外資系コンサルタントBig4(EY・デロイトトーマツ・KPMG・PwC)の年収ランキング。
Big4は監査法人でもありますが、ここではコンサルタント職のみランキングしていきます。
それでは
① 20代・30歳・40歳・50歳での年収期待値
② アナリスト・シニアアナリスト・コンサルタント・マネージャー・シニアマネージャー・ダイレクター・パートナーの年収
③ 賞与(ボーナス)
④ インセンティブ報酬
⑤ 各種手当&福利厚生
を考えたうえで
年収ランキングを作ります。就活・転職の業界研究にお役立てください。
※ 外資系企業は平均年収データなし。
※ また年収制度はころころ変わる点にご注意を。
Big4コンサルタント職の年収ランキング
それでは外資系コンサルBig4について
デロイトトーマツ・PwCコンサルティング・KPMGコンサルティング・EYの年収ランキングを見ていきましょう。
【ファーストクラス】
デロイトトーマツ
Big4・外資系コンサルタントの年収ランキング。
1stクラスは…
「デロイトトーマツ コンサルティング」
外資系コンサルBig4の中では
ベース給がもっとも高く、インセンティブ報酬の期待値も高い。
デロイトトーマツ コンサルティング・コンサルタント職の年収は、パフォーマンスと役職次第で年齢はほとんど関係ない(どこもそうだけど…)。
日系企業のように
「ダラダラ仕事をしてても給料上がる」なんてことはあり得ない。
誰でも到達できるラインは「ない」
すべては上司のサジ加減ひとつで決まります。
年収1000万円に到達するには以下2つの方法あり。
① シニアコンサルタント・ポジションで相応の成果を上げて上司から好評価をえるか、
② マネージャーに昇格するか
いずれにせよ
30歳・年収1000万円はとくに優秀じゃなくても十分に到達できます。
ただし問題は
ハードワークして成果をだし続けなきゃいけないこと。すこしでも気を抜くと終わり。
念のため
給料体系もまとめておきます。外資系コンサルタントの年収体系は毎年のように変わるため、あくまでご参考程度にお考えください。
▼ デロイトトーマツ・コンサルタントの給料体系
年 齢 | 役 職 | 年 収 | ベース年棒 +残業代 (万円) |
インセンティブ 賞与 |
---|---|---|---|---|
初任給 学部卒 |
ビジネス アナリスト 見習い |
530-795万円 | 530 | 年棒 ×0~50% |
初任給 院卒 |
ビジネス アナリスト 見習い |
540-810万円 | 540 | 年棒 ×0~50% |
入社2-4年目 24-26歳 |
コンサルタント 主任 |
620-1080万 | 620-720 | 年棒 ×0~50% |
入社5-7年目 27-29歳 |
シニア コンサルタント 係長 |
780-1350万 | 780-900 | 年棒 ×0~50% |
入社8-12年目 30-34歳 |
マネージャー 課長 |
1100-1800万 | 1100-1200 | 年棒 ×0~50% |
入社13-18年目 35-40歳 |
シニア マネージャー 次長 |
1300-2100万 | 1300-1400 | 年棒 ×0~50% |
入社18-28年目 40-50歳 |
ディレクター 部長 |
2000万円~? | ? | NA |
目安なし | パートナー ディレクター 役員 |
4000万円? | ? | NA |
※ コンサルタント以降は裁量労働制となり残業代ふくむ
月100時間超の残業・深夜残業22時~・土日出勤は別で申請できるが…
※成果に応じてインセンティブあり: +年棒の0~50%だが平均的には+10%くらいか。
※ マネージャー以上は昇格がきびしい
※ どのポジションでも年棒制
※ 成果&上司の評価に応じて出世する単純なシステム
※ スムーズに出世したときのケース
※ 年収に加算するべき福利厚生は特にない。日系企業と年収を比較するときには▲200万円して考えるのが妥当。
【ビジネスクラス】
EYアドバイザリー
Big4・外資系コンサルタントの年収ランキング。
2ndクラスは…
「EYアドバイザリー」
EYアドバイザリーの年収をザックリまとめると
30-35歳でシニアマネージャーに出世していれば年収1000万円超。
