「ご厚情」の意味とビジネスにふさわしい使い方・例文

ご厚情(読み:ごこうじょう)の意味、ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方、注意点について。

ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。

この記事の目次

ご厚情の意味は「厚い情け」「心からの思いやり」

「ご厚情」の意味は「厚いなさけ。心からの深い思いやりの気持ち」

「ご厚情」のもととなる単語は「厚情」であり尊敬語「ご」をつかって敬語にしています。

「厚い」をつけることによって単なる「情け、思いやり」ではなくもっと深い、「心からの情け、思いやり」という意味になります。

ご厚情の使い方

「ご厚情」の使い方はざっくり2パターンあり。①ビジネス文書の冒頭挨拶、②ビジネス文書の結び・締め、に使われることの多いフレーズ。

使い方①ビジネス文書での冒頭挨拶

「ご厚情」の使い方その1

「ご厚情」はビジネス文書で「平素は格別のご厚情を賜り厚くお礼申し上げます」などのようにし、社外のメール挨拶「お世話になっております」と同じような意味で使われます。

ビジネスメールではあまり使われることのない表現であり、ビジネス文書など公式なシーンでよく使います。

ビジネス文書の中には「添え状」「見積書」などから「年賀状」「暑中見舞い・寒中見舞い」といった公式なものまですべてを含みます。

ほぼ以下のような例文で使われますね(意味などくわしくは本文にて)

  • 例文①平素は格別なご厚情を賜り誠にありがとうございます
  • 例文②平素は格別なご厚情にあずかり厚くお礼申し上げます

使い方②ビジネス文書での締め・結び

「ご厚情」の使い方その2

「ご厚情」はビジネス文書で「今後とも倍旧のご厚情を賜りますようお願い申し上げます」などのようにし、締め・結びの挨拶としても使われます。社外メールの結び「今後ともよろしくお願い申し上げます」と同じような意味で使われます。

こちらも「ご厚情」のオーソドックスな使い方です。

ビジネスメールでは、公式な挨拶メール以外であまり使われることのない表現であり、ビジネス文書でよく使います。

ビジネス文書の中には「添え状」「見積書」などから「年賀状」「暑中見舞い・寒中見舞い」といった公式なものまですべてを含みます。

ほぼ以下のような例文で使われますね(意味などくわしくは本文にて)

  • 例文④ご高配を賜りたく存じます
  • 例文⑤ご高配を賜りますようお願い申し上げます
  • 例文⑥ご高配を賜り/頂き誠にありがとうございました

使い方③その他お礼のビジネスシーン

あとは普段づかいのビジネスメールでお礼として使えるには使えます(あまり一般的ではありませんが…)

たとえば単にお礼をするシーンで、

  • 例文「このたびは私の就任に際し、ご高配を賜り厚くお礼申し上げます」
  • 例文「先般はご高配をいただき誠にありがとうございました」

などのように使ってもよいでしょう。

ただし、お礼のシーンでは「お心遣い」やその他のフレーズのほうが便利なので「ご高配」というフレーズをあまり見たことはありません…

ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、以降ではいろいろな例文を使いながら意味、使い方、注意点について説明していきます。

例文①平素は格別なご厚情を賜り誠にありがとうございます

「ご厚情」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文①平素は格別なご厚情を賜り誠にありがとうございます

意味「日ごろは特別に厚い情けをもらい、本当にありがとう」

意味は「日ごろは特別に厚い情けをもらい、本当にありがとう!」
ここで「賜る(たまわる)」は「もらう」の謙譲語であり、「平素は」は「日ごろは」の意味のかしこまったフレーズであるため上記のような意味となります。

使い方「ビジネス挨拶」

使い方はビジネス文書の挨拶文として「お世話になっております」と同じ意味で使われます(本当は違う意味ですが…)。あくまでもビジネスシーンでは、という話。

間違ったウェブサイトの解説に「目上のヒトに対してだけ使う」とありますが、断じてそんなことはありません。

公式なビジネス文書の挨拶であり、目上も目下も関係ありません。

ただし、ビジネスメールではあまり使われることのない表現であり、ビジネス文書など公式なシーンでよく使います。

また、公式なビジネス文書では「時候の挨拶」とセットで使われることにもご留意ください。

すると以下のような例文で使われます。

ビジネスシーンの例文

  • ビジネス文書の例文(挨拶)
    拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
    平素は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございます。 (本文) 敬具
  • ビジネスメール例文(挨拶)
    平素は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございます。
    転職ノマドでございます。

