構いません(読み:かまいません)は目上のひとに失礼?
と心配されているあなたへ。
「構いません」のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい敬語を例文で紹介する記事。
まずは要点のまとめから。
構いません の意味は
① 問題ないです、気にしません、差し支えありません
② お気づかいは要りません(お構いなく〜として)
構う は「気をつかう、気にする、世話を焼く」
という意味であり、
否定「ない」を使っているため反対の意味となります。
ここで「ません」は丁寧語「ます」+否定の「ない」をつかって敬語にしています。
構いません の使い方は?
① わたしは一向に構いません
② はい、それで構いません
③ 飲み物はなんでも構いません
④ お構いなく先にお召し上がりください
こんな感じで使います。
「何であっても気にしませんよ」
つまり
「どうでもいいよ」
みたいな返事をしたいときに使われるフレーズ。
構いません は目上のひとに失礼?
このような意味と使い方をするため、ビジネスシーン(メール・手紙・目上・上司)に使える正しい敬語ということになりますが…
上司によっては失礼だと感じるひともいることでしょう。
「構いません」という言葉が失礼だと感じる理由は?
「どうでもいいよ…」みたいなニュアンスにとられてしまうからです。
どうでもいいよ…
という言葉はあまりに投げやりであり、状況によっては相手に不快感をあたえてしまいます。
たとえば先ほどの例文を使うと、
- わたしは一向に構いません
→ わたしはどうでもいいよ - はい、それで構いません
→ はい、まぁそれでいいよ - 飲み物は何でも構いません
→ 飲み物はどうでもいいよ
みたいなニュアンスに感じられるのですよね。
ということで…
上司やビジネスパートナーとの間にカドが立たないよう、「構いません」をほかの丁寧な敬語に言い換えして使いましょう。
ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に最適な言い換えには、たとえば以下のようフレーズがあります。
- お任せいたします
- ご意向に従います
- はい、お願いします
- 差し支えありません
- 差し障りありません
- お気になさらずにお願いします
- お気遣いなくお願いします
ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、
それぞれのフレーズについて、意味と使い方、敬語の解説、注意点を詳しくみていきましょう。
※長文になりますので、時間の無い方は「パッと読むための見出し」より目的部分へお願いします。
構いません=気にしません の意味で使うときの言い換え
構いません を「問題ありません」「気にしません」の意味で使うとき。
私は一向に構いません。
なんでも構いません。
といったフレーズの言い換えとして、ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に使える敬語フレーズを例文で紹介します。
【例文】お任せいたします
構いません を「問題ありません」「気にしません」の意味で使うとき。言い換えとしてビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に使える敬語フレーズ。
まずはシンプルに
「お任せいたします」
「相手に任せる」
「する」の謙譲語「いたす」に丁寧語「ます」を使って敬語にしています。
「構いません」だとな~んか投げやりな感じになってしまうのですが、
「お任せいたします」とするとあなたの意思を明確にできます。
–ビジネスシーン例文–
【相手】
お飲み物はコーヒーと紅茶、どちらにしましょうか?
【あなた】
お任せいたします。
【例文】はい、お願いします
構いません を「問題ありません」「気にしません」の意味で使うとき。言い換えとしてビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に使える敬語フレーズ。
まずはシンプルに
「はい、お願いします」
ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)で「問題ありません」と許可をするとき。
構いません では失礼にあたるため単純に「はい、お願いします」とすれば丁寧な言い方となります。
たとえば…
以下のようなビジネス会話で使えます。
【上司】
この案件、人が足りてないみたいだから○○にも手伝ってもらうけど、どう?
【あなた】
はい、お願いします
こんなビジネスシーンで「構いません」を使うと、かな~り上から目線になりますので要注意。
上司に許可を出しているような感じになってしまい、不快感を与えることでしょう。
ほかにも以下のビジネスシーンで使えます。
–ビジネスシーン例文–
上司『この教育資料、もう捨ててもいいかな?』
あなた『はい、お願いします』
【例文】ご意向に従います・沿うようにいたします
構いません を「問題ありません」「気にしません」の意味で使うとき。言い換えとしてビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に使える敬語フレーズ。
「ご意向に従います」
あるいは
「ご意向に沿うようにいたします」
「相手の意思にしたがう」
尊敬語「お・ご」をつかい「ご意向」とし、丁寧語「です・ます」で敬語にしています。また「いたす」は「する」の謙譲語。
ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)で「問題ありません」と許可をするとき。
構いません では上から目線で失礼にあたるため単純に「はい、ご意向に従います」とすれば丁寧な言い方となります。
たとえば…
以下のようなビジネス会話で使えます。
【上司】
この案件、人が足りてないみたいだから○○にも手伝ってもらうけど、どう?
