JFE商事の年収|ランキングからは見れない事実

JFE商事の大卒総合職(文系&理系)って年収高い?低い?一般的な年収ランキングからは分からない総合職の給料をまとめてみました。

新卒(学部卒/院卒)〜20歳代・30歳・35歳・40歳・50歳での目安年収と、各役職ごとの目安年収、残業代こみ年収、福利厚生のまとめとなります。

※追記)地域総合職と一般職の年収も追加しました。

転職・就活のご参考にどうぞ。

JFE商事の平均年収・平均年齢・平均勤続年数

まずは会社全体の年収を見ていきます(数字は2016年の有価証券報告書より)。

※JFE商事は「持株会社:JFEホールディングス」の傘下であるため、ホールディングスの年収で見ていきます。

  • 平均年収:1022万円
  • 平均年齢:45.4歳
  • 平均勤続年数:23.4年
  • 参考|
    2015年の平均年収|966万円(44.7歳)
    2014年の平均年収|943万円(44.5歳)
    2013年の平均年収|968万円
    2012年の平均年収|981万円(44.1歳)
    2011年の平均年収|908万円(43.3歳)
    2010年の平均年収|1126万円(42.3歳)
    2009年の平均年収|1206万円(42.7歳)
    2008年の平均年収|1255万円(42.8歳)
    2007年の平均年収|1281万円(43.4歳)
    2006年の平均年収|1246万円(44.5歳)
    2005年の平均年収|1103万円(45.0歳)

※平均年収は一つ前の年度の有価証券報告書を参照。たとえば「2016年=2015年度実績」となります。

まずJFE商事というか、鉄鋼業界全般の年収で言えることですが鉄鋼バブル期(2004~2009年頃)の年収が凄まじい。平均年収1200万円超えって、まるで総合商社みたい。ただ、これはボーナスが基本給x10ヶ月分/年とかになっていたためであり、最近は逆に鉄鋼不況になっていて年収は下落傾向。

つづいて「JFE商事」という会社をご存じない就活生のために、ひとこと解説。

JFE商事はJFEホールディングスの傘下企業。主にはJFEスチールの鉄鋼を売り買いする鉄鋼系の大手専門商社である。

  • 本社:東京都千代田区大手町一丁目9番5号
  • 設立:1954年
  • 2015年度決算:
    売上 3.4 兆円(JFE商事1.6兆円)
    純利益 336 億円

ホールディングス会社は一般的に、大卒・総合職がほとんどを占めます。

したがって大卒の平均年収に近いのですが念のため、それぞれの年齢・役職ごとに目安年収をまとめます。

JFE商事の大卒・総合職の目安年収

①年齢ごとの年収目安(残業代・各種手当て別)

年 齢 役 職 年 収 基本給
万円/月
ボーナス
月数/年
初任給
学部卒
なし 360万円 24 3.0
28歳 係長 510万円 30 5.0
(※3)
30歳 係長 511万円 32 5.0
32歳 副課長
(※1)
646万円 38 5.0
40歳 副課長 731万円 43 5.0
課長1
(※2)
901万円 53 5.0
45歳 副課長 765万円 45 5.0
課長1 952万円 56 5.0
50歳 副課長 816万円 48 5.0
課長2 1037万円 61 5.0
55歳 副課長 825万円 48 5.0
課長2 1088万円 64 5.0
60歳 副課長 720万円 40 5.0

(※1)副課長までは残業代がでる。総合職であれば副課長まではほぼ自動的に昇格。
(※2)部下なし課長1への昇進で同期に差が出る。総合職であれば昇格の遅れはあれど、いずれは上がる。
(※3)年収はボーナス額で大きく変動する。経常利益連動で会社の業績により、最低4ヶ月、上は青天井になる。が、現実的には4~6ヶ月くらい。

②役職ごとの目安年収(残業代・各種手当て別)

役 職 年 齢 年 収 基本給
万円/月
ボーナス
月数/年
なし ~29歳 ~476万円 ~28 5.0
係長 28歳~ 510万円~ 30~ 5.0
副課長 32歳~ 646~816万円 38~48 5.0
課長1
部下なし
38歳~ 901~986万円 53~58 5.0
課長2
部下あり
40歳~ 1071万円 63 5.0
副部長 45歳~ 1156万円 68 5.0
部長 45歳~ 1241~1411万円 73~83 5.0

※副課長までは残業代がでる。
※研究開発職は裁量労働制。

  • 新卒-29歳|役なしではあるが3年おきくらいにポジションが昇格し、そのたびにそれなりの昇給がある。もちろん毎年の昇給もあるが、ポジションの上がるタイミングでしか大きく上がらない。
  • 28歳~|係長クラスへ昇格。
  • 32歳~|副課長クラスへ昇格。
  • 38歳~|部下なし課長1になれるかどうかで年収が大きく変わる。総合職であれば、いずれは昇格する。
  • 40-45歳|部下あり課長2になれるかどうかで年収が大きく変わる。
  • 50-60歳|部長、理事、役員へ昇格できる人は少ないため無視している。

③残業代込みの目安年収(月45h残業と仮定)

商社の場合、営業職と間接部門(経理など)で残業時間が大きく異なりますが…。鉄鋼商社は激務で有名な業界であるため、月45時間くらいの残業時間が平均的かと思われます。そこで、残業を月45時間として残業代込み年収を出しておきます。

