「ご教示」「ご教授」の意味と違い、使い方・メール例文

「ご教示」「ご教授」の意味と違い、正しい使い方について、ビジネスメールの例文つきで誰よりもわかりやすく解説していく記事。

まずは「ご教示」「ご教授」の基本となる意味をまとめると、

  • 「ご教示」の意味:(何かを)教え、示すこと
  • 「ご教授」の意味:(学問など専門的なことを)伝え、教えること

となりますので、教えることの内容によって「ご教示」と「ご教授」とを使い分けます。

たとえば、

  • 敬語の使い方を専門的に教えてほしい時には「ご教授ください」
  • 東京駅までの行き方を尋ねたければ「ご教示ください」

を使えばいいということになります。

ビジネスメールでよく使われるのは「ご教示」の方ですね。これはビジネスシーンで知りたい内容が芸術や学問ではないためです。

ちなみに「ご教示」はビジネスメールで使われることがほとんどで、会話ではもっとシンプルな表現「教えて頂きたいのですが…」「教えていただけますか?」などを使います。

いっぽうで学生が先生に質問するのであれば「ご教授」を使うのが正しい、ということになります。

ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、

もっと詳しく例文つきで、意味、違い、使い分け、敬語の正しい使い方について解説していきます。

※長文になりますので、時間の無い方は「パッと読むための見出し」より目的部分へどうぞ。

「ご教示」の意味と使い方

「ご教示」の読みは「ごきょうじ」。

「ご教示」の意味は「(何かを)教え、示すこと」 。

ここで「ご」は尊敬語。「教える」と「示す」という言葉が合わさって、このような意味になっています。

ということは教えるだけでは不十分で、さらに示すことまで必要ってことなのでしょうかね…。実際には「ご教示ください」は「教えてください」と同じ意味として使われています。

【補足・敬語の種類】
1) 尊敬語とは…相手をうやまって使う敬語の一種。相手の行為にたいして使う。
2) 謙譲語とは…自分の行為をへりくだることで相手を立てる敬語。自分の行為に使う。
3) 丁寧語とは…いわゆる「です・ます」口調のことで敬語の一種である。

「ご教示」の使い方・例文

主にビジネスメールや手紙の文末で締めくくりとして使われます。尊敬語「ご」を使って敬語にしており「目上の方 ⇄ 目下の人」どちらにも使える素晴らしい敬語です。

使えるビジネスシーンとしては、何かを教えてもらいたいときに使います。

▼「ご教示」を使ったメール例文

  • ご教示のほど、何卒よろしくお願い致します(メール文末・締め)
  • ご教示くださいますよう、何卒よろしくお願い致します(〃同上)
  • ご教示いただき、誠にありがとうございます(メール冒頭)
  • ご教示頂けますでしょうか?(ビジネス会話)
  • ご教示願います(目上の人へは使わない方が無難。社内やり取りであればOK)
  • ご教示ください(〃同上)

【補足】
1) 「〜願います」「〜ください」という表現は社内で上司に使うくらいの丁寧レベルであり取引先など社外の人に使うには「?」が残る表現です。「ご教示いただけますようお願いいたします」「ご教示くださいますよう〜」とすると好感度UPします。この点については別の記事にて検証しておりますので、ご参考にどうぞ。
2) 「よろしくお願いいたします」は「よろしくお願い申し上げます」で言い換えできます

参考となる記事:

「ご教授」の意味と使い方

「ご教授」の読みは「ごきょうじゅ」。

「ご教授」の意味は「(学問などの専門的なことを)伝え、教えること」 。

ここで「ご」は尊敬語。「教える」と「授ける(さずける)=与える」という言葉が合わさって、このような意味になっています。

「ご教授」の使い方・例文

ビジネスメールでは(少なくとも私は)目にしたことのない表現です。もし使うとしたら、ビジネスメールや手紙の文末で締めくくりとして使われます。

尊敬語「ご」を使っていますので「目上の方 ⇄ 目下の人」どちらにも使えます。

使えるビジネスシーンとしては、学問や専門的なことを教えてほしいときに使います。

▼「ご教授」を使った例文

  • ご教授のほど、何卒よろしくお願い致します(メール文末・締め)
  • ご教授くださいますよう、何卒よろしくお願い致します(〃同上)
  • ご教授いただければ幸いです。何卒よろしくお願い致します(〃同上)
  • ご教授いただき、誠にありがとうございます(メール冒頭)
  • ご教授頂けますでしょうか?(ビジネス会話)
  • ご教授願います(目上の人へは使わない方が無難。社内やり取りであればOK)
  • ご教授ください(〃同上)

【補足】
1) 「〜願います」「〜ください」という表現は社内で上司に使うくらいの丁寧レベルであり、取引先など社外の人に使うには「?」が残る表現です。この点については、別の記事にて検証しておりますので、ご参考にどうぞ。

参考となる記事:

 「ご教示」「ご教授」の違いと使い分け

冒頭でも述べたとおり、教えることの内容が「広い=ご教示」か、「狭い=ご教授」の違いと言えます。

  • 「ご教示」の意味:(何かを)教え、示すこと
  • 「ご教授」の意味:(学問など専門的なことを)伝え、教えること

したがって、教えることの内容によって「ご教示」と「ご教授」とを使い分けます。

「ご教授」は学問などを教える

教える内容が、学問、芸術、何かの特別な技能、スポーツなどであれば「ご教授」を使います。まさに大学の「教授」なんかは、学生に「(学問を)教授する」のです。

「ご教示」は何でもあり

いっぽうで、「ご教示」は教える内容を問いません。

トイレの場所を教えてほしいときに使ってもよいですし、

敬語の使い方を教えてほしいときにも使えますし、

値上げの理由を教えてほしいときにも使えます。シーンと内容を問わずに使える、便利な表現ですね。

目上の人に使うときの丁寧な敬語

「ご教示」「ご教授」を目上の人(上司・先輩)や取引先に使うときの、ふさわしい敬語をまとめます。

ただし敬語が難しいのは、上司にはこれを使え!取引先にはこれを使え!という決まりごとがない点。使う相手が「失礼だ」と感じたらダメだし、そうでなければOKという、わけのわからない世界なのです…。

結局はあなた自身で上司の性格を考え、丁寧レベルを使い分けるしか方法はありません。

それでも丁寧レベルごとに、なんとな〜くですが基準を設けました。ご参考にどうぞ。

丁寧レベルMax|ご教示(教授)いただければ幸いです

丁寧すぎて逆にNGだという人もいるくらいの表現です。

意味は「教えてもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ」。

「~をもらえたら嬉しいなぁ」というとても回りくどい表現なので、社内の目上(上司・先輩)に使うには丁寧すぎます。重要な取引先に対する重要なメールや、本当に本当に丁寧にメールをしたいときに使いましょう。

▼「ご教示いただければ幸いです」の例文

  • ご教示(教授)いただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます(メール文末・締め)

▼「〜いただければ幸いです」の敬語解説

尊敬語「くださる」の命令形「ください」だったのを「〜してもらう」と言い換え、さらに「もらう」の謙譲語「いただく」を適用。

さらに仮定の「れば」を使い「いただければ幸いです」としています。

つまり「〜してください」という強い言い方をやわらげるために「お願い」にすりかえ、「幸い=嬉しい・幸せ」を使ってかなりマイルドなお願いの表現にしています。

ビジネスメールでは命令形の使用を極力さけることから、目上の人にも使える素晴らしい敬語表現といえます。

丁寧レベル高|ご教示(教授)のほど・くださいますよう・頂きますよう

つづいてこれらの表現は社外の取引先に使える丁寧レベル。もちろん上司に使っても構いません。

目上の人へのメールはもちろん、目下の人へのメールでも、取引先に対してはこれらの表現を使うのが無難です。

▼「ご教示のほど・くださいますよう・頂きますよう」の例文

  • ご教示(教授)のほど、何卒よろしくお願い致します(メール文末・締め)
  • ご教示(教授)くださいますよう、何卒よろしくお願い致します(〃同上)
  • ご教示(教授)いただき、誠にありがとうございます(メール冒頭)
  • ご教示(教授)頂けますでしょうか?(ビジネス会話)

◎「〜のほど」の敬語解説:

尊敬語「くださる」の命令形「ください」の代わりに「~のほど」を使い、さらに「お願い」として使っています。ビジネスメールでは命令形の使用を極力さけることから、目上の人にも使える素晴らしい敬語表現と言えます。

◎「〜くださいますよう」の解説:

尊敬語「くださる」の命令形「ください」でつなげ、「お願い」で結んでいます。命令形ではあるものの「お願い」とすることで、丁寧な表現にしています。こちらも、目上の人にも使える素晴らしい敬語表現と言えます。

◎「〜いただきますよう」の解説:

尊敬語「くださる」の命令形「ください」を自分が「~してもらう」の意味である謙譲語「いただきますよう」に言い換え、「お願い」にすりかえています。ビジネスメールでは命令形の使用を極力さけることから、目上の人にも使える素晴らしい敬語表現と言えます。

丁寧レベル中〜低|ご教示(教授)ください・願います

社内メールに使えるくらいの丁寧レベル。

社内であれば、目下から目上(先輩・上司)へメールを送るときには、この敬語表現で十分です。ただし役員クラスにメールするときには、もっと丁寧な表現が必要な会社もあります。

これは業界や企業の文化によりますので、何ともいえません。

※必ずどのくらいの丁寧レベルを使うのか先輩に確認しましょう。

◎例文:

  • ご教授願います(メール文末・締め)
  • ご教授ください(メール文末・締め)

△「〜願います」の解説:

「願います」という表現には問題があります。これは「願う」に丁寧語「ます」を使っているのですが、丁寧語は社内で使うくらいの丁寧レベルであって社外のコミュニケーションでは通常、できるかぎり尊敬語や謙譲語を使います。

△「〜してください」の解説:

尊敬語「くださる」の命令形「ください」使っています。ビジネスメールで使うには一般的ではありません(ただし社内メールや会話であればOK)。

「ご教示」「ご教授」のビジネスメール例文【全文】