「お集まりいただきありがとうございます」の意味と使い方・例文

「お集まりいただきありがとうございます」の意味、敬語の種類、ビジネスシーンにふさわしい使い方(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)、注意点について。

ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。

意味

「お集まりいただきありがとうございます」は「集まってもらいありがとう」という意味。

なぜこのような意味になるのか?

そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。

お集まりいただき~の意味は「集まってもらい~」

「お集まりいただき~」の意味は「集まってもらい~」

※表記は平仮名ではなく漢字「お集まり頂き」としてもOK。

もとになる語「集まる」に「~してもらう」の敬語(謙譲語)「お(ご)~いただく」をつかうと「お集まりいただく」という敬語になります。

したがって意味は「集まってもらい~」と解釈できます。

謙譲語「お(ご)~いただく」は他にもたとえば、

【例文】ご連絡いただく →「連絡してもらう」の意味

【例文】ご指導いただく →「指導してもらう」の意味

などのようにして使われますね。

上司・目上・ビジネスメールに使うフレーズとしてはとても丁寧で好感がもてます。

あわせると意味は「集まってもらい、ありがとう」

  1. お集まりいただき=「集まってもらい」の意味の敬語(謙譲語)
  2. ありがとうございます = お礼

これらの単語を合体させて意味を考えます。

すると「お集まりいただきありがとうございます」の意味は…

「集まってもらい、ありがとう」

のように解釈できます。

敬語の種類

つづいて「お集まりいただきありがとうございます」の敬語の種類について。

この項目はかなりマニアックな敬語の解説になります。敬語について細かく学ぶ必要のないかたは読み飛ばしてください。

“お集まり”の敬語の種類

まずは前半部分「お集まり」の敬語について。

「お集まり」にかぎらず敬語「お(ご)」には①尊敬語もしくは②謙譲語の2パターンあり。

たとえば、

  1. 上司/目上などの相手が「お集まりくださる」「お集まりだ」→①尊敬語“お(ご)”
  2. 「自分がお集まりする」「相手にお集まりいただく」→②謙譲語“お(ご)”

というようになります。

ここでは「お集まりいただきありがとうございます」としているため、パターン②謙譲語の「お(ご)」ですね。

ちなみに謙譲語とか尊敬語ってなに?の解説はすこし後にあります。

敬語”いただく”の使い方

つづいて後半部分「いただく(頂く)」の敬語について。

「お集まりいただく」にかぎらず・・・

「お(ご)〜いただく」は「〜してもらう」の敬語(謙譲語)

使い方はたとえば、

  1. 「お集まりいただく」であれば「(上司なり目上に)集まってもらう」の意味
  2. 「ご連絡いただく」であれば「(上司なり目上に)連絡してもらう」の意味
  3. 「ご指導いただく」であれば「(上司なり目上に)指導してもらう」の意味

というように使います。

あるいは単に「〜していただく」とし、

  1. 例文「集まっていただく」
  2. 例文「連絡していただく」
  3. 例文「指導していただく」

のように使っても丁寧です。意味はどちらもまったく同じ。

ビジネスメールなど文書では「お(ご)〜いただく」をつかうとよりカチッとした文章になります。

いっぽうで会話や電話対応など堅苦しい敬語がもとめられないシーンでは「〜していただく」でも十分に丁寧ですね。

補足①そもそも謙譲語とは?

①そもそも謙譲語とは…

敬語の一種であり、

謙譲語Ⅰ:自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの。

謙譲語Ⅱ:自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。

の2種類あり。

これだけだと何のことだか意味不明なので謙譲語の基本形をまとめておきます。

以下の使い方だけ覚えておけばビジネスシーンで困ることはありません。

  1. お(ご)〜する
    お(ご)〜します
  2. 〜いたす
    〜いたします
  3. お(ご)〜いたす
    お(ご)〜いたします
  4. お(ご)〜申し上げる
    お(ご)〜申し上げます
  5. お(ご)〜差し上げる
    お(ご)〜差し上げます
  6. 〜していただく
    〜していただきます
  7. お(ご)〜いただく
    お(ご)〜いただきます
  8. 〜させていただく
    〜させていただきます
  9. お(ご)〜させていただく
    お(ご)〜させていただきます

