① ご一報いただく
vs.
② ご一報くださる
の敬語、意味と違い、目上・上司・取引先への使い方、注意点についてビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説していく記事。
まずは基本。
「ご一報いただく vs ご一報くださる」の意味はそれぞれ
- ご一報いただく → 一報してもらう
- ご一報くださる → 一報してくれる
※ご一報（ごいっぽう）の意味は「一度告げ知らせること。ちょっと告げ知らせること。簡単な知らせ」
どちらも正しい敬語であり使い方はたとえば…
① お礼「一報ありがとう」
- 例文「ご一報いただきありがとうございます」
- 例文「ご一報いただきましてありがとうございます」
- 例文「ご一報くださいましてありがとうございます」
② 希望・依頼・お願い「一報してほしい」
- 例文「ご一報いただきたく存じます」
- 例文「ご一報いただければと存じます」
- 例文「ご一報いただければ幸いです」
- 例文「ご一報いただきますようお願い致します」
- 例文「まずは簡潔にご一報ください」
- 例文「ご一報くださいますようお願い申し上げます」
※「存じます」は「思う」の謙譲語”存じる”＋丁寧語”ます”
※「ますよう」は丁寧語”ます”+「ように」
③ 一報してくれた●●／一報してもらった●●
- 例文「ご一報いただいたデータに不備がございました」
- 例文「ご一報いただきました件につき、いくつか確認事項がございます」
- 例文「ご一報いただいておりました件につき確認いたしたく存じます」
- 例文「ご一報くださいました●●」
のようにしてメールに使うと、上司・目上やビジネスパートナーに使えるすばらしい敬語フレーズになります。
使い方は依頼・お礼メールなどいろいろあり。
どちらをつかっても丁寧な敬語であり使い分けの必要はありません。
その根拠については本文にて。
ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、本文中ではメール例文をまじえながらくわしく進めていきます。
※長文になりますので時間の無い方は「見出し」より目的部分へどうぞ。
この記事の目次
意味・敬語の違い
まずは「ご一報いただく vs ご一報くださる」の意味と敬語における違いについて簡単に。
ようは「一報してもらう vs 一報してくれる」ということなのですが、あまりに乱暴なのでもう少しくわしく解説します。
“ご一報いただく”の意味・敬語
「ご一報いただく vs ご一報くださる」の違い
まず
「ご一報いただく」の辞書的な意味は…
「一報してもらう」であり、おもにビジネスシーンでなにかしら一報してほしいとき。依頼・お願いにつかう敬語フレーズです。もちろんお礼などにも使えます。
「ご一報いただく」の敬語を細かくみていくと、以下のような成り立ちです。
- 元になる語は“一報”
- “〜してもらう”の謙譲語「お（ご）〜いただく」で「ご一報いただく」
※一報（いっぽう）の意味は「一度告げ知らせること。ちょっと告げ知らせること。簡単な知らせ」
謙譲語をつかい、この上なく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。
こうすると「ありがたくも一報してもらう」というようなニュアンスになります。
したがって上司・目上やビジネスメールで使うのにふさわしい表現、と言えるでしょう。
ちなみに「ご一報」の「お（ご）」は謙譲語と尊敬語の使い方があります。ここでは「自分が〜してもらう」というように自分を主語にしているため謙譲語としての使い方です。
“ご一報くださる”の意味・敬語
「ご一報いただく vs ご一報くださる」の違い
つづいて
「ご一報くださる」の辞書的な意味は…
「一報してくれる」であり、ビジネスシーンでなにかしら一報してほしいとき。依頼・お願いにつかう敬語フレーズです。もちろんお礼などにも使えます。
「ご一報くださる」の敬語を細かくみていくと、以下のような成り立ちです。
- 元になる語は“一報”
- “〜してくれる”の尊敬語「お（ご）〜くださる」で「ご一報くださる」
※一報（いっぽう）の意味は「一度告げ知らせること。ちょっと告げ知らせること。簡単な知らせ」
尊敬語をうまくつかい、この上なく丁寧な敬語表現となっていることがわかります。
こうすると「ありがたくも一報してくれる」というようなニュアンスになります。
ちなみに「ご一報」の「お（ご）」は謙譲語と尊敬語の使い方があります。ここでは「相手が〜してくれる」というように相手を主語にしているため尊敬語としての使い方です。
違いと使い分け
ここまで意味と敬語についてみてきました。
さて「ご一報いただく vs ご一報くださる」の違いにお気づきでしょうか？
どちらも結局のところ言いたいことは同じ。
「一報してもらう・一報してくれる」
と言いたいわけですが…
- “ご一報いただく“だと意味は「一報してもらう」
→敬語は謙譲語「お（ご）〜いただく」
vs.
