【2019年】製薬メーカー平均年収ランキングTOP50

【2019年版】製薬メーカー(先発薬・ジェネリック・バイオ医薬品など)の平均年収ランキング。

この記事では平均年収1000万円を超える企業10社および、ランキングTOP50までを紹介します。2018年3月期あるいは同等の有価証券報告書からくる、最新の平均年収ランキングです。

就職・転職のご参考にどうぞ。

※「ホールディングス=HD」と省略。

【2019年版】製薬メーカーの平均年収ランキングTOP50

平均年収だけでなく業種、平均年齢、平均勤続年数、従業員数、売上高、当期純利益も掲載しておく。ちょっと見にくいけどご了承を…

1~30位

※「ホールディングス=HD」と省略。

31~50位

非上場企業は年収データを開示しておらず、とくに外資系企業(非上場が多い)に抜けがある点はご了承を。

実際には平均年収1000万円を超える企業はまだまだある。どんな業界あるいは企業が上位にランクインしているのか、傾向をザックリ把握するという使い方をオススメする。

まとめ

まずはザックリと全体のまとめ・総括をしておく。

1. 先発薬メーカーは年収高く、ジェネリックメーカーは低い

表をご覧のとおり。

製薬メーカーの年収はソレイジア・ファーマが平均年収1576万円で断トツのNo.1。つづいてシンバイオ製薬(1195万円)、第一三共(1103万円)、そーせいグループ(1087万円)と続く。

TOP10のなかには先発医薬品メーカー5社、創薬ベンチャー・バイオベンチャー企業5社が占めた。このうち創薬・バイオベンチャーは次の項目で語るカラクリによって年収が高く見えているため短絡的に判断しないほうがいい。

いっぽうでジェネリック医薬品や一般用薬品メーカーはTOP16の大正製薬HD(876万円)が最高順位。TOP50を見渡しても平均年収が低い傾向にある。

これは、ジェネリック医薬品や一般用薬品メーカーは先発薬ほどの付加価値を生み出していないからであり、ある程度は仕方ない。

仕事によって生み出す付加価値が高ければ高いほど、給料も高くなるのが資本主義である。

2. 創薬ベンチャーは年収が高くでる

製薬メーカーの年収ランキングでは創薬ベンチャー企業が上位にランクインする結果となった。

これはなぜかと言うと、創薬ベンチャー企業においては工場を持たない企業が多いから。一般的に、工場を持つメーカーは従業員の多数をしめる現場ワーカーの年収が低いために平均年収も低くなりがち。

ところが工場を持たない創薬ベンチャーの従業員は基本、大卒の研究員や事業企画などのホワイトワーカーが大半を占める。したがって平均年収が高くなる。

ご参考までに。創薬ベンチャーのビジネスモデルについて良い資料があったので下画像に貼っておく。ようは創薬ベンチャーは薬をうることが目標なのではなく、新薬パイプラインを作りまくって製薬会社にパイプラインを売りつけることで成り立っている。

【出所】ブライトパス・バイオ 個人投資家向け説明資料→WEBサイト

3. 持株会社も年収が高くでる

また持株会社も高くなる。

たとえばTOP50入りした製薬メーカーだと、

  • 6位 大塚HD 平均年収1076万円(年齢44.3歳)
  • 12位 キョーリン製薬HD 930万円(44.7歳)
  • 16位 大正製薬 HD 876万円(44.6歳)

などあり。でもじつは持株会社も同業他社とたいして年収に違いは無い。

大塚HDが年収の高い企業のように見えるが、実際には決してそんなことはない。

では、なぜ持株会社の平均年収が高くなるかというと…

持株会社にはブルーワーカーがいないから。さらに従業員は管理職以上のおっさんばかりで構成されており結果として高年収となる。

たとえば、

  • 部長50歳 年収1500万円
  • 次長45歳 年収1200万円
  • 課長40歳 年収1000万円
  • 課長代理35歳 年収750万円
    ⇒ 平均年収1112万円、平均年齢42.5歳、従業員数4人

