私はマッキンゼーや野村総研、AT&Tのコンサルタントが大嫌いです。理由は巨額な報酬を取るくせに大した仕事をしないから。私の勤める会社でも何度か1億円に近い報酬を払って雇ったことがありますが「意味なかったなぁ…」というのが現場からの声。←これってもはや、詐欺師の領域ですよね!?
むしろ、一般的には詐欺師と言われている情報起業家やネットビジネス界のコンサルタントの方がはるかに良心的です。彼らは少ない報酬(100万円以下)でちゃんとした仕事をしますからね。
そして、このSWOT分析というのは私の大嫌いな机上の空論が好きな人種が生み出した企業分析のやり方です。(個人的な理由で批判する訳ではないですよ、念のため。)
就活や転職活動をされている方で企業分析の方法にSWOT分析を使ってしまっているとしたら、時間の無駄です。間違いですので即刻止めてください。
就活セミナーで「企業のSWOT分析をやれ」って言われたんだもん
えっ!?
だって就活セミナーでコンサルタントに教えられた方法だから正しいはずだよ!?
というあなたは、完全にコンサルタントの毒に侵されてしまっています。世の中、コンサルやセミナー講師の言うことが正しいとは全く限りません。むしろ机上の空論を語る人々はビジネスを潰す達人であって、ビジネスを良くすることは全くできないのです。
「ビジネスは会議室でおきているのではない!現場でおきているのですよ!」
またまた前置きが長くなってしまいましたが、これから「企業分析のやり方でSWOT分析を使ってはいけない理由」について語っていきます。
理由1、SWOT分析では企業の将来性が分からない
もう例を出す方が早いので、化学メーカー大手の信越化学工業の事業でSWOT分析してみました。
信越化学工業のSWOT分析の例
S強み
- 塩ビ事業、シリコンウェハ事業の2つで世界No.1。
- 営業利益率10%以上をコンスタントに達成していて収益性が高い
- 特許戦略
- 他社の追随を許さない製造技術
- グローバルに生産・営業拠点を持つ。海外売り上げ比率は◯%。
W弱み
- 塩ビとシリコンウェハ以外の事業が育っていない
O機会
- 塩ビはコスト安なのでインド市場、アフリカ市場でも勝負できる
- 米国内での石油安、原料安
- シリコンウェハの半導体市場は成長が見込める
- 塩ビ市場も途上国中心に成長が見込める
T脅威
- 米国のシェール革命によるエチレン原料安の恩恵が受けれなくなったら、塩ビ事業は危ない
- シリコンウェハ、塩ビともに中国やアジア勢との価格競争、競合激化
みなさん、このSWOT分析をご覧になって信越化学工業の将来性が見えてきましたか?
今は好調だけど、機会と脅威を考えたら将来はどうなの?分からないねぇ…
という中途半端な結論になりませんでしたか?
結局、こんな情報を知ったところで就活生や転職者の参考になるのか?というと全くなりません。SWOT分析では企業の将来性が見えてこないからです。
このSWOT分析から導かれる信越化学工業の将来性は、S強みとW弱みとO機会とT脅威があるけど、それがどうしたの?ということだけです。
就職や転職の企業分析において見るべき項目は「企業の将来性・安定性」だと考えているので、それが見えてこないSWOT分析は使えないでしょう。
理由2、就活生がSWOT分析をやると時間を使いすぎる
さて、ここで質問です。
私が先ほどの信越化学工業のSWOT分析に使った時間はどれくらいだと思いますか?
はい、早速答え。この分析に私が使った時間はたったの5分です。←私が化学メーカー営業マンだからです。
さて、みなさんが同じように「信越化学工業の企業分析をSWOT分析を用いて実施せよ」と言われたら、何時間かかりますか?
企業のホームページを見て…
決算書報告書を見て…
会社説明会に参加して…
自分なりに分析して…
ってやっていると、あっという間に1日経っています。内定するかしないかも分からない企業にこれだけの時間を使うのって、無駄だと思いませんか?
そんな費用対効果の低いことに時間を使うのは、頭の悪い人か時間が無限に使える人のやることです。何度も解説しますが就活や転職は効率重視、できるだけ省エネで多くの内定を得ることが正解です。←違うって言わないでね。
理由3、SWOT分析の目的は既に持っている情報を整理すること
先ほどの信越化学工業の企業分析に戻りますが、この企業について知っている私がSWOT分析をするのは正しいです。その理由は自分の頭の中に散らばっている情報が整理できて、信越化学工業の将来性を見極める手助けとなるからです。
一方で、全く情報ゼロの就活生がSWOT分析をやる場合には全く無意味。先ほど述べた2つの理由からこのことが言えます。
結局、SWOT分析は情報が蓄積された後に役立つ分析手法なのですから、情報ゼロの就活生や転職者がやっても無駄に終わるでしょう。
筆者のおすすめする企業研究のやり方
についてはこちらの記事を参考にしてみてください。お役に立てましたら嬉しい限りです。