化学メーカーの年収ランキングを見ると、年収の高い会社とそうでない会社があります。日系企業の給料体系は大手であれば業界の平均や同じクラスの企業を見て決める会社が多く、なぜこのような違いがあるのかを分析する必要があります。
今回は積水化学工業(総合職文系&理系)について解説します。
【2016年9月】年収事例追記&改定
積水化学工業の平均年収(全従業員ベース)
有価証券報告書に公表されている平均年収(全従業員ベース)は以下の通り。
【2015年度の平均年収:922万円】
【平均年齢:43.0歳】
【平均勤続年数:16.7年】
【注意:年収=給与+残業代+賞与+基準外賃金】基準外賃金とは通勤手当、家族手当、住宅手当などのことを指す。
平均年収を見ると、化学業界平均の620万円(平成26年)と比べてかなり高いことが分かる。
この平均年収というのは圧倒的に母数の多い工場の一般職勤務も含んでいるので、総合職には全く当てはまらない。
でも「公表平均年収=一般職の年収」でこの数字ということは総合職の年収は正直めちゃくちゃ高いということ。
それでは平均年収が高い理由について迫っていこう。
理由1:一般職バブル世代の給料が高い
何度も述べているがメーカーの場合「公表年収≒一般職の平均」。
この数字から言えることは一般職の給料が異様に高いということ。
これしか理由がない…正直、一般職など大した仕事をしない。その割に給料高すぎww今後は是正されていくことでしょう。
理由2:30歳までの世帯手当・住宅手当がすごい
次の項目にまとめているが、積水化学は30歳までの手当が恵まれすぎ。
30歳までは結婚しているかそうでないかで年間120万円程度、給料が変わる。さらに住宅も全額補助。
一般的に30歳までには結婚するので数年は年間120万円の恩恵を受けるだろう。世帯手当120万円/年+家賃180万円/年(東京の平均的な家賃)=300万円加算。
これに残業代も加えると29歳で年収1,000万円こえる計算に…三菱商事なみの年収である。
化学メーカーで若手の給料・福利厚生がここまで恵まれている会社は他にない。
たとえば私のように大学卒業してすぐに結婚したとすると30歳までの8年間、年収に毎年300万円加算される。
私が積水化学に勤めていたら20代後半で手当/残業込み年収1,000万円突破していただろう。ただし30歳以降は年収が下がる(笑)
積水化学工業(総合職文系&理系)の年収事例
標準的な給与体系
【23歳学卒/25歳院卒入社】公表の年収+ボーナス+残業代
【27歳】年収550万円
【30歳】年収650万円(残業代、住宅手当のぞく)
【33歳主任】年収770万円(残業代、住宅手当のぞく)
【35歳主任】年収810万円(残業代、住宅手当のぞく)
【37-40歳マネージャーぺいぺい】1,000万円超(ほぼ全員)
【42歳部長】1,200万円以上(3-5人に1人)
給与制度の特徴と各種手当
- 独身寮:30歳まで入寮可。家賃ほぼゼロ。
- 社宅手当:30歳まで全額補助。それ以降不明。
- 世帯手当:30歳まで月10万円。それ以降は打ち切り。
- 最速35歳でマネージャー事例あり。普通は37-40歳。
- 最速38歳で部長事例あり。普通は42歳程度。
- ボーナス賞与は5-7ヶ月/年。上記年収は標準的なボーナス額で計算。
- マネージャー以上は裁量労働、残業代なし。
- 部長への難易度低いが給料も他大手の部長(1,400万円)に比べて安い。
- 残業代は人によって大きく変わるためカウントしていない。月30時間残業つくのであれば上記年収に15%前後を加算。
同社の入社5年目間接部門社員です。
年収はカンパニー制とはいえ、カンパニーもコーポレート共に同じ会社なの給与体系は全く同じです。
コーポレートが本社という意味ではなくあくまでカンパニーの取りまとめ役、もしくはどのカンパニーにも属さない仕事をしております。
カンパニーからコーポレートに異動することもあれば、逆もしかりです。
30代前半に課長になるというのは少なくとも私は聞いたことがありません。
課長試験を受ける資格があるのは30後半から40歳あたりですので、飛び級などの余程の特例だと思われますので年収に影響を与える要因にはなり得ません
また出向させても転籍はないので、出向先でも積水化学の給料であり続けます。
年収が高く見えるのは積水が総合職のみの平均年収を表示しているのに対して、他社が現場含め全体の年収を公表しているからだと思います。
四季報にも積水化学の年収には総合職のみを意味するマークがついてます