「ご承認のほど」意味・使い方のすべて「お願い申し上げます」他

ご承認のほど(読み:ごしょうにん)は正しい敬語であり、ビジネスメールでの使い方にはたとえば、

  • 【例文】ご承認のほどお願い申し上げます
  • 【例文】ご承認の程よろしくお願い致します

などがあります。

それでは、

「ご承認のほど」の意味、敬語の種類、ビジネスシーンでの使い方(電話・メール・手紙・文書・社内上司・社外取引先・目上・就活・転職)、メール例文を紹介します。

ご承認のほど の意味・敬語の種類

「ご承認のほど」の意味は「①認めてくれるよう」「②認めてもらうよう」の2通り考えられます。

なぜこのような意味になるのか?
そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。

ご承認の意味は(要望・要求・意見などを)認め許すこと

「ご承認」のそもそもの意味は…

「相手の意見・希望・要求などを認め許すこと。聞き入れること」

たとえば、

【例文】メーカー側の承認を得る
【例文】自動車への使用を承認する

のようにして使います。

もとになる語「承認」に尊敬語or謙譲語「お(ご)」で「ご承認」という敬語にしています。

「自分がご承認する」のであれば謙譲語としての使い方。

上司・目上・取引先などの「相手がご承認くださる」のであれば尊敬語としての使い方。

「お(ご)」は尊敬語と謙譲語の使い方があり、ややこしい敬語です。ご注意を

「承認」には他にもいくつか意味があります。まとめると下記のとおり。

  1. そのことが正当または事実であると認めること。
    【例】知的財産の所有権を承認する
  2. よしとして、認め許すこと。聞き入れること。
    【例】政府の承認を得て認可される
  3. 国家・政府・交戦団体などの国際法上の地位を認めること。
    【例】国連に承認された国

ご承認のほど〜意味は「認めてもらうよう・認めてくれるよう」

「ご承認のほど〜」の意味は「認めてもらうよう〜」あるいは「認めてくれるよう〜」

尊敬語なのか謙譲語なのかイマイチはっきりとしない「ご」をつかって「ご承認」として敬語にしています。

  • 「(自分が相手に)受け取ってもらうよう」と考えるのであれば謙譲語の「ご」
  • 「(相手が自分に)受け取ってくれるよう」と考えるのであれば尊敬語の「ご」

となります。これは語りはじめると長くなるためひとまず置いておき、細かくは補足①②をご参照ください。

「ご承認の程」というように漢字を用いてもOKですし、「ご承認のほど」と平仮名にしてもOK。

ご承認のほど〜の「のほど」ってどんな意味?

ここで「ご承認のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、とくに深い意味はありません。断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。

ここでの意味としては「①〜してもらうよう」「②〜してくれるよう」と2通り考えることができます。

すると「ご承認のほど~」の意味は…

「認めてくれるよう~」
「認めてもらうよう~」

というように解釈できます。

「●●のほど」の色々な例文

「〜のほど」はたとえば、

  1. ご査収のほどお願い申し上げます
    意味「よく中身をよく調べて受け取って受け取るよう、お願い」
  2. お取り計らいのほどお願い申し上げます
    意味「物事をうまく進めてくれるよう、お願い」
  3. ご検討のほどお願い申し上げます
    意味「検討してくれるよう、お願い」
  4. ご了承のほどお願い申し上げます
    意味「納得・承認してくれるよう、お願い」
  5. ご理解のほどお願い申し上げます
    意味「理解してくれるよう、お願い」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「〜のほど」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

補足①敬語の種類(ざっくり復習)

① 尊敬語とは?
相手をうやまって使う敬語の一種。
相手の行為にたいして使い、自分の行為には使わないことが基本。

敬語の種類はほかに②謙譲語、③丁寧語がある

② 謙譲語とは?
自分をへりくだって下にすることで、相手への敬意をあらわす敬語。
自分の行為に使い、相手の行為には使わないことが基本(例外あり)。

③ 丁寧語とは?
いわゆる「です・ます」口調のこと。

補足②謙譲語にも「お・ご+名詞」という使い方がある

ややこしいので基本的な敬語の使い方についてくわしく解説を。

じつは尊敬語と謙譲語にはどちらも「お・ご」の使い方があります。

謙譲語としての「お・ご」の使い方はたとえば、

「会議日程のご連絡
「忘年会開催のお知らせ
「販売状況のご報告
「転勤のご挨拶
「貴社ご訪問のお願い

こんな感じのフレーズがあります。よくビジネスメールの件名で目にする表現ですね。

ところが例文は自分が「ご連絡・お知らせ・ご報告・ご挨拶」するため「お・ご」をつかうのはおかしいと感じるかたもいらっしゃることでしょう。

これは、

謙譲語「お・ご」の使い方を知らないためにくる勘違いです。尊敬語の「お・ご」だと勘違いしているために間違い敬語と感じるのですが、実際にはどれも正しい敬語をつかっています。