※1〜5の意味は(自分が)〜する

※6・7の意味は(自分が相手に)〜してもらう

※8・9の意味は(自分が)〜させてもらう

「〜」の部分にイロイロな語がきて謙譲語になります。たとえば「了承」「教示」「承諾」「検討」「容赦」「査収」「取り計らい」など。

【注意事項】

・「させていただく」「申し上げる」「差し上げる」は日本語としておかしい表現になる時もあり、何でもかんでも使える訳ではありません。

・丁寧語「ます」とくみあわせて「〜します」「〜いたします」とするのが丁寧な使い方です。ご留意ください。

ちなみに、これは文化庁の「敬語の指針」においても解説されています。私のような頭の悪い人には難しいのですが、ご興味ありましたら以下のリンクよりどうぞ。

補足②そもそも尊敬語とは?

②そもそも尊敬語とは…

敬語の一種であり、相手側又は第三者の行為・ものごと・状態などについて、その人物を立てて述べるもの。

こちらもより分かりやすくするため、代表的な尊敬語の使い方をまとめておきます。

  1. お(ご)~だ
    お(ご)~です
  2. お(ご)~になる
    お(ご)~になります
  3. ~される
    ~されます
  4. ~なさる
    ~なさいます
  5. お(ご)~なさる
    お(ご)~なさいます
  6. ~してくださる
    ~してくださいます
  7. お(ご)~くださる
    お(ご)~くださいます

※1〜5の意味は(目上なり上司が)〜する

※6・7の意味は(目上なり上司が)〜してくれる

「〜」の部分にイロイロな語がきて尊敬語になります。たとえば「連絡」「指示」「利用」「報告」など。

【注意事項】

・「〜される」は受け身形との混同をまねくことがあるため要注意。

・丁寧語「です・ます」とくみあわせて「お(ご)〜です」「お(ご)〜になります」とするのが丁寧な使い方ですのでご留意ください。

使い方は”お礼”のビジネスシーン(メールetc)

つづいて「お集まりいただきありがとうございます」の使い方について。

文字どおり「集まってもらいありがとう」というお礼フレーズなので、そのようなビジネスシーン(メールなど)で使います。

上司・目上など社内にかぎらず社外にも使える丁寧な敬語フレーズですね。

お集まりくださいまして~としても丁寧

「お集まりいただきありがとうございます」の使い方

ところで「お集まりいただきありがとうございます」と似たようなフレーズには…

  • 例文「お集まりくださいまして誠にありがとうございます」
  • 例文「お集まりくださり、ありがとうございます」

※「お(ご)~くださる」は「~してくれる」の尊敬語

もあります。

あるいは単に「お集まりありがとうございます」としてもまぁ問題はありません。

結論としてはどれを使っても丁寧な敬語です。

「お集まりくださいまして~」の「ください」は「くれる」の尊敬語「くださる」を使っています。どちらを使っても結局は同じことを述べています。

お集まりいただきまして~だとなお丁寧

「お集まりいただきありがとうございます」の使い方

「お集まりいただきありがとうございます」としても十分に丁寧ではありますが…

丁寧語”ます”の活用形「~まして」をくみあわせて、

  • 例文「お集まりいただきましてありがとうございます」

とするとなお丁寧な敬語になります。

まぁ「お集まりありがとうございます」だけでも十分ではありますが…丁重なメールに仕上げたいときにどうぞ。

相手に著しく負担をかけた時は「恐縮」を使う

上司や目上などの相手にとんでもなく負担をかけてしまったときには…

「ありがとう」だとイマイチしっくりこないですね。

こんなときには申し訳なくおもう気持ちをしめすフレーズをもってくると丁寧です。

とくに上司・目上や取引先にいちじるしく負担をかけたときには以下の例文をつかうと好感度UP。

  • お集まり+恐縮(申し訳なく思うこと)
    「お集まりいただき誠に恐縮です」
    「お集まりいただきまして誠に恐縮でございます」
    「お集まりくださいまして誠に恐縮でございます」
  • お集まり+恐れ入る(申し訳なく思う)
    「お集まりいただき大変恐れ入ります」
    「お集まりいただきまして誠に恐れ入ります」
    「お集まりくださいまして誠に恐れ入ります」

