総合職と一般職の違いとは?

総合職と一般職の違いについて、誰よりもわかりやすく解説する記事。就活・転職でよくある以下の悩みを解消していきます。

「総合職と一般職、どっちにしようか迷っている」

「そもそも総合職と一般職の違いってなに?」

「女性で総合職を志望しているけど、どう?」

「銀行あるいは商社、公務員、メーカーの一般職と総合職の違いとは?」

それでは上記の疑問を解決していきましょう。

総合職とは何か?

総合職(読み:そうごうしょく)とは、わかりやすく説明すると「会社における将来の幹部候補」のことを指す。

ほとんどは大卒・院卒の男女で占められ、高卒・短大卒はノーチャンスである。総合職は若いうちから一般職の部下をもち、マニュアル的じゃない仕事や責任の大きい仕事をこなす。

順調にすすめば課長になり、部長になり、理事になり、役員になり、社長になる。

年収も日本人の平均年収にくらべて高いが、その代わり転勤・異動をともなう、残業が多いなど、会社の命令は基本的にことわれない。したがって悲壮感のただよう呼び方として「名ばかり幹部」「社畜の鏡」と言われることもある。

ちなみに辞書によると「総合職 = 総合的判断を要する業務を行う職務」とあるが、総合的な判断を要する仕事とはなにか?という説明がなされていない。これでは意味不明である。

一般職とは何か?

一般職(読み:いっぱんしょく)とは、わかりやすく説明すると「総合職の下働きをする職種」のことを指す。「事務職」「現業職」などの呼び方を使う企業もある。

多くは高卒・短大卒・大卒の男女で占められ、マニュアル的な仕事をメインにこなす。どれだけ出世しても課長代理止まりであり、管理職には決してなれない。

大企業の事務職、とくに金融業界や商社、メーカーでは高卒・短大卒の事務職(一般職)は基本的に採用しない。ただし工場勤務、研究所勤務の一般職は高卒がメインとなる。

派遣が登場したことにより高卒や短大卒は派遣に流れ、事務職(一般職)は高学歴化している。なかには、早慶出身の女性で一般職の大半が構成されている、なんていう企業もある。

年収は総合職にくらべて低いが、その代わり転勤・異動がない(または少ない)、残業が少ない、仕事の責任が軽いなど、総合職よりも人間らしい生活を送ることができる。

※ただし一部の企業では総合職、一般職の区別がない

総合職と一般職の具体的な6つの違い

つづいて総合職と一般職の具体的な違いについて解説していく。

違い1. 総合職は年収高い、一般職は年収低い

総合職と一般職の大きな違いは「年収の高低」。

総合職の年収は、同じ企業、同じ年齢であれば一般職の年収よりも高くなる。精神的な苦痛、ストレス度合いの違いが給料に反映される。

ただし、もともと年収の高い大手総合商社(三菱商事・三井物産・住友商事・伊藤忠商事)の一般職などは、メーカー総合職の若手社員よりも高い年収になることがある。

男性で、なおかつ結婚後も金銭的にめぐまれた生活を送りたければ、総合商社の一般職女性が狙い目である。

違い2. 総合職は責任が重い、一般職は責任が軽い

総合職と一般職の違いとは何か?つづいては「責任の重さ・軽さ」。

総合職は、ペイペイの新卒社員であっても一般職の上に立って働くことが求められる。生産現場や研究開発職といった多くの一般職を有する職場では、新卒と同時に部下が数十名つくことも珍しくない。

したがって総合職の責任は、一般職のそれよりも重くなる。

ただし結局はどちらも、サラリーマンという枠の中であるため「総合職は責任が重い」といってもたかだかしれている。要は気持ちの問題である。

違い3. 総合職は転勤あり、一般職は転勤なし(少ない)

総合職と一般職の違いとは何か?つづいては「転勤のあり・なし」。

総合職は一般職と違い、会社の転勤命令を原則としてことわれない。一般職はもともと、転勤を前提としない職種であるため、会社から転勤命令されることはない(あるいは少ない)。

ただし一般職であっても、工場閉鎖、営業所閉鎖、事業撤退などがあると、とんでもない場所への転勤を言い渡される。これは実質的な「一般職リストラ宣言」である。なぜなら、転勤したくないために一般職を選ぶ人がほとんどだからである。したがって、このように会社から転勤を命令させられた一般職は会社に残らず転職しがち。

また総合職であっても、転勤を拒否することもできる。これは企業によって違いのでる部分である。また転勤は上司が決めるため、上司にたいして自分の希望を強引にでも押し通すことができれば、転勤する可能性は少なくなる。

最近の傾向としては、とくに女性の総合職に対してヌルい企業がふえてきている。明らかに大企業は男尊女卑から、女尊男卑に変わってきている。これには男性社員から「新たなセクハラだ」という不平不満が非常に多い。

違い4. 総合職は出世が早い、一般職は出世しない

総合職と一般職の違いとは何か?つづいては「出世のスピード」。

総合職は、幹部候補として採用されているため、いわゆる公務員でいう「キャリア組」に該当する。新卒の時点で部下を持てるポジションになっていることが多く、その後も主任クラス、係長クラス、管理職…と早い段階で出世していく。

一般職は、総合職の下働きをすることが前提で採用されているため、いわゆる公務員でいう「ノンキャリア組」に該当する。新卒ではもっとも低いポジションから始め、出世や昇給も極めて遅い。一般職が管理職になることは決してなく、課長代理になれれば奇跡である。

ただし高卒で入社した一般職は管理職にまったくなれないのか?

というと、そんなことはない。一般的な大企業には「コース変更」という仕組みがあり上司推薦のうえ、試験をパスすれば一般職から総合職へのコース変更が可能になる。それが一般職から管理職になるただひとつの方法である。

しかしながら、総合職よりも一般職のほうが圧倒的にお得感のある仕事であるため、一般職でムリに出世を望む人は少ない。

違い5. 総合職は残業多い、一般職は残業少ない

総合職と一般職の違いとは何か?つづいては「残業の過多」。

総合職には、答えのない仕事が山のように降りかかってくる。日系企業においては総合職には決められた職務など、あってないようなものである。

明らかに誰がやってもよいと思われるようなエクセルのデータ作成から、企業買収のスタディー、投資案件のスタディーといった、高度な判断を必要とする仕事までカバーする。

したがって、総合職としてマジメに仕事をしていると残業が多くなる。それが元で家庭が崩壊し離婚したり、過労死してしまう人もいるほどである。

いっぽうで一般職の仕事は、おおよその職務内容が決まっており、その担当の範囲だけで仕事をすればよい。繁忙期には残業多くなる人もいるが、一般的には残業が少なく、定時スタート・定時退社できる。

ただしこれは一般論であり、私の勤める企業では事務職の営業アシスタントの残業が多い、とくに海外案件を多く抱える部署にありがちな業務の多さによる問題。一般職(事務職)のほうが総合職よりも残業が多いのでは?と思うときすらある。

違い6. 総合職は理不尽、一般職に理不尽は少ない

総合職であれば、会社の命令には原則として逆らえない。労働契約にてだいたい決まっているが、その内容を読めば読むほどテンション下がっていく。これでは「社畜」と呼ばれても仕方ない。

総合職にはどんな理不尽が発生しても耐えきるという、ストレス耐性が求められる仕事である。

いっぽうで一般職は労働契約の内容がゆるく、会社からの理不尽な要求が少ないようになっている。

銀行における総合職と一般職の違い