ビジネスシーンで上司・目上・取引先に何かしら「聞きたいことがある」ときの敬語フレーズとその使い方、ビジネスメール、電話の例文について。誰よりも正しく解説していく記事。
まずは基本。
私たちが質問するときによく使う「聞きたいことがあります」というフレーズはビジネスシーンで質問するときの敬語としては好まれません。
そこで別のもっとやんわりした敬語に言い換えする必要あり。
たとえば以下のようなフレーズを使います。
▼ ビジネスメールで何か聞きたいとき
- 【例文】ご教示
- 【例文】(ご)質問がございます
- 【例文】伺いたく存じます
- 【例文】お尋ねしたく存じます
※ご教示いただくは「教えてもらう」の意味の敬語
▼ 電話・会話で聞きたいことがあるとき
- 【例文】(ご)質問がございます(あります)
- 【例文】伺いたいことがございます(あります)
- 【例文】お尋ねしたいことがございます(あります)
- 【例文】お聞きしたいことがございます(あります)
どの例文もビジネスシーンでつかえる丁寧な敬語です。
ただ敬語「存じます」は会話ではなかなか使わないので、ビジネスメールむけのフレーズと会話や電話対応むけのフレーズで分けておきました。
ざっくりとした解説は以上。
本文ではもっとくわしく「聞きたいことがある」ときに使えるビジネス敬語・メール例文を紹介しています。
※長文になりますので以下の「見出し」より目的部分へどうぞ。
何か聞きたいときの敬語、基本は”〜したく存じます”
とくにビジネスメールで上司や取引先・目上に何か聞きたいとき。
(ビジネス会話・電話対応シーンはのちほど)
もっとも基本となる敬語は…
「お(ご)~したく存じます」
「お(ご)〜いたしたく存じます」
※ 意味はどちらも「〜したいと思う」
これに、あぁだこうだと色々なフレーズを組み合わせて何となくそれっぽい敬語フレーズをつくります。
たとえば…
- “尋ねる” + “お(ご)~したく存じます”だと「お尋ねしたく存じます」
- “聞く” + “お(ご)~したく存じます” → 「お聞きしたく存じます」
- “伺う” + “お(ご)~したく存じます” → 「伺いたく存じます」
こんな感じで敬語フレーズをつくります。
ここで「尋ねる=聞く」の意味であり、「伺う」は「尋ねる・聞く」の敬語(謙譲語)です。
つまりどれも意味としてはおなじ。
上記の敬語フレーズはどれも「聞きたいと思います」という意味になります。
意味・敬語の解説
「お(ご)~したく存じます」「お(ご)〜いたしたく存じます」の意味と敬語について簡単に。
意味はどちらも「〜したいと思う」
「〜したいです!」と言い切るのではなく「〜したいと思う」とすることで、あなたの願望や気持ちをあらわしています。とてもやわらかい、丁寧な敬語フレーズと言えます。
ちなみに敬語としてはそれぞれ以下のように成り立ちます。
- “〜する”の謙譲語「お(ご)〜する」
- 願望の”〜したい”で「お(ご)〜したい」
- “思う”の謙譲語”存じる”で「お(ご)〜したく存じる」
- さらに丁寧語”ます”をくっつけて「お(ご)〜したく存じます」
※ さらに”〜する”の謙譲語”〜いたす”をつかうと「お(ご)〜いたしたく存じます」
このように敬語にしていますので、ビジネスシーンにふさわしいとても丁寧なフレーズと言えます。
より丁寧なというか、堅苦しい敬語は「お(ご)〜いたしたく存じます」のほうです。
どちらを用いても丁寧ではありますが、よりカチッとした敬語を求められるシーンでは「〜いたしたく存じます」を使いましょう。
ビジネスメールで”聞きたいとき”の敬語
上司・目上・取引先に何かしら”聞きたいとき”
まずはビジネスメールにつかえる敬語をご紹介。
ビジネスメールと会話では使うべき敬語フレーズが違うため、それぞれわけて考えます。
①〜したく存じます・いたしたく存じます
