「ご厚誼」の意味、目上・ビジネスにふさわしい使い方、例文

ご厚誼(読み:ごこうぎ)の意味、ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方、注意点について。

ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。

ご厚誼の意味は「親しいお付き合い」

「ご厚誼」の意味は「心のこもった親しい付き合い」「厚いよしみ」「心からの親しみ」

「ご厚誼(読み:ごこうぎ)」のもととなる単語は「厚誼」であり尊敬語「ご」をつかって敬語にしています。

「厚誼」の「誼」は「よしみ、親しみ」の意味であり、「厚い」を使うことで「手厚い、心からの親しみ」として強調しています。

したがって「心のこもった親しい付き合い」「厚いよしみ」「心からの親しみ」のような意味として考えるのが妥当となります。

ご厚誼の使い方

「ご厚誼」の使い方はざっくり2パターンあり。①ビジネス文書の冒頭挨拶、ビジネス文書の

使い方①ビジネス文書での冒頭挨拶

「ご厚誼」の使い方その1

「ご厚誼」はビジネス文書で「平素は格別のご厚誼にあずかり厚くお礼申し上げます」などのようにし、社外のメール挨拶「お世話になっております」と同じような意味で使われます。

ビジネスメールではあまり使われることのない表現であり、ビジネス文書など公式なシーンでよく使います。

ビジネス文書の中には「添え状」「見積書」などから「年賀状」「暑中見舞い・寒中見舞い」といった公式なものまですべてを含みます。

ほぼ以下のような例文で使われますね(意味などくわしくは本文にて)

  • 例文①平素は格別なご厚誼を賜り誠にありがとうございます
  • 例文②平素は格別なご厚誼にあずかり厚くお礼申し上げます

使い方②ビジネス文書での締め・結び

「ご厚誼」の使い方その2

「ご厚誼」はビジネス文書で「今後ともご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」などのようにし、締め・結びの挨拶としても使われます。社外メールの結び「今後ともよろしくお願い申し上げます」と同じような意味で使われます。

これが「ご厚誼」のもっともオーソドックスな使い方。

ビジネスメールでは、公式な挨拶メール以外であまり使われることのない表現であり、ビジネス文書でよく使います。

ビジネス文書の中には「添え状」「見積書」などから「年賀状」「暑中見舞い・寒中見舞い」といった公式なものまですべてを含みます。

ほぼ以下のような例文で使われますね(意味などくわしくは本文にて)

  • 例文「本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」年賀欠礼状
  • 例文「今年○月 ○○○○が○○歳で永眠いたしました 本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますと共に 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」年賀欠礼状
  • 例文「今後ともご厚誼のほどお願い申し上げます」
    ※ 喪中ハガキや年賀状では句読点を使わないのが一般的

ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、以降ではいろいろな例文を使いながら意味、使い方、注意点について説明していきます。

例文①平素は格別なご厚誼を賜り厚く御礼申し上げます

「ご厚誼」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文①平素は格別なご厚誼を賜り厚く御礼申し上げます
    読み:へいそはかくべつな ごこうぎをたまわり あつくおれいもうしあげます

意味「日ごろは親しいお付き合いをしてもらい、本当にありがとう」

  1. 平素は(へいそは) = 日ごろは
  2. 格別な(かくべつな) = 特別な、これ以上ない
  3. ご厚誼 = 心のこもった親しい付き合い
  4. 賜り(たまわり) = 〜をしてもらい の意味で「もらう」の謙譲語
  5. 厚く = 本当に、心から
  6. 御礼申し上げます = ありがとう

これらを合体させて意味を考えます。

すると「平素は格別なご厚誼を賜り厚く御礼申し上げます」の意味は…

「日ごろは親しいお付き合いをしてもらい、本当にありがとう」
「日ごろは心からのよしみをもらい、本当にありがとう」

のように解釈できます。

要は「お世話になっております」だと覚えておけばよい

「格別な」「ご厚誼」「賜る」「厚く御礼申し上げます」とかイロイロと大げさなフレーズを組み合わせているため、なんだかバカ丁寧な印象になる言葉です。

が、公式なビジネスシーンではよく登場します。

ビジネスシーンに使われるときはもっとシンプルに意訳して「お世話になっております」の意味だと考えればOKです。

大げさな表現であるため普段づかいのビジネスメールに使うのは一般的でなく、ビジネス文書や年賀状などで使います。

例文②平素は格別なご厚誼にあずかり厚く御礼申し上げます

「ご厚誼」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文②平素は格別なご厚誼にあずかり厚く御礼申し上げます
    読み:へいそはかくべつな ごこうぎにあずかり あつくおれいもうしあげます

