「お納めください」の意味と使い方・丁寧な言い換え敬語

「お納めください」は上司・目上に失礼?

ビジネスメールに使えるもっと丁寧な敬語ってなに?

とご心配のあなたへ。

「お納めください」は目上や上司・取引先へのビジネスメールに使っても失礼ということでは無いのですが…

時と場合によっては上から目線に感じられてしまうことがあります。

会話や電話対応であれば問題ないものの、ビジネスメールなど顔の見えないコミュニケーションではより丁寧な敬語に言い換えすると好感度UP。

より丁寧な言い換えにはたとえば、

① 受け取ってほしいの意味でつかう”お納めください”はシーンにおうじて「ご査収ください・ご笑納ください」のどちらかに言い換えると丁寧です。

もちろん「お受け取り」をつかった言い換えでもOKですがあまり一般的ではありません。

また、

② 納入してほしい・あるべき場所に納めてほしいの意味でつかう”お納めください”は「納入」をつかった言い換えもできます。

あるいは、

あくまでも「お納めください」を使いたいときの丁寧な言い換えとしては…

  • 例文①お納めくださいませ
  • 例文②お納めいただきたく存じます
  • 例文③お納めいただければと存じます
  • 例文④お納めいただけますか?お納めいただけますでしょうか?
  • 例文⑤お納めいただきますようお願い申し上げます
  • 例文⑥お納めくださいますようお願い申し上げます
  • 例文⑦お納めいただければ幸いです
  • 例文⑧お納めいただけましたら幸甚に存じます

などあり。

これらの言い換えの丁寧レベルとしては「お納めくださいませ」がもっとも低く、例文⑦⑧がもっとも丁寧。

あとはどれも似たようなレベルです。

くわしくは本文にて。

※長文になりますので「見出し」より目的部分へどうぞ

この記事の目次

意味・敬語の解説

「お納めください」は「納めてほしい」という意味。

なぜこのような意味になるのか?

そもそもの意味と敬語について順をおって解説していきます。

正反対の2つの意味をもつ「納める」

ややこしいのでまずは「納める」という言葉の、そもそもの意味について少し。

冒頭でも紹介したように納めるは2つの正反対の意味をもちます。

  • 意味①受け取る・受納する
  • 意味②渡す・納入する

したがってたとえば、

「お納めください」としたときには「①受け取ってください」 or 「②納入してください」の2とおりの解釈ができます。

まぁ日本語ネイティブの私たちであれば意味を取り違えることはないとは思いますが…

たとえば、

「商品をお納めください」だと「②商品を納入してほしい」の意味とするのが妥当であり、

「お祝儀お持ちしました。どうかお納めください」だと「①受け取ってほしい」の意味と考えるのが妥当ですね。

“お納めください”の意味は「納めてくれ」

「お納めください」のそもそもの意味は…

「納めてほしい」
「納めてくれ」

納めるは「①受け取る」「②納入する」のどちらかの意味であるためシンプルに要約すると、

①受け取ってほしい

②納入してほしい

のどちらかの意味に解釈できます。

ここで「お納め」の”お(ご)”は尊敬語。

なお「お納めしてください」は間違い敬語であるためご注意を。

“お納めください”の敬語の種類

「お納めください」を敬語としてみていくと…以下のようになりたちます。

  • もとになる単語「納める」に尊敬語”お(ご)”で「お納め」
  • さらに「くれる」の尊敬語”くださる”で「お納めくださる」
  • さらに命令形にして「お納めください」

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

このようにして元になる語「納める」を敬語にしています。つまり敬語としては何もおかしいところはありません。間違いではなく正しい敬語です。

ちなみに敬語「お(ご)」は…

「自分がお納めする」のであれば謙譲語としての使い方。

上司・目上・取引先などの「相手がお納めくださる」のであれば尊敬語としての使い方。

というように2パターンあります。

強い口調となる敬語”お納めください”