- “ご一報くださる“だと意味は「一報してくれる」
→敬語は尊敬語「お（ご）〜くださる」
というように意味と敬語の使い方が違います。
いい加減しつこいのですが、だからといって言いたいことは全く同じなわけです。
したがって、
敬語の使い方には違いはあれど、どちらもひとしく丁寧な敬語であり目上・上司・社外取引先につかえるフレーズです。
ただ少しニュアンスの違いというか敬語の使い方が違うよ、ということですね。
“ご一報いただく vs ご一報くださる”の使い方
つづいて「ご一報いただく vs ご一報くださる」の使い方について。
代表的なパターンを表にまとめておきます。
こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。
▼「ご一報いただく」の使い方まとめ（すべて敬語）
| ①基本 | ②+丁寧語”ます” | ③その他 | |
|---|---|---|---|
| 現 在 | ご一報いただく | ご一報いただきます | -頂くよう -頂きますよう |
| 過 去 | ご一報いただいた | ご一報いただきました | × |
| 進行形 | ご一報いただいている | ご一報いただいています | -頂いております |
| 過去~現在 | ご一報いただいていた | ご一報いただいていました | -頂いておりました |
| 希 望 依 頼 |
ご一報いただきたい ご一報いただきたく ご一報いただくよう |
ご一報いただきたいです
ご一報いただきますよう |
-頂きたく思います -頂きたく存じます -頂ければと存じます |
| 可 能 | ご一報いただける | ご一報いただけます | -頂けるよう -頂けますよう |
| 仮 定 | ご一報いただければ | ご一報いただけましたら | × |
| 疑 問 | ご一報いただけるか？ | ご一報いただけますか？ | -頂けますでしょうか |
| 否 定 | ご一報いただけない | ご一報いただけません | × |
| 命 令 | × | × | × |
※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。
※「×」としたのは一般的につかわない
▼「ご一報くださる」の使い方まとめ（すべて敬語）
| ①基本 | ②+丁寧語”ます” | ③その他 | |
|---|---|---|---|
| 現 在 | ご一報くださる | ご一報くださいます | -くださるよう -くださいますよう |
| 過 去 | ご一報くださった | ご一報くださいました | × |
| 進行形 | ご一報くださっている | ご一報くださっています | -くださっております |
| 過去~現在 | ご一報くださっていた | ご一報くださっていました | -くださっておりました |
| 希 望 |
ご一報くださるよう | ご一報くださいますよう | × |
| 可 能 | × | × | × |
| 仮 定 | × | × | × |
| 疑 問 | ご一報くださるか？ | ご一報くださいますか？ | × |
| 否 定 | ご一報くださらない | ご一報くださいません | × |
| 命 令 | ご一報ください | ご一報くださいませ | × |
※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。
※「×」としたのは一般的につかわない
【補足】敬語の種類（ざっくり復習）
① 尊敬語とは？
相手をうやまって使う敬語の一種。
相手の行為にたいして使い、自分の行為には使わないことが基本。
敬語の種類はほかに②謙譲語、③丁寧語がある
② 謙譲語とは？
自分をへりくだって下にすることで、相手への敬意をあらわす敬語。
自分の行為に使い、相手の行為には使わないことが基本（例外あり）。
③ 丁寧語とは？
いわゆる「です・ます」口調のこと。
使い方
つづいて「ご一報くださる vs ご一報いただく」の使い方を例文で紹介します。
目上・上司にはもちろんのこと、社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。
使い方①相手に一報してほしい時
相手に「一報してほしい・一報してもらいたい」ときは…
- 【例文】ご一報いただきたく存じます
- 【例文】ご一報いただきたく、お願い致します
- 【例文】ご一報いただければと存じます
- 【例文】ご一報いただきますようお願い申し上げます
- 【例文】ご一報くださいますようお願い申し上げます
- 【例文】ご一報いただければ幸いです
- 【例文】ご一報いただけましたら幸いです
- 【例文】ご一報いただけますか／ますでしょうか？
- 【例文】ご一報のほどお願い申し上げます
- 【例文】ご一報をお願い致します
▼敬語の補足
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望”～したい”
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定”たら・れば”