意味「日ごろは親しいお付き合いをしてもらい、本当にありがとう」

  1. 平素は(へいそは) = 日ごろは
  2. 格別な(かくべつな) = 特別な、これ以上ない
  3. ご厚誼 = 心のこもった親しい付き合い
  4. あずかり = 〜を受けて、〜をしてもらい
  5. 厚く = 本当に、心から
  6. 御礼申し上げます = ありがとう

これらを合体させて意味を考えます。

すると「平素は格別なご厚誼にあずかり厚く御礼申し上げます」の意味は…

「日ごろは親しいお付き合いをしてもらい、本当にありがとう」
「日ごろは心からのよしみをもらい、本当にありがとう」

のように解釈できます。

要は「お世話になっております」だと覚えておけばよい

「格別な」「ご厚誼」「あずかり」「厚く御礼申し上げます」とかイロイロと大げさなフレーズを組み合わせているため、なんだかバカ丁寧な印象になる言葉です。

が、公式なビジネスシーンではよく登場します。

ビジネスシーンに使われるときはもっとシンプルに意訳して「お世話になっております」の意味だと考えればOKです。

大げさな表現であるため普段づかいのビジネスメールに使うのは一般的でなく、ビジネス文書や年賀状などで使います。

ご厚誼にあずかり/ご厚誼を頂き/ご厚誼を賜り〜の違い

ここで少し横道にそれます。

「ご厚誼にあずかり厚く御礼申し上げます」と似たような表現には、①ご厚誼を賜り厚く御礼申し上げます、②ご厚誼を頂き厚く御礼申し上げます、があります。

これって何が違うのでしょうか?

「ご厚誼にあずかる」の意味は、

主に目上から好意の表れとして「ご厚誼=親しいお付き合い」を受けること。

「ご厚誼を賜る」「ご厚誼をいただく」の意味はどちらも、

「ご厚誼=親しいお付き合い」を受ける・してもらうこと。

※「もらう」の謙譲語が「賜る・いただく」

となり、どれもまったくおなじ意味です。

敬語としてみると「あずかる」は「(目上から)受ける・もらう」の意味の丁寧な表現。

「賜る(たまわる)」と「頂く(いただく)」はどちらも「もらう」の謙譲語。

ということでどれも大差ありません。

かしこまったフレーズは「賜る・あずかる」

上記は、いずれを用いても丁寧な敬語フレーズですが強いていうのであれば、どれくらい「かしこまったフレーズであるか」という点でビミョーに違います。

「いただく」よりも「賜る・あずかる」のほうが、よりかしこまった印象となりますね。まぁどれを使っても丁寧ではありますが…

ビジネス文書でよく目にするのは「賜る・あずかる」のほうです。

例文③

例文③ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます

「ご厚誼」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文③ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
    読み:ごこうぎを たまわりますよう おねがいもうしあげます

意味は「親しいお付き合いをしてもらうよう、お願いします」

  1. ご厚誼 = 心のこもった親しい付き合い
  2. 賜りますよう = もらいますよう
  3. お願い申し上げます = お願いします

これらを合体させて意味を考えます。

すると「ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」の意味は…

「親しいお付き合いをしてもらうよう、お願いします」

のように解釈できます。

要は「今後もよろしく!」だと覚えておけばよい

「ご厚情」「賜る」とかイロイロと大げさなフレーズを組み合わせているため、なんだかバカ丁寧な印象になる言葉です。

が、公式なビジネスシーンではよく登場します。

「ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」までを一つのフレーズとして覚えておくと、年賀状などを書くときに役立つでしょう。