ここでひとつ注意点を。

「お納めください」だけでなく「お(ご)~ください」という敬語は、つよい口調に感じられることがあります。

なぜなら「ください」は敬語ではあるものの結局のところ命令形であるから。

極端なたとえですが、よく母親が子供に

「はやく片付けなさい!!」
「静かにしなさい!!」

といっているのを耳にします。

「~なさい」は”する”の尊敬語”なさる”の命令形。

尊敬語”くださる”の命令形「お(ご)~ください」と似たような成り立ちです。

どちらかというと「お(ご)~ください」のほうが丁寧ではありますが…どちらも結局のところ命令形であり、上から目線に感じられることがあります。

もちろん人それぞれ、感じ方はことなります。

私のようにまったく気にしない人もいれば気分を損ねる上司・目上もいます。

だからといって敬語は丁寧であればよいというわけでもなく、バカ丁寧だとそれはそれで問題あり(”慇懃無礼”-“いんぎんぶれい”といいます)。

で、

シンプルな敬語をつかいすぎると失礼だと言われたり…

本当にむずかしいのですよね。

したがってどんな敬語を使うかは状況や相手を考えてあなたの判断にゆだねられます。

いろんな敬語を知っておくことが重要

もっとも重要なことは、

いろんな敬語フレーズを知っておくこと。

そうすればビジネスシーンに応じてふさわしい敬語を使うことができるようになります。

社内の上司にメールするときは「お納めください」をつかい、取引先にメールするときは「お納めいただければ幸いです」をつかい…

というような感じ。

引き出しを多くもっておくと臨機応変に使い分けすることができます。

そういう意味でこれから紹介する言い換え敬語はどれも本当によくつかいます。

覚えておくと必ず役に立つことでしょう。

丁寧な言い換え敬語

ここまでの解説で「お納めください」が敬語として正しいこと、時と場合によってはイマイチになるということが分かりました。

ここからは、

じゃあどういう風に言い換えすればより丁寧な敬語になるの?

という点についてみていきます。

①お納めくださいませ

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お納めください」の言い換え敬語

  • 例文「お納めくださいませ」

意味は『納めてください』

※ 漢字表記「下さい」vs ひらがな表記「ください」はどちらもOK

※ 納めるの意味は「①受け取る」「②納入する・渡す」のいずれか

尊敬語「お納めくださる」に丁寧語”ます”の命令形「ませ」をつかい丁寧な敬語フレーズにしています。

命令形である点において「お納めください」とたいして違いはありませんが、丁寧語「ませ」を添えることで、よりやわらかい印象となりますね。

「〜くださいませ」は女性がよくつかうフレーズであるため、女性敬語だと言われることもあります。

ただ実際には男性であろうと女性であろうと違和感なくつかえます。

②お納めいただければと存じます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お納めください」の言い換え敬語

  • 例文「お納めいただければと存じます」

意味は『納めてもらえたらと思います』

※ 納めるの意味は「①受け取る」「②納入する・渡す」のいずれか

「~してもらえたらと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

目上・上司にはもちろんのこと社外取引先にもつかえる丁寧な敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「れば」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

③お納めいただきたく存じます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お納めください」の言い換え敬語

  • 例文「お納めいただきたく存じます」

意味は『納めてもらいたいと思います』

※ 納めるの意味は「①受け取る」「②納入する・渡す」のいずれか

「~してもらいたいと思う」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」

「存じます」は「思う」の謙譲語「存じる」+丁寧語「ます」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

⑤お納めいただきたく、お願い致します

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お納めください」の言い換え敬語

  • 例文「お納めいただきたく、お願い致します」
  • 例文「お納めいただきたく、お願い申し上げます」

意味は『納めてもらいたい、お願い』

※ 納めるの意味は「①受け取る」「②納入する・渡す」のいずれか

「~してもらいたい、お願い!!」としているため相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズになります。

「いただきたく」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望の「~たい」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