例文②平素は格別なご厚情を賜り厚くお礼申し上げます

「ご厚情」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文②平素は格別なご厚情を賜り厚くお礼申し上げます

「厚く=誠に」「お礼申し上げます=ありがとうございます」という意味ですので、例文①を少し変えただけであることが分かりますね。

意味と使い方は例文①と重複するため省略しますが、例文①よりもかしこまった表現です。ビジネス文書などでよく目にするのはコチラですね。

ビジネスシーンの例文

  • ビジネス文書の例文(冒頭の挨拶)
    拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
    平素は格別のご厚情を賜り厚くお礼申し上げます。 (本文) 敬具
  • ビジネスメール例文(冒頭の挨拶)
    平素は格別のご厚情を賜り厚くお礼申し上げます。
    転職ノマドでございます。

例文③平素は格別なご厚情にあずかり誠にありがとうございます

「ご厚情」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文③平素は格別なご厚情にあずかり誠にありがとうございます

こちらも例文①とおなじ意味と使い方であるため細かい部分は省略しますが…

「日ごろは特別な厚い思いやりをもらい、本当にありがとう!」という意味となります。

違いは「ご厚情にあずかり」なのか、「ご厚情を賜り」なのかというだけ。

「ご厚情にあずかる」「ご厚情を賜る」の違い

「ご厚情にあずかる」の意味は、

主に目上から好意の表れとして「ご厚情」を受けること。

「ご厚情を賜る」の意味は、

「ご厚情」を受けること。

となり、どちらもまったくおなじ意味です。

敬語としてみると「あずかる」は「(目上から)受ける・もらう」の意味の丁寧な表現。「賜る(たまわる)」は「もらう」の謙譲語。

ということでどちらも大差ありません。

いずれを用いても丁寧な敬語フレーズですね。

ビジネスシーンでの例文

  • ビジネス文書の例文(挨拶)
    拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
    平素は格別なご厚情にあずかり誠にありがとうございます。 (本文) 敬具
  • ビジネスメール例文(挨拶)
    平素は格別なご厚情にあずかり誠にありがとうございます。
    転職ノマドでございます。

例文④平素は格別なご厚情にあずかり厚くお礼申し上げます

「ご厚情」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文④平素は格別なご厚情にあずかり厚くお礼申し上げます

「厚く=誠に」「お礼申し上げます=ありがとうございます」という意味ですので、例文③を少し変えただけであることが分かりますね。

意味と使い方はこれまでの例文と重複するため省略しますが、「ありがとうございます」よりも「お礼申し上げます」のほうがより、かしこまった表現です。

ビジネス文書などでよく目にするのはコチラですね。

ビジネスシーンの例文

  • ビジネス文書の例文(冒頭の挨拶)
    拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
    平素は格別なご厚情にあずかり厚くお礼申し上げます。 (本文) 敬具
  • ビジネスメール例文(冒頭の挨拶)
    平素は格別なご厚情にあずかり厚くお礼申し上げます。
    転職ノマドでございます。

例文⑤平素は格別なご厚情をいただき、~

「ご厚情」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文⑤平素は格別なご厚情をいただき誠にありがとうございます。
  • 例文⑥平素は格別なご厚情をいただき厚くお礼申し上げます。