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」＋丁寧語”ます”＋仮定”たら・れば”
・「幸いです」は「幸い」＋丁寧語”です”
・「ますよう」は丁寧語”ます”+”ように”
使い方②相手に「一報ありがとう！」とお礼するとき
相手に「一報ありがとう！」とお礼するときは…
- 【例文】ご一報ありがとうございます
- 【例文】ご一報いただきありがとうございます
- 【例文】ご一報いただきましてありがとうございます
- 【例文】ご一報くださいましてありがとうございます
▼敬語の補足
・「いただきまして」は謙譲語”いただく”＋丁寧語”ます”の活用形「まして」
・「くださいまして」は謙譲語”くださる”＋丁寧語”ます”の活用形「まして」
使い方③一報できません！と断るとき
①上司なり取引先・目上の相手が「一報できません！」とするときは…
- 【例文】ご一報いただけません
- 【例文】ご一報いただくことはできません
②自分が「一報できません！」とするときは…
- 【例文】（ご）一報いたしかねます
- 【例文】ご一報しかねます
- 【例文】●●のためご一報することが叶いません
- 【例文】ご一報することが大変困難でございます
無理やり感のある例文になってしまいました…すみません。
こんなときには「ご対応いたしかねます」「お受けいたしかねます」などの敬語をつかいますね。
使い方④一報してくれた●●／一報してもらった●●
一報してくれた●●／一報してもらった●●
- 例文「ご一報いただいたデータに不備がございました」
- 例文「ご一報いただきました件につき、いくつか確認事項がございます」
- 例文「ご一報いただいておりました件につき確認いたしたく存じます」
- 例文「ご一報くださいました●●」
使い方⑤自分が「一報します！」とするとき
ついでに自分が「一報します！」と言いたいときには…
- 【現在形】ご一報します／（ご）一報いたします
- 【過去形】ご一報しました／（ご）一報いたしました
- 【進行形】ご一報しております／（ご）一報いたしております
- 【希望①】ご一報したく思います／（ご）一報いたしたく思います
- 【希望②】ご一報したく存じます／（ご）一報いたしたく存じます
▼敬語の補足
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・（ご）とした例文は省略可
・「お（ご）～します」は謙譲語「お（ご）～する」＋丁寧語”ます”
・「お（ご）～いたします」は謙譲語「お（ご）～いたす」＋丁寧語”ます”
おもにはこんな感じの使い方があります。
それぞれの意味や敬語の使い方など、くわしい解説は本文の一番最後にあります。
本当はもっといろいろありますが、すべての使い方を例文で紹介しているとそれだけで日が暮れるため、少しだけにしておきますね。
ビジネスメール例文【全文】
ここでは「ご一報くださる vs ご一報いただく」のビジネスメール例文を紹介します。
ビジネスメール例文①依頼・お願い
メール件名：工場トラブルご一報のお願い
○○ 部長（社内）
お疲れ様です。
先ほどはお電話ありがとうございます。
さて、このたびの工場トラブルに関してｘｘ取締役におおよその損害金額、状況等をご報告いたしたく、簡単なもので結構ですので文書にてご一報ください。
大変な状況の最中に申し訳ありませんが、お取り計らいのほどお願いいたします。
************
営業部 ノマド
************
ビジネスメール例文②仕事の依頼を催促する
【to社内・上司】
上司への催促メールで「仕事の依頼を催促する」ときのビジネスメール例文。メールで連絡をしていなければ、新たに催促メールを作る。
メール件名：人事評価面談のご確認
●● 部長（社内上司）
お疲れさまです。
人事部・ノマドです。
さて先般、2017年度・人事評価面談の実施依頼を社内掲示板にて掲載しておりましたが、貴部署の進捗がまだのようでしたので、確認までにご連絡いたしました。その後、ご状況いかがでしょうか。
たびたび恐れ入りますが、どうかご一報いただけましたら幸いです。
なお、本メールと行き違いでご報告いただいておりましたらその旨お申し付けください。
ご対応のほどお願い申し上げます。
************
メール署名
************
ビジネスメール例文③お礼
メール件名：転送Fw: 打ち合わせ日程のご相談（転職・ノマド）
ビジネス 株式会社
研究部 〇〇 様（社外ビジネス取引先）
お世話になっております。
早速ご一報いただきましてありがとうございます。
なお本件の詳細につきましてはご面談の際に伺えればと存じます。
引き続きお願い申し上げます。
************
メール署名
************
“ご一報いただく”は間違い敬語？
少し話はそれますが「いただく」が謙譲語として誤りだという指摘があります。
間違いだという指摘の根拠は、
- “いただく”は「もらう」の謙譲語
- 謙譲語は自分の動作を低めて相手を敬うため、基本は自分の行為にしか使えない
- “ご一報する”のは相手だから…
- “ご一報いただく”は相手の行為に謙譲語を使うことになり、おかしい？
