「お考えいただく vs くださる」意味と敬語・使い分け

① お考えいただく

vs.

② お考えくださる

の敬語、意味と違い、目上・上司・取引先への使い方、注意点についてビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説していく記事。

まずは基本。

「お考えいただく vs お考えくださる」の意味はそれぞれ

  1. お考えいただく → 考えてもらう
  2. お考えくださる → 考えてくれる

どちらも正しい敬語であり使い方はたとえば…

① お礼「考えてくれてありがとう」

  • 例文「お考えいただきありがとうございます」
  • 例文「お考えいただけるとのことありがとうございます」
  • 例文「お考えくださいましてありがとうございます」

② 希望・依頼・お願い「考えてほしい」

  • 例文「お考えいただきたく存じます」
  • 例文「お考えいただければと存じます」
  • 例文「お考えいただければ幸いです」
  • 例文「お考えいただきますようお願い致します」
  • 例文「お考えくださいますようお願い申し上げます」

※「存じます」は「思う」の謙譲語”存じる”＋丁寧語”ます”

※ただし「ご検討」に言い換えるのが一般的です

③ 考えてもらえる●●

  • 例文「お考えいただけるようでしたらお願いいたします」

のようにしてメールに使うと、上司・目上やビジネスパートナーに使えるすばらしい敬語フレーズになります。

使い方は依頼・お礼メールなどいろいろあり。

どちらをつかっても丁寧な敬語であり使い分けの必要はありません。

その根拠については本文にて。

ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、本文中ではメール例文をまじえながらくわしく進めていきます。

※長文になりますので時間の無い方は「見出し」より目的部分へどうぞ。

意味・敬語の違い

まずは「お考えいただく vs お考えくださる」の意味と敬語における違いについて簡単に。

ようは「考えてもらう vs 考えてくれる」ということなのですが、あまりに乱暴なのでもう少しくわしく解説します。

“お考えいただく”の意味・敬語

「お考えいただく vs お考えくださる」の違い

まず

「お考えいただく」の辞書的な意味は…

「考えてもらう」であり、おもにビジネスシーンでなにかしら考えてほしいとき。依頼・お願いにつかう敬語フレーズです。もちろんお礼などにも使えます。

「お考えいただく」の敬語を細かくみていくと、以下のような成り立ちです。

  1. 元になる語は“考える”
  2. “〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜いただく」で「お考えいただく」

謙譲語をつかい、この上なく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

こうすると「ありがたくも考えてもらう」というようなニュアンスになります。

したがって上司・目上やビジネスメールで使うのにふさわしい表現、と言えるでしょう。

ちなみに「お考え」の「お（ご）」は謙譲語と尊敬語の使い方があります。ここでは「自分が〜してもらう」というように自分を主語にしているため謙譲語としての使い方です。

“お考えくださる”の意味・敬語

「お考えいただく vs お考えくださる」の違い

つづいて

「お考えくださる」の辞書的な意味は…

「考えてくれる」であり、ビジネスシーンでなにかしら考えてほしいとき。依頼・お願いにつかう敬語フレーズです。もちろんお礼などにも使えます。

「お考えくださる」の敬語を細かくみていくと、以下のような成り立ちです。

  1. 元になる語は“考える”
  2. “〜してくれる”の尊敬語「お（ご）〜くださる」で「お考えくださる」

尊敬語をうまくつかい、この上なく丁寧な敬語表現となっていることがわかります。

こうすると「ありがたくも考えてくれる」というようなニュアンスになります。

ちなみに「お考え」の「お（ご）」は謙譲語と尊敬語の使い方があります。ここでは「相手が〜してくれる」というように相手を主語にしているため尊敬語としての使い方です。

違いと使い分け

ここまで意味と敬語についてみてきました。

さて「お考えいただく vs お考えくださる」の違いにお気づきでしょうか？

どちらも結局のところ言いたいことは同じ。

「考えてもらう・考えてくれる」

と言いたいわけですが…

  • “お考えいただく“だと意味は「考えてもらう」
    →敬語は謙譲語「お（ご）〜いただく」

vs.