こちらも例文①とおなじ意味と使い方であるため細かい部分は省略しますが…

「日ごろは特別に厚いお情けをもらい、本当にありがとう!」という意味となります。

違いは「ご厚情にあずかり」なのか、「ご厚情を賜り」なのかというだけ。

「ご厚情を頂く」「ご厚情にあずかる・賜る」の違い

「ご厚情にあずかる」の意味は、

主に目上から好意の表れとして「ご厚情」を受けること。

「ご厚情を賜る」「ご厚情をいただく」の意味はどちらも、

「ご厚情」を受ける・もらうこと。

となり、どれもまったくおなじ意味です。

敬語としてみると「あずかる」は「(目上から)受ける・もらう」の意味の丁寧な表現。

「賜る(たまわる)」と「頂く(いただく)」はどちらも「もらう」の謙譲語。

ということでどれも大差ありません。

いずれを用いても丁寧な敬語フレーズですが、強いていうのであれば、どれくらいかしこまったフレーズであるかという点で少し違います。

「いただく」よりも「賜る・あずかる」のほうが、よりかしこまった印象となりますね。まぁどれを使っても丁寧ではありますが…

ビジネス文書でよく目にするのは「賜る・あずかる」のほうです。

ビジネスシーンでの例文

  • ビジネス文書の例文(挨拶)
    拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
    平素は格別なご厚情をいただき厚くお礼申し上げます。 (本文) 敬具
  • ビジネスメール例文(挨拶)
    平素は格別なご厚情をいただき誠にありがとうございます。
    転職ノマドでございます。

例文⑥ご厚情を賜りたく存じます/を頂きたく存じます

「ご厚情」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文⑥ご厚情を賜りたく存じます
  • 例文⑥ご厚情を頂きたく存じます

意味「厚いお情けをもらいたいと思う」

意味は「厚いお情けをもらいたいと思う」
ここで「賜る(たまわる)」「いただく」はどちらも「もらう」の謙譲語、「存じる」は「思う」の謙譲語、さらに丁寧語「ます」をつかって敬語にしています。

使い方「お願いのビジネスメール結び・締め」

使い方はとくにお願い・依頼のビジネスメール結び・締め。「どうかお情けが欲しい、よろしく!」のようなニュアンスで使われます。

お願いのなかでもとくに、自分のワガママにたいして「お情けをかけてもらいたい」という意思表示のために使うとよいでしょう。

たとえば「食品アレルギーがあるので、卵料理のないお店にしてほしい」とき。

「食品アレルギーのため、卵料理全般がNGです。何卒ご厚情を賜りたく存じます」みたいな感じ。

普通に見積もりをお願いしたり、資料の取り寄せを依頼したり、サンプルを依頼したりするときには必要のないフレーズです。

すると以下のような例文で使われます。

ビジネスシーンの例文

  • ビジネスメールの例文(結び・締め)
    上記につきましてご厚情を賜りたく存じます。
    誠に勝手を申し上げますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

お願いするときには「お取り計らい」のほうが無難

これは受け手の感情次第なのですが…

「ご厚情」するのはあくまでも相手の厚意であるため、相手に「ご厚情してほしいと思う=お情けをかけてほしいと思う」と要求するのは、なんとも厚かましい感じがします。

とくに目上のヒトに何かをお願いするときには「お取り計らい」をつかい、「お取り計らいのほど、何卒よろしくお願いいたします」などのようにするのが無難です。

「お取り計らい」意味と目上の方への正しい使い方【例文あり】

例文⑦ご厚情を賜りますよう/頂きますようお願い申し上げます

「ご厚情」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文⑦ご厚情を賜りますようお願い申し上げます
  • 例文⑦何卒ご厚情を賜りますようお願い申し上げます
  • 例文⑦ご厚情をいただきますようお願い申し上げます

意味「厚いお情けをかけてもらうよう、お願いします」

意味は「厚いお情けをかけてもらうよう、お願いします」
ここで「賜る(たまわる)」「いただく」はどちらも「もらう」の謙譲語、「存じる」は「思う」の謙譲語、さらに丁寧語「ます」をつかって敬語にしています。

要は「今後もよろしく!」だと覚えておけばよい

「ご厚情」「賜る」とかイロイロと大げさなフレーズを組み合わせているため、なんだかバカ丁寧な印象になる言葉です。

が、公式なビジネスシーンではよく登場します。

「ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」までを一つのフレーズとして覚えておくと、年賀状などを書くときに役立つでしょう。

で、ビジネスシーンに使われるときはもっとシンプルに意訳して「今後もよろしく!」の意味だと考えればOKです。

使い方①何かしらの挨拶ビジネス文書・メールの結び

「ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」の使い方その1。

何かしらの挨拶ビジネス文書や挨拶メールの結びとして使います。といってもほとんど決まりきった使い方しかしません。

  • 例文「今後ともご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」
  • 例文「今後ともご厚誼を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます」
  • 例文「今後とも倍旧のご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」
    倍旧の」は「より一層の」という意味