こんな感じでつかうと丁寧なビジネスメールになります。

他にもある丁寧な「お集まり」の例文

お礼のシーンで「ありがとう」ばかりつかっていては敬語ビギナー。

お礼をしめすフレーズは他にもいろいろあります。

中級〜上級者むけですが、代表的な言い換え例文だけを紹介しておきます。

  • 例文「お集まりいただき感謝申し上げます」
  • 例文「お集まり頂きお礼申し上げます」
  • 例文「お集まり頂き深謝いたします」
  • 例文「お集まりいただき深謝いたしております」

※「深謝」は「深く感謝すること」の意味

クッション言葉を添えるとなお丁寧

ビジネスメールのお礼をより丁寧にするためのコツ。

「お集まり」の前置きにはそえるクッション言葉や、相手を気づかうフレーズをもってくるとなお丁寧です。

たとえば「ご多忙にも関わらず」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。

  • ご多忙にも関わらず=忙しいにも関わらず
    「ご多忙にも関わらずお集まりいただき誠にありがとうございます」
  • ご多用にも関わらず=忙しいにも関わらず
    「ご多用にも関わらずお集まりいただき誠にありがとうございます」
  • 勝手を申し上げたにも関わらず=自分勝手を言ったにも関わらず
    「勝手を申し上げたにも関わらずお集まり〜」
  • ご無理申し上げたにも関わらず = 無理を言ったにも関わらず
    「ご無理申し上げたにも関わらずお集まり~」

【例文】ビジネスメール・会話

つづいて「お集まり頂きありがとうございます」を使ったビジネスメールの例文を紹介します。

目上・上司にかぎらず社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。

ビジネス会話の例文:集合のお礼

【司会】

本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。

それではまず弊社社長のxxより開会のご挨拶を申し上げます。

※「ご足労いただきありがとうございます」に言い換えるとなお丁寧

“お集まり+お礼”の敬語フレーズまとめ

いろいろ散らかってきたので、一旦まとめ。

これまで紹介した例文もつくめ”お集まり+お礼”の敬語フレーズを表にまとめておきます。

使い方に迷ったときのご参考にどうぞ。

お集まり+ありがとう

① 意 味 ② 例 文 ③ 敬語の種類
いただき
ありがとうございます
してもらい
ありがとう
お集まりいただき
ありがとうございます
“もらう”の
謙譲語”いただく”
いただきまして
ありがとう~
してもらいまして
ありがとう
お集まり頂きまして
ありがとうございます
いただく
+丁寧語”ます”
活用形
いただけるとのこと
ありがとう~
してもらえるとのこと
ありがとう
お集まり頂けるとのこと
ありがとうございます
 いただく
+可能”ける”
くださり
ありがとう~
してくれて
ありがとう
お集まりくださり
ありがとうございます
尊敬語”くださる”
くださいまして
ありがとう~
してくれまして
ありがとう
お集まりくださいまして
ありがとうございます
くださる
+丁寧語”ます”
活用形
賜り
ありがとう~
してもらいたい
ありがとう
お集まり賜り
ありがとうございます
“もらう”の
謙譲語”賜る”
賜りまして
ありがとう~
してもらいまして
ありがとう
お集まり賜りまして
ありがとうございます
賜る
+丁寧語”ます”
活用形

