精進する(読み:しょうじんする)の意味、
ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上・年賀状など)にふさわしい使い方、注意点について。
ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。
まずは要点のまとめから。
精進する の意味は
① ひとつのことに精神を集中して励む
② 一生懸命に努力する
「精進=雑念を捨て仏道修行に専念すること」
というのが元々の意味。
かみくだくと
「一生懸命、頑張ります!」みたいな意味になります。
精進する の使い方は?
「一生懸命、がんばります!」という意味で使われるため、決意表明をするビジネスシーンで使われます。
使い方にはたとえば…
- 仕事に精進する
- 業務に精進する
- 目標に向かって精進する
- その他、なんでも精進する
このような形で、あいさつ文・お見舞い(暑中など)・年賀状・お詫び をともなうビジネスシーンで決意表明として使われることの多いフレーズ。
メールなど文書の結び、締めくくりとして使われます。
また
ビジネスシーンにふさわしい敬語にした使い方の例としては、以下のようなものがあります。
- 例文「精進して参ります」
- 例文「精進いたします」
- 例文「より一層精進して参ります」
- 例文「精進して参る所存でございます」
- 例文「日々 精進したいと存じます」
- 例文「日々 精進を重ねて参ります」
いずれも意味はおなじで「一生懸命がんばります」
どれも丁寧な敬語であり、
ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上・年賀状など)で使うのにふさわしいフレーズ。
ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、
本文中ではいろいろな例文を使いながら意味、使い方、注意点について説明していきます。
精進する の意味
精進する の意味は
「一生懸命に努力する」
「一生懸命にがんばる」
「精進=雑念を捨て仏道修行に専念すること」というのが元々の意味。いまでも「精進料理」といった言葉に使われています。
使い方も冒頭で解説しましたので省略し、例文でくわしくみていきます。
【例文・使い方】精進する を使った敬語フレーズ
精進する の使い方とビジネスシーンにふさわしい敬語フレーズ。
繰り返しにはなりますが、
「一生懸命がんばります」という意味で「決意表明するビジネスシーン」に使われます。
使い方にはたとえば…
- 仕事に精進する
- 業務に精進する
- 目標に向かって精進する
- その他、なんでも精進する
このような形で、あいさつ文(着任/新人/転勤)・お見舞い(暑中/寒中/残暑など)・年賀状・お詫び をともなうビジネスシーンで決意表明として使われることの多いフレーズ。
これらはあくまでも一例であり、
実際には「一生懸命がんばります!」と言いたいビジネスシーンであれば、どんなときでも使えます。
サービス業ではとくに、
どんなメールであろうと結びに必ずと言っていいほど使われていますね。
このようなビジネスシーン(手紙・メール・目上・就活・転職ふくむ)では、メール文末・結びに使うとあなたのヤル気がみられて好感がもてます。
それではビジネスにふさわしい敬語フレーズを例文でみていきましょう。
【例文①】精進してまいります
精進する のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
「精進してまいります」
あるいは
「より一層 精進して参ります」
「日々 精進して参ります」
意味は
「一生懸命がんばります」
ここで「参ります」は「行く・来る」の謙譲語。
「精進する」のもっともオーソドックスな使い方となります。
ちなみに、
「参ります」はかしこまったビジネス文書で使われることが多く、会話シーンで「訪問する・行く」と言いたいときは謙譲語「伺う」、「~する」と言いたいときには謙譲語「~いたす」をつかうのが一般的。
ビジネスメール例文
- 例文(あいさつ)
これからもお客様が快適にお過ごし頂けるサービスを提供できるよう、社員一同精進して参ります。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
- 例文(あいさつ)
より一層のサービス向上にスタッフ一同精進してまいります。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。 - 例文(新人の赴任あいさつ)
一日も早く戦力となれるよう精進してまいります。ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。 - 例文(退職・転勤のあいさつ)
これまでの部長のご指導を胸に、日々 精進して参ります。今後とも変わらぬご指導のほど何卒宜しくお願いいたします。 - 例文(年賀状)
本年もより一層仕事に精進して参ります。ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。
【敬語の補足】
- 行く・くる の謙譲語「参る」
- 丁寧語「ます」
- お願いいたします=お願い申し上げます は言い換えOK
【例文②】精進いたします
精進する のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
「精進いたします」
あるいは
「より一層 精進いたします」
「日々 精進いたします」
意味はおなじく「一生懸命がんばります」
例文①精進して参ります と比べると…
どちらも丁寧な敬語ではありますが、よりかしこまった敬語は「参る」のほう。
あとに文書が残る公式なメール、あいさつ文などは「して参ります」としたほうが無難。
普段づかいのビジネスシーンであれば「いたします」で十分です。
ビジネスメール例文
- 例文(あいさつ)
より一層のサービス向上にスタッフ一同精進いたします。今後ともよろしくお願いいたします。 - 例文(新人の赴任あいさつ)
一日も早く戦力となれるよう精進いたします。ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。 - 例文(退職・転勤のあいさつ)
