敬語「お知らせくださいますよう vs 頂きますよう」の意味と使い方

つづいて「お知らせくださいますよう vs お知らせいただきますよう」の使い方をビジネスメール例文で紹介します。

目上・上司にはもちろんのこと、社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。

ビジネスメール例文①日程変更お知らせ

メール件名①: 返信Re:【日程変更】●●のお知らせ
メール件名②: 新規: ●●日程変更のお知らせ

営業部 各位 (社内)

大変申し訳ございません。

さて、先般ご案内しておりました●●の件、▲▲により日程変更をさせていただきます。

日程調整いただいたにも関わらず、ご迷惑をおかけしますこと深くお詫び申し上げます。

なお、以下の通りに変更後の日程につきご案内いたします。
たびたび恐れ入りますが再度、皆さまのご都合を伺えればと存じます。

【変更前日程】
・11月3日 10:00-12:00

【変更後日程】
・11月5日 10:00-12:00

ご出欠につきまして、今週中にお知らせくださいますようお願い申し上げます

営業部 ノマド

・●●の部分には「会議」「打合せ」「面談」「訪問」「イベント」などが入る
・▲▲の部分には「会場の都合」「会議室の都合」「部長の急用」「急遽出張予定が入り」などの理由がくる。理由は簡単なものでよく、くわしくは説明しなくてよい

ビジネスメール例文②飲み会の出欠を催促する(社内上司)

【to社内・各位・上司など】
社内の催促メールで「飲み会の出欠確認を催促する」ときのビジネスメール例文。メールで案内をしていなければ新たに催促メールを作り、すでに案内済みのときには「転送Fw」「履歴付き返信Re」を使い、出欠の確認ができていない相手だけを宛先にする。催促するときには「●●はいかがでしょうか?」という敬語フレーズを使う。

メール件名①新規:懇親会・出欠のご確認
メール件名②転送Fw:【再送】懇親会・出欠のご確認

営業部 各位(社内)

お疲れ様です。

さて、先般お願いしておりました3月10日・懇親会の件、皆さまのご都合はいかがでしょうか。お忙しいところ大変恐れ入りますが、予約等の手配が必要なためあらかじめ人数を把握しておきたく、明日中にお知らせくださいますようお願い申し上げます。

なお、このメールは懇親会へのご出欠連絡がまだの方へ送付しております。行き違いでご連絡をいただいておりましたら申し訳ありません。

何卒宜しくお願い致します。

営業部 ノマド

“お知らせ”のいろいろな使い方・例文

あとはいろいろ使える「お知らせ」の例文を紹介しておきます。

どの例文も上司や目上・取引先などのビジネスメールに使える丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。

すでに登場した例文もありますが、いちおう全てをまとめておきます。

依頼・お願いビジネスメール結びに使う”お知らせ”

ビジネスにおける「お知らせ」のいろいろな使い方

何かしら目上や上司・取引先に「知らせてほしい!!」とお願い・依頼したいときは…

たとえば、

  • 例文「お知らせくださいますようお願い申し上げます」
    意味は「知らせてくれるようお願いします」
  • 例文「お知らせいただきますようお願い申し上げます」
    意味は「知らせてもらうようお願いします」
  • 例文「お知らせいただければ幸いです」
    意味は「知らせてもらえたら嬉しいです」
  • 例文「お知らせいただきたく存じます。何卒よろしくお願い致します」
    意味は「知らせてもらいたいと思います」
  • 例文「お知らせいただければと存じます。何卒よろしくお願い致します」
    意味は「知らせてもらえたらと思います」

のようにお願いすると丁寧です。

「お知らせいただければ幸いです」がもっとも丁寧な敬語であり、あとはほぼ等しいレベル。

それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。

ようするにすべて「知らせてね!よろしく」という意味なのです。

自分が”お知らせする”ときに使える敬語

ビジネスにおける「お知らせ」のいろいろな使い方

自分が「お知らせします!」と言いたいときには…

  • 【現在形】お知らせします/お知らせいたします
  • 【過去形】お知らせしました/お知らせいたしました
  • 【進行形】お知らせしております/お知らせいたしております
  • 【希望①】お知らせしたく思います/お知らせいたしたく思います
  • 【希望②】お知らせしたく存じます/お知らせいたしたく存じます