ということです。
正しい敬語である根拠
まずは結論だけ述べますが「ご一報いただく」は間違った謙譲語ではありません。
「ご一報いただく」は 「私が相手に一報してもらう」という意味。
もっとかみ砕くと
「ありがたくも私が相手に一報してもらう」というようなニュアンスになります。
自分が上司・目上・取引先など相手に「〜してもらう」の主語は自分であるハズ。したがって自分を低めて上司・目上・取引先をたてる謙譲語「いただく」をつかいます。
ちなみに尊敬語をつかって相手の行為をたてるのであれば…
「ご一報くださる＝相手が一報してくださる」をつかえばOK。
謙譲語にも”お（ご）”という使い方がある
ややこしいので基本的な敬語の使い方についてくわしく解説を。
じつは尊敬語と謙譲語にはどちらも「お（ご）」の使い方があります。
謙譲語としての「お（ご）」の使い方はたとえば、
- 会議日程のご連絡
- 忘年会開催のお知らせ
- 販売状況のご報告
- 転勤のご挨拶
- 貴社ご訪問のお願い
こんな感じのフレーズがあります。よくビジネスメールの件名で目にする表現ですね。
ところが例文は自分が「ご連絡・お知らせ・ご報告・ご挨拶」するため「お（ご）」をつかうのはおかしいと感じるかたもいらっしゃることでしょう。
これは、
謙譲語「お（ご）」の使い方を知らないためにくる勘違いです。
尊敬語の「お（ご）」だと勘違いしているために間違い敬語と感じるのですが、実際にはどれも正しい敬語をつかっています。
いっぽうで尊敬語の「お（ご）」は、「部長がお戻りになりました」などのようにして、相手の行為をうやまって使う敬語です。
謙譲語の一般形まとめ
謙譲語の「お・ご」は尊敬語の「お・ご」と勘違いしやすい敬語です。
他にもセットで謙譲語として覚えておくと役に立つフレーズを以下にまとめます。
- お（ご）〜する
お（ご）〜します - お（ご）〜いたす
お（ご）〜いたします - お（ご）〜いただく
お（ご）〜いただきます - お（ご）〜差し上げる
お（ご）〜差し上げます - お（ご）〜申し上げる
お（ご）〜申し上げます - お（ご）〜させていただく
お（ご）〜させていただきます
※「させていただく」は日本語としておかしい表現になる時もあり何でもかんでも使える訳ではない
「〜」の部分にイロイロな語がきて謙譲語になります。たとえば「了承」「教示」「承諾」「検討」「容赦」「査収」「取り計らい」など。
また丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方ですのでご留意ください。
ちなみに、これは文化庁の「敬語の指針」においても解説されています。私のような頭の悪い人には難しいのですが、ご興味ありましたら以下のリンクよりどうぞ。
“ご一報賜る”としても丁寧
「ご一報いただく vs ご一報くださる」と似たような敬語には
「ご一報賜る（たまわる）」もあります。
言いたいことはどれもおなじく「一報してもらう・一報してくれる」なのですが…
よりかしこまったビジネスシーンでは「賜る」を使います。
賜る（たまわる）という敬語のほうがよりカチッとした表現になりますので、文書など公式なビジネスシーンではかならず「賜る」を使いますね。
ただし普段のビジネスメールでは必要のない敬語フレーズ。
使い方にはたとえば、
- 例文「ご一報賜りますようお願い申し上げます」
- 例文「ご一報賜りますようお願い致します」
などあり。
「お（ご）～賜る」「お（ご）～いただく」はどちらも「〜してもらう」の謙譲語であり、かしこまり度合いが違うだけです。
ビジネスメールでは”ご一報のほど”もよく使う
他にもビジネスメールでよく使う敬語には「ご一報のほど」もあります。
ビジネスメールではとかく「いただく」「くださる」ばかりになってしまい、文章が気持ち悪くなってしまうのですよね。
そこで活躍するのが「ご一報のほど～」です。
使い方にはたとえば、
- 例文「ご一報のほどお願い申し上げます」
- 例文「ご一報のほどお願い致します」
などあり。
“ご一報のほど”の「ほど」ってどんな意味？
ここで「ご一報のほど」の「のほど」は限定を避ける言い方で、意味としては「〜してもらうよう」「〜してくれるよう」と考えることができます。
断定をさけて表現をやわらげるのに用いる語です。
もともと、とくに深い意味はありません。
ビジネスでは下手（したて）に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。
ちなみに「ご一報の程」というように漢字をもちいてもOK。あなたのお好みでお使いください。
ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ
あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。
ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「ご一報いただく vs ご一報くださる」
ここでは、
ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。