のようにして、挨拶をともなうビジネス文書やビジネスメールで結び・締めくくりとして使われます。

挨拶の中には「就任の挨拶」「着任の挨拶」「退任の挨拶」「本社移転の挨拶(案内)」などがありますね。

具体的にはたとえば、社外にむけて就任の挨拶文書やメールをするとき。

「このたび、執行役員に就任いたしました。(中略)今後とも倍旧のご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」

みたいにメール結びとして使えます。

まぁ、ようするに「今後もよろしくね!」という意味なのです。難しいようでしたら「今後もよろしくね!」のカッコつけた表現だということを覚えておけばよいでしょう。

おなじような表現としては、

「今後とも倍旧のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」
「今後とも倍旧のご指導を賜りますようお願い申し上げます」
「ご厚情を賜りますよう〜」
「ご高配を賜りますよう〜」
「ご支援を賜りますよう〜」

もあります。

※ それぞれ別の意味ですが言い換えたとしても違和感はありません。

使い方②年賀状・年賀欠礼状・暑中寒中見舞いなど特殊なビジネス手紙の結び

「ご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」の使い方その2。

こちらも挨拶の一部ではありますが、年賀状や暑中寒中見舞いに結びとして使われます。例文は使い方①と重複するため省略し、年賀欠礼状につかうものだけをご紹介します。

  • 例文「本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」
  • 例文「今年○月 ○○○○が○○歳で永眠いたしました 本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますと共に 明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます」
  • 例文「本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに明年も変わらぬご交誼を謹んでお願い申し上げます」
    ※ 喪中ハガキや年賀状では句読点を使わないのが一般的

お願いするときには「お取り計らい」のほうが無難

繰り返しになりますが…

「ご厚情」するのはあくまでも相手の厚意であるため、相手に「ご厚情してほしいと思う=お情けをかけてほしいと思う」と要求するのは、なんとも厚かましい感じがします。

とくに目上のヒトに何かをお願いするときには「お取り計らい」をつかい、「お取り計らいのほど、何卒よろしくお願いいたします」などのようにするのが無難です。

「お取り計らい」意味と目上の方への正しい使い方【例文あり】

例文⑧ご厚情を賜り/頂き誠にありがとうございました

「ご厚情」のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。

  • 例文⑧ご厚情を賜り誠にありがとうございました
  • 例文⑧ご厚情を頂き誠にありがとうございました

意味「厚いお情けをもらい、ありがとう!」

意味は「厚いお情けをもらい、ありがとう!」
ここで「賜る(たまわる)」「いただく」はどちらも「もらう」の謙譲語です。

使い方「お礼の敬語フレーズ」

とくにお礼の敬語フレーズとして使えます。これまで紹介した使い方とはちょっと違いますね。

たとえば相手からお土産やご祝儀などをもらったとき。

相手の心遣いにたいして「ご厚情を賜り誠にありがとうございました」など使ってもよいでしょう。

ビジネスシーンの例文

  • ビジネスメールの例文(お礼)
    このたびは私の就任に際して、ご厚情を賜り誠にありがとうございました。

例文⑨ご厚情を(ご厚情に)深謝いたします

意味は「心からの思いやりを本当にありがとう」

  1. ご厚情 = 厚いお情け、心からの思いやり
  2. 深謝いたします = 本当にありがとう

これらの単語を合体させて意味を考えます。

すると「ご厚情を深謝いたします」の意味は…

「心からの思いやりを本当にありがとう」
「心からのお情けを本当にありがとう」

のように解釈できます。

「ご厚情」「深謝」「いたします」とかイロイロと大げさなフレーズを組み合わせているため、なんだかバカ丁寧な印象になる言葉です。が、喪中ハガキなど特定のビジネスシーンでは使えます。