ただし昇格は極めて難しい。
また
27-29歳・シニアコンサルタントであっても
月平均100時間の残業代をもらえれば年収1000万円超えます。上司からの許可がでるか疑問だけど…
さらには新卒初任給でも
月平均100時間の残業代をもらえれば年収800万円超。
すべては
残業代を働いた分だけちゃんと貰えるかで年収が決まります。
ちなみにEYは
違法残業で書類送検されたおり、2016年に残業ルールが変更されています。
そして
またルール改正されて残業単価が低い方向に調整されるリスクあり。たとえば裁量労働制になって+10万円/月で一律支給とか、ボーナス額を減らすとか…
年収1000万円に到達するには以下2つの方法があります。
① シニアコンサルタント以下のポジションで残業代をもらいまくるか
② シニアマネージャーに昇格するか
つまりほとんどの人は
年収1000万円に到達せず、転職することになってしまうでしょう。
▼ EYアドバイザリー・コンサルタント職の給料体系
年 齢 | 役 職 | 年 収 | ベース年棒 (万円) |
ボーナス 賞与 |
---|---|---|---|---|
初任給 学部卒 |
アナリスト 見習い |
490万円 | 450 +残業代 |
40 |
初任給 院卒 |
アナリスト 見習い |
490万円 | 450 +残業代 |
40 |
入社2-3年目 24-26歳 |
コンサルタント 見習い |
550-640万円 | 470-550 +残業代 |
80-90 |
入社3-5年目 27-29歳 |
シニア コンサルタント 係長 |
640-750万円 | 550-650 | 90-100 |
入社5-8年目 27-30歳 |
マネージャー 課長 |
810-920万円 | 700-800 | 110-120 |
入社8-13年目 30-35歳 |
シニア マネージャー 次長 |
1050-1260万円 | 900-1100 | 150-160 |
入社13-18年目 35-40歳 |
ディレクター 部長 |
1400-1620万円 | 1200-1400 | 200-220 |
目安なし | パートナー 役員 |
3000万円? | 不明 |
※ どのポジションでも年棒制
※ シニアコンサルタントまでは残業代別途あり
(違法残業で労基署に書類送検されたためルール改正)
※ 住宅手当・退職金なし
※ 成果&上司評価で出世する単純なシステム
※ スムーズに出世したときのケース
※ UP or STAY or DOWN
※ ボーナスは会社の業績連動であり個人の成果は関係ない。おおむね月給x2ヶ月分/年の支給
※ このほかにも個人の成果におうじてインセンティブあり
(年収例には含まれない)
【エコノミークラス】
PwCコンサルティング
Big4・外資系コンサルタントの年収ランキング。
3rdクラスは…
「PwCコンサルティング」
PwCコンサルティングの年収をザックリまとめると
30-35歳でマネージャーに昇格していれば年収1000万円いくかどうか。
ただし昇格できない人も多い。
年収1000万円に到達するには以下2つの方法がある。
① シニアアソシエイト・ポジションで相応の成果を上げて上司から高評価をえるか、
② マネージャーに昇格するか
つまりほとんどの人は
年収1000万円に到達せず、転職することになってしまうでしょう。
▼ PwC・コンサルタント職の給料体系
年 齢 | 役 職 | 年 収 | ベース年棒 +残業代 (万円) |
ボーナス 賞与 |
---|---|---|---|---|
初任給 学部卒 |
アソシエイト 見習い |
460-550万円 | 420 | 年棒 ×10-30% |
初任給 院卒 |
アソシエイト 見習い |
460-550万円 | 420 | 年棒 ×10-30% |
入社2-4年目 24-26歳 |
アソシエイト 見習い |
500-650万円 | 450-500 | 年棒 ×10-30% |
入社5-7年目 27-29歳 |
シニア アソシエイト 係長 |
600-780万円 | 550-600 | 年棒 ×10-30% |
入社8-12年目 30-34歳 |
マネージャー 課長 |