※漢字表記「頂く」「下さる」をもちいてもOK

※過去形にしたければ「ありがとうございました」に言い換えする

お集まり+いろいろなお礼フレーズ

① 深謝 ② 感謝 ③ お礼申し上げる
お集まりいただき -深謝いたします

-深謝いたしております

-深謝申し上げます

-感謝いたします

-感謝いたしております

-感謝申し上げます

-お礼申し上げます
お集まり
いただきまして
お集まり
いただけるとのこと
お集まりくださり -深謝いたします

-深謝いたしております

-深謝申し上げます

-感謝いたします

-感謝いたしております

-感謝申し上げます

-お礼申し上げます
お集まり
くださいまして
お集まり賜り

-深謝いたします

-深謝いたしております

-深謝申し上げます

-感謝いたします

-感謝いたしております

-感謝申し上げます

-お礼申し上げます
お集まり
賜りまして

※漢字表記「頂く」「下さる」をもちいてもOK

※強調するフレーズ「誠に」「大変」などをくわえてもOK

お集まり+申し訳なく思うフレーズ

① 恐縮 ② 恐れ入る
お集まりいただき -恐縮です

-恐縮でございます

-恐縮に存じます

-恐れ入ります
お集まり
いただきまして
お集まり
いただけるとのこと
お集まりくださり -恐縮です

-恐縮でございます

-恐縮に存じます

-恐れ入ります
お集まり
くださいまして
お集まり賜り

-恐縮です

-恐縮でございます

-恐縮に存じます

-恐れ入ります
お集まり
賜りまして

※漢字表記「頂く」「下さる」をもちいてもOK

※強調するフレーズ「誠に」「大変」などをくわえてもOK

クッション言葉+お集まり+お礼

ビジネスメールのお礼をより丁寧にするためのコツ。

「お集まり」の前置きにはそえるクッション言葉や、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。

たとえば「ご多忙にも関わらず」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。

  • ご多忙にも関わらず=忙しいにも関わらず
    「ご多忙にも関わらずお集まりいただき誠にありがとうございます」
  • ご多用にも関わらず=忙しいにも関わらず
    「ご多用にも関わらずお集まりいただき誠にありがとうございます」
  • 勝手を申し上げたにも関わらず=自分勝手を言ったにも関わらず
    「勝手を申し上げたにも関わらずお集まり〜」
  • ご無理申し上げたにも関わらず = 無理を言ったにも関わらず
    「ご無理申し上げたにも関わらずお集まり~」
  • 早速/早々に
    「早速お集まりいただきありがとうございます」
    「早々にお集まり〜」

“お集まり頂き vs お集まりくださいまして”の違い

ここで少し横道にそれます。

お集まりいただきありがとうございます」と似たような表現には

お集まりくださいましてありがとうございます」

これって何が違うのでしょうか?

結論としてはどちらも上司や目上・取引先などに使える丁寧な敬語フレーズです。ここではその根拠について順を追って解説していきます。

敬語・意味の違い

まずは敬語と意味の違いについて。とくに色づけした部分についてよくご確認。

  • お集まりいただきありがとうございます
    意味は「集まってもらいありがとう」
    敬語は「~してもらう」の謙譲語「お(ご)~いただく」を使用。
  • お集まりくださいましてありがとうございます
    意味は「集まってくれてありがとう」
    敬語は「~してくれる」の尊敬語「お(ご)~くださる」を使用。
    「まして」の部分は丁寧語「ます」の活用形

色づけしたところが主に違います。

どちらも同じように使える

ということで、

「お集まりいただく=集まっていただく」なのか「お集まりくださる=集まってくださる」なのか、という点において違いますが丁寧さとしてはまったく同じです。

また、

お集まりいただきありがとうございます」「お集まりくださいましてありがとうございます」はどちらも結局のところ、お礼を述べているわけであってどちらも同じように使います。

お礼では「お集まりいただき〜」が一般的

わたしの経験上ではお礼のビジネスシーンにおいては「お(ご)〜いただきありがとう」という敬語フレーズを使うことが多いです。

おっさん営業マンのたわごとですので無視してもらって構いませんけど…

本来はどちらも丁寧な敬語フレーズですので、あまり悩む必要はありません。

「いただく vs. くださる」の使い分け

せっかくですので「いただく」「くださる」の違いを例文で考えてみます。

たとえば結び・締めに使う「お願い」するときのシーンを考えましょう

すると…

「ご容赦くださいますようお願い致します」
「ご容赦いただきますようお願い致します」
「ご了承くださいますようお願い致します」
「ご了承いただきますようお願い致します」
「ご検討くださいますようお願い致します」
「ご検討いただきますようお願い致します」