こんな感じの人員構成だと平均年収1112万円・平均年齢42.5歳になることがわかる。

そして、このような人員構成の部署なりグループが10個あると従業員数40人の持株会社で平均年収1112万円となるだろう。

したがって大卒総合職の年収を考えるのであれば、持株会社の年収は参考になる。いっぽうで現場ワーカーなどヒラ社員の年収を見るには不適切。まったく当てにならない。

逆にいうと持株会社にしていないメーカーで平均年収ランキングTOP100に入るような企業は総合職・一般職とわず確実に年収高い。

メーカーで年収の高い業界、低い業界

ところで。

製薬メーカーにかぎらずメーカー業界の中でも細かい業種別に年収ランキングをつくるとしたら、

高年収「別格キーエンス >> ファナック >>>> 製薬≒石油元売 > 鉄鋼≒化学素材≒電気機器≒機械・重工業≒ビール≒非鉄金属≒自動車・自動車部品 > 食品」低年収

といった感じになる。これは大卒総合職だけでなく現場の一般職にもつうじる傾向であり、あとはその企業の業績によって毎年違う(±100万円くらいは簡単に変わる)。

もちろん企業によって違うので要、個別検証。

ランキングTOP20の解説

製薬メーカーの年収ランキングでは順当に大手が上位にランクインしているが、誰も知らない企業もチラホラ出現している。したがってTOP20については企業の補足とコメントをしておく。

1位 1576万円 ソレイジア・ファーマ (48.4歳)

抗がん剤など、がん領域の治療に特化した専業メーカー。

2006年に創業し2017年3月に東証マザーズに上場した新しい会社であるため知名度は低く、従業員も2017年12月時点で15人しかいない(平均年齢48.4歳)。ということで今のところ小規模製薬ベンチャーの域を出ていないが、いちおう上場企業であるためランキングに入れておいた。

世界中から有望な医薬品を探してきて販売権や開発権を購入し商業化する、というビジネスモデルをメインとしている。が、そう簡単にヒットするものでもなく黒字化までのハードルは高い。

その代わり当たればとてつもなくデカイのだけど…。

2位 1195万円 シンバイオ製薬(49.9歳)

バイオ系の医薬品メーカー。2005年創業、2011年からJASDAQに上場しており中堅ベンチャーとの位置付けである。

抗がん剤や血液疾患、自己免疫疾患領域において他社が海外で開発中の医薬品を導入し、国内上市を目指すことをビジネスモデルとしている。

製薬は先発薬メーカーであればどこも給料高い。けどシンバイオ製薬は平均年齢が50歳近いので先発薬メーカーの中では実質、中級クラス。

主力は抗悪性腫瘍剤「トレアキシン」であり、2017年度は76億円の売上をあげた。今後はトレアキシンの新領域における承認をめざし、2021年度の黒字化をめざしている。

年収は平均年齢を考えると決して高くはない。バイオ創薬ベンチャーであり万年赤字だから仕方ないのだけど…。

3位 1103万円 第一三共 (42.5歳)

2005年に三共と第一製薬の統合によって設立された製薬メーカー。製薬業界における売上は国内4位 (9,601億円)。血栓、循環代謝、癌領域に注力している。

2013年度の決算では売上1兆円を超えたが、その後は失速して1兆円に届かない範囲で収まっている(安定しているとも言う)。売上の6割超は国内であり、海外売上比率はそこまで高くない。

工場の現場ワーカーなど一般職もいれての平均年収1103万円はすごい。言うまでもなくメーカーの中では高く、トップクラスである。

大卒で人並みに働いていれば30代中盤・年収1,000万円くらいのイメージ (MRの期待値はもっと高いが激務。工場ワーカーの年収はもっと低い)。

4位 1087万円 そーせいG (46.5歳)

1990年創業、2004年に東証マザーズに上場したバイオベンチャーである。

グローバルな研究開発、ライセンス、買収事業などを展開する。創業当初は主力のパイプラインが計画どおりに進まず2012年度ころまでほぼ営業赤字であったが、現在は営業黒字化を果たしている。

変革点として、従来注射剤として使用されていた薬剤の新たな適応(慢性閉塞性肺疾患)を見出したシーブリを製薬大手ノバルティス(スイス)に導出し、2012年よりロイヤルティ収入を得ることに成功。

さらに2015年にはバイオベンチャーの英へプタレスを480億円で買収。日本の創薬企業の買収金額として当時過去最大と言われた。この買収によって同社のパイプラインを取得するとともに製薬大手との共同開発などによって着実なマイルストン収入を得ている。

平均年収はそれなりに高いが、大手に比べてやはり劣る。製薬はベンチャーといっても人材を確保するために、それなりの年収にしなければいけない。

5位 1079万円 アステラス製薬 (43.2歳)