これまでの部長のご指導を胸に、日々 精進いたします。今後とも何卒宜しくお願いいたします。 - 例文(年賀状)
本年もより一層仕事に精進いたします。ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。
【敬語の補足】
- する の謙譲語「いたす」
- 丁寧語「ます」
- お願いいたします=お願い申し上げます は言い換えOK
【例文③】精進して参る所存でございます
精進する のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
「精進して参る所存でございます」
あるいは
「より一層 精進して参る所存でございます」
「日々 精進して参る所存でございます」
意味は
「一生懸命がんばろうと思います」
ここで「参ります」は「行く・来る」の謙譲語。
所存 の意味は「考え、思うところ」。
かしこまった敬語フレーズを使っていますので、ビジネスではより公式な場面で使われることが多いですね。
例文①邁進して参ります との違いは「所存=考え」をつかっているところ。
「そうしたいと考えています」
というかなり回りくどい表現なので、わたしは好きになれません。あくまで個人的な意見。
ビジネスメール例文
- 例文(あいさつ)
業務経験を基に、さらに研鎖を重ね、精進して参る所存でございます。
- 例文(あいさつ)
より一層のサービス向上にスタッフ一同精進して参る所存でございます。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。 - 例文(新人の赴任あいさつ)
一日も早く戦力となれるよう日々精進して参る所存でございます。ご指導のほど何卒宜しくお願い申し上げます。 - 例文(退職・転勤のあいさつ)
これまでの部長のご指導を胸に、日々 精進して参る所存でございます。今後とも何卒宜しくお願いいたします。 - 例文(あいさつ)
お客様のご要望に応えるべく日々精進して参る所存でございます。何卒宜しくお願いいたします。 - 例文(年賀状)
本年もより一層仕事に精進して参ります。ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。
【敬語の補足】
- 行く・くる の謙譲語「参る」
- 所存 の意味は「考え、思うところ」
- 丁寧語「ます」
- お願いいたします=お願い申し上げます は言い換えOK
【例文⑤】精進したいと存じます
精進する のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
「精進したいと存じます」
あるいは
「より一層 精進したいと存じます」
「日々 精進したいと存じます」
意味は
「一生懸命がんばりたいと思います」
ここで「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」。
例文①邁進して参ります との違いは「存じる=思う」をつかっているところ。
「そうしたいと思います」
というハッキリしない表現なので、わたしは好きになれません。あくまで個人的な意見ですが…
ビジネスメール例文
- 例文(あいさつ)
これからもお客様が快適にお過ごし頂けるサービスを提供できるよう、社員一同精進したいと存じます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
- 例文(あいさつ)
より一層のサービス向上にスタッフ一同精進したいと存じます。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。 - 例文(退職・転勤のあいさつ)
これまでの部長のご指導を胸に、日々 精進したいと存じます。今後とも何卒宜しくお願いいたします。 - 例文(新人の赴任あいさつ)
一日も早く戦力となれるよう日々 精進したいと存じます。ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。 - 例文(年賀状)
本年もより一層仕事に精進したいと存じます。ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。
【敬語の補足】
- 行く・くる の謙譲語「参る」
- 丁寧語「ます」
- お願いいたします=お願い申し上げます は言い換えOK
【例文④】精進を重ねて参ります
精進する のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
「精進を重ねて参ります」
あるいは
「より一層 精進を重ねて参ります」
「日々 精進を重ねて参ります」
意味は
「一生懸命がんばります」
ここで「参ります」は「行く・来る」の謙譲語。
「参ります」はかしこまったビジネス文書で使われることが多く、会話シーンで「訪問する・行く」と言いたいときは謙譲語「伺う」、「~する」と言いたいときには謙譲語「~いたす」をつかうのが一般的。
また、
例文①邁進して参ります との違いは「重ねて=さらに」をつかっているところ。
「修行を重ねる」の重ねるとおなじ意味で使われています。
「より一層」と併せてつかうと「もっと、さらに精進します!」の意味となります。
どれだけ頑張るんだよ、っていう…
ビジネスメール例文
- 例文(あいさつ)
まだまだ至らぬ身ではありますが、皆様からのご期待に応えるべく より一層の精進を重ねて参ります。
- 例文(あいさつ)
より一層のサービス向上にスタッフ一同精進を重ねて参ります。今後ともよろしくお願いいたします。 - 例文(転勤・退職あいさつ)
これまでご指導いただいたことを胸に、より一層精進を重ねて参ります。今後とも変わらぬご指導をお願い申しあげます。 - 例文(新人の赴任あいさつ)
一日も早く戦力となれるよう、日々 精進を重ねて参ります。今後ともご指導のほど宜しくお願い申し上げます。 - 例文(年賀状)
本年もより一層精進を重ねて参ります。ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。
【敬語の補足】