などを使います。

「ご(お)~します」は謙譲語「ご(お)〜する」+丁寧語「ます」

「ご(お)~いたします」は謙譲語「ご(お)〜いたす」+丁寧語「ます」

「~いたします」の部分にすることの中身がはいります。

たとえば、

何かしら確認しなければいけないのであれば「(ご)確認いたします」

何かしら対応しなければいけないのであれば「(ご)対応いたします」

ここで「(ご)確認いたします」というように( )書きにしているのは「確認いたします」としても丁寧な敬語だから。

ちなみに敬語「ご(お)~いたします」「ご(お)~します」は自分が「~する」ときにつかいます。

相手に「知らせてもらう」としたいときには…

「お知らせいただく=知らせてもらう」
「お知らせくださる=知らせてくれる」

という敬語をつかいます。

断りのビジネスメールに使う”お知らせ”

ビジネスにおける「お知らせ」のいろいろな使い方

「お知らせすることができません!」と言いたいときには…

  • 【例文】お知らせいたしかねます
    意味は「お知らせすることができません」
  • 【例文】お知らせしかねます
    意味は「お知らせすることができません」
  • 【例文】●●のためお知らせすることが叶いません
    意味は「お知らせすることができません」
  • 【例文】お知らせすることが大変困難でございます
    意味は「お知らせすることがとても難しいです」

などを使います。

あまり実用的じゃない表現になってしまいました…すみません。

いちおう紹介しておきましたが、

このようなビジネスシーンでは「お答えいたしかねます」「ご返答・ご回答・ご返事いたしかねます」敬語フレーズが一般的ですね。

また「〜いたしかねる(兼ねる)」は「~することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。

たとえば、

  • 【例文】お応えいたしかねます
    意味は「添うことができません」
  • 【例文】お受けいたしかねます
    意味は「受けることができません」
  • 【例文】ご対応いたしかねます
    意味は「対応することができません」

などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的

「〜しかねる」自体は敬語でもなんでもありませんが「できません」よりも丁寧に聞こえるため重宝するフレーズです。

ちなみに断りの敬語フレーズはほかにも「遠慮させていただきます」「●●には添いかねます」などいろいろあります。

お礼メールに使う”お知らせ”

ビジネスにおける「お知らせ」のいろいろな使い方

あとはビジネスシーンで相手に何かしら知らせてもらったときの、お礼ビジネスメールにも使えます。

たとえば、

  • 例文「お知らせありがとうございます」
    例文「お知らせいただきありがとうございます」
    例文「お知らせいただきましてありがとうございました」
    例文「お知らせ賜りましてありがとうございました」
    例文「お知らせくださいましてありがとうございました」

のようにビジネスメール書き出しの挨拶にお礼として使うと丁寧です。

それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。

ようするに「知らせてくれてありがとう!」という意味なのです。

どれも丁寧な敬語ではありますが、もっともかしこまった敬語は「~賜りましてありがとう」です。あとはどれも似たような丁寧レベル。

ほかにも色々ある”お知らせ”の例文

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「お知らせいただけましたら幸いです」
    ※意味は「知らせてもらえたら嬉しいです」仮定
  • 例文「お知らせいただけましたら幸甚に存じます」
    ※意味は「知らせてもらえれば嬉しく思います」仮定
  • 例文「お知らせいただければ幸甚に存じます」
    ※意味は「知らせてもらえれば嬉しく思います」仮定
  • 例文「お知らせいただけますか?」
    ※意味は「知らせてもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
  • 例文「お知らせいただけますでしょうか?」
    ※意味は「知らせてもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」

“お願い申し上げます=お願い致します”

ところでビジネスシーンでは、

「お知らせくださいますようお願い申し上げます」としても丁寧ではありますが…

「お知らせくださいますようお願いいたします」「お知らせくださいますようお願い致します」と言い換えすることもできます。

また「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」をつかい、

「お知らせくださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます」

頭の片隅にいれておきましょう。