先発薬メーカー大手。売上は国内製薬メーカーNo.2(No.1は武田薬品工業)。泌尿器、移植分野に加え、米国社買収で抗がん剤を第3の柱に育成した。

2013年度決算ではじめて売上1兆円をこえ、その後も海外を中心に売上を伸ばしている。2007年度は海外売上比率は5割そこそこだったが、ここ10年の間に海外M&Aや海外増販によって最近では海外売上7割にせまる勢いである(国内事業が低迷しているせいもあるが…)。

工場の現場ワーカーなど一般職もいれての平均年収1079万円はすごい。言うまでもなくメーカーの中では高く、トップクラスである。なお営業職(MR)は給料は高いが精神的にツライのであまりオススメしないが、研究開発や間接部門(人事や経理など)、一般職であれば高給・まったりの素晴らしい仕事である。

6位 1076万円 大塚 HD (44.3歳)

大塚製薬などを傘下におく持株会社。おもに医薬品と機能性食品の事業から成り立つ。製薬業界における売上では武田薬品工業、アステラス製薬につぐNo.3。

消費者にはポカリスエットで知られる大塚製薬だが、実際には医薬品が同社の柱であり売上8,000億円強は医療事業からくる。ちなみにポカリスエットなどを扱うNC事業は3,000億円強の売上にとどまる。

大塚HDにおいては2014年当時、全グループ売上の半分を稼いでいたエビリファイ。特許切れで現在は全盛期の1割以下の売上にとどまるも、新薬リリースによってある程度カバーできているから凄い。

ただし利益面においては言うまでもなく急下降し、2017年度決算ではピーク時からおおよそ半減してしまった。

そして今後は新薬パイプラインの順調な立ち上がりによって、徐々に回復の見込みである。全社売上の半分をしめた製品が無くなっても、案外なんとかなるものである。

なお持株会社であるため、従業員86人の平均年収であり参考値にしかならない。実際にはほか大手製薬と比較して大塚製薬は年収低い。なぜなら他は全従業員の年収データであるのにたいし、大塚HDだけは持株会社の年収だから。

製薬業界においては異例ともいえる年収の低さであり、大手化学メーカー並かもっと低い恐れあり、要注意。

7位 1044万円 エーザイ (44.7歳)

製薬メーカー大手。消費者むけ美容ドリンク「チョコラBB」などで知られる企業であるが、それは同社ビジネスのほんの一部。柱はあくまでも医療用医薬品である。

2018年3月期決算では中国・欧州およびロシア事業が大きく成長し、全社として4%の増収。また営業利益は米国をのぞく海外事業の好調および、製薬大手Merck (独) などとのパートナーシップによる契約一時金が寄与し30%増と大きく躍進した。しかし、過去最高売上を達成した2009年度8,000億円には及んでいない。

なお年収はソニー本体だけの従業員から導き出された平均値である。ソニーはほとんどの事業を分社化(子会社化)しており、本体にはたった2,428人しか従業員がいない(グループも含めると日本だけで44,000人ほどの従業員数)。したがって現場ワーカーや子会社の年収はもっと低い。

工場の現場ワーカーなど一般職もいれての平均年収1044万円はすごい。言うまでもなくメーカーの中では高く、トップクラスである。

なお営業職(MR)は給料は高いが精神的にツライのであまりオススメしないが、研究開発や間接部門(人事や経理など)、一般職であれば高給・まったりの素晴らしい仕事である。

8位 1038万円 武田薬品工業 (40.8歳)

国内最大手の先発薬メーカーである。米製薬大手のファイザーがあみだしたビジネスモデル(=新薬開発の完全自前主義をあきらめて新薬のパイプラインごと会社を買っていく手法)を大胆に実行している唯一の日系企業。

といっても社長が外人なので経営はアメリカ流なのだけど…。

ということで年収もだんだんと外資企業チックになってきている。同社においてヌクヌクと定年まで勤めるという考えは捨てた方が良い。年収は確かに高いが結構シビアである。

9位 1016万円 ペプチドリーム (38.9歳)

2005年に東大発のバイオ製薬ベンチャー企業として創業。社名にあるとおり特殊ペプチドを応用した医薬品の研究開発を行っている。

製薬大手と共同研究開発契約を締結し、契約初期に「契約一時金」を受け取り、開発の進捗により「創薬開発権利金」や「目標達成報奨金」が入り、製品が上市すると「売上ロイヤルティ」が発生する。このように各段階で収益が生じるビジネスモデルを構築している。

