現役営業マンが作成する就職偏差値ランキング2020年卒用。今回はガス会社・電力会社・その他インフラ業界まとめです。
総合職文系・理系を関係なくランキングしています。
注1)
正直なところガス電力会社に就職する理由は ①給料が仕事量にたいして高いこと、②雇用が安定していること 以外にない。現状、そのどちらも脅かされている状況なので全体的に評価を低く見積もっている。気を悪くしないでほしい。
注2) 理系・文系共通
注3) 対象業種:電力・ガス・その他インフラおよび関連する独立行政法人。なお「電力中央研究所=電中研」「新エネルギー・産業技術総合開発機構=NEDO」など略称を用いている場合がある。
注4) 2ch就職掲示板とは一切関係ありません。完全に独自で作ってます。
注5) 更新履歴 2019/6; 初版公開
就職偏差値ランキング2020卒:電力・ガス業界
【70以上】該当なし
↑↑ プレミアムゴッド級 ↑↑
【69】-
【68】-
【67】東京ガス、大阪ガス
【66】-
【65】-
↑↑ スーパーゴッド級 ↑↑
【64】東邦ガス
【63】電中研
【62】中部電力、関西電力、J-Power
【61】九州電力、*JERA(中部電と東電の合弁)
【60】中国電力、四国電力、沖縄電力
↑↑ ゴッド級 ↑↑
【59】東北電力
【58】北海道電力
【57】-
【56】-
【55】*NEDO
↑↑ 15枚役級 ↑↑
【54】東京電力
【53】西部ガス、静岡ガス
【52】京葉ガス、K&Oエナジー、*日本原子力開発機構、*原子力損害賠償・
【51】イーレックス
【50】北海道ガス、広島ガス、レノバ
↑↑ リプレイ級 ↑↑
【45~49】*日本原電、北陸ガス、ニチガス、*常磐共同火力、*四国ガス、*その他 新エネルギー会社
↑↑ 外れ役級 ↑↑
ランキングの理由
選定の根拠についてザックリと解説しておく。
偏差値65以上
東京ガス・大阪ガスは、ガス自由化によって今後どうなるか分からないが、とりあえず未だ高給であること、仕事マッタリであることを評価した。
経営面ではどちらも迷走している感があり、今後はまったく読めない。電力会社に顧客を奪われ、さらに火力発電用に売っていたガスも電力会社が自己調達に切り替えるとガス会社にはLNG基地とガス管しか残らない。
ただし各社、発電所をもっているためガス販売の減少を電気の増販で穴埋めしていくのだろう。競争激化によって価格下がる分、経営の効率化と人員の削減も求められる。
これらのことを含めて、彼らが生き残るためにはしっかりとした経営戦略が必要となる。すべて経営者の手腕にゆだねられるのだが、今までぬるま湯につかっていた業界であり、経営陣には官僚的なだけの無能ばかり揃っている気もする…。
したがって若手はモチベーションを保てないかもしれない…。
どちらの会社も年収は高く30歳800-900万円(残業時間による)、35歳年収1000万円、40歳1200万円以上がみえる。5大総合商社より低く、メーカーよりも高い。あるいは大手不動産ディベロッパーくらいの給料である。仕事量を考えると破格とも言えるレベル。
10年後もこの水準を保っているかは疑問だが…
経営陣がポンコツでないことを祈るしかない。
東邦ガスは東海 (主に愛知県)を基盤とする都市ガス会社。業界3位。東京ガス・大阪ガスと電力会社の間くらいの年収であり、仕事それなり高年収である点を評価した。
偏差値60~64
つづいて電力大手10社のなかでも経営の安定性および待遇の面ですぐれている複数社、およびJ-Power・JERA、一般財団法人の電中研を第二群にいれた。
これらの企業は必ずしも群を抜いて高給とは言えないが、経営が安定していること、仕事マッタリであることを評価した。
総合職だと30歳500-600万円、35歳700-800万円、40歳過ぎて年収900-1000万円ほどが期待値。それでも仕事量を考えると十分に満足のいく待遇と思われる。
良くも悪くも大手メーカー並の水準。
ガス電力会社は以下3つの理由から評価を低く見積もっている。
- ガス電力自由化もあって、何もしなくても利益のでていた地域寡占ビジネスがおびやかされており昔ほど素晴らしい就職先とは思えない。
- キャッシュCowだった原発がフル稼働できず苦しい。
- 年収が原発事故前の水準にもどっておらず、いまだに全盛期より10%ほど低い。
なお。
2011年3月の原発事故をキッカケに電力会社はどこもボーナスが削られており、したがって年収もいまいちパッとしない状況が続いている。最近はボーナスも全盛期の8~9割程度にまで復活したが…
電力会社が苦しんでいる間に一般企業は好景気の恩恵をうけボーナスが軒並み上昇し、ベースアップも実施されているため年収は上昇傾向にある。
したがって、かつての「電力=高給取り」のイメージは無くなってきている。
【ピックアップ企業】
- 電中研 (正式名称:電力中央研究所)はエネルギーに関する研究開発機関。各電力会社から補助金をもらうことで成り立っている法人である。が、そもそも電力会社の経営状況が苦しく意味のない研究に補助金を払っている余裕などないため規模縮小せざるを得ないだろう。年収や待遇面では間違いなく国内の研究機関のなかで最高峰である。30歳600万円、35歳800万円、40歳1000万円が見込まれる。