990-1170万 | 900 | 年棒 ×10-30% |
入社13-18年目 35-40歳 |
シニア マネージャー 部長 |
1320-1560万 | 1200 | 年棒 ×10-30% |
入社13-18年目 35-40歳 |
ディレクター 部長 |
2000万円~? | 2000 | NA |
目安なし | パートナー 役員 |
3000万円? | 不明 | NA |
※ どのポジションでも年棒制
※ 残業代50時間/月を年棒にふくむ、裁量労働制。
(超過分は申請できるが実際には…)
※ ボーナスは年棒x10-30%。平凡な評価だと+10%となる。
※ 住宅手当・退職金なし
※ 成果&上司評価で出世する単純なシステム
※ スムーズに出世したときのケース
※ 評価が低いと退職せざるを得ない状況に陥る
【格安航空LCC】
KPMGコンサルティング
Big4・外資系コンサルタントの年収ランキング。
4thクラスは…
「KPMGコンサルティング」
KPMGコンサルティングの年収をザックリまとめると
33-38歳でシニア マネージャーに昇格していれば年収1000万円いくかどうか。
ただし昇格できない人も多い。
年収1000万円に到達するには以下2つの方法がある。
① マネージャーのポジションで相応の成果を上げて上司から高評価をえるか、
② シニア マネージャーに昇格するか
つまりほとんどの人は
年収1000万円に到達せず、転職することになってしまうでしょう。
▼ KPMG・コンサルタント職の給料体系
年 齢 | 役 職 | 年 収 | ベース給 +残業代(万円) |
ボーナス 賞与 |
---|---|---|---|---|
初任給 学部卒 |
アナリスト 見習い |
468-560万円 | 468 | 年棒 ×0-20% |
初任給 院卒 |
アナリスト 見習い |
468-560万円 | 468 | 年棒 ×0-20% |
入社2-3年目 24-26歳 |
アナリスト 主任 |
470-600万円 | 470-500 | 年棒 ×0-20% |
入社4-7年目 26-29歳 |
コンサルタント 主任 |
500-720万円 | 500-600 | 年棒 ×0-20% |
入社8-13年目 30-35歳 |
シニア コンサルタント 係長 |
600-960万円 | 600-800 | 年棒 ×0-20% |
入社11-15年目 33-38歳 |
マネージャー 課長 |
800-1200万円 | 800-1000 | 年棒 ×0-20% |
入社15-18年目 38-40歳 |
シニア マネージャー 部長 |
1200-1680万 | 1200-1400 | 年棒 ×0-20% |
入社18-28年目 40-50歳 |
ディレクター 部長 |
1500-2200万 | 1500-2000 | 年棒 ×0-20% |
目安なし | パートナー 役員 |
2000万円~? | 不明 | NA |
※ どのポジションでも年棒制
※ 残業代25時間/月を年棒にふくむ、裁量労働制。
(超過分は申請できるが実際には…)
※ ボーナスは年棒x0-20%。会社が黒字でかつ個人評価が平凡だと+5%くらいになる。
※ 住宅手当・退職金なし
※ 成果&上司評価で出世する単純なシステム
※ スムーズに出世したときのケース
※ 評価が低いと退職せざるを得ない状況に陥る
結局は役職とインセンティブ次第…
外資コンサルBig4の年収をムリやりランキングしてきましたが…
ここまで見てきたように、
給料体系はそう大きく差はありません。
じゃあ何で年収が決まるか?
というとすべては
役職とインセンティブ報酬(or賞与)です。
インセンティブや賞与は
会社の業績に連動していたり、個人の評価に連動していたり、その両方だったり、いろいろな決め方があります。
上記の年収目安で幅をもたせているためおおむね合っているかと。
一般的な考え方としては
稼いでない会社ほどインセンティブ報酬もしょぼいものになりがち。賞与とかインセンティブって、会社の利益から業績に貢献した人におおく報酬を与えようというコンセプトだからです。
したがって
会社が赤字であればインセンティブを支払う余力はありません。
で、
なぜ似たような業界のベース給は同じになるのか?