で、ビジネスシーンに使われるときはもっとシンプルに意訳して「今後もよろしく!」の意味だと考えればOKです。

大げさな表現であるため特定のビジネスシーンでしか使われないフレーズです。次項より使い方について見ていきましょう。

使い方①何かしらの挨拶ビジネス文書・メールの結び

「ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」の使い方その1。

何かしらの挨拶ビジネス文書や挨拶メールの結びとして使います。といってもほとんど決まりきった使い方しかしません。

  • 例文「今後ともご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」
  • 例文「今後ともご厚誼を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます」
  • 例文「今後とも倍旧のご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」
    倍旧の」は「より一層の」という意味

のようにして、挨拶をともなうビジネス文書やビジネスメールで結び・締めくくりとして使われます。

挨拶の中には「就任の挨拶」「着任の挨拶」「退任の挨拶」「本社移転の挨拶(案内)」などがありますね。

具体的にはたとえば、社外にむけて就任の挨拶文書やメールをするとき。

「このたび、執行役員に就任いたしました。(中略)今後とも倍旧のご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」

みたいにメール結びとして使えます。

まぁ、ようするに「今後もよろしくね!」という意味なのです。難しいようでしたら「今後もよろしくね!」のカッコつけた表現だということを覚えておけばよいでしょう。

おなじような表現としては、

「今後とも倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」
「今後とも倍旧のご指導を賜りますようお願い申し上げます」
「ご厚情を賜りますよう〜」
「ご高配を賜りますよう〜」
「ご支援を賜りますよう〜」

もあります。

※ それぞれ別の意味ですが言い換えたとしても違和感はありません。

使い方②年賀状・年賀欠礼状・暑中寒中見舞いなど特殊なビジネス手紙の結び

「ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」の使い方その2。

こちらも挨拶の一部ではありますが、年賀状や暑中寒中見舞いに結びとして使われます。例文は使い方①と重複するため省略し、年賀欠礼状につかうものだけをご紹介します。

  • 例文「本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」
  • 例文「今年○月 ○○○○が○○歳で永眠いたしました 本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますと共に 明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます」
  • 例文「本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに明年も変わらぬご交誼を謹んでお願い申し上げます」
    ※ 喪中ハガキや年賀状では句読点を使わないのが一般的

「ご厚誼」「ご交誼」「ご高配」「ご厚情」の違い

ここで少し横道にそれます。

「ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」と似たような表現には、「ご交誼」「ご高配」「ご厚情」があります。

これって何が違うのでしょうか?

意味の違い

まずはそれぞれの意味の違いを簡単に。

  1. ご厚誼 = 親しいお付き合い
  2. ご交誼 = 友人としての親しいお付き合い
  3. ご高配 = お心遣い、お心配り
  4. ご厚情 = 厚い情け、心からの思いやり

「誼=親しみ」をつかった表現が「ご厚誼・ご交誼」

「配=配慮、心遣い、心配り」をつかった表現が「ご高配」

「情=情け、思いやり」をつかった表現が「ご厚情」ということになります。

それぞれ若干ですが違ったニュアンスであることがわかります。

注意点として「ご交誼」だけは目上の人に使わない方が無難なフレーズ。他はどれも目上であろうとビジネスシーンであろうと使えるフレーズです。

使い分けについて少し考えてみましょう。

ビジネスシーンでは「ご交誼」よりも「ご厚誼」を使う

「ご交誼」は目上には使わない方が無難。イコール、ビジネスシーンにおいては相手が目上であろうと目下であろうと避けた方がよい表現です。

なぜなら、

「ご厚誼」というもっと素晴らしいフレーズがあるから(理由になっていないかも)

「交=交わる」「誼=親しみ」というのはどこかカジュアルな感じがするのですよね。気にかける人はほとんどいないものとは思いますけど…

ひょっとしたら失礼と感じる目上の人もいるかもしれません。

いっぽうで「ご厚誼」は「厚い親しみ」ということですから、丁寧であり何ら問題のないフレーズです。

※ ビジネスシーンにおいては相手が誰であろうと敬意を示すべきです

「ご厚誼/ご高配/ご厚情」はどれを使っても丁寧

ということですのでビジネスシーンでは「ご交誼」は使わず「ご厚誼」「ご高配」「ご厚情」を使うとよいでしょう。

これらはどれを使っても丁寧です。

「ご厚誼/ご高配/ご厚情」は被らないように使い分け!