とくにビジネスメールで上司や取引先・目上に何か聞きたいときに使える敬語
さきほど解説した「お(ご)〜したく存じます・いたしたく存じます」をつかった例文を。
「~」の部分に「伺う」「お聞き」「お尋ね」などの質問フレーズをもってきます。
たとえば…
- 伺う+したく存じます
【例文】下記の点につき伺いたく存じます - お尋ね+したく存じます
【例文】入社後の処遇につきお尋ねしたく存じます - お聞き+したく存じます
【例文】貴社の所在地をお聞きしたく存じます
※「お(ご)〜いたしたく存じます」と言い換えても丁寧
意味はどれもおなじで「〜について聞きたいと思います」
「聞きたいです!」と言い切るのではなく「聞きたいと思う」とすることで、あなたの願望や気持ちをあらわしています。とてもやわらかい、丁寧な敬語フレーズと言えます。
敬語の成り立ちはすでに解説したため省きます。
②”ご教示いただく”をつかった敬語
とくにビジネスメールで上司や取引先・目上に何か聞きたいときに使える敬語
つづいて「ご教示いただく=教えてもらう」をつかった例文を。
あなたが聞きたいということはつまり、相手に教えてほしい・教えてもらいたいということなので「ご教示いただく」が適用できます。
- 例文①下記の点につきご教示いただきたく存じます
→意味は「教えてもらいたいと思う」 - 例文②ご教示いただければと存じます
→意味は「教えてもらえればと思う」 - 例文③ご教示いただければ幸いです
→意味は「教えてもらえたら嬉しいです」 - 例文④ご教示いただきますようお願い申し上げます
→意味は「教えてもらうようお願い」
言いたいことは結局どれもおなじで「教えてほしい」
ただし使っている敬語や言い回しが違うためニュアンスも変わります。
「聞きたいです!」と言い切るのではなく「教えてほしい」とすることで、あなたの願望や気持ちをあらわしています。とてもやわらかい丁寧な敬語フレーズと言えます。
どれも丁寧な敬語ではありますが、「ご教示いただければ幸いです」
▼敬語の補足
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただく」は「もらう」の謙譲語
・「いただければ」は謙譲語「お(ご)〜いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただきたく」は謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望「~たい」
③〜がございます
とくにビジネスメールで上司や取引先・目上に何か聞きたいときに使える敬語
「~がございます」という言い回しも使えます。
「~」の部分に「質問」「伺いたい」「お尋ねしたい」などの単語がはいります。
たとえば、
- (ご)質問+がございます
例文「一点、(ご)質問がございます」
例文「入社後の処遇に関しまして以下、(ご)質問がございます」
例文「いただいた資料のなかで、いくつか(ご)質問がございます」
例文「貴社の人材募集広告につき、下記の(ご)質問がございます」
例文「お見積に関して、いくつか(ご)質問がございます」 - 伺いたいこと+がございます
例文「一点、伺いたいことがございます」
例文「入社後の処遇に関しまして以下、伺いたいことがございます」
例文「いただいた資料のなかで、いくつか伺いたいことがございます」
例文「貴社の人材募集広告につき、下記の通り伺いたいことがございます」
例文「お見積に関して、いくつか伺いたいことがございます」
※「お伺い」は二重敬語となりマナー違反です - お尋ねしたいこと+がございます
例文「一点、(ご)質問がございます」
例文「入社後の処遇に関しまして以下、お尋ねしたいことがございます」
例文「いただいた資料のなかで、いくつかお尋ねしたいことがございます」
