現役メーカー社内SEが、
仕事内容とか激務度・年収についてウラオモテなく本音でかたる記事。
※ 化学メーカー・現役社内SEへの取材にもとづきます。
そもそも社内SEとは?
という基本的な部分から、社内SEの仕事内容〜求められる能力〜業界ごと社内SEの仕事〜年収事情〜ぶっちゃけ社内SEってどう?
についてわかりやすく解説していきます。
就活・転職のご参考にどうぞ。
この記事の目次
社内SEとは?
そもそも社内SEとは、自社でつかう情報システムの開発、すでに導入しているシステム・サーバーのメンテナンス、セキュリティ対策などをする職業のこと。
社内SEの仕事内容
社内SEにはたとえば、以下のような仕事内容があります。
- 以下システムの企画・導入・運用
・営業支援ツール(ERPなど)
・生産管理システム
・購買システム
・人事給与システム
・社内イントラシステム - 上記システムの保守・メンテナンス
- 上記システムのセキュリティ対策
- 自社PC・スマホのヘルプデスク
- 導入したシステムのマニュアル作り、使い方の指導
- その他にもいろいろ
・業界によって違います
ようは、
自分たちの会社でつかう色んなシステムを新たに導入したり、開発したり、セキュリティー対策やメンテナンスをする仕事ですね。
実はシステム開発をしない社内SE
ところが、
上記のような社内システムは大がかりなものになることが多く、社内SEはシステム開発をしないことがほとんど。
プロのITベンダー(大手にはIBM・富士通・NEC・SAPなどあり)に任せたり、カスタマイズして納入してくれる会社にまかせちゃったほうが、圧倒的にすばらしいシステムになるのですよね。
そもそも社内SEには、
ちゃんとしたシステム開発をできるほどヒトも時間もありません。
じゃあ何してる?
じゃあ社内SEはいったい何をしているのか?
というと、
プログラミング・システム開発をITベンダー(大手にはIBM・富士通・NEC・SAPなどあり)に外注するための準備。
つまり、
システムを使う営業マンや社内のひとたちとコミュニケーションしながら、要望をまとめ、使い勝手のよいシステムの仕様を考える仕事です。
社内SEの仕事に求められる能力
社内SEは上述のような仕事をするため、ITにかんする知識はもちろんのこと、社内のひとと円滑なコミュニケーションをする能力が求められます。
また、
あらたに導入したシステムの使い方を社内のひとにわかりやすく説明したり、実際に使い方を指導したりマニュアルを作ったり、といった仕事もあるためプレゼンスキルも必要。
社内SEはパソコン画面とにらめっこしてる訳じゃない
SEって、パソコンの前にず~っとすわって作業しているイメージの仕事なのですが…
上記のように色んな仕事があり、社内SEに関しては決してそういう訳じゃないのですよね。
(もちろん仕事内容やプロジェクトによりますが…)
とくに最近、
企業はグローバル化がすすみグローバル共通システムの構築が課題となっています。
外国人と英語でのコミュニケーションを必要とされることもおおく、英語ができる社内SEは重宝されますね。
求められるスキルをまとめると、以下のような感じ。
- ITやプログラミングにかんする知識、スキル
- コミュニケーション能力
- 社内調整力
- プレゼンスキル
- 論理的思考
- 英語力
ざっくりとした解説は以上となりますが、
ここからは業界ごとに違う社内SEの仕事内容とか年収はぶっちゃけどうなん?
という話について。
実際に転職の求人事例と、メーカー社内SEである友人のぶっちゃけ話をします。
(ちょっと専門的な内容になります)
①銀行業界の社内SEって何してるの?