+前置きに添えるフレーズを！
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「ご一報」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒（なにとぞ）」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。
たとえば以下のようなフレーズがあります。
- どうか
例文「どうかご一報くださいますようお願い申し上げます」
例文「どうかご一報くださいますようお願い致します」
例文「どうかご一報いただければ幸いです」
例文「どうかご一報いただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」 - 何卒＝どうか
例文「何卒ご一報くださいますようお願い申し上げます」
例文「何卒ご一報くださいますようお願い致します」
例文「何卒ご一報いただければ幸いです」
例文「何卒ご一報いただければと存じます。よろしくお願い申し上げます」
+気づかいの敬語フレーズもGood
ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。
「ご一報」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒（なにとぞ）」だけでなく、申し訳なく思う気持ちや、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。
たとえば「誠に勝手を申し上げますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。
- 恐縮＝申し訳なく思うこと
「お忙しいところ恐縮ではございますがご一報〜」
「お忙しいところ大変恐縮ではございますがご一報〜」
「たびたび恐縮ではございますがご一報〜」 - 恐れ入る＝申し訳なく思う
「お忙しいところ恐れ入りますがご一報〜」
「お忙しいところ大変恐れ入りますがご一報〜」
「たびたび恐れ入りますがご一報〜」 - お手数＝お手間
「お忙しいところお手数お掛けしますがご一報〜」
「お忙しいところ大変お手数ではございますがご一報〜」 - 勝手を申し上げる＝自分勝手を言う
「誠に勝手を申し上げますがご一報〜」 - ご無理申し上げる = 無理を言う
「ご無理申し上げますが、何卒ご一報のほどお願い申し上げます」 - ご多忙とは存じますが＝忙しいとは思うけど
「ご多忙とは存じますがご一報〜」
ビジネス会話・電話では”ご一報いただけますか？”
ビジネスメールではなく会話や電話シーンであれば…
「ご一報くださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。
長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。
そこでビジネス会話・電話では…
- 【例文】ご一報いただけますか？
- 【例文】ご一報いただけますでしょうか？
- 【例文】ご一報願えますでしょうか？
※もちろん「ご一報ください」としてもOK
といった質問フレーズをつかいましょう。
意味としては「一報してもらえますか？」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。
「〜いただけますか？」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。
敬語の解説
「ご一報いただけますか？」「ご一報いただけますでしょうか？」
の敬語の成り立ちとしては…
- “一報”に「〜してもらう」の謙譲語「お（ご）〜いただく」で「ご一報いただく」
- 可能形にして「ご一報いただける」
- さらに丁寧語”ます”で「ご一報いただけます」
- 疑問形にして「ご一報いただけますか？」
“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「ご一報いただけますでしょうか？」
どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。
したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。
どちらかというと「〜いただけますでしょうか？」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか？」を使うのをオススメします。
参考記事
- 「教えてください」の代わりに使えるビジネス敬語、メール電話の例文
- 上司へお願いするときに使える敬語10の言葉と、例文50選
- 「いただくことは可能でしょうか？」の敬語、目上の人への使い方
- 【完全版】ビジネスメール締め・結びの例文50選
- ︎︎ビジネスシーンでの「お願い・依頼」敬語フレーズのすべて
- ︎︎ビジネスシーンでの『お礼・感謝』敬語フレーズのすべて
- ︎︎ビジネスメールにおける断り方のすべて