  • “お考えくださる“だと意味は「考えてくれる」
    →敬語は尊敬語「お（ご）〜くださる」

というように意味と敬語の使い方が違います。

いい加減しつこいのですが、だからといって言いたいことは全く同じなわけです。

したがって、

敬語の使い方には違いはあれど、どちらもひとしく丁寧な敬語であり目上・上司・社外取引先につかえるフレーズです。

ただ少しニュアンスの違いというか敬語の使い方が違うよ、ということですね。

ちなみにビジネスメール結びとして一般的なのは「お考えくださる」のほうですが、心底どちらでも差し支えありません。

“お考えいただく vs お考えくださる”の使い方

つづいて「お考えいただく vs お考えくださる」の使い方について。

代表的なパターンを表にまとめておきます。

こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。

▼「お考えいただく」の使い方まとめ（すべて敬語）

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在  お考えいただく -いただきます -頂くよう
-頂きますよう
過 去  お考えいただいた -いただきました ×
進行形  お考えいただいている -いただいています -頂いております
過去~現在  お考えいただいていた -いただいていました -頂いておりました
希 望
依 頼
  お考えいただきたい
お考えいただきたく
お考えいただくよう		 -いただきたいです

-いただきますよう

 -頂きたく思います
-頂きたく存じます
-頂ければと存じます
可 能  お考えいただける -いただけます -頂けるよう
-頂けますよう
仮 定  お考えいただければ -いただけましたら ×
疑 問  お考えいただけるか？ -いただけますか？ -頂けますでしょうか
否 定  お考えいただけない -いただけません ×
命 令 × × ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※「×」としたのは一般的につかわない

▼「お考えくださる」の使い方まとめ（すべて敬語）

①基本 ②+丁寧語”ます” ③その他
現 在  お考えくださる -くださいます -くださるよう
-くださいますよう
過 去  お考えくださった -くださいました ×
進行形  お考えくださっている -くださっています -くださっております
過去~現在  お考えくださっていた -くださっていました -くださっておりました
希 望
  お考えくださるよう -くださいますよう ×
可 能 × × ×
仮 定 × × ×
疑 問  お考えくださるか？ -くださいますか？ ×
否 定  お考えくださらない -くださいません ×
命 令  お考えください -くださいませ ×

※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。

※「×」としたのは一般的につかわない

 

【補足】敬語の種類（ざっくり復習）

① 尊敬語とは？
相手をうやまって使う敬語の一種。
相手の行為にたいして使い、自分の行為には使わないことが基本。

敬語の種類はほかに②謙譲語、③丁寧語がある

② 謙譲語とは？
自分をへりくだって下にすることで、相手への敬意をあらわす敬語。
自分の行為に使い、相手の行為には使わないことが基本（例外あり）。

③ 丁寧語とは？
いわゆる「です・ます」口調のこと。

使い方

つづいて「お考えくださる vs お考えいただく」の使い方を例文で紹介します。

目上・上司にはもちろんのこと、社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。

使い方①相手に考えてほしい時

相手に「考えてほしい・考えてもらいたい」ときは…

  • 【例文】お考えいただきたく存じます
  • 【例文】お考えいただきたく、お願い致します
  • 【例文】お考えいただければと存じます
  • 【例文】お考えいただきますようお願い申し上げます
  • 【例文】お考えくださいますようお願い申し上げます
  • 【例文】お考えいただければ幸いです
  • 【例文】お考えいただけましたら幸いです
  • 【例文】お考えいただけますか／ますでしょうか？

※「ご検討いただく・ご検討くださる」をつかったフレーズに言い換えOK

▼敬語の補足

・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望”～したい”
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定”たら・れば”
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」＋丁寧語”ます”＋仮定”たら・れば”
・「幸いです」は「幸い」＋丁寧語”です”
・「ますよう」は丁寧語”ます”+”ように”

使い方②相手に「お考えありがとう！」とお礼するとき

相手に「お考えありがとう！」とお礼するときは…

  • 【例文】お考えありがとうございます
  • 【例文】お考えいただけるとのことありがとうございます
  • 【例文】お考えいただきありがとうございます
  • 【例文】お考えいただきましてありがとうございます
  • 【例文】お考えくださいましてありがとうございます