「ご厚誼」「ご高配」「ご厚情」はビジネスシーンにおいてはどれを使っても丁寧です。

が、ひとつだけ注意点を。

ビジネスシーンに限らず年賀状・ハガキなど文章を書くときには、なんども同じ表現を使わないこと。たとえば「ご交誼」を挨拶文で使ったのであれば、結びは「ご厚情」を使うなどして使い分けしましょう

これはどんな文章においても共通のルールです(英語でもおなじ)。

悪い例にはたとえば以下のような文章があります。

  • 悪い例「本年中に賜りましたご厚誼を深謝いたしますとともに 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」
  • 悪い例「今年○月 ○○○○が○○歳で永眠いたしました 本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますと共に 明年も変わらぬご厚情のほどお願い申し上げます」
  • 悪い例「拝啓 平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
    (中略)今後とも変わらぬご高配を賜りますようお願い申し上げます。 敬具」

なぜ似たような意味なのにこうも色々なフレーズがあるのかというと…言葉の重複をさけるためなのですよね。

「ご厚誼」「ご厚情」「ご高配」を絶妙にかぶらないように使い分けすると綺麗な文章になります。

念のため悪い例を修正しておきましょう。

  • 良い例「本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」
  • 良い例「今年○月 ○○○○が○○歳で永眠いたしました 本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますと共に 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」
  • 良い例「拝啓 平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
    (中略)今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。 敬具」

「ご厚誼」類語と言い換え

「ご厚誼」の類語と言い換えについて。

ビジネスシーンでも使える言い換え表現をざっくりまとめておきます。

ご高配(読み:ごこうはい)

ビジネスシーンで使える「ご厚誼」の言い換え・類語

オーソドックスなのは「ご高配」です。

「ご高配」の意味は「お心配り」「お心遣い」

「高配」の「高」は「高察=察することを敬って言う表現」で使われるように、相手を高める、つまり尊敬の意をこめて使われます。

「配慮・心配り」などで使われる「配」をつけ加え「高配」としています。

「ご高配」も「ご厚誼」も日ごろの感謝の気持ちを込めて使う言葉であり、おなじように使えます。

すると以下のようなフレーズも同じように使えますね。

  • 例文「平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご高配にあずかり厚く御礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます」
  • 例文「平素は格別のご高配を頂き誠にありがとうございます」
  • 例文「今後とも倍旧のご高配を賜りますようお願い申し上げます」※「倍旧の」は「より一層の」という意味

ご厚情(読み:ごこうじょう)

ビジネスシーンで使える「ご厚誼」の言い換え・類語

続いてオーソドックスなのが「ご厚情」です。

「ご厚情」の意味は「厚いなさけ。心からの深い思いやりの気持ち」であり、「ご厚誼」と似たようなシーンで使われます。

「ご高配」も「ご厚誼」も「ご厚情」も相手にたいする日ごろの感謝の気持ちを込めて使う言葉であり、おなじように使えます。

すると以下のようなフレーズも同じように使えますね。

  • 例文「平素は格別のご厚情を賜り厚くお礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご厚情にあずかり厚く御礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございます」
  • 例文「平素は格別のご厚情を頂き誠にありがとうございます」
  • 例文「今後とも倍旧のご厚情を賜りますようお願い申し上げます」※「倍旧の」は「より一層の」という意味

お引き立て(読み:おひきたて)

ビジネスシーンで使える「ご厚誼」の言い換え・類語

つづいて「お引き立て」

「お引き立て」の意味は「お世話になること」であり、とくにビジネス文書の挨拶文で「ご厚誼」と同じくよく使います。

こちらも相手にたいする日ごろの感謝の気持ちを込めて使う言葉であり、おなじように使えます。

すると以下のようなフレーズも同じように使えますね。

  • 例文「平素は格別のお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のお引き立てにあずかり厚く御礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございます」
  • 例文「平素は格別のお引き立てを頂き誠にありがとうございます」
  • 例文「今後とも倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます」※「倍旧の」は「より一層の」という意味

