誠心誠意(読み:せいしんせいい)の意味、
ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい使い方、注意点について。
ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。
まずは要点のまとめから。
誠心誠意 の意味は
まごころ、
まごころこめて相手に接する「心」のことを指す。
「誠=まことに、本当に」
「心=こころ」
「誠=まことに、本当に」
「意=気持ち、考え」
との組み合わせで成り立つ四字熟語です。
誠心誠意 の使い方は…
「まごころ」という意味で使われるため、うしろにくる語を「心の底から」と強調して使われます。
使い方にはたとえば、
以下のようなビジネスシーンがあります。
- あいさつ文の決意表明
・退職、転職、新人の赴任、紹介文、履歴書など - お詫び・謝罪の最後に決意表明
- その他、なんでも
とくに接客業において
「まごころを込めて」の意味でよく使われるフレーズです。
使い方の例としては以下のようなものがあります。
- 例文「誠心誠意、努めて参ります」
- 例文「誠心誠意、尽力いたします」
- 例文「誠心誠意を尽くして参ります」
- 例文「誠心誠意、対応いたします」
- 例文「誠心誠意を込めて~」
- 例文「誠心誠意を持って~」
いずれも意味はおなじで「心の底から・まごころより~」
どれも丁寧な敬語であり、
ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上・年賀状など)で使うのにふさわしいフレーズ。
ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、
本文中ではいろいろな例文を使いながら意味、使い方、注意点について説明していきます。
誠心誠意 の意味
誠心誠意 の意味は
まごころ、
まごころこめて相手に接する「心」のことを指します。
「誠=まことに、本当に」
「心=こころ」
「誠=まことに、本当に」
「意=気持ち、考え」
との組み合わせで成り立つフレーズ。
【例文・使い方】誠心誠意 を使った敬語フレーズ
誠心誠意 の使い方とビジネスシーンにふさわしい敬語フレーズ。
繰り返しにはなりますが、
「まごころ」という意味で使われるため、うしろにくる語を「心の底から」と強調して使われます。
たとえば以下のビジネスシーンで使われます。
- あいさつ文の決意表明
・退職、転職、新人の赴任、紹介文、履歴書など - お詫び・謝罪の最後に決意表明
- その他、なんでも
これらはあくまでも一例であり、
実際には「心の底から」「まごころを込めて」と言いたいビジネスシーンであれば、どんなときでも使えます。
このようなビジネスシーン(手紙・メール・目上・就活・転職ふくむ)では、メール文末・結びに使うとあなたのヤル気がみられて好感がもてます。
それではビジネスにふさわしい敬語フレーズを例文でみていきましょう。
【例文①】誠心誠意、努めてまいります
誠心誠意 のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
「誠心誠意、努めてまいります」
「まごころを込めて、努力していきます」
誠心誠意努める が原形となり、
謙譲語「参る」+丁寧語「ます」をつかって敬語にしています。
ここで「参ります」は「行く・来る」の謙譲語。
「誠心誠意」のもっともオーソドックスな使い方となります。
ちなみに、
「参ります」はかしこまったビジネス文書で使われることが多く、会話シーンで「訪問する・行く」と言いたいときは謙譲語「伺う」、「~する」と言いたいときには謙譲語「~いたす」をつかうのが一般的。
ビジネスメール例文
- 例文(接客・あいさつ)
これからもお客様が快適にお過ごし頂けるサービスを提供できるよう、誠心誠意 努めて参ります。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
- 例文(あいさつ)
より一層のサービス向上を目指し、誠心誠意 努めて参ります。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。 - 例文(履歴書・自己PR・志望動機の結び)
貴社ビジネスの一助となるべく、誠心誠意 努めて参ります。何卒宜しくお願いいたします。 - 例文(新人の赴任あいさつ)
一日も早く戦力となれるよう、誠心誠意 努めて参ります。ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。 - 例文(退職・転勤のあいさつ)
これまでの部長のご指導を胸に、誠心誠意 努めて参ります。今後とも変わらぬご指導のほど何卒宜しくお願いいたします。 - 例文(年賀状)
本年も誠心誠意 業務に努めて参ります。変わらぬご指導のほど、宜しくお願い申し上げます。
【敬語の補足】
- 所存(しょぞん)の意味は「考え、思い」
- 行く・くる の謙譲語「参る」
- 丁寧語「ます」
- お願いいたします=お願い申し上げます は言い換えOK
【例文②】誠心誠意を尽くします
誠心誠意 のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
「誠心誠意を尽くします」
あるいは
「誠心誠意を尽くて参ります」
「まごころを込めて一生懸命がんばります」
