【2018年版】旅行代理店の売上ランキング国内版。
2018年3月期あるいは同等の決算報告書から最新の売上ランキングを紹介します。なお旅行代理店は非上場企業がほとんどであり、できるだけランキングに反映していますが、データが少し古い企業もあります。
また売上だけでは旅行会社の規模をみるには不十分なので「国内・海外旅行の取扱額ランキング=どれだけの金額を扱ったか」も紹介します。
就職・転職のご参考にどうぞ。
※「ホールディングス=HD」「グループ=G」と省略しています。
ランキング第20位-11位
【2018年版】旅行代理店の国内売上ランキング。
まずはランキング20位~11位。
- 20位 HANATOUR JAPAN・・売上78億円、純利5億円
▼韓国旅行代理店大手ハナツアーの日本法人。いちおう日本でも上場韓国人の日本への観光旅行ツアーなどを提供している。平均年収372万円。→公式HP - 19位 スカイツアーズ (非上場)・・売上98億円、純利NA
▼沖縄県を本社におく旅行会社。おもに北海道・九州・沖縄へのパッケージツアーを企画・販売している。非上場のため財務データは公開されていない。→公式HP - 18位 農協観光 (非上場)・・108億円、純利0.9億円
▼JA(農協)グループの旅行代理店。もともとは農協会員むけの旅行代理店だったが、現在はいちおう組合員以外でも利用できる。売上規模は100億円と中小企業の枠を出ないが、この程度であっても相対的に大手に数えられる。「N Tour」(エヌ・ツアー)のブランド名で知られる。→公式HP - 17位 フジ・トラベル・サービス (非上場)・・144億円、純利NA
▼愛媛県松山市に本社をおく旅行代理店。四国にショッピングセンターを展開する株式会社フジのグループ会社である。非上場であるため詳細な財務データは公開されていない。→公式HP - 16位 名鉄観光サービス (非上場)・180億円、純利3億円
▼名古屋市に本社をおく旅行会社。名古屋鉄道グループ。通称は名鉄観光で、その名のもとに全国に店舗を出店している。国内・海外旅行ツアーをおもに取り扱っている。→公式HP - 15位 東武トップツアーズ(非上場)・・199億円、純利4億円
▼東武鉄道の連結子会社であり、社名にある通り「トップツアーズ」の名前で全国展開している。団体旅行を得意分野としており、教育団体、企業・法人、官公庁などに強みがある。創業当時は東急グループであったが、2013年に東武鉄道に買収され東武グループとなった。なお売上ではなく旅行の取扱額でみると1,392億円であり、国内No.9の規模である。→公式HP - 14位 京王観光 (非上場)・・246億円、純利11億円
▼京王グループの旅行会社。京王電鉄の100%子会社となっており、同社の沿線を中心に営業所をもつ。売上・利益ともに中小サイズであるがこれでも大手旅行代理店のひとつに数えられる。→公式HP - 13位 阪急交通社 (非上場)・・282億円、純利10億円
▼阪急阪神東宝グループの旅行会社。なお売上ではなく旅行の取扱金額だけでみると子会社こみ3社合計で3,455億円。これはJTB、楽天、KNT-CT(近畿日本ツーリスト他)、HIS、日本旅行につぐ国内6位である。おもな商品には「トラピックス」「クリスタルハート」「ロイヤルコレクション」シリーズなどがある。→公式HP - 12位 郵船トラベル (非上場)・・288億円、純利3億円
▼物流を手がける郵船ロジスティクス100%子会社の旅行代理店。海運会社の日本郵船を頂点とする同グループ企業の一員である。法人むけには社員の出張手配サービスなどを手がけており、個人むけには親会社が海運会社だけあってクルーズ観光ツアーに強みをもつ。取扱金額だけでみると国内24位。→公式HP - 11位 エフネス (非上場)・・385億円、純利8億円
▼公式WEBサイトにある通り、旅行に関するあらゆるサービスを提供する会社。実際に何がビジネスの柱となっているのか不明だが、個人むけ旅行パッケージ販売よりも法人むけにサービスおよび旅行コンサル業に特化しているイメージの企業である。→公式HP
ランキングTOP10
【2018年版】旅行代理店の国内売上ランキング。
つづいてランキングTOP10。
10位 沖縄ツーリスト (非上場)・・売上406億円
沖縄県に本社をおく旅行会社。沖縄県内から県外への旅行プランのほか、地元にある安心感を売りに県外観光客へのツアー商品なども販売している。
国内外旅行の取扱額においては297億円と売上よりも小さい。
が、旅行ビジネス以外で同社の手がけているOTSレンタカー(沖縄・北海道などで運営のローカルレンタカー会社)などからの売上が寄与しているものと推測。