⑤お納めいただければ幸いです

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お納めください」の言い換え敬語

  • 例文「お納めいただければ幸いです」

意味は『納めてもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ』

つまり『納めてもらえたら嬉しいです』

相手に強制しない、とてもやわらか~いお願いの敬語フレーズですね。

「いただければ」は「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」+仮定の「~れば」

「幸いです」は「幸い」+丁寧語「です」

というように敬語にしており、目上のひとや上司・社外取引先につかえるとても丁寧なビジネスフレーズです。

ほかにも似たような敬語には以下のようなフレーズもあります。

  • 例文「お納めいただけましたら幸いです」
  • 例文「お納めいただけましたら幸甚に存じます」
  • 例文「お納めいただければ幸甚に存じます」
  • 例文「お納めいただけますと幸いです」
  • 例文「お納めいただけますと幸甚に存じます」

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

⑥お納めくださいますようお願い申し上げます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お納めください」の言い換え敬語

  • 例文「お納めくださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「お納めくださいますようお願い致します」

意味は『納めてくれるようお願いします』

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「ください」単体としての意味は「〜してくれ」「〜して欲しい」の丁寧な言いまわしと考えることができます。

が、

「ください」は敬語ではあるものの、結局のところ命令形であるために強い口調となります。

そこで「ますようにお願い」と続けることで「お願い」とすり替え、やんわ〜りとした表現にしています。とても丁寧な敬語フレーズと言えますね。

たとえば、

  1. ご査収くださいますようお願い申し上げます
    意味「よく中身を確認して受け取ってくれるようお願い!」
  2. ご検討くださいますようお願い申し上げます
    意味「検討してくれるようお願い!」
  3. ご確認くださいますようお願い申し上げます
    意味「確認してくれるようお願い!」
  4. ご了承くださいますようお願い申し上げます
    意味「納得してくれるようお願い!」

などのようにして使います。

これらはもともと「●●してください」という命令形なのですが、「●●くださいますようお願い〜」を使うことによって相手に強制しないやんわ〜りとした表現となっています。

ビジネスでは下手(したて)に出ることが基本ですので、強い口調を避けるためにこのような使い方をするようになったのだと推測します。

⑦お納めいただきますようお願い申し上げます

目上・ビジネスメールにもつかえる丁寧な「お納めください」の言い換え敬語

  • 例文「お納めいただきますようお願い申し上げます」
  • 例文「お納めいただけますようお願い申し上げます」

意味はどれも『納めてもらうようお願いします』

※「お願い申し上げます」は「お願い致します」に言い換えOK

「いただきますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+丁寧語”ます”+”ように”

「いただけますよう」は”〜してもらう”の謙譲語「お(ご)〜いただく」+可能形+丁寧語”ます”+”ように”

⑧~その他いろいろな言い換え敬語

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「お納めいただけましたら幸いです
    ※意味は「納めてもらえたら嬉しいです」
  • 例文「お納めいただけましたら幸甚に存じます
    ※意味は「納めてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お納めいただければ幸甚に存じます
    ※意味は「納めてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お納めいただけますと幸いです
    ※意味は「納めてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お納めいただけますと幸甚に存じます
    ※意味は「納めてもらえれば嬉しく思います」
  • 例文「お納めいただけますか?
    ※意味は「納めてもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
  • 例文「お納めいただけますでしょうか?
    ※意味は「納めてもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+願望「~たい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」

ビジネス会話・電話対応では”お納めいただけますか?”

ビジネスメールではなく会話や電話対応シーンであれば…

「お納めくださいますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。

長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。

そこでビジネス会話・電話対応では…

  • 【例文】お納めいただけますか?
  • 【例文】お納めいただけますでしょうか?
  • 【例文】納めていただけますか?
  • 【例文】納めていただけますでしょうか?
  • 【例文】お納め願えますでしょうか?

※もちろん「お納めください」としてもOK

※ ほかにも「ご笑納ください」「ご査収ください」も丁寧(意味はのちほど)

といった質問フレーズをつかいましょう。

意味としては「納めてもらえますか?」であり、敬語をつかって丁寧な表現にしています。

「〜いただけますか?」サラッと言えるためビジネスシーンで重宝するフレーズです。

敬語の解説

お納めいただけますか?」「お納めいただけますでしょうか?