「まごころを込めて全力で取り組みます」
「まごころで(相手に)尽くします」
誠心誠意を尽くす が原形となり
丁寧語「ます」をつかって敬語にしています。
例文①誠心誠意 努めてまいります と比べると…
どちらも丁寧な敬語ではありますが、
「尽くす」としているため「まごころをもって相手に尽くす」というニュアンスとなります。
例文①努めてまいります だと、あくまでも「自分が相手のために努力する」というニュアンスになります。
また、
「尽くします」よりかしこまった敬語は「尽くして参ります」のほう。
あとに文書が残る公式なメール、あいさつ文などは「して参ります」としたほうが無難。
普段づかいのビジネスシーンであれば「誠心誠意を尽くします」で十分です。
余談ですが
「あなた(彼氏・彼女)に誠心誠意を尽くします」みたいな使い方をするときもあり。
このときは「まごころを持って好きな人に尽くす」という意味になります。
ビジネスメール例文
- 例文(履歴書・自己PR・志望動機の結び)
貴社ビジネスの一助となるべく、誠心誠意を尽くす所存でございます。何卒宜しくお願いいたします。 - 例文(接客・あいさつ)
より一層のサービス向上を目指し、スタッフ一同 誠心誠意を尽くします。今後ともよろしくお願いいたします。 - 例文(あいさつ)
お客さまのお役に立てるよう、社員一同 誠心誠意を尽くて参ります。 - 例文(あいさつ)
お客様の「欲しい」を実現させる為、誠心誠意をつくします。 - 例文(あいさつ)
良いお手伝いができるよう誠心誠意を尽くして参ります。
【敬語の補足】
- 所存(しょぞん)の意味は「考え、思い」
- 行く・くる の謙譲語「参る」
- 丁寧語「ます」
- お願いいたします=お願い申し上げます は言い換えOK
【例文③】誠心誠意、対応いたします
尽力する のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
「誠心誠意、対応いたします」
あるいは
「誠心誠意、対応させていただきます」
「まごころを持って対応する」
誠心誠意対応する が原形となり
謙譲語「いたす」+丁寧語「ます」を使って敬語にしています。
ここで「いたす」は「する」の謙譲語。
「対応」という言葉をつかっているため、とくに接客業で使われることの多いフレーズ。
また
「対応させていただきます」は敬語としては正しいものの、使い方を間違えると相手が不快な思いをするフレーズであり、多用は厳禁。あくまで個人的な意見ですが、好きになれない敬語です。
ビジネスメール例文
- 例文(接客・注意書き)
万が一お客様に被害が及んだ際には補償のうえ、誠心誠意 対応させていただきます。
- 例文(あいさつ)
より一層のサービス向上を目指し、スタッフ一同 業務に尽力して参る所存でございます。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。 - 例文(あいさつ)
お客様のご要望に添えるよう、スタッフ一同 誠心誠意対応いたします。 - 例文(あいさつ)
お客さまのご要望にあったプランを提案できるよう、誠心誠意 対応いたします。
【敬語の補足】
- 行く・くる の謙譲語「参る」
- 所存 の意味は「考え、思うところ」
- 丁寧語「ます」
- お願いいたします=お願い申し上げます は言い換えOK
【例文④】誠心誠意を込めて~
誠心誠意 のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
「誠心誠意を込めて~」
「まごころを込めて~」
~の部分は、「対応いたします」というように続きます。
これまでの例文「誠心誠意 対応いたします」との違いは「込めて」をつかっているところ。
意味としてはおなじですが、
文章や字面のバランスをととのえる意味で使うとよいでしょう。
誠心誠意対応します だと漢字ばかりになって読みづらいので…
これはあなたの好みで使い分けしてください。
ビジネスメール例文
- 例文(接客・あいさつ)
これからもお客様が快適にお過ごし頂けるサービスを提供できるよう、誠心誠意を込めて精進して参ります。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
- 例文(あいさつ)
より一層のサービス向上を目指し、スタッフ一同 誠心誠意を込めて邁進して参ります。今後とも何卒よろしくお願いいたします。 - 例文(注意書き)
万が一お客様に被害が及んだ際には補償のうえ、誠心誠意を込めて対応させていただきます。 - 例文(あいさつ)
お客様のご要望に添えるよう、スタッフ一同 誠心誠意を込めて対応いたします。 - 例文(あいさつ)
お客さまのご要望にあったプランを提案できるよう、誠心誠意を込めて対応いたします。
【敬語の補足】
・させていただきます;
させてもらうの謙譲語「させていただく」+丁寧語「ます」
・行く、くる の謙譲語「参る」
・丁寧語「ます」
・お願いいたします=お願い申し上げます は言い換えOK
【例文⑤】誠心誠意を持って~
誠心誠意 のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
「誠心誠意を持って~」
「まごころを持って」
~の部分は、「対応いたします」というように続きます。
これまでの例文「誠心誠意 対応いたします」との違いは「持って」をつかっているところ。
