就職活動や転職では、まず業界研究と企業研究をしますよね。でも一般的にダウンロードできる「企業研究シート」や「企業研究ノート」でおすすめされている3C分析やSWOT分析をするのはダメ。企業の本質が見えないからです。
そこで企業研究のやり方がわからないという就職・転職活動生のために、本当の企業研究・企業分析のやり方を親切に解説していこうと思います。
一般的な企業研究のやり方ではないので、一度頭を空っぽにしてから取り組んでくださいね♪
なぜ就活や転職に企業研究が必要なの!?
まずはこの話題から入る必要があります。なにを隠そう私は就職活動生だったころ、業界研究も企業研究もしたことがありません。だって内定するかどうかも分からない会社の研究をするなんて、正直めんどくさいじゃないですか。
志望動機は適当にネットから引っ張ってリライトしただけでしたし、受ける業界も仕事が楽で年収の高い大手化学素材メーカーに絞っていましたから…特に業界研究・企業研究をする必要がなかったのですね。
従って「就活に企業研究は必須だよ」みたいなことを言っている就活セミナー講師がいると、本当に笑っちゃいます。企業研究は別に必須じゃないよ。ただ仮に企業分析をやるとしたら「こんな理由があって、こんなやり方をすれば効率的に省エネでできるよ」ということを説明していこうと思います。
理由1、志望する企業の将来性を見極めるため
これが最大の理由です。
「せっかく苦労して入社できた会社が潰れてしまいました」なんていう、シャレにならない状況を回避するために企業の安定性と将来性を見極める必要があります。
理由2、面接で「志望動機」「将来やりたい仕事」を語れるようにしておくため
志望動機はネットから引っ張れば十分だという話を以前にしましたが、企業研究はしておいたほうが面接のときに役立つ場合があります。
省エネ企業研究のやり方
企業研究は本気になれば、いくらでもやることがでてきます。でも時間は有限。
そこで、省エネで効率的に内定を得るためにどこまでやれば良いのか?ということを主体に考えた企業研究のやり方を紹介しますね。
具体的には以下の4ステップで企業研究をすすめていきます。企業理念や経営理念、目指している中期・長期のゴールなどは面接前の移動中にWEBサイトをチェックするだけで良いでしょう。
Step1;3年分の決算報告書を調べコアビジネスを把握する
メーカーであれば、どの商品が一番利益を上げているか、メーカー以外であればどの事業領域が一番利益を上げているかを企業の決算報告書を基に調べます。
できるだけ具体的な商品名にまで落とし込んで調べることをオススメします。コアビジネスの収益貢献度をまずは把握しましょう。
Step2;その事業が収益をあげている理由を分析する
次に、なぜその事業・商品が収益をあげているのかを分析します。競合が弱い、競合が少ない、マーケットが伸びている、特許戦略が優れている…などなど。
いろいろな理由があると思います。めんどくさければネットで検索するか、OB訪問や会社説明会で社員に尋ねましょう。
Step3;コアビジネスが無くなったらどうなるかを分析する
これは最も重要な課題です。コアビジネスが無くなる、もしくは収益性が急に悪くなってしまうことはビジネスにおいて日常茶飯事に起こりうる事態です。
たとえば最近では、資源安によって利益のほとんどが吹き飛んだ5大総合商社が良い例でしょう。資源ビジネスに頼りすぎていて、それが無くなったとたんに利益が大幅に減るようでは将来性があるとは言えません。
将来性のある有望な企業というのは、仮にコアビジネスを失っても他の事業で失った穴を補い生き残っていける企業のことです。
Step4;将来性のある有望な企業かどうかを判定する
もの凄く簡単な判定の仕方です。
●将来性なしの会社=コアビジネスが無くなったら赤字・もしくはギリギリの状態になる。
●将来性ありの会社=コアビジネスが無くなっても黒字を維持できる。
まとめ
企業研究は将来性を見極めることが最大の目標であって、それ以外のことは取るに足らないことです。
今後、このやり方を駆使した企業研究のデータベースを作っていこうと思います。
追記;日本を代表する化学素材メーカーの企業研究データ【実例19社】を掲載!
2017年卒、就職活動生からの依頼で実施した企業研究データになります。