「いかがでしたでしょうか」敬語として正しい?意味と使い方、注意点

ブログやキュレーションサイト記事の最後によくみかける「いかがでしたでしょうか?」という敬語表現。

これには「うざい」という意見が多いのですが、

そもそも「いかがでしたでしょうか?」は敬語として正しいのでしょうか?

まずは結論ですが、

「いかがでしたでしょうか」は敬語の使い方としては正しい。

ところが敬語うんぬんではなく、使い方によっては「うざい」と感じてしまう。

ということになります。

それでは、なぜ正しいのか?なぜうざいと感じるのか?という検証と、詳しい敬語の解説をしていきます。

いかがでしたでしょうか?が敬語として正しい理由

まずは「いかがでしたでしょうか」が敬語として正しい理由は、言葉を単語に区切ってみていくとわかります。

「いかがでしたでしょうか」の敬語の成り立ちは、

  1. 「いかが(如何)」は「どう、どのように」の意味、敬語でもなんでもない
  2. 「でした」は丁寧語「です」+過去形「た」
  3. 「でしょうか」は「だろうか」の丁寧な表現、敬語ではない(辞書によると・・・)

となります。ということで敬語としては成り立っています。

「でしょうか」は丁寧語?それとも単なる丁寧な言い回し?

「いかがでしたでしょうか」が間違っているように感じるのは、

丁寧語「でした」に対して、さらに丁寧語「でしょうか」を使っているかのように見えるから。もし「でしょうか」の部分が、丁寧語「です」+疑問形「か」であるとするならば、丁寧語+丁寧語となります。

これだと二重敬語(ひとつの単語に同じ種類の敬語を二回つかう)に該当し、NG。

ところが実際には、

「でしょうか」は「だろうか」の丁寧な表現と辞書にあり、丁寧語ではないようです。

この辞書(Goo国語辞典)がどこまで正しいのか?という話なのですが、違和感がないため今のところは正しいと信じることにしました。

正しくても”うざい”、「いかがでしたでしょうか?」

それでは、なぜ「いかがでしたでしょうか」が敬語として合っているにも関わらず、「うざい」と感じる人が多いのでしょうか?

これは敬語うんぬんの前に、キュレーションサイトやブログ記事での使い方に問題があります。「うざい」と思われるような使い方をしてしまっているのであり、もともと「いらっしゃいますでしょうか」の表現自体は何も問題がありません。

なぜ「うざい」と感じるのか?

どのような使い方をすると「うざい」のか、

次項から具体的にみていきましょう。

なぜ「いかがでしたでしょうか」は”うざい”と感じる?

理由①自分の行為に対して「いかが?」=うざキャラ

「いかがでしたでしょうか?」は相手に感想を求める、意見を求めるときに使われます。

したがって、感想を求める対象が何かしらいるのですが…。

その対象は自分の行為ではなく、他の何かであるべきです。

たとえば、こんな感じで使います。

「いかがでしたでしょうか」のウザくない使い方:

  • 例文①部長、先週のゴルフ、いかがでしたでしょうか?
  • 例文②部長、新しいオフィス物件はいかがでしたでしょうか?

などとして使います。

ところが自分の行為に対して「いかがでしたでしょうか?」を使うと、この上なく「うざい」と感じます。

たとえば、こんな感じ。

「いかがでしたでしょうか」うざい使い方:

  • 私のゴルフスイング、いかがでしたでしょうか?
    → えっ!?ゴルフスイング自慢?
  • 私の新築住宅、いかがでしたでしょうか?
    → えっ!?家自慢?
  • 私が作ったケーキ、いかがでしたでしょうか?
    → 別に普通だけど…なにか持ち上げること言わないとダメかなぁ…。
  • 私の書いた記事、いかがでしたでしょうか?
    → なんで知り合いでもない人のブログ記事に感想いわないとダメなの?

いかがでしたでしょうか?(苦笑)。

本人に悪気はなくても受け手側からみると、これでは限りなく「うざいヤツ」になってしまいますよね…。

理由②「いかが=どうや?」を無理に押し付けられている

「いかがでしたでしょうか?」などと無理やり読者に感想を求める表現を使うのって「いかがなものでしょうか?」。かなりの確率で読者から「なんか、馴れ馴れしくてうざい」と思われてしまいます。

理由③「いかがでしたか」←何が「いかが」だったの?

「いかがでしたか?」は「どうでしたか?」の意味なので、

「いったい、何がいかがだったのか?」相手に伝える必要があります。ところが、記事の最後に使われる「いかがでしたか?」には対象がない。よって、記事の「いかが」には答えようがないのです。

▼▼▼▼▼▼

これらの理由について、くわしくは以下の記事で語っています。ご参考にどうぞ。

参考になる記事;

「いかがでしたでしょうか?」の代わりに使える表現

「いかがでしたでしょうか?」は、自分の行為を対象に使ってしまうと限りなく「うざい」ということが分かりました。

誰もが納得する、もっといい表現はないでしょうか?

私の考える「言い換え表現」を例文でまとめていきます。

言い換え①~のお役に立てましたら幸いです

ブログやキュレーションサイトの記事で使われる「いかが?」の問題は、自分の行為に対して感想を求めている、という点に尽きるでしょう。

そこで感想を求めないマイルドな表現「~のお役に立てましたら幸いです」にしてみました。

これの意味は「~の役に立ったら嬉しいなぁ、幸せだなぁ」です。

「~の」部分にはたとえば、「就職活動の」「20代薄毛男性の」「バストサイズにお悩みのあなた」など、記事を読んでくれるであろう対象者が入ります。

言い換え②~のご参考にどうぞ

「~のご参考にどうぞ」も読者に感想をもとめない表現です。

これの意味は「~の参考にしてね」です。

「~の」部分にはたとえば、「就職活動」「20代薄毛解決」「バストサイズUPの」などが入ります。

言い換え③~のご参考になりましたら幸いです

これは「ご参考にどうぞ」をもっとマイルドにした言い方です。

意味は「~の参考になったら嬉しいなぁ、幸せだなぁ」です。

「~の」部分にはたとえば、「就職活動」「20代薄毛解決」「バストサイズUPの」などが入ります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?(失笑)

今回はこれでもかというくらい「いかがでしたでしょうか?」が敬語として正しい理由、にも関わらず「うざい」と思われる理由について語ってみました。

ご参考になりましたら幸いです。ではでは~~。

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