例文「貴社の人材募集広告につき、下記の通りお尋ねしたいことがございます」
例文「お見積に関して、いくつかお尋ねしたいことがございます」 - お聞きしたいこと+がございます
例文「一点、お聞きしたいことがございます」
例文「入社後の処遇に関しまして以下、お聞きしたいことがございます」
例文「いただいた資料のなかで、いくつかお聞きしたいことがございます」
例文「貴社の人材募集広告につき、下記の通りお聞きしたいことがございます」
例文「お見積に関して、いくつかお聞きしたいことがございます」
- ご教示いただきたいこと+がございます
例文「一点、ご教示いただきたいことがございます」
例文「入社後の処遇に関しまして以下、ご教示いただきたいことがございます」
例文「いただいた資料のなかで、いくつかご教示いただきたいことがございます」
例文「貴社の人材募集広告につき、下記の通りご教示いただきたいことがございます」
例文「お見積に関して、いくつかご教示いただきたいことがございます」
使い方①~④の意味はどれもおなじで「〜について聞きたいことがあります」
使い方⑤「ご教示いただく」だけは「教えてもらいたい」という意味になります。
まぁ、結局のところ「聞きたい」あるいは「教えてほしい」ということを違う言い回しをつかって表現しているだけですね。
「聞きたいです!」とストレートに言い切るのではなく「聞きたいことがある」とすることで、あなたの願望や気持ちをあらわしています。
ここで使う「ございます」は丁寧語であり、おなじく丁寧語の「です・ます」よりもカチッとした敬語になります。
▼敬語の補足
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただく」は「もらう」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「お(ご)〜いただく」+願望「~たい」
ビジネス会話・電話対応で”聞きたい”ときの敬語
ここまではビジネスメール・文書でよくつかう、なにかしら「聞きたいことがある」ときの敬語フレーズを紹介してきました。
ただ、これをそのまま会話で使うと堅苦しい敬語となってしまいます。
ビジネスメールではなく会話や電話シーンだと…
「ご教示いただきますようお願い申し上げます」などは絶対につかいません。
長いうえに丁寧すぎて気持ち悪いですからね。
そこでこの項では、
ビジネス会話・電話対応にふさわしい敬語フレーズを紹介します。
①~してもよろしいですか/よろしいでしょうか?
とくにビジネス会話・電話対応で上司や取引先・目上に何か聞きたいときに使える敬語
「お(ご)〜してもよろしいですか?でしょうか?」をつかった例文を。
「~」の部分に「伺う」「お聞き」「お尋ね」などの質問フレーズをもってきます。
たとえば…
- 質問+してもよろしいですか/でしょうか?
【例文】すみません、質問してもよろしいですか?
【例文】すみません、質問してもよろしいでしょうか? - 伺う+してもよろしいですか/でしょうか?
【例文】すみません、ひとつ伺ってもよろしいですか?
【例文】すみません、いくつか伺ってもよろしいでしょうか?
※「お伺い」は二重敬語となりマナー違反です - お尋ね+してもよろしいですか/でしょうか?
【例文】xxの件について、ひとつお尋ねしてもよろしいですか?
【例文】昇進試験について、いくつかお尋ねしてもよろしいでしょうか? - お聞き+してもよろしいですか/でしょうか?
【例文】来期の予算について、いくつかお聞きしてもよろしいですか?
【例文】ご提出の資料にかんして、いくつかお尋ねしてもよろしいでしょうか? - ご教示いただく+してもよろしいですか/でしょうか?
【例文】ひとつご教示いただいてもよろしいですか?
【例文】いくつかご教示いただいてもよろしいでしょうか?