いっぽうで尊敬語の「お・ご」は、「●●部長がお戻りになりました」などのようにして、相手の行為をうやまって使う敬語です。

ただし謙譲語にも「お・ご」を使い始めると文章が「お・ご」だらけになって読みにくくなります。文章のバランスを考えて使い分けしましょう。

それでは次項より使い方についても見ておきましょう。

ご承認のほど の使い方・ビジネスメール例文

つづいて「ご承認のほど」の使い方をビジネスメール例文でご紹介します。

文字どおり目上や上司・社外取引先に「認めてほしい」と言いたいときに使えます。

取引先など社外あてに限らず、上司や目上など社内あてのメールにも使える丁寧な敬語フレーズにしていますのでご参考にどうぞ。

使い方・例文①値上げのお願いビジネスメール

▼「ご承認のほど」ビジネスメール

具体的にはたとえば、社外取引先などに値上げのお願いをするビジネスメールのとき。

-ビジネスメール例文-

メール件名:エチレン価格改定のお願い(転職・ノマド)

株式会社ビジネス
資材部 ●● 様

平素はお世話になっております。
転職・ノマドでございます。

このたび、○月×日付けの弊社プレスリリースにてエチレン価格改定の発表をいたしました。昨今の原材料価格高騰およびユーティリティーコストの上昇がおもな背景となっております。

つきまして、貴社にてご使用いただいております「製品名:エチレンAB」につきましても下記のとおり価格を改定させていただきたく存じます。

現行価格:1000円/トン
改定価格:1050円/トン
※+50円/トンの価格改定をお願いいたします

※なお、発表内容に関しましては以下URLをご参照いただければ幸いです。URL~~~

以上

誠に勝手を申し上げますが、どうか事情をご高察の上、
ご承認のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

*********
メール署名
*********

こんな感じでビジネスメールに使うと丁寧ですね。

まぁようするに「認めてほしい!」というシーンであればたいていは使えます。

このようなビジネスシーンでは「ご承諾」「ご了承」をつかうのが普通です。

使い方・例文②製品仕様変更のお願いビジネスメール

▼「ご承認のほど」ビジネスメール

あるいはたとえば、上司・目上・社外取引先に製品の仕様変更をお願いするビジネスメールのとき。

-ビジネスメール例文-

メール件名:iPhone10仕様変更のお願い

株式会社ビジネス
資材部 ●● 様

いつもお世話になっております。
転職・ノマドでございます。

このたび、弊社では製品規格のグローバル統一化をめざし、iPhone10における製品仕様を下記のとおり変更いたしたく存じます。

対 象 製 品:iPhone10
カメラスペック:(現)100px → (改)1000px

なお、この仕様変更における品質への影響は軽微なものと判断いたしております。

以上

ご不明な点等ございましたら何なりとお申し付けください。

突然のお願いにて大変恐れ入りますが、
どうかご承認のほどお願い申し上げます。

*********
メール署名
*********

こんな感じで言い換え敬語をつかうと丁寧です。

こんな感じでビジネスメールに使うと丁寧ですね。

まぁようするに「認めてほしい!」というシーンであればたいていは使えます。

このようなビジネスシーンでは「ご承諾」「ご了承」をつかうのが普通です。

後ろに「お願い致します・お願い申し上げます」を続ける

「ご承認のほど」の使い方

さきほど例文にしたとおり「ご承認のほど」のあとには「お願い申し上げます」「お願い致します」などの敬語を続けます。

「お願い申し上げます」「お願い致します」の意味はどちらも「お願いします」

敬語の種類は以下のとおり。

▼「お願い申し上げます」敬語の種類

  • もととなる単語は「願う+言う」であり、
  • 「●●を言う」の謙譲語「お〜申し上げる」で「お願い申し上げる」とし、
  • さらに丁寧語「ます」を使って「お願い申し上げます」という敬語にしています

▼「お願い致します」敬語の種類

  • もとになる単語は「願う」であり、
  • 謙譲語「お〜いたす」で「お願い致す
  • さらに丁寧語「ます」を使って「お願い致します」という敬語にしています

あとは何かを頼んだりするときに添える語「よろしく」を使い

「ご承認のほどよろしくお願い致します・お願い申し上げます」

としても丁寧ですし、

あるいは「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」を使い「ご承認のほど何卒よろしくお願い申し上げます」としても丁寧。

前置きに強調するフレーズを!

