化学素材メーカー総合職の平均年収ランキングは結構適当なのです…
最も信憑性の高いと思われる「就職四季報」のデータベースで確認しても、やはり実態より低い平均年収となっていました。
そこで今回はその理由について検証してみます。
*就職活動生や転職者から個別でお問い合わせ頂くことが多かったため記事にしました。
*情報の精度には万全を期しておりますが、異なる可能性もございます。
*2016年6月時点での情報です。
*化学素材メーカー新卒総合職(文系・理系)のみに当てはまります。
理由1:年収ランキングは実際より高いと文句を言われる
「平均年収1000万円とランキングしていたのに実際は800万円だった…」
「平均年収800万円とランキングしていたのに実際は1000万円だった!!」
さて、あなたはどちらの事態に対して文句を言いますか?
圧倒的に前者を挙げる人が多いと思います。
事前情報よりも給料が良かった場合には得した気分になり、事前情報よりも給料が低かった場合には損した気分になりますよね!?
記事を書く側からすると読者に損をさせる訳にはいかないため、実態より給料が低く出るのは当たり前です。
理由2:手当の取り扱いがよく分からない
化学業界は古くからの日本企業の体質が残る業界です。つまり、営業手当やら管理職手当やら住宅手当やら家族手当やら…給料以外に加算されている「手当・福利厚生」が多くあります。
*最近はカットされる会社が多く将来的には手当てが無くなって給料に反映されるかも
こういったことを全て除外するとひょっとしたら、ランキングされているような年収になるのかもしれません。ご参考までに私の場合は以下の手当がありました。
課長になるまでの手当;
- 家賃手当;約100万円/年(社宅が無い会社のみ)
- 残業代;ゼロ
- 通勤手当;全額会社負担(事情によっては新幹線通勤もあり)
- その他手当;約50万円/年
課長になってからの手当;
- 家賃手当;ゼロ
- 残業代;ゼロ
- 通勤手当;全額会社負担
- その他手当;約50万円/年
海外転勤の手当(平社員も管理職も基本は同じ);
- 家賃手当;全額会社負担(500-1000万円/年)
- 残業代;ゼロ
- 海外赴任手当、他;ベース年収の60%程度(国により異なる)
- その他手当;約50万円/年
*ただし私が年収という場合には家賃手当・通勤手当を除き、その他手当はカウントしています。
*管理職手前くらいから手当はかなり減らされます。特に家賃手当はゼロになる場合が多い。(家を早く買わせようとする会社の作戦)
*蛇足ですがこれらの手当は所得税の計算に含まれないので節税効果あり、重宝しています。
理由3:総合職の中でも給与体系が違う人がいる!
総合職とひとくくりにされていますが、中身は大別すると以下のような構成です。
- 新卒枠で入社した生粋の総合職(給料が一番高い)
- 地域限定採用の総合職(一般職の給料に毛が生えた程度)
- 転職枠で入社した総合職(ポジションによるが生粋の総合職の方が高い)
- 第2新卒枠で入社した総合職(年齢は上でも給料は①の人と同じ)
- 留年・浪人・留学していて入社時には30歳だった総合職(年齢は上でも給料は①の人と同じ)
- 高卒の一般職から試験を通過して総合職に格上げ(一般職の給料に毛が生えた程度)
ということで、総合職の中身は実に様々です。
純粋に①の人だけで構成された総合職年収ランキングを作ったら、給料の良い化学メーカーは確実に40歳1000万円越えするでしょう。
しかし実際は②〜⑥の人数比率も多くなります。←総合職にしめる人数比率推定30%程度
②や⑥のような人が工場の生産課長になってしまったりすると、形式だけは総合職の課長でも年収1000万円まで全然いかないです(年収800万円くらいがいいとこ)。これはスタートの学歴が低いからという学歴差別なのですが、まぁ仕方ないでしょう。
結果として②〜⑥の人が、平均年収を下げる要因となります。
私の年収がどういう軌跡を辿ったか?
もうそろそろ隠せなくなってきたのでざっくりと公開します。
年齢がバレるため途中から見込み年収です。スミマセン…
- 20代中盤;年収500万円(係長)
- 20代後半;年収600万円(係長)
- 30代前半;年収1000万円(海外逃亡)
- 30代中盤;年収1300万円(海外逃亡+課長代理)
- 30代後半;年収1600万円(海外逃亡+正課長)
- 40代前半;年収1100万円(日本帰国)
- 40代中盤;年収1500万円(部長昇進)
- 40代後半;年収1500万円(部長)
- 50代前半;年収2000万円(理事昇進)
- 50代中盤;年収1000万円(子会社へ出向、転籍)
- 50代後半;年収800万円(子会社の子会社へ出向、転籍)
- 60歳;年収500万円(契約社員へ格下げ)