使い方①~④の意味はどれもおなじで「〜について聞いてもよいですか/だろうか?」
使い方⑤「ご教示」だけは「教えてもらってもよいですか/だろうか?」という意味になります。
まぁ、結局のところ「聞きたい」あるいは「教えてほしい」ということを違う言い回しをつかって表現しているだけですね。
「聞きたいです!」とストレートに言い切るのではなく「聞いてもいいですか?」とすることで、相手に許可をもとめるフレーズにしています。
上司や取引先・目上に何か聞きたいときにつかうフレーズとしてはすばらしく丁寧ですね。
なにしろ「質問するためにあなたの許可を得たい!」という非常にまわりくどい敬語にしているからです(もちろん良い意味で)。
▼敬語の補足
・「よろしい」は「良い」を丁寧にしたフレーズ
・「でしょうか?」は「だろうか?」の丁寧語
②教えてください/ご教示ください
とくにビジネス会話・電話対応で上司や取引先・目上に何か聞きたいときに使える敬語
「xxについて教えてください」「xxに関してご教示ください」というように、シンプルに「教えてください」という言いまわしもできます。
ひとつだけ注意点を。
「~ください」は尊敬語「くださる」の命令形であり、正しい敬語です。
ただ、
敬語ではあるものの結局のところ命令形であるために、どうしても強い口調となります。
会話や電話対応シーンではつかってもなんら問題はありませんが…ビジネスメールや文書など、よりカチッとした敬語がもとめられるときには言い換えしましょう。
③〜がございます
とくにビジネスメールで上司や取引先・目上に何か聞きたいときに使える敬語
「~がございます」という言い回しも使えます。
ビジネスメール編でもすでに登場しましたが、電話対応・会話シーンでも活躍する敬語フレーズですね。
「~」の部分に「質問」「伺いたい」「お尋ねしたい」などの単語がはいります。
たとえば、
- (ご)質問がございます
- 伺いたいことがございます
※「お伺い」は二重敬語となりマナー違反 - お尋ねしたいことがございます
- お聞きしたいことがございます
- ご教示いただきたいことがございます
こんな感じでつかいます。
使い方①~④の意味はどれもおなじで「〜について聞きたいことがあります」
使い方⑤「ご教示いただく」だけは「教えてもらいたい」という意味になります。
まぁ、結局のところ「聞きたい」あるいは「教えてほしい」ということを違う言い回しをつかって表現しているだけですね。
「聞きたいです!」とストレートに言い切るのではなく「聞きたいことがある」とすることで、あなたの願望や気持ちをあらわしています。
ここで使う「ございます」は丁寧語であり、おなじく丁寧語の「です・ます」よりもカチッとした敬語になります。
【例文】ビジネスメール全文
より実践的に敬語をまなぶために、ビジネスメールで「聞きたいことがあるとき」の例文をご紹介します。
目上や上司など社内メールにはもちろん、社外取引先にもつかえる例文にしています。ご参考にどうぞ。
例文①問い合わせビジネスメール
たとえば転職メールで企業の採用担当者に問い合わせをするとき。
-ビジネスメール例文-
メール件名: 処遇に関するお問い合わせ(氏名)
コンサルティング株式会社
人事部 ○○ 様
お世話になっております。
〇〇でございます。
このたびは貴社営業職の内定をいただき誠にありがとうございます。
さて入社後の処遇に関しまして、いくつかご質問がございます。
①勤務地
募集要項には「転勤なし」と記載がございましたが、雇用契約書を確認しましたところ「原則として転勤なし」となっておりました。状況によっては転勤ありとの理解でよろしいでしょうか。
②残業時間
〜
③待遇
〜
不躾な質問にて誠に申し訳ありません。
お忙しいところ大変恐縮ではございますが、ご回答いただければ幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
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メール署名
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➡︎【転職】メールで質問して「お礼を返信するまで」の例文と書き方
➡︎【就活】メールで質問して“お礼を返信する”までの例文と全注意点
こんな感じでビジネスメールにつかうと丁寧です。
例文②問い合わせビジネスメール
たとえば製品にかんする問い合わせをするとき。
-ビジネスメール例文-
メール件名: 製品Aに関するお問い合わせ(社名・名字)
ビジネス株式会社
営業部 ○○ 様
突然のご連絡、大変失礼いたします。
私、(株)転職にて研究開発を担当しております〇〇と申します。
このたびは貴社ホームページを拝見し連絡いたしました。
さて首記の件、新製品の開発に際して●●という特性をもつ材料を探しており、貴社製品Aが適用できないかと考えております。
そこで以下の点につき伺いたく存じます。
①製品Aの●●用途へのご知見
②サンプルご提供の可否
③製品A・製品Bとの違い
不躾な質問にて誠に申し訳ありません。
お忙しいところ大変恐縮ではございますが、
ご教示いただけましたら幸甚に存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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メール署名
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