その他

ビジネスシーンで使える「ご厚誼」の言い換え・類語

あとは場合によっては使えるであろう言い換え・類語を紹介します。

  • お心遣いをいただき、ありがとうございます
    意味は「心配り」であり、とくに何かをもらったときのお礼のビジネスシーンで「●●に際してお心遣いを頂き誠にありがとうございました」のようにして使われます。

「お心遣い」意味と目上・ビジネスメールにふさわしい使い方、例文

  • ご配意いただき、ありがとうございます
    意味は「配慮」であり、とくにお礼のビジネスシーンで「ご配慮を頂き誠にありがとうございました」のようにして使われます。

【注意点】ご厚誼はこう使う!

つづいて「ご厚誼」を使うときの注意点を解説します。

敬語を正しく使うことはもちろん、ふさわしいビジネスシーンを考えて使いましょう。

ビジネス文書で使うときは時候の挨拶も入れる!

「ご厚誼」をつかうときの、一連の流れとして覚えていただきたいこと。

ビジネス文書で使うとき「平素は格別のご厚誼を賜り厚くお礼申し上げます」の前に時候の挨拶を入れましょう。

そして「拝啓~敬具」もあわせて使います。

すると以下のような感じ。

  1. 企業向け「拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご厚誼を賜り厚くお礼申し上げます (本文) 敬具」
  2. 企業向け「拝啓 ●●の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご厚誼を賜り厚くお礼申し上げます (本文) 敬具」
  3. 個人向け「拝啓 時下ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご厚誼を賜り厚くお礼申し上げます (本文 敬具)」
  4. 個人向け「拝啓 ●●の候 xx様におかれましては益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご厚誼を賜り厚くお礼申し上げます (本文) 敬具」

かみくだくと「最近どうよ?世話になっててありがとう!」というような意味となります。

季節ごとに「●●の候」というような季語を使うこともありますが…最近では上記のようにオールシーズンで使われる時候の挨拶しか見たことないですね。

➡︎ ビジネス挨拶文の例文50選(文書・メール・年賀状・時候ほか)

➡︎ ビジネスメールでの「拝啓・敬具」の書き方と位置

「ご厚誼してください」はNG!

きわめて初歩的な敬語の使い方なのですが…

「ご厚誼」するのはあくまでも相手の厚意であるため、相手に「ご厚誼してください=心配りしてください」と要求するのは、なんとも厚かましい感じがします。

これは受け手の感情次第であり、そんなことは考えずに使っているヒトがほとんどだと思いますが…

とくに目上のヒトに何かをお願いするときには「お取り計らい」をつかい、「お取り計らいのほど、何卒よろしくお願いいたします」などのようにするのが無難です。

「お取り計らい」意味と目上の方への正しい使い方【例文あり】

ビジネスでは何かとお世話になってばかり。だから「ご厚誼」をよく使う

ビジネスは一人では成り立ちません。

私たちは社内の先輩や上司、社外のパートナーなど、まわりの人々にいつも助けてもらいながら仕事をしているのです。

そういう意味でビジネスメールでは誰かにお世話になりっぱなしなのです。

そんなお世話になっている相手に対して「今後もよろしくね!」といった挨拶や「日頃からお世話になっています」などのような挨拶の意味を込めて使うのが「ご厚誼」です。

かしこまった言い方であり、ビジネス文書や手紙で使う

「ご厚誼」はかなりかしこまった表現であるため、普段のビジネスメールや会話では使いません。

公式な挨拶が必要となるシーン、

たとえば「ビジネス文書」「手紙」「暑中寒中見舞いハガキ」「年賀状」「転勤の挨拶メール」といったビジネスシーンで使われます。

普段のビジネスメール結びや締めくくりに使ったらダメという訳ではないですが、ほとんど目にしたことがありません。

【参考】「取り急ぎお礼まで」を目上の人に使わない理由・丁寧な言い換え

参考記事

➡︎「ご厚誼にあずかり厚く御礼申し上げます」意味と使い方・例文

➡︎「ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」意味と使い方・例文

➡︎「ご厚誼」「ご交誼」「ご高配」「ご厚情」の意味と違い、使い分け