あとはまとめとして、いろいろ使える「ご指示」の例文を紹介しておきます。
どの例文も上司や目上・取引先などのビジネスメールに使える丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。
すでに登場した例文もありますが、いちおう全てをまとめておきます。
依頼・お願いビジネスメール結びに使う”ご指示”
ビジネスにおける「ご指示」のいろいろな使い方
目上や上司・取引先に「指示してほしい」とお願い・依頼したいときは…
- 例文「ご指示くださいますようお願い申し上げます」
意味は「指示してくれるようお願いします」 - 例文「ご指示をお願い致します」
意味は「指示してほしい、お願いします」 - 例文「ご指示いただきますようお願い申し上げます」
意味は「指示してもらうようお願いします」 - 例文「ご指示賜りますようお願い申し上げます」
意味は「指示してもらうようお願いします」 - 例文「ご指示の程お願い申し上げます」
意味は「指示してくれるよう、お願いします」 - 例文「ご指示いただければ幸いです」
意味は「指示してもらえたら嬉しいです」 - 例文「ご指示いただきたく存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「指示してもらいたいと思います」 - 例文「ご指示いただければと存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「指示してもらえたらと思います」
のようにお願いすると丁寧です。
「ご指示いただければ幸いです」「ご指示賜りますようお願い申し上げます」がもっとも丁寧な敬語であり、あとはほぼ等しいレベル。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするにすべて「指示してね！よろしく」という意味なのです。
自分が”指示する”ときに使える敬語
ビジネスにおける「ご指示」のいろいろな使い方
自分が「指示します！」と言いたいときには…
- 【現在形】ご指示します／（ご）指示いたします
- 【過去形】ご指示しました／（ご）指示いたしました
- 【進行形】ご指示しております／（ご）指示いたしております
- 【希望①】ご指示したく思います／（ご）指示いたしたく思います
- 【希望②】ご指示したく存じます／（ご）指示いたしたく存じます
などを使います。
「お（ご）～します」は謙譲語「お（ご）〜する」＋丁寧語「ます」
「お（ご）～いたします」は謙譲語「お（ご）〜いたす」＋丁寧語「ます」
「～いたします」の部分に指示するべきことの中身がはいります。
たとえば、
何かしら指示しなければいけないのであれば「（ご）指示いたします」
何かしら対応しなければいけないのであれば「（ご）対応いたします」
ここで「（ご）指示いたします」というように（ ）書きにしているのは「指示いたします」としても丁寧な敬語だから。
ちなみに敬語「お（ご）～いたします」「お（ご）～します」は自分が「～する」ときにつかいます。
相手に「指示してもらう」としたいときには…
「ご指示いただく＝指示してもらう」
「ご指示くださる＝指示してくれる」
という敬語をつかいます。
断りのビジネスメールに使う”ご指示”
ビジネスにおける「ご指示」のいろいろな使い方
「指示することができません！」と言いたいときには…
- 【例文】（ご）指示いたしかねます
意味は「指示することができません」
- 【例文】ご指示しかねます
意味は「指示することができません」 - 【例文】●●のためご指示することが叶いません
意味は「指示することができません」
- 【例文】ご指示することが大変困難でございます
意味は「指示することがとても難しいです」
などを使います。
あまり実用的じゃない表現になってしまいました…すみません。
いちおう紹介しておきましたが、
このようなビジネスシーンでは「ご対応いたしかねます」「ご対応しかねます」といった「ご対応」を使った敬語フレーズが一般的ですね。
ここで「（ご）指示いたしかねます」というように（ ）書きにしているのは「指示いたしかねます」としても丁寧な敬語だから。
また「〜いたしかねる（兼ねる）」は「～することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。
たとえば、
- 【例文】お応えいたしかねます
意味は「添うことができません」 - 【例文】お受けいたしかねます
意味は「受けることができません」 - 【例文】ご対応いたしかねます
意味は「対応することができません」
などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的
「〜しかねる」自体は敬語でもなんでもありませんが「できません」よりも丁寧に聞こえるため重宝するフレーズです。
ちなみに断りの敬語フレーズはほかにも「遠慮させていただきます」「●●には添いかねます」などいろいろあります。
お礼メールに使う”ご指示”
ビジネスにおける「ご指示」のいろいろな使い方
あとはビジネスシーンで相手に何かしら指示してもらったときのお礼ビジネスメールにも使えます。
「指示してもらいありがとう！」と言いたいときには…
- 例文「ご指示ありがとうございます」
- 例文「ご指示いただきありがとうございます」
- 例文「ご指示いただきましてありがとうございました」
- 例文「ご指示賜りましてありがとうございました」
- 例文「ご指示くださいましてありがとうございました」
のようにビジネスメール書き出しの挨拶にお礼として使うと丁寧です。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするに「指示してくれてありがとう！」という意味なのです。
どれも丁寧な敬語ではありますが、もっともかしこまった敬語は「～賜りましてありがとう」です。あとはどれも似たような丁寧レベル。
ほかにも色々ある”ご指示”の例文
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。
- 例文「ご指示いただきたく存じます」
※意味は「指示してもらいたいと思います」希望 - 例文「ご指示いただければと存じます」
※意味は「指示してもらえたら嬉しいです」希望 - 例文「ご指示いただければ幸いです」
※意味は「指示してもらえたら嬉しいです」仮定 - 例文「ご指示いただけましたら幸いです」
※意味は「指示してもらえたら嬉しいです」仮定 - 例文「ご指示いただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「指示してもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「ご指示いただければ幸甚に存じます」
※意味は「指示してもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「ご指示いただけますか？」
※意味は「指示してもらえるか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「ご指示いただけますでしょうか？」
※意味は「指示してもらえるだろうか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望「～したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」＋丁寧語「ます」＋仮定「たら・れば」
“お願い申し上げます＝お願い致します”
ところでビジネスシーンでは、
「ご指示くださいますようお願い申し上げます」としても丁寧ではありますが…
「ご指示くださいますようお願いいたします」「ご指示くださいますようお願い致します」と言い換えすることもできます。
また「どうか」という意味の「何卒（なにとぞ）」をつかい、
「ご指示くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます」
頭の片隅にいれておきましょう。