新薬を上市してきたわけではないが、上記モデルによって早期に黒字化を達成し、2018年度決算では過去最高益を見込んでいる。

なお大学発バイオベンチャーには他に、オンコセラピー・サイエンス(東大医科研)、アンジェスMG(阪大医)、メディネット(東大医科研)、テラ (東大医科研)、トランスジェニック(熊大)、セルシード(東京女子医大)などがある。

年収は言うまでもなく高く、製薬大手と比べても遜色ないレベル(か若干劣る程度)。ベンチャーとしては破格の報酬と思われる。

10位 1009万円 サンバイオ (41.6歳)

いま流行りの再生細胞医薬に特化するバイオベンチャー企業。2001年、米国にて創業したが2014年に日米親子逆転の企業再編をおこない、現在にいたる。

研究開発を主体にすすめ、2020年に新薬の商業化をめざしている。

年収は高いが製薬大手と比べてしまうと若干劣るレベル。なお製薬ベンチャーには基本、高学歴のホワイトワーカーしかいないため平均値は高くなる。

製品があってちゃんとビジネスを展開している製薬メーカーは工場をもち、年収の低い現場ワーカーもおおいため平均値はどうしても下がる。

11位 952万円 中外製薬 (42.6歳)

大手製薬メーカーの一角をなし、国内No.6の売上規模(医療用医薬品)。国内のがん領域・抗体医薬品の売上シェアNo.1。

2002年にスイスの大手医薬品メーカー、ロシュとの戦略的アライアンスに基づきRocheグループ傘下となった。もともとの中外製薬のバイオをはじめとした独自創薬技術にくわえ、ロシュとのアライアンスによる新薬パイプラインを保有。

以降は、売上・利益ともにおおむね右肩上がりに成長。2017年度決算においては過去最高売上・過去最高利益を更新した。事業拡大にくるしむ他大手製薬メーカーとは対照的である。

なお実質上ロシュによる買収であるが、いちおうは独立経営および東証一部上場であり、それなりの体裁を維持している (ただし60%超の株式をロシュが保有)。

年収はいうまでもなくメーカー業界のなかでは高い部類に入る。

12位 930万円 キョーリン製薬 HD (44.7歳)

先発医薬品メーカーの杏林製薬などを傘下におく持株会社。製薬メーカーとしては中堅クラスに位置する。呼吸器科・耳鼻科・泌尿器科が重点領域。

中堅クラスとはいえこの平均年収なのだから恵まれていると考えるべき。

13位 919万円 塩野義製薬 (41.4歳)

大阪府に本社を置く大手製薬メーカー(先発薬)。略称は「シオノギ製薬」「シオノギ」。

売上は過去最高の4,200億円を達成した2001年度以降、2,000億円を割り込んでいた時期もあったが近年は回復傾向。

また利益面でみると導出によるロイヤリティ収入(特許などを他社に貸した対価)がおおきく寄与し、2016・2017年度と連続で過去最高純利益を更新した。純利1,000億円超はスゴイ。

年収はメーカー業界のなかでは高い部類にはいる。大卒総合職であれば30代中盤 年収1000万円前後が見えるだろう(出世スピードにもよるが…)。

14位 905万円 小野薬品工業 (41.4歳)

医療用薬品メーカーであり、国内売上12位に位置する。がん治療およびそのサポーティブケアのを重要な戦略分野と位置づけ、創薬研究においては独自の「化合物オリエント」という創薬手法が基盤となっている。

15位 885万円 アンジェス (48.3歳)

遺伝子医薬品や難治性疾患を中心としたバイオ医薬品メーカー。開発や販売については製薬会社との提携により事業基盤を強化。

1999年に大阪大学発のバイオ製薬ベンチャー企業として創業。社名にあるとおり特殊ペプチドを応用した医薬品の研究開発を行っている。2002年にはバイオベンチャーとして初めて東証マザーズに上場した。

東大発のペプチドリームとおなじく、大学発のバイオベンチャーとして注目を集める存在である。

しかしビジネスの面では黒字化を成し遂げたペプチドリームとは対照的で、全くうまくいっていない。創業以来、ほぼ営業赤字がつづいている。利益をだすというやる気が一切感じられない企業である。

それでも給料を支払うだけの能力があるのだから凄い。投資家は一体どういう気持ちで見ているのだろうか。

16位 876万円 大正製薬 HD (44.6歳)