こんな敬語フレーズをよく使います。

実はこれらは「くださる」を使うのが一般的です…
「いただく」としても丁寧ではありますが…

ところが、たとえば何かをもらった時のお礼のシーンを考えます。

「たいそうなお品をくださりありがとうございました」
「たいそうなお品をいただきありがとうございました」

もうひとつ、

ご利用くださりありがとうございます」
ご利用いただきありがとうございます」

上記の例文はどれも敬語としては正しい使い方。
ただ圧倒的に「いただき〜」とするほうが多いですね。

本来でしたらどれも丁寧な敬語であり同じように使えます。

参考記事

お集まりいただきありがとうございます の使い方・例文

つづいて「お集まりいただきありがとうございます」の使い方について。

ビジネスシーンではとくに、お願いメールにたいして返信がきたときのお礼として「返信の返信メール」に使います。書き出しのお礼に使うとよいでしょう。

取引先など社外あてに限らず、上司や目上など社内あてのメールにも使える丁寧な敬語フレーズです。

使い方「お礼ビジネスメール」

「お集まりいただきありがとうございます」はお礼ビジネスメールに使います。

とくに目上や上司・取引先から何かしら集まってもらったときのお礼メールに使います。

具体的にはたとえば、取引先から本社移転案内のメールがあったとき。

-ビジネスメール例文-

メール件名:返信Re: 本社移転のご案内

株式会社ビジネス
営業部 ●●様

いつもお世話になっております。
メール拝受いたしました。

お集まりいただき誠にありがとうございます。

また機会がございましたらお邪魔させていただきます。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

メール署名

のようにしてビジネスメールに使うとよいでしょう。

「お集まりくださいましてありがとう~」としても丁寧

ところで「お集まりいただきありがとうございます」と似たようなフレーズには…

「お集まりくださいまして誠にありがとうございます」もあります。

あるいは

「お集まりくださり、ありがとうございます」としてもOK。あるいは単に「お集まりありがとうございます」としてもまぁ問題はありません。

結論としてはどれを使っても丁寧な敬語です。

「お集まりくださいまして~」の「ください」は「くれる」の尊敬語「くださる」を使っています。どちらを使っても結局は同じことを述べています。

「お集まりいただき vs お集まりくださいましてありがとう」の違い

ここで少し横道にそれます。

お集まりいただきありがとうございます」と似たような表現には

お集まりくださいましてありがとうございます」

これって何が違うのでしょうか?

結論としてはどちらも上司や目上・取引先などに使える丁寧な敬語フレーズです。ここではその根拠について順を追って解説していきます。

敬語・意味の違い

まずは敬語と意味の違いについて。とくに色づけした部分についてよくご確認を。

  • お集まりいただきありがとうございます」
    意味は「集まってもらいありがとう」
    敬語は「●●してもらう」の謙譲語「お(ご)●●いただく」を使用。
  • お集まりくださいましてありがとうございます」
    意味は「集まってくれてありがとう」
    敬語は「●●してくれる」の尊敬語「お(ご)●●くださる」を使用。
    「まして」の部分は丁寧語「ます」の活用形

色づけしたところが主に違います。

どちらも同じように使える

ということで、

「お集まりいただく=集まっていただく」なのか「お集まりくださる=集まってくださる」なのか、という点において違いますが丁寧さとしてはまったく同じです。

また、

お集まりいただきありがとうございます」「お集まりくださいましてありがとうございます」はどちらも結局のところ、お礼を述べているわけであってどちらも同じように使います。

お礼を述べるときは「お集まりいただきありがとう」が一般的

わたしの経験上ではお礼のビジネスシーンにおいては「お(ご)●●いただきありがとう」という敬語フレーズを使うことが多いです。

おっさん営業マンの経験値であり、本来でしたらどちらも同じように使えます。

どちらも丁寧な敬語フレーズですので、あまり悩む必要はありません。

「いただく」vs「くださる」の使い分け

せっかくですので「いただく」「くださる」の違いを例文で考えてみます。

たとえば結び・締めに使う「お願い」するときのシーンを考えましょう

すると…

「ご容赦くださいますようお願い致します」
「ご容赦いただきますようお願い致します」
「ご了承くださいますようお願い致します」
「ご了承いただきますようお願い致します」
「ご検討くださいますようお願い致します」
「ご検討いただきますようお願い致します」