偏差値55~59
つづいて電力大手の中でも待遇面で若干おとっている北海道電力・東北電力、国立研究開発法人のNEDOなどを入れた。
- 北海道電力・東北電力は地方においては優良な就職先と思われるが、他企業との比較でこうなった。ただし電力自由化で客を失えば規模縮小せざるを得ない状況になる。
- NEDO (国立研究開発法人)は地方公務員・上級レベルの給料であり、一般企業にくらべて待遇面では劣る。とくに優れた就職先とは思えないので研究に没頭したい人にだけオススメする。
仕事マッタリそれなりの給料であることは間違いない。他電力会社とおなじく3.11事故以来、年収が10%ほど減った状態がつづいている。現状だけをみるのであればメーカー総合職なみの待遇であり、高給であるとは言い難い。
これらを加味してランキングをだいぶ下げている。
電力会社はとにかく原発をフル稼働できればもう少しマシな経営状況、待遇になると思われる。
偏差値50~54
さらに電力大手の中でも待遇のイマイチな東京電力・北陸電力、一般企業と比較すると待遇面でおとる独立行政法人の原子力開発機構など。あとは比較的どうでも良いクラスのガス会社、新エネルギー会社をいれた。
東京電力は2011年3月の原発事故以降、ボーナスがほぼゼロの状態が続いていおり著しく年収下がっているため、このランクとした。なお東京電力のボーナスは事故前まで年平均で約170万円ほどあった。これがゼロになっているのだから悲惨である。
偏差値49以下
小規模なガス電力会社、およびブラック企業臭のするニチガスなどをいれた。
【ピックアップ企業】
- *日本原電:給料はそれなりに高いが保有する2つの原発は廃炉もしくは縮小を余儀なくされているため将来性がない。➀敦賀原発の増設計画はペンディング、②東海原発は廃止となるため、廃炉することがメインの仕事となる。
業界リスク
電力およびガスの自由化によって、ガスと電気がどちらも値崩れし共倒れになるリスクあり(これが最悪のシナリオ)。
これを避けるべくエネルギー業界でアライアンスを組むなどして経営の効率化を図れば今度は、人員を削減(リストラ)しなければいけない必然性に悩まされる。
非効率経営こそ正義、高コスト万歳という中で生きてきたガス電力会社は今後、変革を迫られる。良くも悪くも一般企業とおなじく正常な経営が適用されていくだろう。
また。
ガス電力会社はその事業の性格上、地方に多くの営業所をもっているためド田舎や離島への転勤があり得る。本店勤務をいかに継続できるかが素晴らしいキャリアになるかどうかの分かれ道だが、基本はローテーションで3年毎の転勤が付き物。覚悟を決める必要あり。
2018卒用から上げた企業、下げた企業
前回のは2018卒用であり2019卒用は作成し忘れていました…今回2年ぶりにアップデートしましたが大きくランキングを変えた企業もあります。
そこでランキングを上げた企業・下げた企業をまとめておきます。
- 【65→60】中国電力:過大評価であったため見直し。経営状況や待遇は他とあまり変わらない。
- 【60→62】電源開発 (J-Power):火力および水力発電メインのため相対的に地位が上昇。経営も安定しているのだが他電力とおなじく年収は下落している。原発事故とは無関係のハズなのに…。
- 【60→52】日本原子力研究開発機構JAEA (独立行政法人):原発を減らしていく方針のなかで必然的に規模縮小せざるを得なくなる、事故が頻発しており職場が命の危険にさらされている。なお年収はそんなに悪くなく地方上級公務員なみ (あとは昇進次第)。30歳500万円、35歳650-750万円、40歳800-900万円、45歳で課長職に昇格できれば900-1000万円。そうじゃなければ50歳1000万円にどくかどうか。これらを加味して評価をだいぶ下げた。
- 【59→62】中部電力:経営は前回のときほど深刻な状況ではなく、いくつかの原発を再稼働、さらに年収も回復してきているのでランキングを上げた。ただし全盛期から相変わらず年収10%減しているのが痛い。
- 前回58から変更【58→62】関西電力、【61】九州電力、【59】東北電力、【58据え置き】北海道電力 → それぞれ中部電力のコメントとおなじ。以前の想定より状況は悪くないので上げている。
- 【57→54】東京電力:実質国営化されたため経営状況はマシになってきている。が、先に述べたとおりボーナスゼロの状況がつづくなど待遇面では苦しい。したがってランキングをさらに下げた。
- 【56→60】四国電力:なぜ中国電力の傘下にいないのかわからないが、とにかく仕事マッタリそれなりの給料である点を評価。地方差別は良くないとの考え方から修正した。
- 【56→62】沖縄電力:電力会社のなかでは今一番すばらしい企業である。理由は①離島にあって競争にさらされるリスクが他よりも低いこと、②原発ゼロであり3.11原発事故の影響を何も受けずヌクヌク高給を保っていること、③物価の低い沖縄にあるのに年収は電力会社のなかでトップクラス。
- 【52据え置き】北陸電力:そもそも存在意義が不明な電力会社である。
中部電力は原発1つも再稼働してないですよ。
ニュースもまともに見てないんですか?