「ご厚情を深謝いたします」までを一つのフレーズとして覚えておくと、何かの時に役立つでしょう。

「いつもお世話になり、ありがとう!」の意味だと覚えておけばよい

「心からの思いやりを本当にありがとう」ってよくよく考えるとかなり変な意味です。

これは直訳。

ビジネスシーンに使われるときはもっとシンプルに意訳して「いつもお世話になり、ありがとう!」の意味だと考えればOKです。

使い方①喪中ハガキ(年賀欠礼状)の挨拶文

喪中ハガキ(年賀欠礼状)の挨拶文として使います。

といってもほとんど決まりきった使い方しかしません。

  • 例文「本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに 明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます」
  • 例文「今年○月 ○○○○が○○歳で永眠いたしました 本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますと共に 明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます」
  • 例文「本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに明年も変わらぬご交誼を謹んでお願い申し上げます」
    ※ 喪中ハガキや年賀状では句読点を使わないのが一般的

のようにして一連の挨拶文として使われます。

また「ご厚情」とおなじように使える言い換えには「ご高配」「ご温情」「お引き立て」もありますが、喪中ハガキではあまり一般的ではないですね…

使い方②その他いろいろな挨拶文

あとは色々なビジネス文書の挨拶として活躍します。

たとえば以下のように使うとよいでしょう。

  • 年賀状の挨拶文
    「旧年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに本年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます」
  • ビジネス挨拶文
    「平素はひとかたならぬご厚情にあずかり、深く感謝申し上げます。」
    「平素は格別なご厚情を賜り厚くお礼申し上げます。」

「ご厚情」の類語と言い換え

「ご厚情」の類語と言い換えについて。

ビジネスシーンでも使える言い換え表現をざっくりまとめておきます。

ご高配(読み:ごこうはい)

ビジネスシーンで使える「ご厚誼」の言い換え・類語

オーソドックスなのは「ご高配」です。

「ご高配」の意味は「お心配り」「お心遣い」

「高配」の「高」は「高察=察することを敬って言う表現」で使われるように、相手を高める、つまり尊敬の意をこめて使われます。

「配慮・心配り」などで使われる「配」をつけ加え「高配」としています。

「ご高配」も「ご厚誼」も日ごろの感謝の気持ちを込めて使う言葉であり、おなじように使えます。

すると以下のようなフレーズも同じように使えますね。

  • 例文「平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご高配にあずかり厚く御礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます」
  • 例文「平素は格別のご高配を頂き誠にありがとうございます」
  • 例文「今後とも倍旧のご高配を賜りますようお願い申し上げます」※「倍旧の」は「より一層の」という意味

ご厚誼(読み:ごこうぎ)

ビジネスシーンで使える「ご厚情」の言い換え・類語

続いてオーソドックスなのが「ご厚誼」です。

「ご厚誼」の意味は「親しいお付き合い。厚いよしみ、親しみ」であり、「ご厚情」と似たようなシーンで使われます。

「ご高配」も「ご厚誼」も「ご厚情」も相手にたいする日ごろの感謝の気持ちを込めて使う言葉であり、おなじように使えます。

すると以下のようなフレーズも同じように使えますね。

  • 例文「平素は格別のご厚情を賜り厚くお礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご厚情にあずかり厚く御礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございます」
  • 例文「平素は格別のご厚情を頂き誠にありがとうございます」
  • 例文「今後とも倍旧のご厚情を賜りますようお願い申し上げます」※「倍旧の」は「より一層の」という意味

お引き立て(読み:おひきたて)

ビジネスシーンで使える「ご厚誼」の言い換え・類語

つづいて「お引き立て」

「お引き立て」の意味は「お世話になること」であり、とくにビジネス文書の挨拶文で「ご厚誼」と同じくよく使います。

こちらも相手にたいする日ごろの感謝の気持ちを込めて使う言葉であり、おなじように使えます。

すると以下のようなフレーズも同じように使えますね。

  • 例文「平素は格別のお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のお引き立てにあずかり厚く御礼申し上げます」
  • 例文「平素は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございます」
  • 例文「平素は格別のお引き立てを頂き誠にありがとうございます」
  • 例文「今後とも倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます」※「倍旧の」は「より一層の」という意味