こんな敬語フレーズをよく使います。

実はこれらは「くださる」を使うのが一般的です…
「いただく」としても丁寧ではありますが…

ところが、たとえば何かをもらった時のお礼のシーンを考えます。

「たいそうなお品をくださりありがとうございました」
「たいそうなお品をいただきありがとうございました」

もうひとつ、

ご利用くださりありがとうございます」
ご利用いただきありがとうございます」

上記の例文はどれも敬語としては正しい使い方。
ただ圧倒的に「いただき〜」とするほうが多いですね。

本来でしたらどれも丁寧な敬語であり同じように使えます。

参考記事

➡︎ ビジネス挨拶文の例文50選(文書・メール・年賀状・時候ほか)
➡︎ ビジネスメールでの「拝啓・敬具」の書き方と位置
➡︎「ご厚誼」「ご交誼」「ご高配」「ご厚情」の意味と違い、使い分け
➡︎「教えてください」の代わりに使えるビジネス敬語、メール電話の例文
➡︎「ご教示」「ご教授」の意味と違い、使い方・メール例文
➡︎上司へお願いするときに使える敬語10の言葉と、例文50選
➡︎「いただくことは可能でしょうか?」の敬語、目上の人への使い方

「お集まり」のいろいろな使い方・例文

あとは「お集まりいただきありがとうございます」だけでなく、いろいろ使える「お集まり」の例文を紹介しておきます。

どの例文も上司や目上・取引先などのビジネスメールに使える丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。

依頼・お願いビジネスメール結びに使う「お集まり」

お礼シーンだけじゃない「お集まり」の使い方。

おもに問い合わせや質問・仕事のお願い・依頼をともなうビジネスメール結び締めとして使います。取引先など社外あてに限らず、上司や目上など社内あてのメールにも使えます。

たとえば、

  • 例文「お集まりくださいますようお願い申し上げます」
    意味は「指導してくれるようお願いします」
  • 例文「お集まりいただきますようお願い申し上げます」
    意味は「指導してもらうようお願いします」
  • 例文「お集まり賜りますようお願い申し上げます」
    意味は「指導してもらうようお願いします」
  • 例文「お集まりの程お願い申し上げます」
    意味は「指導してくれるよう、お願いします」
  • 例文「お集まりいただければ幸いです」
    意味は「指導してもらえたら嬉しいです」
  • 例文「お集まりいただきたく存じます。何卒よろしくお願い致します」
    意味は「指導してもらいたいと思います」
  • 例文「お集まりいただければと存じます。何卒よろしくお願い致します」
    意味は「指導してもらえたらと思います」

のようにお願いすると丁寧です。

「お集まりいただければ幸いです」「お集まり賜りますようお願い~」がもっとも丁寧な敬語であり、あとはほぼ等しいレベル。

まぁ、ようするに「集まってね!よろしく」という意味なのです。

ほかにも色々ある「お集まり」の例文

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「お集まりいただけましたら幸いです」
    ※意味は「集まってもらえたら嬉しいです」
  • 例文「お集まりいただけましたら幸甚に存じます」
    ※意味は「集まってもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お集まりいただければ幸甚に存じます」
    ※意味は「集まってもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「ご査収のうえ、お集まりのほどお願い申し上げます」
    ※意味は「よく確認してもらい、集まってくれるようお願い」
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」

「お願い申し上げます=お願い致します」

ところでビジネスシーンでは、

「お集まりくださいますようお願い申し上げます」としても丁寧ではありますが…

「お集まりくださいますようお願いいたします」「お集まりくださいますようお願い致します」と言い換えすることもできます。

また「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」をつかい、

「お集まりくださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます」

頭の片隅にいれておきましょう。

前置きに気づかいのフレーズを!

「お集まり」の前置きに気づかいのフレーズを使うとより丁寧な印象のメールとなります。

たとえば以下のようなフレーズがあります。

  • 恐縮=申し訳なく思うこと
    「お忙しいところ恐縮ではございますがお集まり〜」
    「お忙しいところ大変恐縮ではございますがお集まり〜」
    「たびたび恐縮ではございますがお集まり〜」
  • 恐れ入る=申し訳なく思う
    「お忙しいところ恐れ入りますがお集まり〜」
    「お忙しいところ大変恐れ入りますがお集まり〜」
    「たびたび恐れ入りますがお集まり〜」
  • お手数=お手間
    「お忙しいところお手数お掛けしますがお集まり〜」
    「お忙しいところ大変お手数ではございますがお集まり〜」
  • 勝手を申し上げる=自分勝手を言う
    「誠に勝手を申し上げますがお集まり〜」