の敬語の成り立ちとしては…

  • “納める”に「〜してもらう」の謙譲語「お(ご)〜いただく」で「お納めいただく」
  • 可能形にして「お納めいただける」
  • さらに丁寧語”ます”で「お納めいただけます」
  • 疑問形にして「お納めいただけますか?」

“〜だろうか”の丁寧語「〜でしょうか」を使うと「お納めいただけますでしょうか?」

どちらの表現も謙譲語をうまくつかい、このうえなく丁寧な敬語フレーズとなっていることがわかります。

したがって上司・目上・社外取引先につかえる素晴らしい敬語、と言えるでしょう。

どちらかというと「〜いただけますでしょうか?」のほうが丁寧なのですが…バカ丁寧だという意見もあるため「〜いただけますか?」を使うのをオススメします。

シーンに応じて「ご査収・ご笑納」を使っても丁寧

上司や目上・取引先になにかしら受け取ってほしいときに「お納めください」をつかうのはあまり一般的ではなく…

「ご査収(ごさしゅう)」「ご笑納(ごしょうのう)」をよく使います。

どちらも「受け取ること」の意味ですが、受け取る物の中身によって使い分けが必要です。

  • 資料・メールなどを受け取ってほしい → ご査収ください
  • とくに贈り物を受け取ってほしい → ご笑納ください

というように使い分けします。

ご査収の意味は(金銭・物品・書類などを)受け取ること

「ご査収」のそもそもの意味は…

「金銭・物品・書類などを、よく調べて受け取ること」

たとえば、

【例文】履歴書を添付ファイルにて送付いたします。ご査収ください

【例文】下記の書類を郵送いたしました。ご査収くださいますようお願い申し上げます

のようにして使います。

もとになる語「査収」に尊敬語or謙譲語「お(ご)」で「ご査収」という敬語にしています。

「自分が査収する」のであれば謙譲語としての使い方。

上司・目上・取引先などの「相手が査収くださる」のであれば尊敬語としての使い方。

ちなみに「ご査収ください」だと…

「相手が受け取ってくださる+命令形」ですので尊敬語「ご」を使っています。

ご笑納の意味は「つまらないものですが…受け取る」

「ご笑納」のそもそもの意味は…

「人に贈り物をするとき、つまらない物ですが笑ってお納めくださいという気持ちを込めて用いる語」

※「納める」は「受け取る」の意味です

たとえば、

【例文】別便にて心ばかりの品を郵送いたしました。どうかご笑納ください

【例文】別便にて返礼の品を郵送いたしました。何卒ご笑納ください

のようにして使います。

意味はいずれも「つまらないものですがお受け取りください」と謙って使う語です。

もとになる語「笑納」に尊敬語or謙譲語「お(ご)」で「ご笑納」という敬語にしています。

「自分がご笑納する」のであれば謙譲語としての使い方。

上司・目上・取引先などの「相手がご笑納くださる」のであれば尊敬語としての使い方。

ちなみに「ご笑納ください」だと…

「相手が受け取ってくださる+命令形」ですので尊敬語「ご」を使っています。

ご査収(ご笑納)をつかった言い換え例文

下にいくほど丁寧なフレーズになります。

  • 例文「ご査収(ご笑納)ください」
  • 例文「ご査収(ご笑納)くださいませ」
  • 例文「ご査収(ご笑納)いただきたく、お願い致します」
  • 例文「ご査収(ご笑納)いただきたく存じます」
  • 例文「ご査収(ご笑納)いただければと存じます」
  • 例文「ご査収(ご笑納)くださいますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご査収(ご笑納)いただきますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご査収(ご笑納)いただければ幸いです」
  • 例文「ご査収(ご笑納)賜りますようお願い申し上げます」
  • 例文「ご査収(ご笑納)いただけましたら幸甚に存じます」
  • 例文「ご査収(ご笑納)賜れますと幸甚に存じます」
  • 例文「ご査収(ご笑納)賜れましたら幸甚に存じます」