ビジネスメールの結び締めをより丁寧にするためのコツ。

「ご承認のほど」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。

たとえば以下のようなフレーズがあります。

  • どうかご承認のほど〜
    「どうかご承認のほどお願い申し上げます」
    「どうかご承認のほどお願い致します」
  • 何卒ご承認のほど〜
    「何卒ご承認のほどお願い申し上げます」
    「何卒ご承認のほどお願い致します」

あるいは申し訳なく思う気持ちをあらわすとGood

「ご承認のほど」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」だけでなく、申し訳なく思う気持ちをあらわす語をもってきても丁寧です。

たとえば「大変ご迷惑をお掛けいたしますが~」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。

  • 大変ご迷惑をお掛けいたしますが = とても迷惑をかけるのだけど
    「お客様におかれましては大変ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご承認のほどお願い申し上げます」
  • 誠に申し訳ございませんが = 本当にすみませんけど
    「誠に申し訳ございませんが、ご承認のほど宜しくお願い申し上げます」
  • 大変ご不便をお掛けいたしますが = とても不便をかけるのだけど
    「大変ご不便をお掛けいたしますが、どうかご承認のほどお願い申し上げます」
  • 勝手を申し上げる = 自分勝手を言う
    「勝手を申し上げますが、どうご承認のほどお願い申し上げます」

ビジネスメールに使える「ご承認のほど」例文まとめ

ここまで登場した「ご承認のほど」を使った例文をまとめます。

目上・上司にはもちろんのこと、社外の取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。

ご承認のほどお願い申し上げます

例文「ご承認のほどお願い申し上げます」
例文「ご承認のほど宜しくお願い申し上げます」
例文「ご承認のほど何卒よろしくお願い申し上げます」

※ 何卒(なにとぞ)は「どうか」という意味の丁寧なフレーズ

※ 「宜しく」は「よろしく」と平仮名でもOK

ご承認のほどお願い致します

例文「ご承認のほどお願い致します」
例文「ご承認のほど宜しくお願い致します」
例文「ご承認のほど何卒よろしくお願い致します」

+強調のフレーズ

例文「どうかご承認のほど〜」
例文「何卒ご承認のほど〜」

+申し訳なく思うフレーズ

例文「お客様におかれましては大変ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご承認のほど〜」
例文「誠に申し訳ございませんが、ご承認のほど〜」
例文「大変ご不便をお掛けいたしますが、どうかご承認のほど〜」
例文「勝手を申し上げますが、どうご承認のほど〜」

「ご承認のほど vs ご承諾・ご了承のほど」違い

ここで少し横道にそれます。

ご承認のほど」と似たような表現には

ご承諾のほど」
ご了承のほど」があります。

これって何が違うのでしょうか?

意味の違いは「承認=認める」「承諾=受け入れる」「了承=納得する」

もとになる語「承認」vs「承諾」vs「了承」の違いをみていけばよく、以下の点が違います。

  • 承認」の意味は…
    ①そのことが正当または事実であると認めること。
    【例】知的財産の所有権を承認する
    ②よしとして、認め許すこと。聞き入れること。
    【例】政府の承認を得て認可される
    ③国家・政府・交戦団体などの国際法上の地位を認めること。
    【例】国連に承認された国
  • 承諾」の意味は…
    相手の意見・希望・要求などを聞いて、受け入れること
    【例】メーカー側の承認を得る
    【例】仕様の変更を承認する
  • 了承」の意味は…
    事情をくんで納得すること。承知すること。承諾。
    【例】メーカー側の了承を得る
    【例】仕様の変更を了承する

ということで、

どれもほとんど同じ意味であり、似たような使い方をします。

上記をまとめると…

「ご承諾」「ご了承」はほぼ同じ意味で「受け入れること」

「ご承認」と「ご承諾・ご了承」はちょっと違い「承認」は認めるの意味合いが強い

社外取引先には「ご承諾≒ご了承」を、上司には「ご承認」を

ご承諾」「ご了承」はほぼ同じ意味

ご承認」と「ご承諾・ご了承」はちょっと違い「承認」は認めるの意味合いが強い

ということで強いて使い分けするとしたら、

社外の相手には「ご承諾・ご了承」をつかい、上司には「ご承認」をつかうビジネスシーンが多いですね。

【例文】上司に出張の承認をお願いした

とは言っても、

【イマイチな例文】上司に出張の承諾をお願いした
【イマイチな例文】上司に出張の了承をお願いした

とはあまり言わず、

【例文】取引先の了承を得た
【例文】取引先の承諾を得た

とは言っても、

【イマイチな例文】取引先の承認を得た

とはあまり言わないですね。

※どれを使っても意味としては通じますし、失礼にも当たりません。

「ご承認」のいろいろな使い方・例文