「ご尽力」「お力添え」意味と違い、ビジネスでの使い方、メール例文

つづいて「ご尽力」「お力添え」を使ったビジネスメールの例文を紹介します。

先にも述べたとおり、
お礼・お詫び・謝罪・お願いのビジネスシーンでよく使われる表現となります。

ビジネスシーン(メール・手紙・目上・上司)に使える丁寧な敬語にしていますので、ご参考にどうぞ。

【例文】お礼(社内メール)

メール件名:工場監査ご対応のお礼

生産一課
○○ 課長

お疲れ様です。

先日は、三菱化学からの工場監査対応にお力添えいただき(ご尽力いただき)、
誠にありがとうございました。

○○課長のお力添えにより、今回の工場監査を無事に終えることができました。
心よりお礼申し上げます。

甚だ略儀ではございますが、
まずはメールにてお礼申し上げます。

今後ともよろしくお願い致します。
**************
メール署名
**************

【例文】アンケート回答のお願い(社内メール)

メール件名:「残業時間の実態」アンケート回答のお願い

各位

お疲れ様です。
総務部の就活です。

さて首記の件、大手広告代理店の長時間労働による過労死問題をうけ、
当社においても残業時間の実態を把握するべく、アンケートを実施いたします。

今後の残業抑制取り組みへの参考に致したく、
下記のアンケートにご協力くださいますよう、お願い致します。

アンケート内容
1.過去3ヵ月の残業申請時間
2.過去3ヶ月の実質残業時間
3.残業申請に対する上司の対応(不満な点・改善点など)

お忙しいところ恐れ入りますが、
5月15日までにご回答の上、メールにてご返信ください。

お力添えいただければ幸いです。
何卒よろしくお願い致します。
**************
メール署名
**************

【例文】昇進お祝いへの「お礼返信」ビジネスメール

件名:ご祝辞ありがとうございます

就活株式会社
営業部
就活 様

いつもお世話になっております。
株式会社転職の転職でございます。

さて、私の営業部長就任にあたりましては、
温かいご祝辞と激励のお言葉をいただきまして、
誠にありがとうございます。

新たな立場となり多少の戸惑いもありますが、
これまでの経験を生かし、周囲の協力も得ながら、
尽力して参りたいと考えております。

今後とも、何かにつけてお力添えいただくことと存じますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。

甚だ略儀ではございますが、
まずはお礼かたがたご挨拶申し上げます。
**************
メール署名
**************

【例文】転職による退職メール・手紙

拝啓 ○○○○(季語) 皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて 私こと
○月○日付にて、○○株式会社を退職することになりました。
本来であれば、直接伺いご挨拶すべきところ、メールでのご連絡となりましたことをお詫び申し上げます。○年短い期間ではございましたが、皆様方のお力添えに支えられながら大過なく勤めさせていただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。
また、退職に際しましては、温かい惜別やお励ましのお言葉を頂きまして、本当にありがとうございました。○○株式会社での経験を糧として次の人生へ生かしていきたいと思います。
末筆ながら、改めましてこれまでのご厚情に深謝するとともに、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。     敬具

「ご尽力頂きたく存じます」は目上の人に使わない

「お願いをする」場面で「ご尽力」を使うのはイマイチだと思うので、上の例文には入れていません。ただし「○○様のご尽力をいただきたく存じます」という使い方も実際のビジネスメールでは見たことがあります。

「○○様のご尽力をいただきたく存じます」の意味を考えてみると「○○様に力を尽くしてもらいたい」を敬語にした表現となり、確かに通じます。

でも、何かがおかしい。

ご尽力してもらいたい??

「ご尽力頂きたく存じます」の何がおかしいかというと、何かをお願いするにも関わらず、あくまで自分が中心になっているためだと思われます。

「私のために力を尽くしてほしい!!」

「オレって凄いから、尽力してもらってもいいよね??」というニュアンスになってしまうのです。

これでは目上の人やビジネスメールで使う表現として、失礼にあたります。

お願いをする立場としては「手伝ってほしい」「手助けしてほしい」ということを言いたいわけですから、「ご尽力」ではなく「お力添え」が正しいとなります。

「お力添えいただければ幸いです」とする

「お願い」するときに「お力添え」を使って敬語表現を考えると、

「お力添えいただきたく存じます(意味:手助けしてもらいたいと思う)」

「お力添えいただければ幸いです(意味:手助けしてもらえたら嬉しいなぁ)」

などのような表現が目上の人やビジネスメールではふさわしいでしょう。

ここで「存じます」は「思う」の謙譲語、「いただく」は「もらう」の謙譲語ですから、とても丁寧な敬語表現です。どちらが丁寧か?といえば「お力添えいただければ幸いです」のほうになります。

ご尽力・お力添えの類語

最後に「ご尽力」「お力添え」の類語について整理しておきましょう。「ご尽力」「お力添え」は違う意味なので、それぞれ分けて考えます。

ご尽力の類語と例文

  • 二度と同様のことが起きないよう再発防止に誠心誠意、努めて参ります。(力を尽くす)

お力添えの類語と例文

  • ご支援をいただき、誠にありがとうございました。(お礼)
  • この度は選挙活動にご協力いただき、心よりお礼申し上げます。(お礼)
  • この度はお手伝いいただき、誠にありがとうございました。(お礼)

▼▼▼▼▼▼

う~~ん、どれも微妙な表現です…。「ご支援」「ご協力」くらいは使えるかもしれませんが「お力添え」に勝る言い回しはないですね。

まとめ

今回は「ご尽力」「お力添え」の使い方と違い・注意点について、これでもかというくらい語ってみました。

この2つの敬語はとても便利で、ビジネスメールの文頭や締めくくり(文末・結び)で活躍します。まぁ、別に敢えて使わなくても「何卒よろしくお願いいたします」ですべて完結できるのですけどね…。

ということで、ビジネスシーンでちょっと普通の言い回しに飽きてきたなぁ~~と思ったら、お礼やお願いする際に使ってみてください。ではでは〜〜。