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

補)敬語の解説はこれまでと重複するため省きます

ビジネスメール例文【全文】

こうして長々と読んでいてもイメージがつかみにくいかと思いますので、より実践的に。

ここでは「お納めください」の丁寧な言い換えをつかったビジネスメール例文を紹介します。どれも目上・上司・取引先にふさわしい丁寧な敬語にしていますので、ご参考にどうぞ。

ビジネスメール例文①結婚祝いのお礼

【to社外ビジネス取引先】
結婚に際して社外ビジネス取引先から結婚祝いをもらったとき。お祝いのお礼メールをする例文。口頭でお礼を伝え、内祝いを渡すだけでもよい。が、相手が不在だったり、会う機会が無かったり、あなたが結婚休暇で出社しない場合はメールする。

メール件名:お礼(転職・ノマド)

ビジネス株式会社
営業部 ○○ 課長(社外ビジネス取引先)

お世話になっております。株式会社転職・ノマドでございます。
このたびは結婚に際し、たいそうなお品を頂き誠にありがとうございました。いつもながら、○○課長の温かいお心遣いに恐縮するばかりです。

私事ではございますが、先日入籍・引越しを終え、新居にて結婚生活をスタートいたしました。諸々の手続きがようやく一段落し、まだまだこれからといった所です。新生活を機に、頂いたお品を大切に使わせて頂きます。

なお、お礼のしるしに、心ばかりの品をお送りいたしました。どうかお納めいただければ幸いです。

略儀ではございますが、まずはお礼かたがたご挨拶申し上げます。

**********
メール署名
**********

このシーンでは「ご笑納(ごしょうのう)ください」つまり、「つまらない物ですが受け取ってください」という敬語をつかうのが一般的です。

ビジネスメール例文②依頼・お願い

メール件名: 製品A納期・前倒しのお願い(注文No.123)

ビジネス株式会社
営業部 ○○ 課長(社外ビジネス取引先)

お世話になっております。

さて、先般ご注文しておりました製品Aの納期(注文No.123)に関してご相談がございます。

具体的には、納期4月20日でお願いしておりましたが4月15日に前倒してお納めいただきたく存じます。

貴社製品Aの使用量が増加しており原材料が4月16日には不足する見込みであり、1日でも早くご手配いただけると大変助かります。

ご無理を申し上げますが、
何卒お取り計らいの程よろしくお願い致します。

************
メール署名
************

ビジネスメール例文③見積もりを送付するので受け取ってほしい

メール件名:見積送付の件

転職株式会社
転職 様

平素はお世話になっております。
株式会社就活の就活です。

さて、先ほどお問い合わせ頂きました見積もりの件、
添付ファイルにて送付いたします。

ご査収のほど何卒よろしくお願い致します。

メール署名

ビジネスメール結びをより丁寧にするコツ

あまり関係ないのかもしれませんが重要なので念のため。

ビジネスメールの文末・結び・締めとして使うことのおおい「お納め」

ここでは、

ビジネスメール結びをより丁寧にするためのコツをご紹介します。

+前置きに添えるフレーズを!

ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。

「お納め」の前置きに添える丁寧なお願いフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」を使うとより丁寧な印象のメールとなります。

たとえば以下のようなフレーズがあります。

  • どうか
    例文「どうかお納めくださいますようお願い申し上げます」
    例文「どうかお納めくださいますようお願い致します」
    例文「どうかお納めいただければ幸いです」
    例文「どうかお納めいただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます」
  • 何卒=どうか
    例文「何卒お納めくださいますようお願い申し上げます」
    例文「何卒お納めくださいますようお願い致します」
    例文「何卒お納めいただければ幸いです」
    例文「何卒お納めいただければと存じます。よろしくお願い申し上げます」