※「ご検討いただく・ご検討くださる」をつかったフレーズに言い換えOK

使い方③考えることができません！と断るとき

①上司なり取引先・目上の相手が「考えることができません！」とするときは…

  • 【例文】お考えいただけません
  • 【例文】お考えいただくことはできません

②自分が「考えることができません！」とするときは…

  • 【例文】お考えいたしかねます
  • 【例文】お考えしかねます
  • 【例文】●●のためお考えすることが叶いません
  • 【例文】お考えすることが大変困難でございます

無理やり感のある例文になってしまいました…すみません。

こんなときには「ご検討いたしかねます」「お受けいたしかねます」などの敬語をつかいますね。

使い方④考えてもらえる●●

考えてもらえる●●

  • 例文「お考えいただけるようでしたらお願いいたします」

使い方⑤自分が「考えます！」とするとき

ついでに自分が「考えます！」と言いたいときには…

「ご検討」と言い換えて以下のような敬語フレーズをつかいます。

  • 【現在形】ご検討します／（ご）検討いたします
  • 【過去形】ご検討しました／（ご）検討いたしました
  • 【進行形】ご検討しております／（ご）検討いたしております
  • 【希望①】ご検討したく思います／（ご）検討いたしたく思います
  • 【希望②】ご検討したく存じます／（ご）検討いたしたく存じます

▼敬語の補足

・「存じる」は「思う」の謙譲語
・（ご）とした例文は省略可
・「お（ご）～します」は謙譲語「お（ご）～する」＋丁寧語”ます”
・「お（ご）～いたします」は謙譲語「お（ご）～いたす」＋丁寧語”ます”

おもにはこんな感じの使い方があります。

それぞれの意味や敬語の使い方など、くわしい解説は本文の一番最後にあります。

本当はもっといろいろありますが、すべての使い方を例文で紹介しているとそれだけで日が暮れるため、少しだけにしておきますね。

言い換え”ご検討いただく・くださる”もよく使う

必ずしもすべてのビジネスシーンで言い換えできる訳ではないのですが…

「お考え」はたいていの場合、を使うのはあまり一般的ではなく…

「ご検討いただく・ご検討くださる」というフレーズに言い換えできます。

たとえば…

  • 【例文】ご検討いただきありがとうございます
  • 【例文】ご検討いただきますようお願い致します
  • 【例文】ご検討くださいましてありがとうございます
  • 【例文】ご検討くださいますようお願い申し上げます

などいろいろ。

ビジネスメール例文【全文】

ここでは「お考えくださる vs お考えいただく」のビジネスメール例文を紹介します。

先ほど解説したようにビジネスメールでは「ご検討」もよくつかいます。

目上・上司にはもちろんのこと、社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。

例文①アポイント日程調整ビジネスメール

【社外・ビジネス】
訪問・アポイントの日程調整をするビジネスメール例文

件名: 貴社訪問のお願い（転職・ノマド）

ビジネス株式会社
営業部　○○ 様

いつもお世話になっております。転職・ノマドです。

さて首記の件、最新ケミカル市況ご報告のため貴社訪問いたしたく存じます。よろしければ、以下候補のいずれかでお時間を頂ければと存じますが、ご都合のほどいかがでしょうか。

①目的：ケミカル市況のご報告
②候補日程：
・10月23日（月）AM
・10月24日（火）PM
・10月25日（水）PM

突然のお願いにて大変恐れ入りますが、
何卒お考えいただければ幸いです。

よろしくお願い申し上げます。

——————————-
株式会社転職
法人営業部　国内営業課
のまど サラリーマン
〒xxx-xxxx
●●県●●市●●Δ-Δ-Δ
電話：xxxx
FAX：xxxx
E-mail：xxx@xxx
——————————-

