いいたします・お願い申し上げます」「ご挨拶いたします・ご挨拶申し上げます」「お詫び申し上げます」

※文化庁の謙譲語ⅠⅡとはリンクしません。

そうすると「ご敬服/ご感心/ご感服いたします」もOK?

上記のように謙譲語を理解していくと、どんな言葉にも「お・ご〜する」「お・ご〜申し上げる」を適用してしまいそうですね…

たとえば今回は「敬服・感心・感服」にこの謙譲語を適用してもなりたちます。

  1. ご敬服する
  2. ご感心する
  3. ご感服する

が、これらの表現はここではダメな使い方としました。

なぜかは説明できませんが、このような使い方を見たことがないためです(論理的じゃなくてすみません…)。

とにかく謙譲語の「お(ご)〜する」って使い方が曖昧で難しいので、私は極力使わないようにしています。※ただし「お詫び」「ご挨拶」「お礼」は必ず使う。

参考記事

参考 → 「感心する」が目上の人にNGなんて嘘!正しい意味と敬語・使い方

参考 → 「感心」の類語ランキングTOP10【ビジネス敬語】