商社とは?世界一わかりやすく“商社の仕組み”を解説

「商社とは何か?」について、「商社って何してるの?」という知識ゼロの就活生にもわかりやすく解説していく記事。Wikipediaの解説があまりに不親切であったため、身近な例を使って誰よりもわかりやすく「商社の仕組み」を説明しています。

まずは要点のまとめから。

●商社とは何か?

商社とは「商いをする会社」と書きますので名前の通り「稼げることなら何でもやる会社」となります。ただざっくりとは「①モノを右から左にながす(トレーディング)」「②投資してリターンを狙う(事業投資)」「③その他いろいろなビジネス」の3つからなります。

くわしくは本文中にて、以下の順番で解説していきます。

  1. 商社とは何か?
  2. 総合商社とは何か?
  3. 専門商社とは何か?
  4. それぞれの違いは何か?
  5. 実際にどのような企業があるのか?
  6. 年収ランキングは?
  7. 売上ランキングは?
  8. 商社は本当に必要なのか?

なお、実際に働く商社マン(とくに総合商社と化学系の専門商社)から聞いた話をベースに記事を作成しています。就活・転職のご参考にどうぞ。

商社とは?①モノを右から左に流す(トレーディング)

商社を理解する上で必要なのは、たった3パターンのビジネスモデルだけ。

まずはひとつ目。

どこかのメーカーから買ったものを自分の稼ぎ(中間マージン)を上乗せして違うメーカーに売るというビジネスモデル。もっと分かりやすくするため、身近な例で商社の仕事を解説します。

身近な例①アマゾンで本を買う場合で考える

あなたがアマゾンでマンガ本を買うとき、実際にはアマゾンが書いた本でないはず。集英社などの出版社が作った本をアマゾンが仲介して販売し、あなたの手元に届きます。これを図にすると、以下のようなフローで本を買うことになります。

  1. 漫画家(メーカー1)

  2. 集英社(メーカー2)

  3. アマゾン(商社) → あなた

アマゾンはこの仕事により販売価格の5%程度、手数料を貰うことで商売が成り立っています。漫画本が500円だとしたら、5%(25円)はアマゾンの取り分。残り475円が集英社と漫画家の取り分となります。

※アマゾンや楽天は「小売」という業種になっていますが、やっていることは商社と同じ。

ところが商社の場合、あなたのような消費者を相手にモノを売る(B to C)のではなく、会社を相手にモノを売っている(B to B)というだけ。ビジネスの仕組み自体はアマゾンと同じです。

こちらも身近な例を出しますね。

身近な例②iPhoneがあなたに届くまでを考える

  1. 石油元売メーカー、ガスメーカー
    ↓ 商社 A
  2. 化学メーカー
    ↓ 商社 B
  3. 電子部品メーカー
    ↓ 商社 C
  4. 組み立てメーカー

  5. アップル社 → 電話会社 → あなた

というように、上流から下流まで無数のメーカーが関わっていて、それぞれの間に入って中間マージンを得る仕事です。もちろん、iPhoneの部材は何千点にもおよぶわけですから、 部材・素材の数だけ商社が存在することになります。

ここで登場した商社A~Cをあえて変えたのには意味があります。

  • 【商社A】産業用ガスを売るのが得意な商社(エネルギー系専門商社)
  • 【商社B】化学品を売るのが得意な商社(化学系の専門商社)
  • 【商社C】部品を売るのが得意な商社(電機系の専門商社)

というように、それぞれの分野に特化した商社がいます。これを専門商社と言います(くわしい説明は後ほど)。

  • 商社A~Cまで全部やります!(総合商社)
    ●なんならグループ会社で配送の手配もやりますよ!
    ●安くて質のよいガス田の権益を持ってるので、原料もそこから買いませんか?
    ●なんならiPhone向けだけじゃなくて中国スマホメーカーにも、材料売ってきますよ?
    ●携帯電話会社をアフリカで経営してるのでiPhoneも売りますよ?

