メガバンク(三菱東京UFJ・三井住友・みずほ銀行・りそな銀行)の違いを解説。就職活動・転職するとしたらどこ?という疑問を解消するための記事です。
「メガバンクの志望動機」に役立つかは不明ですが、企業の違いをざっくりと把握しておくことには意味があります。
就活・転職のご参考になりましたら嬉しい限りです。
【解説】メガバンクとは規模のでかい銀行のこと。三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行を指し、3大メガバンクと呼ばれる。りそな銀行を含める場合もある。
メガバンクの違い比較①年収ランキング
最新2016年3月期の有価証券報告書を参照すると、各社の平均年収は以下の通り。
銀行の有価証券報告書は一般職も含んでいて総合職の年収がわからないので、総合職メインで構成されるフィナンシャル・グループの数字を使います。
【No.1】三井住友フィナンシャルG:年収1273万円(39.8歳)
【No.2】三菱UFJフィナンシャルG:年収1132万円(40.9歳)
【No.3】みずほフィナンシャルG:年収970万円(40.4歳)
【No.4】りそなHD:年収922万円(46.6歳)
離職率の高い(20代の推定離職率40%くらい)業界ではありますが順調に出世できれば、最低でもこのくらいの年収は確保されるでしょう。
実際の年収を高い順に並べてみると、
三井住友銀行 ≒ 三菱東京UFJ >> みずほ > りそな
こんなイメージです。
ただし、もはや説明不要ですがメガバンクは大量採用してふるいをかけるシステム。どこかで止まると永遠に給料が上がらないことになります。
以下、メガバンクに共通する年収・出世イメージです。あくまでご参考程度にお考えください。
【〜新卒6年目/年功序列】自動的に昇級する仕組み。メーカーと同じくゴミのような給料。
【新卒7年目/第一次選抜】役付き(係長)に昇格すると年収850万円+残業代+各種手当て←同期の30%が昇格、40%すでに退職、30%出世できない(もしくは数年遅れて昇格)
【新卒11年目/第二次選抜】ぺいぺい管理職に昇格すると年収1000万円前後+各種手当て←同期で役付きに出世した人の中から30%くらい、残りは退職かそのまま(もしくは数年遅れて昇格)。
【新卒15年目/第三次選抜】課長に昇格すると年収1200万円前後←同期トップクラスだけ、残りはそのまま。
【新卒20年目/第四次選抜】次長に昇格すると年収1400-1600万円←同期トップクラスだけ、残りは出向・転籍候補。40歳から徐々に転籍が始まり50歳すぎるとみんな飛ぶ。出向・転籍すると年収は半額以下になる。
【新卒20年目以降】運と実力次第。
《注意①》三井住友と三菱東京UFJの年収はだいたい上記イメージ。
《注意②》みずほ銀行は上記年収▲100万円くらい。りそな銀行はもっと低い。出世競争は同じ。
《注意③》役付きの残業代は裁量労働手当てになる場合あり。部署と勤務地により異なる。
《注意④》会社の業績、個人の業績に応じて±10%前後の幅あり。
平均年収という言葉がまったく当てはまらないほど、出世速度によって年収が変わるシステムです。何百人と採用される総合職でトップクラス(上位10%くらい)に入る自信のある人だけ入社しましょう。
メガバンクの違い比較②各社の強み・弱み
三菱東京UFJ銀行
【強み】
- 総資産298兆円
- 銀行業界No.1のブランド力
- グローバル展開、海外拠点多し
- M&Aによる拡大に成功
- 旧財閥企業との取引
【弱み】
- これと言って見当たらない。メガバンク共通だが、就職人気が低く優秀な人材を確保できないところだろうか。
銀行は他と差別化できないビジネス。歴史と格、資金力がものを言う世界です。あらゆる点で三菱東京UFJ銀行は他を圧倒していますね。
三井住友銀行
【強み】
- 総資産187兆円
- 銀行業界No.2のブランド力
- 体育会系特有のガツガツいく営業力
- 海外展開おくれていたが、巻き返しつつある
- 旧財閥企業との取引
【弱み】
- これといって見当たらない。三菱と比較するとすべてが少しずつ劣っている感じ。だけど年収期待値は三井住友のほうが高い。
超体育会系な社風との噂が絶えない、三井住友銀行。
でも縦社会なのは銀行業界すべて同じ。どの企業も結局「超体育会系」の社風だと思います。←これは後述。
みずほ銀行
【強み】
- 総資産193兆円
- 銀行業界No.3のブランド力
- ワンみずほ??(グループ会社との連携がよいことをアピールしている)
- 海外展開おくれていたが、徐々に拡大
【弱み】
- 関西圏、東海圏の基板が弱い
- 激務で出世競争も激しいのに年収が大手メーカーよりも低い
みずほ銀行は特に強みを持たない銀行。三菱東京UFJ・三井住友の劣化バージョンのイメージが定着している。←私はみずほ銀行ファンですけどね、特に産業調査部が優秀でお世話になってます。
りそな銀行
【強み】
- 総資産49兆円
- 銀行業界No.4のブランド力
【弱み】
- 地方銀行なのかメガバンクなのか分からない中途半端な規模
- 3大メガバンクの劣化バージョンとの認識
- グローバル展開ができてない
- 激務で出世競争も激しいのに年収が大手メーカーよりも低い
メガバンク共通:社風や業界の特徴
最後に社風やメガバンク業界に共通する特徴についてまとめておきます。総括すると、ドラマ半沢直樹の世界観とそっくりだが実際はもっとエグい。
- 大量採用、大量離職(3年後、推定離職率30%)
- 40歳くらいから出向・転籍ラッシュが始まる。50歳すぎると本体にほぼいられない。出向・転籍者の年収は半額バーゲンセール。
- もれなく激務(飲み会・残業・社内付き合い・ミスを犯せないプレッシャー)
- 上司の命令は(例え間違えていても)絶対だ
- 残業の規制は年々厳しくなっているが仕事は山のようにある。限られた時間の中で膨大な業務をいかにミスなくこなすかが重要
- 評価は減点方式。ミスをしたものから消えていく
- 帰宅後も土日も仕事の心配ごとが頭から離れない、ストレスが極めて多い
- 年収はストレスを考えると低い、社員かわいそう
- 会社自体は稼いでいるし将来性もある。従業員にきびしすぎることが問題
私がメガバンクに勤めていたら100%、入社3日でクビになっていたことでしょう。なにしろ先輩にキレる、上司にキレる、役員に意見する、挙句の果てには社長とも喧嘩しちゃうのですから…メーカーだから許されるものの、これをメガバンクでやった日には村八分確定ですね。
自分の言いたい事も言えない会社なんてどうかと思いますが、それがカルチャーなら仕方ない。慣れれば意外と悪くないのかもしれません。
筆者の小言
すでに何度も解説しているのですが、会社ごとの違いなんてありません。←元も子もなくてすみません…
みんな金融サービスを提供する会社であって仕事内容は変わらない。ただ企業ごとに海外営業が得意だったりするというだけです。
従って志望動機には当たり障りのないことをアピールするしかないかと。
「OB訪問で会った社員に共感したから」
「独立系だから」
「業界トップだから」
という程度にとどめておくこと。ESに詳しく書きすぎると墓穴を掘ります。
面接でツッコミを受けたら「社員の◯◯という姿勢が素晴らしく、一緒に働きたいと思った」の一点張りで押し通すのが正解。実際、それ以上の志望動機など存在しません。
この辺りの事情はどの業界・企業においても同じなので、以下の記事を参照すると良いでしょう。