意味としてはおなじですが、
文章や字面のバランスをととのえる意味で使うとよいでしょう。
誠心誠意対応いたします だと漢字ばかりになって読みづらいので…
これはあなたの好みで使い分けしてください。
ビジネスメール例文
- 例文(履歴書・自己PR・志望動機の結び)
貴社ビジネスの一助となるべく、誠心誠意を持って努める所存でございます。何卒宜しくお願いいたします。 - 例文(接客・あいさつ)
これからもお客様が快適にお過ごし頂けるサービスを提供できるよう、誠心誠意を持って邁進して参ります。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
- 例文(あいさつ)
より一層のサービス向上を目指し、スタッフ一同 誠心誠意を持って邁進して参ります。今後とも何卒よろしくお願いいたします。 - 例文(注意書き)
万が一お客様に被害が及んだ際には補償のうえ、誠心誠意を持って対応させていただきます。 - 例文(あいさつ)
お客様のご要望に添えるよう、スタッフ一同 誠心誠意を持って対応いたします。 - 例文(あいさつ)
お客さまのご要望にあったプランを提案できるよう、誠心誠意を持って対応いたします。 - 例文(新人の赴任あいさつ)
一日も早く戦力となれるよう、誠心誠意を持って努めて参ります。ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。 - 例文(退職・転勤のあいさつ)
これまでの部長のご指導を胸に、誠心誠意を持って努めて参ります。今後とも変わらぬご指導のほど何卒宜しくお願いいたします。 - 例文(年賀状)
本年も誠心誠意を持って業務に努めて参ります。変わらぬご指導のほど、宜しくお願い申し上げます。
【敬語の補足】
・邁進(まいしん)は「ある目標に突き進むこと」の意味
・行く、くる の謙譲語「参る」
・丁寧語「ます」
・お願いいたします=お願い申し上げます は言い換えOK
【注意点】誠心誠意 はこう使う!
つづいて「誠心誠意」を使うときの注意点を解説します。
敬語を正しく使うことはもちろん、
ふさわしいビジネスシーンを考えて使いましょう。
誠心誠意まごころを込めて~ はNG!
きわめて初歩的な言葉の使い方なのですが…
誠心誠意 は「まごころ」の意味であるため、そのうしろに同じような意味のフレーズを持ってきてはダメ。
- NG例文「誠心誠意まごころを込めて」
だと意味は
- NG意味「まごころ さらにまごころを込めて」
となってしまいます。
いえ、使いたくなる気持ちはよ~くわかるのですが…
重複してはいけません。
わかりやすく極端な例えをだしますが、
- NG例文「お祝いを祝う」
とおなじこと。
ひとつの文章に一回だけ「誠心誠意」を使えばそれで十分です。
尊敬語「お・ご」は相手をうやまうために使い、相手の行為にたいして使います。
以下のような使い方はNGであるためご注意を。
- NG例文「ご尽力する」
- NG例文「ご尽力して参ります」
- NG例文「ご尽力いたします」
※ 「お・ご~いたす」「お・ご~する」は謙譲語としての使い方もするため、完全に間違いとは言い切れないのですが…
念のため、基本的な敬語の種類について復習しておきます。
① 尊敬語とは?
相手をうやまって使う敬語の一種。
相手の行為にたいして使い、自分の行為には使わないことが基本。
敬語の種類はほかに②謙譲語、③丁寧語がある
② 謙譲語とは?
自分をへりくだって下にすることで、相手への敬意をあらわす敬語。
自分の行為に使い、相手の行為には使わないことが基本(例外あり)。
③ 丁寧語とは?
いわゆる「です・ます」口調のこと。
何にたいしての「誠心誠意」なのか?明確にするとベター
誠心誠意 の意味は「まごころ」
したがって、
何に誠心誠意(まごころ)を尽くすのか?
を明確にしてあると、よりよい文章になります。
「誠心誠意を尽くして参ります」を単体で使うと、いったい誰にむかってまごころで尽くすのか、あいまいなのですよね。
そこでたとえば
「業務に誠心誠意を尽くして参ります」
「お客さまの満足度向上をめざし、誠心誠意を尽くして参ります」
などのようにすると良いでしょう。
邁進・精進・努める・尽力 の違い
誠心誠意 のあとに続く言葉として使われるフレーズの違い。
「邁進・精進・努める・尽力」の違いについて少し。
邁進 の意味は「突き進むこと」
まい進して参ります だと
「一所懸命、突き進みます」という意味になります。
精進 の意味は「ひとつのことに精神を集中して励むこと」
精進して参ります だと
「一所懸命、取り組みます」という意味。
努める の意味は「努力する」
努めて参ります だと
「努力していきます」という意味。
尽力 の意味は「力を尽くすこと」
尽力して参ります だと、
「力を尽くします」という意味。
※ 使い方はどれも似たようなものです
意味における違いは…
ほとんど無視できるレベルであり、とにかくどれを使っても
「めっちゃ頑張ります!」
というニュアンスの言葉になります。
したがって
とくにこれらのフレーズを使い分ける必要はありません。
「かしこまり度」でランク付けするのでしたら、
まい進=精進=尽力 > 努める
のような感じ。
だからとって「努める」が悪いわけではなく、どれも丁寧な敬語として使えます。
【参考】「ご尽力」「お力添え」意味と違い、正しい使い方 – メール例文