また「商社A~Cまで全部やります!なんならウチのグルーブで他のことも全部やりますよ!」という商社のことを、総合商社といいます。こちらもくわしい説明は後ほど。

実際に商社がやっていること

それでは基本を学習しましたので実際に、商社の手がけるトレーディング(モノを右から左に流して中間マージンを得る)を以下にまとめます。

  • 鉄鉱石をオーストラリアから輸入して国内の鉄鋼メーカーに売る。
  • プラスチックを中国のメーカーから輸入して加工会社に売る。
  • 鮭をフィンランドから輸入して食品会社に売る。
  • 日本製の自動車をアメリカへ輸出する。
  • 日本製の紙をブラジルへ輸出する。

こうしてみると、商社がなければ私たちは生活できなくなりますね。ありとあらゆる産業の、ありとあらゆる流通に商社は絡んでいるのです。そして、それぞれの取引から中間マージンを得て、商社が成り立っています。

商社とは?②投資してリターンを狙う(事業投資)

つづいて、ふたつ目のパターン。投資してリターンを狙う「事業投資」と呼ばれる仕事です。お金が豊富にある商社は、より多くのお金を生み出せるように努力しなければなりません。そのひとつの手段が投資。

たとえば商社は以下のような投資をします。

▼商社における事業投資の例

  1. 「石油やガス、鉄、銅、ニッケルなどの資源開発に出資」
    → 出資した会社の儲けから出資分に応じた分け前をもらう。資源バブルが崩壊するまで、総合商社はこれで潤っていた。
  2. 「株への投資、不動産売買」
    → バブル期の商社はこればかりやっていた。ただしバブル崩壊・不良債権の教訓から、不動産・株はメインではなく片手間程度にやっているだけ。
  3. 「ローソン、ファミリーマート、J:COMなどの会社経営」
    → 出資先が儲かれば、経営している商社に儲けがいく。商社は表にでないけど、経営権を持っている。
  4. 「メーカーの海外工場建設に出資」
    → 出資した会社から利益の分け前をもらったり、メーカーが作った商品の販売代行をして中間マージンを稼ぐ。

他にも稼げそうなことなら何でもあり。商社の投資ビジネスは実に多様です。

もちろん、これらの投資は数100億~数1000億円単位の莫大なお金が動くため、ハイリスク、ハイリターン。

実際、三菱商事や三井物産は資源ビジネスによる損失で、2015年度の決算が赤字になりました。住友商事も2014年度決算で、シェールガス関連の投資失敗により赤字決算に…

他にもたとえば、商社の事業投資案件には以下のようなものがあります。

商社における事業投資の例

  1. チリの銅山開発に1000億円投資。
  2. アメリカのシェールガス開発に1000億円出資。
  3. オーストラリアの鉄鉱石開発に1000億円出資。
  4. フィンランドの鮭養殖会社を買収。
  5. アフリカでの発電所建設プロジェクトにコーディネーターとして参画。
  6. 中国の財テク会社へ6000億円出資。

これらは、実際に総合商社が手がけるビジネスです。ひとつひとつの案件で凄い額のお金を動かし、商売していることがわかるかと。

商社とは何か?③その他、儲かることなら何でも

私自身、商社のビジネスをすべて把握しきれません。おそらく総合商社であれば、中にいる社員ですら全体を把握しきれていないでしょう。

ただひとつだけ言えるのは、

「商社は稼げると思ったことは何でもやる」です。

メーカーのように商品を作っていれば、仕事の目的はハッキリとしています。「よいモノを作って売る」というだけの仕事。

それに対して商社マンはモノを持たないため、新しいモノを作る必要もなければ、自社の商品を売る必要もありません。「どんなことでもできちゃう」のです(実際には会社のいろいろな決まりがあって、そう簡単には進められないけど)。

おっさんになった今でも商社マンと話をしていると「えっ、三菱商事さんってそんなことまでやってたんですか?」と驚かされることがよくあります。

こんなことまでやってたの?と思った商社ビジネス

  • 船をオーナーから借りてメーカーの商品を運び、サービス料をとる
    → 鉄鉱石や銅の資源権益を持っているため、輸入して販売しているウチにできあがったモデル。資源はとんでも量になるため自分たちで船を買ってたりもする。
  • オフィスビル管理会社の経営
  • 食品スーパーの経営
  • 不動産管理会社の経営
  • 人材派遣会社の経営
    →本体にはなく「グループ会社」となっていますが…

商社のビジネスは時代とともに移り変わる

先ほど少しだけ触れましたが、商社ビジネスは時代とともに変わってきています。商社はいつの時代にも、「必要ない存在である」と言われ続けてきました。

が、今も昔も変わらず生き残っています。

今ある大手商社の発祥は明治時代だったり、江戸時代だったりと、もはや数百年と商売を続けています。確かに、バブル崩壊で不良債権をかかえて合併された企業も多くありましたが…。

それでも未だに商社が生き残っているのは「ビジネスの形を変えてきたから」であると言えます。そこで、わかりやすく歴史を振り返ります。ーつづく

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