このようなシーンでは…

「ご検討いただければ幸いです」とするのが一般的です。

例文②飛び込み営業ビジネスメール

【ビジネス・社外】
飛び込み営業の訪問・アポイント日程調整をするビジネスメール例文

件名: 貴社訪問のお願い（転職・ノマド）

ビジネス株式会社
○○　様

突然のご連絡にて大変失礼いたします。
私、株式会社転職の営業担当・ノマドと申します。

このたびは貴社ウェブサイトを拝見し、弊社CRMサービスがお役に立てるかと思い連絡いたしました。

弊社では革新的なCRMサービスを各企業さまへ提供しており、導入実績も業界No.1となっております。

もしよろしければ一度、貴社へ伺い弊社サービスのご紹介をいたしたく存じます。なお、サービスの概要につきましては別途添付ファイルにてお送りいたします。

誠に勝手なお願いにて恐れ入りますが、お考えいただければ幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。

——————————-
メール署名
——————————-

このようなシーンでは…

「ご検討いただければ幸いです」とするのが一般的です。

例文③打合せ依頼ビジネスメール

【ビジネス・社外取引先】
社外の相手に打合せ依頼をし、候補日を「今月のどこかで」「今週のどこかで」などとザックリ連絡するビジネスメール例文。

メール件名: 打合せのお願い（転職・ノマド）

株式会社ビジネス
営業部　○○ 様

いつもお世話になっております。
株式会社転職・ノマドです。

先般は打合せに際して貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。

さてその後、当社の開発に進捗があり、ご報告のため打合せをお願いしたく存じます。

よろしければ今月のどこかで1時間ほど打合せのお時間を頂戴したく、○○ 様のご都合のよろしい日時をいくつかご教示いただければと存じます。

なお会議の目的等、仔細につきまして以下ご案内申し上げます。

記

①目的
・弊社より新製品開発状況のご報告
・今後の開発方向性のお打合せ
②場所
・貴社へ伺います
③参加者
・弊社●●（上司）、のまど、計2名

以上

お忙しいところ大変恐れ入りますが、
ご検討のほど何卒よろしくお願い致します。

メール署名

 

“お考えいただく”は間違い敬語？

少し話はそれますが「いただく」が謙譲語として誤りだという指摘があります。

間違いだという指摘の根拠は、

  1. “いただく”は「もらう」の謙譲語
  2. 謙譲語は自分の動作を低めて相手を敬うため、基本は自分の行為にしか使えない
  3. “お考えする”のは相手だから…
  4. “お考えいただく”は相手の行為に謙譲語を使うことになり、おかしい？

