就職活動生の人気ランキングで最上位にいる総合商社。その特徴・違いや強み、弱みについて順を追って解説していきます。就職活動や転職のご参考になりましたら幸いです。
この記事の目次
総合商社とは?
総合商社と専門商社。商社業界ではこのような住み分けがあります。
ただ総合化学メーカーの定義が無いのと同じく、総合商社の定義についても誰も説明できません。総合=なんでも屋、専門=業界がしぼられる、ということなのでしょうが結局、誰かが適当に以下7社のことを指すと決めています。
- 三菱商事
- 三井物産
- 住友商事
- 伊藤忠商事
- 丸紅
- 双日
- 豊田通商
三菱・三井・住友・伊藤忠・丸紅の5社をまとめて5大総合商社といったり、この7社全てを含めて7大総合商社といわれたりします。
総合商社と専門商社の違いとは?
定義は存在しないので、私があえて総合商社と専門商社の違いを説明するとしたら…
「専門商社の集合体が総合商社」となります。
- 専門商社;鉄鋼、化学、機械、エネルギー、食品、アパレル…といった具合に業界を絞っている商社。
- 総合商社;上記すべてをやる商社+資源投資+ビジネス投資。
総合商社はビジネスの中身をみてみると、化学分野のビジネスがあったり、食品があったり、エネルギーがあったりする一方、専門商社は化学なら化学、食品なら食品しか手がけていません。
総合商社ビジネス4つの特徴
総合商社にあって、専門商社には無いものって何?この視点を中心に総合商社の特徴をまとめてみます。
1.取り扱い商品が多い
資源(ガス、穀物、金属)から始まり、鉄鋼、化学、機械、アパレル、食品、家電製品、自動車…もう数え切れないほどの商品があります。商品数が3万点あったりするのだとか…
また製品だけでなく、法人向けの旅行代理店みたいなサービスも運営していたり、ローソンやファミマを経営していたり…総合商社はなんでもあり。
それぞれの分野において専門商社と同じくチームが組まれていて、正に専門商社の集合体として総合商社がなりたっています。
2.資源権益への巨額な投資
こちらも総合商社ならではのビジネス。もちろん専門商社でもやっている会社はありますが、金額がケタ違い。シェールガス、金属鉱山、穀物の権益などに投資してリターンを狙っていくビジネス。
本来なら、メーカーや電力・ガス会社が自社の原料ソースを確保するためにやらなければならない仕事です。でもなぜか総合商社が手がけているという不思議。
「メーカーや電力・ガス会社はリスクをとらない。総合商社はリスクをとる。」ということなのでしょう。
3.その他事業への投資
日系メーカーが海外工場を新たに作るとき、お金が足りないけど返済義務のある銀行からは、お金を借りたくない…というとき総合商社へ共同出資を求めます。
総合商社は出資する代わりに利益の分配を得たり、原料と製品を売る権利を獲得しマージンで回収します。
その他にも稼げそうなことであれば、基本は何でもあり。
ローソンを経営するもよし、企業のM&Aをするもよし、不動産投資をするもよし。総合商社のビジネスにおける制約は、ほぼゼロ。
4.グローバルに展開する強み←もはや時代遅れ
グローバル・ネットワークを持っているというのは、もはや総合商社の強みではなくなっています。なぜなら、どの日系企業もグローバル化が進み、総合商社に頼らなくても自分たちでビジネスできる力をつけているから。
グローバル・ネットワークは現在、総合商社だけのものでは無くなっています。
つづく;総合商社の歴史を就活生にもわかりやすく解説!
総合商社の歴史をひも解くことで、彼らのビジネスに対する理解が深まります。