年 齢 役 職 年 収 基本給
万円/月
ボーナス
月数/年
初任給
学部卒
なし 445万円 24 3.0
28歳 係長 625万円 30 5.0
(※3)
30歳 係長 641万円 32 5.0
32歳 副課長
(※1)
792万円 38 5.0
40歳 副課長 896万円 43 5.0
課長1
(※2)
901万円 53 5.0
45歳 副課長 938万円 45 5.0
課長1 952万円 56 5.0
50歳 副課長 1000万円 48 5.0
課長2 1037万円 61 5.0
55歳 副課長 1000万円 48 5.0
課長2 1088万円 64 5.0
60歳 副課長 873万円 40 5.0

※副課長までは残業代がでる。

④注意点

【注意①】年収はボーナスの額により変わる(ここではボーナス5.0ヶ月/年の想定)。経常利益連動で会社の業績により、最低4ヶ月、上は青天井になる。が、現実的には4~6ヶ月くらい。

【注意②】賞与は「会社の経常利益」によって決まる。会社の業績が伸びなければボーナスも伸びない。

【注意③】同期入社であれば30代中盤までは年収に差がつかない。差がつくのはそれ以降。

【注意④】管理職になると残業代はゼロ。

【注意⑤】年功序列。

▼▼▼▼

まとめるとJFE商事の年収は、メーカー系商社だけあってメーカーなみ。独立系には及びません。ただし残業の多い業界であるため、残業次第で高年収になります。

40歳・部下あり課長2・年収1000万円が目安ではあるものの、同期入社でも1/5人くらいの難易度。

それなりに仕事をやっていれば、40歳・部下なし課長1・年収900万円が誰でも到達するラインです。また裏技として、副課長のポジションで残業をしまくるほうが部下なし課長よりも年収高くなります。

さらに商社は海外赴任のチャンスも多し。そうなると年収は上記の表の1.5倍~2倍くらいになります。

地域総合職と一般職の年収

地域総合職と一般職の年収は上記の年収を

地域総合職は総合職の8割くらい、

一般職は総合職の6割くらい、

にしたイメージです。若いうちは年収の絶対額が低いため、そこまで大きな差は感じられないでしょう。当たり前ですが、年齢を重ねるほどに年収の差は開いていきます。

また、地域総合職と一般職は課長には出世できないとお考えください。

地域総合職であれば係長クラスが限界、

一般職であれば役職なしのまま会社人生を終える人が多いでしょう。

とはいえ、役職なしには残業代がちゃんとつけられるため基本給が上がると、お得になっていきます。残業代は基本給をベースに算出されるため、基本給が高ければ高いほど、残業の時給は高くなります。

JFE商事の福利厚生

  1. 独身寮|あり、自己負担1~1.5万円/月。
  2. 社宅|あり、自己負担1~1.5万円/月。
  3. 世帯手当|調査中
  4. 住宅補助|
    ・寮と社宅があるため、住宅手当なし。
  5. 残業代|
    ・管理職以降は残業代ゼロ。
  6. その他の福利厚生|通勤手当、出張手当、外勤手当、現場手当など
  7. その他の注意事項|

まとめるとJFE商事の福利厚生は普通の大企業なみ。

福利厚生込みの年収を知りたい方は残業代込み年収に、福利厚生の金額(おおむね50-100万円/年くらい)を加算しましょう。

商社業界の中でどのくらい?

JFE商事の年収は商社業界の中では「中の上~上の下」です。もちろん5大総合商社には遥かに及ばず、総合商社系の鉄鋼商社(メタルワン・伊藤忠丸紅鉄鋼)にも及ばず、独立系の鉄鋼商社(阪和興業)にも及ばず。

また、他業界と比べてみても「中の上~上の下」です。

でも結局はボーナスの月数次第。したがって日鉄住金物産の年収って高いの?低いの?と聞かれても「その年の業績による」としか答えようがありません。申し訳ありません。

ある程度まとまったら年収ランキングを作りますね(準備中)。

JFE商事に転職・就職するあなたへ

商社業界の今後の動向

まず商社業界の流れと、今後の動向をざっくりと解説します。

と思いましたが商社業界は、ビジネスの分野が広すぎて一般的な解説が難しいですね…。個別企業ごとに分析する必要があります。

鉄鋼系の専門商社は当たり前ですが、鉄鋼の市況によって業績が左右されます。ただしマージン商売であるため、メーカーほどは影響を受けにくく、モノを引いてくる先のメーカーの状況が悪くなれば必然的に鉄鋼商社も影響を受けます(例えばJFE商事であれば、JFEスチールの状況に影響を受ける)。

JFE商事の将来性。今後どうなる?

JFE商事は、JFEスチールの顧客基盤を使えるため、何もしてなくてもそれなりにビジネスを維持できます。課題は、これから国内市場が縮小していく中で、どうやってビジネスを拡大していくのか?です。

現在は国内の売上比率が大きく、今後はグローバル展開を強化していくことが戦略の核となるでしょう。ただし鉄鋼という商品自体がコモディティ化しつつあるため、商社がやれることといっても限られます。新たな鉄鋼の工場建設にメーカーと一緒に金を出す、くらいのことしか無いような…。まぁ、それでも何もやらないよりは全然マシです。

JFE商事の激務度・ブラック度

JFE商事を初めとする鉄鋼系の専門商社は激務です。鉄鋼業界はとても古い業界であり、数も少なく、一つ一つの商売がバカでかいため、鉄鋼メーカーに謙虚さがまるでない。ビジネスは商社をコキ使って拡大するものだ、という思想である限り鉄鋼系の専門商社は激務になります。結果、社内外の飲み会で結構な時間を浪費することになるでしょう。

それなりに覚悟しておきましょう。

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