一般用医薬品メーカー最大手。リポビタンシリーズ、パブロン、リアップ(育毛剤)の3分野を柱としている。

収益源はリポビタンシリーズでドリンク剤市場で5割近いシェアを保持、売上では同社のセルフメディケーション事業の3割強を占めているがシェアは年々低下傾向。それにともない収益性も悪化している。

成長ドライブは海外事業(2000年以降、複数の企業を買収した)であり、低調な国内事業を海外の成長でおぎなっている。

給料は正直いって低い。医療用ではなく一般用薬品メーカーであるため仕方ないのだが、大卒ばかりで構成される持株会社でありながらこの年収では就職する気にならないレベル。

17位 875万円 田辺三菱製薬 (45.0歳)

2007年に当時の三菱ウェルファーマと田辺三菱製薬が経営統合して発足。売上規模では国内8位の製薬メーカーである。

現在は国内No.1化学メーカー・三菱ケミカルHD傘下企業。

売上は2008年度以降ほぼ横ばいではあるものの、自社開発品のロイヤリティ収入(他社へ特許などを貸した対価)によって合併当時から利益は倍増した。

海外売上比率10%未満であり、他大手製薬メーカーと違い国内メインのスタンスを取っている。海外はおもに他社に導出し、ロイヤリティを得ることで収益を確保している。

三菱ケミカル傘下だけあって、給料もどことなく化学メーカーよりになっている。大卒であっても40歳・年収1000万円に届かないかもしれない。

とにかく他製薬大手より年収低いのは確実である。

18位 873万円 ジーエヌアイグループ (46.9歳)

2001年創業のバイオベンチャー中堅企業。2007年には東証マザーズに上場した。おもに中国を拠点に新薬探索・臨床開発から製造、販売まで一貫した事業を行っている。近年上市したアイスーリュイが中国において売上拡大中。

創業以来赤字だったが2017年度決算において初の黒字化。今後も黒字を維持・拡大できるだろうか?

19位 866万円 生化学工業 (40.1歳)

糖質科学に特化した製薬メーカー。売上300億円程度の小規模製薬メーカーである。

給料は会社の規模を考えると高いと言える。

20位 865万円 ブライトパス・バイオ (42.5歳)

福岡県に本社をおくバイオ創薬ベンチャーである。2003年に創業され、2015年に東証マザーズ上場を果たした。

がん免疫治療薬の探索研究から初期臨床試験までを行っている。現時点で売上額より赤字額のほうが大きいのだが、創薬ベンチャーなので仕方ない。

メーカー業種別の平均年収ランキング

つづいて業種別の平均年収ランキングも掲載しておく。総合商社やテレビ局・コンサル・金融などの激務業界とくらべて年収はやはり低い傾向。

それでも平均1000万円超えるような企業もあり。

メーカーは一部の激務企業をのぞいて労働時間が短いので、コスパ重視の人にはオススメの就職・転職先である。

そして工場のブルーワーカーが圧倒的に多いので平均年収も低くなりがち。それなりの会社であれば総合職入社で40歳時・年収1000万円前後。もちろん、それより年収高い企業もたくさんある。くわしくは別記事でまとめている。

製薬メーカー

医薬品メーカーは2019年現在で67社の上場企業あるが、そのうち24社が全メーカー年収ランキングTOP100にランクイン。

製薬メーカーはメーカー業界の中において特異的に年収の高い企業がおおい。会社の規模はほとんど関係ない。大卒のMR(営業)および開発職の人数比率が高いためでもあるが、もともと他メーカーと比べても年収高い。※入社2~3年目でも年収700万円くらいは目指せるであろうMR(営業)が年収を押し上げているものと推測するが、間接部門や開発部門であれば仕事まったり高給である。

メーカーでかつ持株会社じゃないのに平均年収1000万円を超えている会社はガチで給料高い。いっぽうで製薬メーカーでも持株会社となっている企業については要個別検証である。

ただし年収高いのは新薬メーカーに限り、ジェネリック医薬品や一般薬品メーカーはそこまで期待できない。

機械・電気機器・精密機器メーカー

機械・電気機器・精密機器メーカーは業績の上下が激しく、年収も結構振れる。好景気のときにはボーナスが弾み年収も高くなる傾向。

2016-2018年においては大半の企業が好業績であり、新たにランクインした企業もおおい。

化学素材メーカー(石油・繊維・ゴム・ガラス土石含む)