その他

ビジネスシーンで使える「ご厚誼」の言い換え・類語

あとは場合によっては使えるであろう言い換え・類語を紹介します。

  • お心遣いをいただき、ありがとうございます
    意味は「心配り」であり、とくに何かをもらったときのお礼のビジネスシーンで「●●に際してお心遣いを頂き誠にありがとうございました」のようにして使われます。

「お心遣い」意味と目上・ビジネスメールにふさわしい使い方、例文

  • ご配意いただき、ありがとうございます
    意味は「配慮」であり、とくにお礼のビジネスシーンで「ご配慮を頂き誠にありがとうございました」のようにして使われます。

「ご厚誼」「ご交誼」「ご高配」「ご厚情」の違い

ここで少し横道にそれます。

「ご厚情」と似たような表現には、「ご厚誼」「ご交誼」「ご高配」があります。

これって何が違うのでしょうか?

意味の違い

まずはそれぞれの意味の違いを簡単に。

  1. ご厚誼 = 親しいお付き合い
  2. ご交誼 = 友人としての親しいお付き合い
  3. ご高配 = お心遣い、お心配り
  4. ご厚情 = 厚い情け、心からの思いやり

「誼=親しみ」をつかった表現が「ご厚誼・ご交誼」

「配=配慮、心遣い、心配り」をつかった表現が「ご高配」

「情=情け、思いやり」をつかった表現が「ご厚情」ということになります。

それぞれ若干ですが違ったニュアンスであることがわかります。

注意点として「ご交誼」だけは目上の人に使わない方が無難なフレーズ。他はどれも目上であろうとビジネスシーンであろうと使えるフレーズです。

使い分けについて少し考えてみましょう。

ビジネスシーンでは「ご交誼」よりも「ご厚誼」を使う

「ご交誼」は目上には使わない方が無難。イコール、ビジネスシーンにおいては相手が目上であろうと目下であろうと避けた方がよい表現です。

なぜなら、

「ご厚誼」というもっと素晴らしいフレーズがあるから(理由になっていないかも)

「交=交わる」「誼=親しみ」というのはどこかカジュアルな感じがするのですよね。気にかける人はほとんどいないものとは思いますけど…

ひょっとしたら失礼と感じる目上の人もいるかもしれません。

いっぽうで「ご厚誼」は「厚い親しみ」ということですから、丁寧であり何ら問題のないフレーズです。

※ ビジネスシーンにおいては相手が誰であろうと敬意を示すべきです

「ご厚誼/ご高配/ご厚情」はどれを使っても丁寧

ということですのでビジネスシーンでは「ご交誼」は使わず「ご厚誼」「ご高配」「ご厚情」を使うとよいでしょう。

これらはどれを使っても丁寧です。

「ご厚誼/ご高配/ご厚情」は被らないように使い分け!

「ご厚誼」「ご高配」「ご厚情」はビジネスシーンにおいてはどれを使っても丁寧です。

が、ひとつだけ注意点を。

ビジネスシーンに限らず年賀状・ハガキなど文章を書くときには、なんども同じ表現を使わないこと。たとえば「ご交誼」を挨拶文で使ったのであれば、結びは「ご厚情」を使うなどして使い分けしましょう

これはどんな文章においても共通のルールです(英語でもおなじ)。

悪い例にはたとえば以下のような文章があります。

  • 悪い例「本年中に賜りましたご厚誼を深謝いたしますとともに 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」
  • 悪い例「今年○月 ○○○○が○○歳で永眠いたしました 本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますと共に 明年も変わらぬご厚情のほどお願い申し上げます」
  • 悪い例「拝啓 平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
    (中略)今後とも変わらぬご高配を賜りますようお願い申し上げます。 敬具」

なぜ似たような意味なのにこうも色々なフレーズがあるのかというと…言葉の重複をさけるためなのですよね。

「ご厚誼」「ご厚情」「ご高配」を絶妙にかぶらないように使い分けすると綺麗な文章になります。

念のため悪い例を修正しておきましょう。

  • 良い例「本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」
  • 良い例「今年○月 ○○○○が○○歳で永眠いたしました 本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますと共に 明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます」
  • 良い例「拝啓 平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
    (中略)今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。 敬具」

【注意点】ご厚情はこう使う!