ということです。

正しい敬語である根拠

まずは結論だけ述べますが「お考えいただく」は間違った謙譲語ではありません。

「お考えいただく」は 「私が相手に考えてもらう」という意味。

もっとかみ砕くと

「ありがたくも私が相手に考えてもらう」というようなニュアンスになります。

自分が上司・目上・取引先など相手に「〜してもらう」の主語は自分であるハズ。したがって自分を低めて上司・目上・取引先をたてる謙譲語「いただく」をつかいます。

ちなみに尊敬語をつかって相手の行為をたてるのであれば…

「お考えくださる＝相手が考えてくださる」をつかえばOK。

謙譲語にも”お（ご）”という使い方がある

ややこしいので基本的な敬語の使い方についてくわしく解説を。

じつは尊敬語と謙譲語にはどちらも「お（ご）」の使い方があります。

謙譲語としての「お（ご）」の使い方はたとえば、

  • 会議日程のご連絡
  • 忘年会開催のお知らせ
  • 販売状況のご報告
  • 転勤のご挨拶
  • 貴社ご訪問のお願い

こんな感じのフレーズがあります。よくビジネスメールの件名で目にする表現ですね。

ところが例文は自分が「ご連絡・お知らせ・ご報告・ご挨拶」するため「お（ご）」をつかうのはおかしいと感じるかたもいらっしゃることでしょう。

これは、

謙譲語「お（ご）」の使い方を知らないためにくる勘違いです。

尊敬語の「お（ご）」だと勘違いしているために間違い敬語と感じるのですが、実際にはどれも正しい敬語をつかっています。

いっぽうで尊敬語の「お（ご）」は、「部長がお戻りになりました」などのようにして、相手の行為をうやまって使う敬語です。

謙譲語の一般形まとめ

謙譲語の「お・ご」は尊敬語の「お・ご」と勘違いしやすい敬語です。

他にもセットで謙譲語として覚えておくと役に立つフレーズを以下にまとめます。

  1. お（ご）〜する
    お（ご）〜します
  2. お（ご）〜いたす
    お（ご）〜いたします
  3. お（ご）〜いただく
    お（ご）〜いただきます
  4. お（ご）〜差し上げる
    お（ご）〜差し上げます
  5. お（ご）〜申し上げる
    お（ご）〜申し上げます
  6. お（ご）〜させていただく
    お（ご）〜させていただきます

※「させていただく」は日本語としておかしい表現になる時もあり何でもかんでも使える訳ではない

「〜」の部分にイロイロな語がきて謙譲語になります。たとえば「了承」「教示」「承諾」「検討」「容赦」「査収」「取り計らい」など。

また丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方ですのでご留意ください。

ちなみに、これは文化庁の「敬語の指針」においても解説されています。私のような頭の悪い人には難しいのですが、ご興味ありましたら以下のリンクよりどうぞ。

ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ

あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。

ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「お考えいただく vs お考えくださる」

ここでは、

ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。

+前置きに添えるフレーズを！

ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。

「お考え」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒（なにとぞ）」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。

たとえば以下のようなフレーズがあります。

  • どうか
    例文「どうかお考えくださいますようお願い申し上げます」
    例文「どうかお考えくださいますようお願い致します」
    例文「どうかお考えいただければ幸いです」
    例文「どうかお考えいただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」
  • 何卒＝どうか
    例文「何卒お考えくださいますようお願い申し上げます」
    例文「何卒お考えくださいますようお願い致します」
    例文「何卒お考えいただければ幸いです」
    例文「何卒お考えいただければと存じます。よろしくお願い申し上げます」

+気づかいの敬語フレーズもGood

ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。

「お考え」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒（なにとぞ）」だけでなく、申し訳なく思う気持ちや、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。

たとえば「誠に勝手を申し上げますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。

  • 恐縮＝申し訳なく思うこと
    「お忙しいところ恐縮ではございますがお考え〜」
    「お忙しいところ大変恐縮ではございますがお考え〜」
    「たびたび恐縮ではございますがお考え〜」
  • 恐れ入る＝申し訳なく思う
    「お忙しいところ恐れ入りますがお考え〜」
    「お忙しいところ大変恐れ入りますがお考え〜」
    「たびたび恐れ入りますがお考え〜」
  • お手数＝お手間
    「お忙しいところお手数お掛けしますがお考え〜」
    「お忙しいところ大変お手数ではございますがお考え〜」
  • 勝手を申し上げる＝自分勝手を言う
    「誠に勝手を申し上げますがお考え〜」
  • ご無理申し上げる = 無理を言う
    「ご無理申し上げますが、何卒お考えのほどお願い申し上げます」
  • ご多忙とは存じますが＝忙しいとは思うけど
    「ご多忙とは存じますがお考え〜」

ビジネス会話・電話では”お考えいただけますか？”

ビジネスメールではなく会話や電話シーンであれば…

「お考えくださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話では…

  • 【例文】お考えいただけますか？
  • 【例文】お考えいただけますでしょうか？
  • 【例文】お考え願えますでしょうか？

※もちろん「お考えください」としてもOK

といった質問フレーズをつかいましょう。

意味としては「考えてもらえますか？」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

「〜いただけますか？」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

敬語の解説

「お考えいただけますか？」「お考えいただけますでしょうか？」

の敬語の成り立ちとしては…

  • “考える”に「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」で「お考えいただく」
  • 可能形にして「お考えいただける」
  • さらに丁寧語”ます”で「お考えいただけます」
  • 疑問形にして「お考えいただけますか？」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「お考えいただけますでしょうか？」

どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか？」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか？」を使うのをオススメします。

参考記事

ビジネスシーン別”お考え”の使い方・例文