業界でことなる社内SEの仕事内容、求められるスキルや経験。まずは銀行業界の社内SEについて。
銀行業界:社内SEの仕事内容
- 【システム開発】
銀行が提供する様々なサービスをシステム面から支えるべく、各案件の上流行程からたずさわる仕事。 - 【システム企画】
銀行の全体に係る各システムの開発・新規導入・管理など、外部ベンダーや協力会社の方と連携し、案件を取りまとめる仕事。 - 【セキュリティ対策】
銀行における各システムのリスク管理の仕事。情報セキュリティ全般の維持・強化策の企画・遂行および監督官庁との対応など幅広い。 - 【その他】
既存システムの保守、メンテ、PCのヘルプデスク
銀行にはこんなシステムがある!
- 各店舗で利用しているシステム
- ネットバンク
- 勘定系、ATMなどで利用しているシステム
- 投信、生命保険等運用系商品全般
- クレジットカード関連
転職に求められるスキルや経験は?
銀行業界で求められるスキルの例。
(必ずしも必要ではないものの経験者は優遇される)
- 金融系システムの設計・開発
- プロジェクトリーダー、サブリーダー経験者
- 複数ベンダーコントロール経験者
②メーカー業界の社内SEって何してるの?
業界でことなる社内SEの仕事内容、求められるスキルや経験。つづいてメーカー業界の社内SEについて。
メーカー業界:社内SEの仕事内容
- 【システム企画、開発、保守運営】
メーカーで導入されているネットワーク基盤、セキュリティなど、全社システム基盤の再構築、グループ会社へシステム基盤に関わる案件の指導・支援などを行う仕事 - グローバルネットワーク、サーバ、セキュリティ等インフラに関する取り組みの企画・設計・実行。IoT・ビックデータ・AI等新技術の適用に伴うインフラ関係の取り組み企画・設計・実行
- 【システム企画、開発、保守運営】
基幹システムの国内・海外展開を推進するにあたり、生産管理システムの担当者として導入、改善、保守・運用業務などをおこなう - 【ERPの導入およびグローバル展開】
現状業務調査、ERPとのFIT&GAP実施、GAPに関する対策検討、業務フローの策定、導入計画立案。マスタ設定方針策定、マスタ構築、トレーニング、課題解決立案・実行、システム切替・立上げ計画立案、導入後の定着化支援など。 - 【クラウド導入およびグローバル展開】
コミュニケーション・情報共有ツール(Office365)グローバル展開、活用推進の企画・設計・実行 - 【情報管理】
情報系システムの全体管理と今後のシステム構成、運用、活用方法の見直し検討。ビックデータ・AI等の新技術を適用したデータ活用やミエル仕組みの企画、設計、実行
- 【セキュリティ・その他】
既存システムの保守、メンテ、セキュリティー対策、PCのヘルプデスク
メーカーにはこんなシステムがある!
- 生産管理、販売、受注管理システム(SAP導入企業おおし)
- 人事管理システム
- 社内イントラシステム
- ERP(これから導入する企業おおし)
転職に求められるスキルや経験は?
銀行業界で求められるスキルの例。
(必ずしも必要ではないものの経験者は優遇される)
- 販売・生産・会計といった社内業務アプリケーションに関する開発業務の経験
- ネットワーク基盤、インフラ開発・運用、情報セキュリティ管理等の業務経験
- CSRT業務経験者
- ERP開発経験者
- ビジネスレベルの英語力
③EC業界・小売業界の社内SEって何してるの?
業界でことなる社内SEの仕事内容、求められるスキルや経験。つづいてEC・小売業界の社内SEについて。
EC・小売業界:社内SEの仕事内容
- 【システム企画、開発、保守運営】
・通販/EC/店舗をはじめとした社内システムの新規導入、追加開発におけるプロジェクト管理、運用保守
・業務効率化、コスト削減等に関わる企画提案
・常駐SEのマネジメント、ベンダーのコントロール
・全社の情報セキュリティ企画と対策
・海外現地法人のシステム化支援 - 【セキュリティ・その他】
既存システムの保守、メンテ、セキュリティー対策、PCのヘルプデスク
EC・小売業界にはこんなシステムがある!