つづいて「ご厚情」を使うときの注意点を解説します。

敬語を正しく使うことはもちろん、ふさわしいビジネスシーンを考えて使いましょう。

かしこまった言い方であり、ビジネス文書や手紙でよく使う

「ご厚情」はかなりかしこまった表現であるため、普段のビジネスメールや会話では使いません。

公式な挨拶が必要となるシーン、

たとえば「ビジネス文書」「手紙」「暑中寒中見舞いハガキ」「年賀状」「転勤の挨拶メール」といったビジネスシーンで使われます。

普段のビジネスメール結びや締めくくりに使ったらダメという訳ではないですが、ほとんど目にしたことがありません。

もちろん異動の挨拶・就任の挨拶・転勤の挨拶・赴任の挨拶・退職の挨拶メールなど、公式なビジネスメールではよく使われますが…

あくまでも普段づかいのビジネスメールではあまり目にしないという話。

【参考】「取り急ぎお礼まで」を目上の人に使わない理由・丁寧な言い換え

ビジネスでは何かとお世話になってばかり。だから「ご厚情」を使う

ビジネスは一人では成り立ちません。

私たちは社内の先輩や上司、社外のパートナーなど、まわりの人々にいつも助けてもらいながら仕事をしているのです。

そういう意味でビジネスメールでは誰かにお世話になりっぱなしなのです。

そんなお世話になっている相手に対して「今後もよろしくね!」といった挨拶や「日頃からお世話になっています」などのような挨拶の意味を込めて使うのが「ご厚情」です。

「ご厚情してください」はNG!

きわめて初歩的な敬語の使い方なのですが…

「ご高配」するのはあくまでも相手の厚意であるため、相手に「ご高配してください=心配りしてください」と要求するのは、なんとも厚かましい感じがします。

これは受け手の感情次第であり、そんなことは考えずに使っているヒトがほとんどだと思いますが…

とくに目上のヒトに何かをお願いするときには「お取り計らい」をつかい、「お取り計らいのほど、何卒よろしくお願いいたします」などのようにするのが無難です。

「お取り計らい」意味と目上の方への正しい使い方【例文あり】

「ご厚情」のビジネス文書・ビジネスメール

さいごに「ご厚情」を使ったビジネスメールや文書の例文を紹介します。

例文①ビジネス送付状

平成29年8月28日

株式会社ビジネス
ビジネス文書部 ビジネス太郎 様

〒123‐4567
東京都渋谷区○○1-1-1 渋谷ビル13F
株式会社レター文書
営業部
担当:転職 一郎
TEL/FAX:xxx-xxxx-xxxx/oooo
e-mail:shukatsu@shukatsu

送付のご案内

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、表題の件につき下記のとおり送付いたします。ご査収のほど宜しくお願い申し上げます。

敬具

・iPhone6 製品カタログ     3部
・iPhone6 技術資料       3部
・iPhone6 品質規格書      3部

以上

【ビジネス】送付状の書き方と例文テンプレート(物品・郵送・FAX)

例文②年賀欠礼状(喪中はがき)

今年■■(祖母)が他界し喪中のため
年頭のご挨拶を差し控えさせていただきます
本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
寒さ厳しき折 くれぐれもご自愛ください
平成二十九年●月

例文③年賀欠礼状(喪中はがき)

本年中に賜りましたご厚情に深く感謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほど謹んでお願い申し上げます
皆様が健やかなる新年をお迎えになりますよう
心よりお祈り申し上げます
平成二十九年●月

例文④年賀欠礼状(喪中はがき)

本年●月にノマドの母 のま野間子が●●歳にて永眠いたしました
生前のご厚情に深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼を賜りますようお願いいたします
平成二十九年●月

参考記事

➡︎「ご厚情を深謝いたします」意味と使い方・例文

➡︎「平素は格別のご厚情を賜り厚くお礼申し上げます」意味と使い方・例文

➡︎「ご厚情痛み入ります」意味と使い方・例文

➡︎「ご厚情を賜りますようお願い申し上げます」意味と使い方・例文

➡︎「ご厚誼」「ご交誼」「ご高配」「ご厚情」の意味と違い、使い分け