【あなた】
課長のご意向に従います。
課長のご意向に沿うようにいたします。
こんなビジネスシーンで「構いません」を使うと、かな~り上から目線になりますので要注意。
上司に許可を出しているような感じになってしまい、不快感を与えることでしょう。
【例文】差し障りありません
構いません を「問題ありません」「気にしません」の意味で使うとき。言い換えとしてビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に使える敬語フレーズ。
(一向に)差し障りありません。
「支障ない、差し支えない」
差し障り(さしさわり)が「都合の悪い事情・支障」の意味であるため、否定「ない」を使うと反対の意味になります。
丁寧語「ます」に否定「ない」をつかい「ません」として敬語にしています。
また
ここで「一向に」の意味は「まったく」。
「一向に」を前にもってくると「まったくもって問題ありません」というような意味になります。
「構いません=どうでもいいよ」と聞こえるのですが、「差し障りありません」と言い換えればネガティブな印象をもたれずに済みます。
–ビジネスシーン例文–
【相手】
サーバー移管に伴い、メールサービスが以下時間帯にて休止いたします…後略
【返信メール】
承知いたしました、一向に差し障りありません
【例文】差し支えありません
構いません を「問題ありません」「気にしません」の意味で使うとき。言い換えとしてビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に使える敬語フレーズ。
(一向に)差し支えありません。
「支障ない、差し障りない」
差し支え(さしつかえ)が「都合の悪い事情・支障」の意味であるため、否定「ない」を使うと反対の意味になります。
丁寧語「ます」に否定「ない」をつかい「ません」として敬語にしています。
また
ここで「一向に」の意味は「まったく」。
「一向に」を前にもってくると「まったくもって問題ありません」というような意味になります。
「構いません=どうでもいいよ」と聞こえるのですが、「差し支えありません」と言い換えればネガティブな印象をもたれずに済みます。
–ビジネスメール例文–
【相手からのメール】
大変申し訳ありません。
諸事情により貴社訪問日程を変更させていただきたく存じます…後略
【返信メール】
承知いたしました、一向に差し支えありません
構いません=気づかいは不要です の意味で使うときの言い換え
つづいて
構いません を「気づかいは要りません」「気づかいは不要です」の意味で使うとき。
先に食べてください、構いませんよ~。
お構いなくどうぞ。
といったフレーズの言い換えとして、ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に使える敬語フレーズを例文で紹介します。
【例文】お気遣いなくお願いします
構いません を「気づかいは不要です」の意味で使うとき。言い換えとしてビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に使える敬語フレーズ。
(どうか・どうぞ)お気遣いなくお願いします
あるいは
「お気遣いなくお願い致します」
「お気遣いなくお願い申し上げます」
「お気づかいのないようにお願い!」
「気配りするようなことのないようにお願い」
こちらも相手への配慮を感じるすばらしいフレーズ。
「構いません」の言い換えとして失礼にあたらない、すばらしい敬語となります。
会話シーンであれば「お気遣いなくどうぞ」でもOK。
ビジネスメールで使うときにはもう少しかしこまったフレーズが好まれます。
たとえば…
「お気遣いなどなさいませんよう、お願い申し上げます」
「お気遣いなさらないよう、お願い申し上げます」
といった文章にするとメールでは好印象。
–ビジネスシーン例文–
【相手】
サーバー移管に伴い、メールサービスが以下時間帯にて休止いたします…後略
【返信メール】
承知いたしました、お気遣いなくお願い致します
【例文】お気になさらずにお願いします
構いません を「気づかいは不要です」の意味で使うとき。言い換えとしてビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に使える敬語フレーズ。
(どうか・どうぞ)お気になさらずにお願いします
あるいは
(どうか・どうぞ)お気になさいませんよう お願い申し上げます
(どうか・どうぞ)お気になさらないよう お願い申し上げます
「気にしないようにお願い!」
「気配りするようなことのないようにお願い」
相手への配慮を感じる素晴らしいフレーズです。
尊敬語「お〜なさる」に否定「ない・ず」を使って「お気になさらず~」という敬語にしています。
「構いません=どうでもいいよ」と聞こえるのですが、「お気になさらずにお願いします」と言い換えればネガティブな印象をもたれずに済みます。
また
「どうか」「どうぞ」「くれぐれも」といったフレーズを前にもってくると、より柔らかい印象のフレーズとなります。
–ビジネスメール例文–
【相手のメール】
大変申し訳ありません。
諸事情により貴社訪問日程を変更させていただきたく存じます…後略
【返信メール】
承知いたしました、どうかお気になさらずにお願いします。
・いたす は「する」の謙譲語
・いただく は「もらう」の謙譲語
・存じる は「思う」の謙譲語
・承知いたしました=了解!の丁寧な敬語フレーズ
・丁寧語「です、ます」
こんなシーンではどれ使う?言い換えを状況別に
「構いません」の言い換えとしてビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に使える敬語フレーズを紹介してきました。
こんなシーンではどの言い換えを使う?
という質問がありそうなので、
状況別に言い換え例をまとめておきます。
私は一向に構いません:ご意向に従います で言い換え
構いません の言い換え、ビジネスシーン別(メール・手紙・上司・目上)。
たとえば以下のシーンでは、
「ご意向に従います」と言い換えすると好感がもてます。
【上司】
来週から掃除当番をつくろうと思うけど、どう?
【あなた】
課長のご意向に従います。
はい、それで構いません:はい、お願いします で言い換え
構いません の言い換え、ビジネスシーン別(メール・手紙・上司・目上)。
たとえば以下のシーンでは、
「はい、お願いします」と言い換えすると好感がもてます。
【取引先】
お飲み物はホットコーヒーでよろしいでしょうか?
【あなた】
はい、お願いします。
なんでも構いません:お任せいたします で言い換え
構いません の言い換え、ビジネスシーン別(メール・手紙・上司・目上)。
たとえば以下のシーンでは、
「お任せいたします」などと言い換えすると好感がもてます。
【取引先】
会食の件、和食・洋食・イタリアン・中華のどれがお好みでしょうか?
【あなた】
お任せいたします。