- 行く・くる の謙譲語「参る」
- 丁寧語「ます」
- お願いいたします=お願い申し上げます は言い換えOK
【例文⑤】精進して参りますので~
精進する のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
「精進してまいりますので~」
あるいは
「より一層 精進してまいりますので~」
「日々 精進してまいりますので~」
意味は
「一生懸命がんばりますので~」
使い方はこれまでの例文とおなじため省略。
これまでの例文との違いは「~ので」として文章をあとに続けるところ。
オーソドックスな使い方ですので、文章のバランスを考えてお使いください。
ビジネスメール例文
- 例文(あいさつ)
これからもお客様が快適にお過ごし頂けるサービスを提供できるよう、社員一同精進して参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
- 例文(あいさつ)
より一層のサービス向上にスタッフ一同精進してまいりますので、今後とも引き続きよろしくお願いいたします。 - 例文(転勤・退職のあいさつ)
新天地でも日々精進して参りますので、変わらぬご指導のほど宜しくお願い申し上げます。 - 例文(新人の赴任あいさつ)
一日も早く戦力となれるよう精進してまいりますので、今後ともご指導のほど宜しくお願い申し上げます。 - 例文(年賀状)
本年もより一層仕事に精進して参りますので、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
【敬語の補足】
- 行く・くる の謙譲語「参る」
- 丁寧語「ます」
- お願いいたします=お願い申し上げます は言い換えOK
【例文⑥】精進いたしますので~
精進する のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
「精進いたしますので~」
あるいは
「より一層 精進いたしますので~」
「日々 精進いたしますので~」
意味は
「一生懸命がんばりますので~」
ここで「いたす」は「する」の謙譲語。
これまでの例文との違いは「~ので」として文章をあとに続けるところ。
オーソドックスな使い方ですので、文章のバランスを考えてお使いください。
ビジネスメール例文
- 例文(あいさつ)
これからもお客様が快適にお過ごし頂けるサービスを提供できるよう、社員一同精進いたしますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
- 例文(あいさつ)
より一層のサービス向上にスタッフ一同精進いたしますので、今後とも引き続きよろしくお願いいたします。 - 例文(転勤・退職のあいさつ)
新天地でも日々精進いたしますので、変わらぬご指導のほど宜しくお願い申し上げます。 - 例文(新人の赴任あいさつ)
一日も早く戦力となれるよう精進いたしますので、今後ともご指導のほど宜しくお願い申し上げます。 - 例文(年賀状)
本年もより一層仕事に精進いたしますので、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。
【敬語の補足】
- する の謙譲語「いたす」
- 丁寧語「ます」
- お願いいたします=お願い申し上げます は言い換えOK
【注意点】精進する はこう使う!
つづいて「精進する」を使うときの注意点を解説します。
敬語を正しく使うことはもちろん、
ふさわしいビジネスシーンを考えて使いましょう。
ご精進する はNG!
きわめて初歩的な敬語の使い方なのですが…
精進する のは自分であるため、尊敬語「お・ご」を使うのはダメ。
尊敬語「お・ご」は相手をうやまうために使い、相手の行為にたいして使います。
以下のような使い方はNGであるためご注意を。
- NG例文「ご精進する」
- NG例文「ご精進して参ります」
- NG例文「ご精進いたします」
※ 「お・ご~いたす」「お・ご~する」は謙譲語としての使い方もするため、完全に間違いとは言い切れないのですが…
念のため、基本的な敬語の種類について復習しておきます。
① 尊敬語とは?
相手をうやまって使う敬語の一種。
相手の行為にたいして使い、自分の行為には使わないことが基本。
敬語の種類はほかに②謙譲語、③丁寧語がある
② 謙譲語とは?
自分をへりくだって下にすることで、相手への敬意をあらわす敬語。
自分の行為に使い、相手の行為には使わないことが基本(例外あり)。
③ 丁寧語とは?
いわゆる「です・ます」口調のこと。
何に精進するのか?明確にするとベター
精進する の意味は「一生懸命にがんばる」
したがって、
何を頑張るのか?
明確にしてあると、よりよい文章になります。
「精進して参ります」を単体で使うと、いったい何にむかって頑張るのか、あいまいなのですよね。
そこでたとえば
「仕事に精進して参ります」
「より一層のサービス向上を目指し精進して参ります」
などのようにすると良いでしょう。
まい進・精進・努める・尽力 の違い
精進する の類語としてよくつかわれる他のフレーズとの違い。
「まい進・精進・努める・尽力」の違いについて少し。
まい進 の意味は「突き進むこと」
まい進して参ります だと
「一所懸命、突き進みます」という意味になります。
精進 の意味は「ひとつのことに精神を集中して励むこと」
精進して参ります だと
「一所懸命、取り組みます」という意味。
努める の意味は「努力する」
努めて参ります だと
「努力していきます」という意味。
尽力 の意味は「力を尽くすこと」
尽力して参ります だと、
「力を尽くします」という意味。
※ 使い方はどれも似たようなものです
意味における違いは…
ほとんど無視できるレベルであり、とにかくどれを使っても
「めっちゃ頑張ります!」
というニュアンスの言葉になります。
したがって
とくにこれらのフレーズを使い分ける必要はありません。
「かしこまり度」でランク付けするのでしたら、
まい進=精進=尽力 > 努める
のような感じ。
だからとって「努める」が悪いわけではなく、どれも丁寧な敬語として使えます。
【参考】「ご尽力」「お力添え」意味と違い、正しい使い方 – メール例文