あとはまとめとして、いろいろ使える「ご教授」の例文を紹介しておきます。
どの例文も上司や目上・取引先などのビジネスメールに使える丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。
すでに登場した例文もありますが、いちおう全てをまとめておきます。
依頼・お願いビジネスメール結びに使う”ご教授”
ビジネスにおける「ご教授」のいろいろな使い方
目上や上司・取引先に「(学問や技芸的なことを)教えてほしい」とお願い・依頼したいときは…
- 例文「ご教授くださいますようお願い申し上げます」
意味は「(学問や技芸的なことを)教えてくれるようお願いします」 - 例文「ご教授をお願い致します」
意味は「(学問や技芸的なことを)教えてほしい、お願いします」 - 例文「ご教授いただきますようお願い申し上げます」
意味は「(学問や技芸的なことを)教えてもらうようお願いします」 - 例文「ご教授賜りますようお願い申し上げます」
意味は「(学問や技芸的なことを)教えてもらうようお願いします」 - 例文「ご教授の程お願い申し上げます」
意味は「(学問や技芸的なことを)教えてくれるよう、お願いします」 - 例文「ご教授いただければ幸いです」
意味は「(学問や技芸的なことを)教えてもらえたら嬉しいです」 - 例文「ご教授いただきたく存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「(学問や技芸的なことを)教えてもらいたいと思います」 - 例文「ご教授いただければと存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「(学問や技芸的なことを)教えてもらえたらと思います」
のようにお願いすると丁寧です。
「ご教授いただければ幸いです」「ご教授賜りますようお願い申し上げます」がもっとも丁寧な敬語であり、あとはほぼ等しいレベル。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするにすべて「(学問や技芸的なことを)教えてね!よろしく」という意味なのです。
自分が”(学問や技芸的なことを)教える”ときに使える敬語
ビジネスにおける「ご教授」のいろいろな使い方
自分が「教授します!」と言いたいときには…
- 【現在形】ご教授します/(ご)教授いたします
- 【過去形】ご教授しました/(ご)教授いたしました
- 【進行形】ご教授しております/(ご)教授いたしております
- 【希望①】ご教授したく思います/(ご)教授いたしたく思います
- 【希望②】ご教授したく存じます/(ご)教授いたしたく存じます
などを使います。
「お(ご)~します」は謙譲語「お(ご)〜する」+丁寧語「ます」
「お(ご)~いたします」は謙譲語「お(ご)〜いたす」+丁寧語「ます」
「~いたします」の部分に(学問や技芸的なことを)教えるべきことの中身がはいります。
たとえば、
何かしら教授しなければいけないのであれば「(ご)教授いたします」
何かしら教授しなければいけないのであれば「(ご)教授いたします」
ここで「(ご)教授いたします」というように( )書きにしているのは「教授いたします」としても丁寧な敬語だから。
ちなみに敬語「お(ご)~いたします」「お(ご)~します」は自分が「~する」ときにつかいます。
相手に「(学問や技芸的なことを)教えてもらう」としたいときには…
「ご教授いただく=(学問や技芸的なことを)教えてもらう」
「ご教授くださる=(学問や技芸的なことを)教えてくれる」
という敬語をつかいます。
断りのビジネスメールに使う”ご教授”
ビジネスにおける「ご教授」のいろいろな使い方
「(学問や技芸的なことを)教えることができません!」と言いたいときには…
- 【例文】(ご)教授いたしかねます
意味は「(学問や技芸的なことを)教えることができません」
- 【例文】ご教授しかねます
意味は「教えることができません」 - 【例文】●●のためご教授することが叶いません
意味は「教えることができません」
- 【例文】ご教授することが大変困難でございます
意味は「教えることがとても難しいです」
などを使います。
あまり実用的じゃない表現になってしまいました…すみません。
いちおう紹介しておきましたが、
このようなビジネスシーンでは「ご対応いたしかねます」「ご対応しかねます」といった「ご対応」を使った敬語フレーズが一般的ですね。
また「〜いたしかねる(兼ねる)」は「~することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。
たとえば、
- 【例文】お応えいたしかねます
意味は「添うことができません」 - 【例文】お受けいたしかねます
意味は「受けることができません」 - 【例文】ご対応いたしかねます
意味は「対応することができません」
などのようにして使います。
「〜しかねる」自体は敬語でもなんでもありませんが「できません」よりも丁寧に聞こえるため重宝するフレーズです。
ちなみに断りの敬語フレーズはほかにも「遠慮させていただきます」「●●には添いかねます」などいろいろあります。
お礼メールに使う”ご教授”
ビジネスにおける「ご教授」のいろいろな使い方
あとはビジネスシーンで相手に何かしら(学問や技芸的なことを)教えてもらったときのお礼ビジネスメールにも使えます。
「(学問や技芸的なことを)教えてもらいありがとう!」と言いたいときには…
- 例文「ご教授ありがとうございます」
- 例文「ご教授いただきありがとうございます」
- 例文「ご教授いただきましてありがとうございました」
- 例文「ご教授賜りましてありがとうございました」
- 例文「ご教授くださいましてありがとうございました」
のようにビジネスメール書き出しの挨拶にお礼として使うと丁寧です。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするに「(学問や技芸的なことを)教えてくれてありがとう!」という意味なのです。
どれも丁寧な敬語ではありますが、もっともかしこまった敬語は「~賜りましてありがとう」です。あとはどれも似たような丁寧レベル。
ほかにも色々ある”ご教授”の例文
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。
- 例文「ご教授いただきたく存じます」
※意味は「(学問や技芸的なことを)教えてもらいたいと思います」希望 - 例文「ご教授いただければと存じます」
※意味は「教えてもらえたら嬉しいです」希望 - 例文「ご教授いただければ幸いです」
※意味は「教えてもらえたら嬉しいです」仮定 - 例文「ご教授いただけましたら幸いです」
※意味は「教えてもらえたら嬉しいです」仮定 - 例文「ご教授いただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「教えてもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「ご教授いただければ幸甚に存じます」
※意味は「教えてもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「ご教授いただけますか?」
※意味は「教えてもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「ご教授いただけますでしょうか?」
※意味は「教えてもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」
“お願い申し上げます=お願い致します”
ところでビジネスシーンでは、
「ご教授くださいますようお願い申し上げます」としても丁寧ではありますが…
「ご教授くださいますようお願いいたします」「ご教授くださいますようお願い致します」と言い換えすることもできます。
また「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」をつかい、
「ご教授くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます」
頭の片隅にいれておきましょう。