「感銘」「感服」「敬服」「感心」の意味と違い、敬語での使い方

「感銘/感服/敬服/感心」の意味と違い、敬語での使い方について、例文つきで誰よりも詳しく解説していく記事。

普段のビジネスシーンでも「感動」の代わりによく使われる「感銘/感服/敬服/感心」ですので、マスターしておきましょう。

「感銘」の意味と使い方・敬語

「感銘」の読み方は「かんめい」。

意味は「深く感動し、心に残ること」。

一つずつ単語を分解してみると、

  1. 「心が動く」という意味の「感ずる」。
    → 使用例は「感情」など
  2. 「心に深く刻んで忘れない」という意味の「銘」。
    → 使用例は「座右の銘」など

の二つの単語からなります。これらを併せると「心が動き、なおかつ、それを心に深く刻んで忘れない」という意味になります。くだけた言い方にすると「忘れられないほど感動した!」ということですね。

「感銘」の使い方・敬語

「感銘を受ける」として、目上の方へ使います。「感銘する」とは言いませんのでご留意ください。

ただ目上の方へ使うときには丁寧語「です・ます調」にして、

  • 例文「部長のお心配りに感銘を受けました!」
  • ×NG例「感銘を受けました!」(自分の行為に尊敬語「ご」はつけない)
  • ×NG例「感銘いたしました」(感銘を受ける、でひとつのフレーズ。感銘する、とは言わない)

などと敬語にしましょう。注意点は、自分が「感銘を受ける」ので、尊敬語「ご」は必要ありません。「ご感銘」としないように気をつけましょう!

※「ご」は謙譲語としても解釈できるのですが、ここでは尊敬語となります。

「敬服」の意味と使い方・敬語

読み方は「けいふく」。

意味は「心から敬う(うやまう)こと、尊敬すること」です。

一つずつ単語を分解してみると、

  1. 「(目上の人を)敬う、尊敬する」という意味の「敬」。
    → 使用例は「敬う(うやまう)」など
  2. 「心の底から、本心」という意味の「服(胆/はら)」。
    → 使用例は「胆(腹)のうちを探る」など

の二つの単語からなります。これらを併せると「本心で敬うこと、心の底から尊敬すること」という意味になります。くだけた言い方にすると「本当にすばらしい!」ということですね。

「敬服」の使い方・敬語

「敬服する」として、目上の方へ使います。

ただ、目上の方へ使うときには「する」の謙譲語「いたす」、あるいは「いる」の謙譲語「おる」を使い、さらに丁寧語「です・ます」を使うと敬語としてはもっとも丁寧になります。

使い方は以下の例文をご参照ください。

  • 例文「部長の行動力に敬服いたします
  • 例文「部長にはいつも敬服しております
  • ×NG例「敬服いたします」(自分の行為に尊敬語「ご」はつけない)
  • ×NG例「私の上司は敬服だ」(意味が通じない)

※ただし社内の上司などに対して使う場合は「敬服する」でも十分に丁寧です。

などと敬語にしましょう。自分が「敬服する」ので、尊敬語「ご」は必要ありません。「ご敬服」としないように気をつけましょう!!

※「ご」は謙譲語としても解釈できるのですが、ここでは尊敬語となります。

※※ただ謙譲語の「お(ご)」にはたとえば、以下のような使い方があります。

  1. 謙譲語「挨拶申し上げます」「詫び申し上げます」
  2. 謙譲語「待ちしております」
  3. 謙譲語「連絡いたします」

このように自分の行為であっても謙譲語「お(ご)」は使われます。謙譲語の一般形として「お・ご〜する」「お・ご〜申し上げる」という使い方があるため、無理やり「ご敬服いたします」という使い方もできなくはないかも(出所:文化庁・敬語の指針)。

「感服」の意味と使い方・敬語

読み方は「かんぷく」。

意味は「本心から心が動くこと、感動すること」です。

一つずつ単語を分解してみると、

  1. 「心が動く」という意味の「感ずる」。
  2. 「心の底から、本心」という意味の「服(胆/はら)」。

の二つの単語からなります。これらを併せると「本心から心が動くこと」という意味になります。くだけた言い方にすると「めっちゃ感動した!」ということですね。語彙が少なくてすみません…。

「感服」の使い方・敬語

「感服する」として目上の方へ使います。

ただ、目上の方へ使うときには「する」の謙譲語「いたす」、あるいは「いる」の謙譲語「おる」を使い、さらに丁寧語「です・ます」を使うと敬語としてはもっとも丁寧になります。

使い方は以下の例文をご参照ください。

  • 例文「部長の営業スキルには、いつも感服しております
  • 例文「部長の心温まるお言葉に、感服いたしました
  • ×NG例「感服しております」(自分の行為に尊敬語「ご」はつけない)
  • ×NG例「私の上司は感服だ」(意味が通じない)

※ただし社内の上司などに対して使う場合は「感服する」でも十分に丁寧です。

などと敬語にしましょう。注意点は、自分が「感服する」ので、尊敬語「ご」は必要ありません。「ご感服」としないように気をつけましょう!!

※「ご」は謙譲語としても解釈できるのですが、尊敬語となります。謙譲語の一般形として自分の行為であっても「お・ご〜する」という使い方があるため、無理やり「ご感服いたします」という使い方もできなくはない(出所:文化庁・敬語の指針)。

「感心」の意味と使い方・敬語

「感心」の意味は「何かに素晴らしく感服すること、感動すること」です。

「感心」は「心」に「感じる」と書きます。したがって本来の意味を考えると「心に感じる様子 ≒ 感動」を表している言えます。

「感心」の使い方・敬語

「感心する」「感心させられる」として目上の方へ使います。※ただし使わないほうが無難です(理由は後述しています)。

ただ、目上の方へ使うときには「する」の謙譲語「いたす」、あるいは「いる」の謙譲語「おる」を使い、さらに丁寧語「です・ます」を使うと敬語としてはもっとも丁寧になります。

使い方は以下の例文をご参照ください。

  • 例文「部長のお心配りに、いつも感心しております
  • 例文「大谷選手のピッチングに感心いたしました
  • ×NG例「感心を受けました!」(自分の行為に尊敬語「ご」はつけない)
  • ×NG例「私の上司には感心だ」(違う意味に解釈されてしまい、失礼にあたる)

※ただし社内の上司などに対して使う場合は「感心する」でも十分に丁寧です。

などと敬語にしましょう。何度もくどいですが、自分が「感心する」ので、尊敬語「ご」は必要ありません。「ご感心」としないように気をつけましょう!!

※「ご」は謙譲語としても解釈できるのですが、ここでは尊敬語となります。謙譲語の一般形として自分の行為であっても「お・ご〜する」という使い方があるため、無理やり「ご感心いたします」という使い方もできなくはない(出所:文化庁・敬語の指針)。

感銘・感服・敬服・感心の違い、使い分け