ということですが…
労働組合のない外資系企業であれば、ライバル企業に人材が流出するのを防ぐため。
業界で似たようなクラスの年収水準にしようとしてたら、みんな同じようなベース給になっちゃったというパターン。
外資系コンサルは実力主義というけど、ホントは違う
よく外資系企業というか
外資系コンサルタント業界で勘違いされていること。
「完全に成果主義・実力主義であり、実績をあげれば上にいける」
これは
半分は合ってるけど半分は間違い。なぜなら、あなたの実績を評価してインセンティブを決めるのが上司だから。
ノルマの2倍も売ったのに…
極端なたとえですが
「ノルマ x 2倍の売上を記録した!」
というとき。
普通なら最高評価がつけられるべきなのですが…
上司から変なイチャモン、たとえば
「それって運よくマーケットが伸びただけで偶然だよね?」
「何もガンバってないよね?」
こんなのを食らったら平均的な評価になってしまいます(経験あり)。
これは実際にあった話なのですが、
わたしはイチイチ上司に反論するのがメンドくさいので
「ホントに運が良かっただけです。ハハハ」といって受け入れます(これがダメなのかも?)。
なんか
さも自分の成果だったかのようにアピールするのがめんどくさいのですよね…
まぁ
逆にノルマ達成できなかったのにトップクラスの評価だったこともあり、生涯で見るとなんとな〜くバランスしているのかもしれませんが…
なんちゃって成果主義で重要なこと3つ
つまり成果主義といっても重要なのは
① 上司と仲よくする能力
② クライアントのためじゃなく上司のために働く能力
③ 上から認められるようにアピールし続ける能力
ということなのです。
「結果さえ出していれば給料も上がるし役職も上がる」ということには絶対になりません。ご注意ください。
とくに外資系企業だと
理不尽な人事評価はおおくあります。上司の権限がつよすぎることが問題。
そうなると
・如何に上司に嫌われないようにするか
・どう高い評価を得るか
ということばかりに気を遣うようになります。
成果に集中したい人は嫌気がさして、
より良い上司を求めて転職を繰り返すことになるでしょう。
ということで
上司とソリが合わなければムリして続けず転職先を探しましょう。
※ちなみに日系はたとえ理不尽な評価がついてもクビにはならないから、上司に逆らって好き勝手できる。
「日系vs. 外資系」どっちが年収高い?
見ため年収は高い外資系コンサルタント。
でも
「福利厚生をすべて現金化しているから年収高くなる」という見方もできます。
そこで
日系企業と比較するときにポイントとなる手当や福利厚生について少し…
退職金のない企業は年収-100万円/年
まずは退職金の話。
おおくの外資系企業には退職金がありません。
いっぽうで日系企業だと
一般的な大企業の退職金は生涯賃金の10%くらい。
生涯賃金を3.2億円とすると3200万円が退職金となり
3.2+0.32=3.52億円くらいが平均的な大企業の生涯賃金です。
退職金3200万円を勤続年数38年でわると…
だいたい年間100万円ぐらいのインパクトがあります。
したがって退職金のある日系大企業と外資系企業を比較するときには、退職金インパクト年収100万円を差し引いて考えるのが妥当。
住宅手当のない企業は年収-80万円/年
つづいて住宅手当の話。
おおくの外資系企業には住宅手当がありません。
一般的な日系大企業だと
独身寮・社宅・住宅手当のいずれかが標準的についてます。
そうすると年収へのインパクトは
東京でだいたい80-100万円/年ほどになります(企業が負担している金額)。
その他の福利厚生で年収-20万円/年
そのほかには
地域手当・役職手当・扶養手当・子供手当・持ち家手当などなど。
外資系企業にはなくて日系企業にある福利厚生にはこれらの手当があります。
そうすると外資と日系では
少なく見積もっても年収20万円分くらいのインパクト。
結局は、外資も日系も変わらない
これらの福利厚生も年収にカウントすると…
「外資系 vs 日系」で年収を比較するときには200万円/年ほどを考える必要あり。
そうすると
結局のところ外資も日系も年収は大して変わりません。
個別企業の年収分析
・デロイトトーマツの年収「パートナー・マネージャー・コンサルetc」
・PwCコンサルティングの年収「新卒・マネージャー・アソシエイトetc」