+気づかいの敬語フレーズもGood

ビジネスメールの文末・結び・締めをより丁寧にするためのコツ。

「お納め」の前置きには強調するフレーズ「どうか」「何卒(なにとぞ)」だけでなく、申し訳なく思う気持ちや、相手を気づかうフレーズをもってきても丁寧です。

たとえば「誠に勝手を申し上げますが」などと組み合わせ、以下例文のようにすると好感がもてますね。上司や目上にはもちろんのこと、取引先のメールにも使える丁寧な例文にしています。

  • 恐縮=申し訳なく思うこと
    「お忙しいところ恐縮ではございますがお納め〜」
    「お忙しいところ大変恐縮ではございますがお納め〜」
    「たびたび恐縮ではございますがお納め〜」
  • 恐れ入る=申し訳なく思う
    「お忙しいところ恐れ入りますがお納め〜」
    「お忙しいところ大変恐れ入りますがお納め〜」
    「たびたび恐れ入りますがお納め〜」
  • お手数=お手間
    「お忙しいところお手数お掛けしますがお納め〜」
    「お忙しいところ大変お手数ではございますがお納め〜」
  • 勝手を申し上げる=自分勝手を言う
    「誠に勝手を申し上げますがお納め〜」
  • ご無理申し上げる = 無理を言う
    「ご無理申し上げますが、何卒お納めくださいますようお願い申し上げます」
  • ご多忙とは存じますが=忙しいとは思うけど
    「ご多忙とは存じますがお納め〜」

結局どれがもっとも丁寧?

あまりにも言い換え敬語フレーズがおおいので、どれを使うべきか迷ってしまうというあなたのために。

ここまで紹介した言い換え例文の丁寧レベルを整理しておきます。

※ あくまでも目安としてお考えください。

①会話・電話対応につかえる丁寧レベル

下になればなるほど丁寧な敬語になります。また、おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お納めください
  2. お納めくださいませ
  3. お納めいただけますか?
  4. お納めいただけますでしょうか?

補)すべて「ご査収・ご笑納」あるいは「お受け取り」をつかった敬語に言い換えできる

②ビジネスメール対上司・対社内につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お納めください
  2. お納めくださいませ
  3. お納めいただけますか
  4. お納めいただけますでしょうか
  5. お納めいただきたく、お願い致します
  6. お納めいただきたく存じます
  7. お納めいただければと存じます
  8. お納めくださいますようお願い申し上げます
  9. お納めいただきますようお願い申し上げます
  10. お納めいただけますようお願い申し上げます

注)上下関係に厳しい上司や、社内でも相当のポジションにいる人にたいしては例文⑤以降あるいは次項のフレーズをつかいましょう。

補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

補)すべて「ご査収・ご笑納」あるいは「お受け取り」をつかった敬語に言い換えできる

③ビジネスメール対取引先・対顧客につかえる丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お納めくださいませ
  2. お納めいただきたく、お願い致します
  3. お納めいただきたく存じます
  4. お納めいただければと存じます
  5. お納めいただきますようお願い申し上げます
  6. お納めいただけますようお願い申し上げます
  7. お納めくださいますようお願い申し上げます
  8. お納めいただければ幸いです
  9. お納めいただければ幸甚に存じます
  10. お納めいただけましたら幸いです
  11. お納めいただけましたら幸甚でございます
  12. お納めいただけましたら幸甚に存じます

補)「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

補)幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

補)すべて「ご査収・ご笑納」あるいは「お受け取り」をつかった敬語に言い換えできる

④最上級の丁寧レベル

おすすめの敬語フレーズは青文字にしておきます。

  1. お納めいただければ幸いです
  2. お納めいただければ幸甚に存じます
  3. お納めいただけましたら幸いです
  4. お納めいただけましたら幸甚でございます
  5. お納めいただけましたら幸甚に存じます

・「お願い申し上げます=お願い致します」に言い換えOK

・幸甚(こうじん)の意味は「この上もない幸せ。大変ありがたいこと。また、そのさま」

・賜る(たまわる)は公式なビジネス文書や手紙によくつかう

【まとめ】お納めの使い方

いろいろと散らかってきたので「お納めください」の言い換えと、ほかにもビジネスシーンで使える「お納め」の使い方をまとめます。