でも非上場企業なので会社の中身は残念ながらナゾである…
純利2.7億円。→公式HP
9位 エムオー ツーリスト (非上場)・・売上410億円
サラリーマンの海外出張手配・ホテル手配など、法人むけサービス(BtoB)に特化した旅行代理店。
海運会社国内No.2の商船三井グループであり、三井グループ系企業との取引がメインとなっている。
純利NA。→公式HP
8位 阪急阪神ビジネストラベル (非上場)・・売上448億円
阪急交通社(ランキング13位参照)傘下の旅行代理店。阪急阪神東宝グループ企業である。
社名に「ビジネストラベル」とあるように、サラリーマンの出張手配(航空チケットやホテルなど)を中心に扱っており、個人観光むけサービスは阪急交通社など別会社がおこなっている。
また売上では親会社を抜いているが、あくまでも親子関係においては阪急交通社が上にくる。
さらに売上ではなく旅行の取扱額だけでみると阪急交通社および阪急阪神ビジネストラベル、阪神トラベル・インターナショナルこみ3社合算で3,455億円。
これはJTB、楽天、KNT-CT(近畿日本ツーリスト他)、HIS、日本旅行につぐ国内6位である。
純利1.8億円。→公式HP
7位 日本旅行 (非上場)・・売上526億円
日本最初の旅行会社でJR西日本の連結子会社。通称「日旅(にちりょ)」あるいはNTAの名前で親しまれている。
国内旅行に強みを持ちJRのグループ会社である利点を活かした鉄道および新幹線旅行パッケージのほか、旅館・ホテル・航空機チケットなど各種旅行サービス商品を販売している。
パッケージ旅行「赤い風船」ブランド、JR路線を活用した「WENS赤い風船」などが有名。
その他、海外旅行商品、法人むけ出張手配サービスなども手がけており幅広い分野に展開している。
なお売上は526億円と小規模だが、国内外旅行の取扱額においてはHISにつぐ国内No.5である(取扱額 4,338億円)。
純利11億円。→公式HP
6位 JR東海ツアーズ (非上場)・・売上989億円
JR東海の子会社の旅行会社。
JR東海 主要駅のチケット売場付近に出店しており、JRグループである利点を活かした鉄道および新幹線旅行パッケージのほか、旅館・ホテル・航空機チケットなど各種旅行サービス商品を販売している。
とくに東海道新幹線を利用した国内旅行パッケージツアー「ぷらっとこだま」を始めとした「ぷらっと●●」シリーズを販売。
また海外ツアーなども一部取り扱いがある。
国内外旅行の取扱額では東部トップツアーズにつぐ国内No.10(取扱額 989億円)。
純利5.7億円。→公式HP
5位 ANAセールス (非上場)・・売上1559億円
国内No.1エアラインであるANAグループの旅行代理店。
ANAの国内チケットを販売する「①航空セールス事業」および、航空券とホテルなどを組み合わせた旅行プランを企画販売する「②旅行事業」から成り立っている。
同社の①航空セールス事業においてはANAグループ旅客収入の ”日本販売分” 約8割の営業収入を販売するなど、ANAグループにとって無くてはならない存在である。
また旅行代理店としては、ANA路線を利用した国内外のパッケージツアーを販売。「旅作(たびさく)」「ANAワンダーワールド」などのブランドで知られている。
国内外旅行の取扱額1,912億円であり阪急交通社につぐ国内No.7の取扱規模となっている。
純利25億円。→公式HP
4位 ジャルパック (非上場)・・売上1751億円
国内No.2エアラインであるJALグループの旅行代理店。
社名「JALパック」をそのままブランド名とし、JAL路線を活用した国内・海外旅行パッケージツアーを展開。
なお同社は自社の販売支店を持っていないため、JALカウンターや他の旅行代理店・WEBを経由して商品を販売している。
国内・海外旅行の取扱額は1,773億円でありANAセールスにつぐ国内No.8の取扱規模となっている。
純利NA。→公式HP
3位 KNT-CT HD・・売上4051億円
近鉄グループにおいて旅行業を手がける持株会社。
近畿日本ツーリストとして長年親しまれてきたが、2013年にクラブツーリズムとの経営統合を行い、さらに色々あって現社名に変更された。
「近畿日本ツーリスト」ブランドにおいて団体旅行事業を強みに全国展開し、 あわせて個人旅行事業を店頭・WEB等のチャネルで販売している。
また経営統合したもうひとつの「クラブツーリズム」ブランドにおいては、国内最大規模のメディア販売型旅行会社(新聞などに広告をだし電話やネットで受付する)となっている。