化学素材業界においては、三菱ケミカルが特別給料の高い会社というわけではなく基本、大企業であればどこも大差ない(ただしJXはそれを抜きにしてもメーカー業界では年収トップクラス)。

まとめると「石油関連 > 化学素材≒ガラス土石≒ゴム > 繊維」といった感じ。あとは企業の業績によってだいぶ上下するのでご注意を。将来性のありそうな企業を選ぶことが就職・転職においては最重要である。

食品・飲料メーカー(ビール含む)

食品飲料メーカーで全メーカーTOP100までにランクインしたのは持株会社(「●● HD」としてある企業および「●● 本社」に該当)が大半。プラス「サントリー食品」は実際のビジネスを子会社のサントリーフーズなどにやらせていて、サントリー食品としては統括機能がほとんどと思われるため持株会社と同様のあつかい。

すでに述べている通り持株会社の平均年収は大卒総合職の年収を把握するには役立つが、全従業員の平均年収を知るにはつかえない。

TOP100入りした13社のうち9社が持株会社である。

そんな中「味の素」「日本たばこ産業(JT)」「江崎グリコ」「日本ハム」は全従業員の平均年収であるにもかかわらずメーカーTOP100入り。実際の年収も高いことが伺えるうえに、大卒総合職の年収は必然的にもっと高くなるだろう。

また食品・飲料メーカーは薄利多売ビジネスの企業がおおく、年収はメーカーの中でもそんなに高くない。ただし企業にもよるので要、個別検証。

※サントリービールは非上場であるためランク外としたが、食品・飲料業界の中ではキリンビール・アサヒビールにつぐくらいの高年収が望める。

鉄鋼・非鉄金属・金属製品メーカー

鉄鋼・非鉄金属・金属製品メーカーの上場企業は2019年現在で174社ある。そのうちたった5社しか全メーカー年収ランキングTOP100入りしていない。

そしてランクインした企業もすべて持株会社であり、少数の従業員から割り出した平均にすぎず、まったく当てにならない。

年収が低く出ている理由は以下のとおり推測。

  1. 鉄鋼メーカーはリーマンショック以降の鉄鋼不況(市況価格低迷)により業績がイマイチ振るわないため、ボーナスも低く、結果として年収も低迷しがち。とくにJFEの低迷がヒドイ(絶頂期の2006年3月期は平均年収1246万円 / 44.5歳であり、鉄鋼不況の間に300万円も年収が下落している。逆に当時はバブっていたともとれるが…)。
  2. 非鉄金属業界はもともと利益率の低い企業が多く、したがって従業員への還元もイマイチ良くない。一部の有力企業をのぞいて年収増の要素があまり無い。
  3. 金属製品業界はビジネスが多岐にわたるため一概には言えないが、工場ワーカーの比率が高いため年収低くなりがち(人手が必要となるビジネスであるケースが多い)。

完成車・自動車部品・輸送機器メーカー

完成車・自動車部品・輸送機器メーカーの上場企業は2019年現在で95社ある。そのうちたった4社しかメーカー年収ランキングTOP100入りしていない。

年収が低く出ている理由は以下のとおり推測。

  1. 輸送機器業界は持株会社がすくなく、純粋な全従業員の平均年収で勝負している。
  2. とくに完成車メーカーは完成までの工程があまりに多すぎて、なんだかんだ人海戦術に頼っている部分もまだまだ沢山ある。結果として現場ワーカーが多くなり、平均年収を下げている。

反則ワザの持株会社にせず純粋に全従業員で勝負しているため、ランクインする企業が少なくても仕方ない。

実際にはトヨタ自動車やデンソーの年収は高いし、総合職であればトヨタ系列の主要自動車部品メーカーの年収も高い(メーカーの中ではという話)。あとはそれなりで、平均値以上ではある。

紙パルプ・その他製品メーカー

あとは紙パルプおよび、その他製品のメーカー年収ランキングTOP100入りした企業たち。

紙パルプ業界はNo1の王子HD(王子製紙を中核とする持株会社)ですら平均年収875万円であるため、年収の面では基本的にオワコン業界と考えて良い。

結論

で結論。

もっとも重要なのは現在〜将来にわたり業績拡大の期待できる企業に就職・転職すること。そうすれば自動的にボーナスが上がり、年収は高くなる。

ただしその見極めが非常に難しいのだけど…

当ブログではその判断材料をできる限り提供しているので、業界研究カテゴリーものぞいてみてほしい。

参考記事