- 通販システム
- ECシステム
- 店舗システム
転職に求められるスキルや経験は?
EC・小売業界で求められるスキルの例。
(必ずしも必要ではないものの経験者は優遇される)
- 事業会社における事業システムの新規導入
- プロジェクト管理経験
- ベンダーにおける事業システム(手組み/PKG問わず)の開発経験
- 性能テスト/性能改善経験
- 大・中規模プロジェクトのPM、PL経験
- ビジネス会話の可能な語学力(英語、中国語)
- Oracle、My SQL等のDBMSの運用経験/知識
社内SEの年収事情:ぶっちゃけ給料安い?
社内SEの給料事情について。
給料が安いか高いかは…あたり前のことながら転職する企業によりますし、提示される役職にもよります。いちおう知っている限りの情報を。
転職者は差別されている可能性がありますので、十分にご注意ください。
新卒で「社内SE」は本体とおなじ年収
まず新卒で社内SEとなった場合は本体とおなじ年収。
企業によってはシステム関連の会社を子会社にしています。
そのばあい
「新卒配属=社内SEの子会社へ出向」
みたいなことになりますね。
たとえば大手化学メーカーの信越化学工業。
スカイワードインフォメーションシステム(株)というシステム企画・開発・運用のグループ企業があります。
新卒で研修をおえたあと「おまえ社内SEな」「おまえは営業な」「おまえは経理な」というような感じで人事がテキトーに決める配属があり、そこで社内SEとなると即出向者あつかいになります。
ただ、
「子会社に出向しているからといって本体と違う扱いを受けるか?」
というと新卒採用であれば差別は一切なしですね。
中途採用・転職組は…年収差別される可能性あり
ということで新卒でそのまま社内SEにず〜っといれば、年収面において差別されることはないのですが…
問題となるのは中途採用・転職組の年収です。
明らかに新卒の社内SEよりもスキルがあってハイスペックな人材を中途採用してるのですが…
転職で提示される年収・待遇条件があまりにヒドいケースあり、要注意。
社内SEって楽な仕事だから、エンジニアに消耗して疲れてしまったという人材がおおく流れてくるからでしょうか?
年収は必ず交渉しましょう!
いずれにせよ、
社内SEという職種は小規模の子会社でやっていたり、少数のチームである場合がほとんどで、転職の採用数はきわめて少ないです。
そのわりに応募がおおい買い手市場であるため、企業側もあまりよい条件を提示しないものかと思われます。
「大手メーカーだから年収もそれなりに高いハズ」
「トップ金融だから年収もそれなりに高いハズ」
などと勘違いしないよう情報収集と年収交渉をキッチリとやるべき。
下回ったら要交渉!メーカー社内SEの目安となる年収
大手メーカーの社内SEであれば以下の年収を目安にし、これを下回っていたら転職するのを止めておくか年収交渉しましょう。
- 主任30歳・年収500-570万円(別途残業と手当)
・月30Hの残業代をいれて「年収600-650万円」 - 係長32-35歳・年収600-700万円(別途残業と手当)
・月30Hの残業代をいれて「年収700-750万円」 - 課長40歳・年収800-1200万円(残業込み・別途手当)
・残業代はつかない
※ 大手メーカーの給与水準は、基本給はどこも似たようなものでボーナスの多い・少ないで年収が決まります。
ちなみに、
年収交渉を自分でやるのがめんどくさければ、転職エージェントに丸投げしましょう。
また、
少しでも社内SEという仕事に興味があり、
「これから転職したい」
というあなたはまずITエンジニア業界につよい転職エージェントに無料登録(下記オススメ)し、公開されていない求人のなかから、あなたにの希望にそった企業・仕事を探してもらいましょう。
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19卒です、ユーザー系子会社や社内SEのことを調べていたのでとても参考になりました。
ありがとうございました。
銀行や保険などの金融業界だと社内SE=内販専門ユーザー系子会社という形で考えていたので、改めて調べたいと思いました。