国内・海外旅行の取扱額は4,825億円でありJTB、楽天につぐ国内No.3の取扱規模となっている。
平均年収637万円。→公式HP
2位 HIS・・売上7285億円
東京に本社をおく大手旅行代理店グループ。
旅行代理店においてはJTBグループ(非上場)につぐ売上国内No.2企業である。
1980年設立当時から旅行業界ベンチャーとして、格安航空券をはじめ、オーストラリアでのホテル事業、また1996年には航空会社・スカイマークエアラインズの設立を発表するなど、新たなチャレンジを繰り返してきた。
海外への格安航空券の販売が主であるが、現社名に変更された1990年頃から自社企画の海外パッケージツアー商品も販売するようになり、グループのホテルなども持つようになる。
2000年代からは格安航空券のほか、海外を主体とした安価パッケージツアー、フリープランを中心に発売している。海外への格安航空券の販売で拡大してきた背景上、国内旅行の取扱いが極端に少なく、また国内旅行取扱い可能の営業所も少ない。
最近では「変なホテル」というガチで変なホテルが日本にくる旅行者の間で話題を集めており、順調にビジネスを拡大している。
また国内・海外旅行の取扱額は4,876億円でありJTB、楽天、KNT-CT(近畿日本ツーリスト他)につぐ国内No.4の取扱規模となっている。
平均年収413万円。純利益132億円。→公式HP
1位 JTB (非上場)・・売上1.3兆円
取扱額・売上規模ともに国内最大の旅行会社。
1963年、財団法人であった日本交通公社の営利部門を民営化し「日本交通公社」としてスタート。現在はJR各社やメガバンク、日本交通公社が株主となっているが、株式は公開されておらず未だに非上場をつらぬいている。
総合旅行代理店であり個人むけ、法人むけ、オンライン予約、海外事業まで幅ひろい。
就活生の就職志望企業アンケートでつねに上位ランキングされる人気企業でもある。
が、なぜ業績よこばい〜将来減が確定の将来性のない企業に入りたがるのかナゾは深まるばかりである。
日本国内での代表的なサービスは以下のとおり。
- ルックJTB:海外旅行パッケージツアー、オンライン予約および窓口販売
- エースJTB:国内旅行ツアー
- 旅物語:メディア型直販商品、海外旅行・国内旅行
- るるぶ:旅行雑誌
- JTB時刻表
- その他:旅行業以外にもホテル、不動産、金融、情報サービスなどに多角化
平均年収857万円。純利38億円。→公式HP
国内・海外旅行の取扱金額ランキング
旅行代理店は売上ばかり見ていても、その会社の規模はなかなかわからない。なぜなら売上は、例えばあなたが予約したホテル代やチケット代をふくまない場合があるから。
くわしく語ると長くなるので省略するが、旅行代理店においてはすべてのホテル代やチケット代が売上として計上されるわけでは無い。
そういった意味で「国内・海外旅行の取扱額=実際にどれだけの金額を扱ったか」を見たほうが適正かもしれない。
ということで各社の取扱額ランキングも紹介しておく。
※データは2017年4月~2018年3月の1年間分(出所:観光庁)
- JTBグループ・・1兆7151億円(前年比+0.6%)
- 楽天・・6,101億円 +8.8%
- KNT-CT・・4,908億円 +1.7%
- HIS・・4,876億円 +11.2%
- 日本旅行・・4,338億円 +1.7
- 阪急交通社 (3社計) 3,455億円 +8.4%
- ANAセールス・・1,912億円 ▲2.3%
- ジャルパック・・1,832億円 +3.4%
- 東武トップツアーズ・・1,392億円 +0.1%
- JR東海ツアーズ・・989億円 +3.5%
- 名鉄観光サービス・・945億円 +4.7%
- 農協観光・・706億円 ▲3.9%
- ビッグホリデー・・603億円 +3.8%
- DeNAトラベル・・555億円 +2.6%
- 日新航空サービス・・534億円 +9.4%
- びゅうトラベルサービス・・489億円 ▲4.7%
- 読売旅行・・452億円 ▲6.2%
- エムオーツーリスト・・425億円 +4.2%
- 日通旅行・・421億円 +2.4%
- 西鉄旅行・・362億円 +2.5%
- 日立トラベルビューロー・・344億円 +6.8%
- エヌオーイー・・323億円 +9.2%
- 郵船トラベル・・303億円 +6.5%
- 沖縄ツーリスト・・297億円 ▲6.9%
- IACEトラベル・・263億円 +4.9%
- タビックスジャパン・・258億円 ▲2.9%
- 旅工房・・243億円 +7.4%
- 京王観光・・242億円 ▲0.4%