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3分でわかる自動車業界。今後の動向と将来性まとめ【2016年版】

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就職活動と転職に必要な業界分析。今回は「自動車業界の動向と将来性」について語っていきます。

自動車メーカーはグローバルにビジネスを展開していて国内ばかり見ていても無意味。世界全体の話から入ろうと思います。

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自動車業界の現状と今後(世界)

◎新車・販売台数【2016年予測】:約7,439万台(2015年対比+2.8%)

◎新車・金額ベース【2016年予測】:約220兆円

◎地域ごとの販売台数【2016年予測】:

  • アジア:3,360万台(中国2,460万台)
  • 北米:2,113万台
  • 西欧:1,373万台
  • 南米:313万台
  • 東欧:280万台

◎新車・販売台数【2022年予測】:1億台突破(2016年対比+34.4%)

【出典】Statista.comデータを参照、翻訳

▼▼▼▼▼▼

アジア、特に世界新車販売台数の33%を占める中国が最大の市場。北米、西欧と続く。

今後は東南アジア、アフリカ、インド、ブラジルを始めとする途上国で需要が伸びていくだろう。

世界の新車販売台数は2020年代前半に1億台(金額ベースで300兆円)を突破すると言われており、今後も伸びていく業界であることは疑いようがない。

自動車業界の課題とグローバルトレンド4つ

極めて簡単に自動車業界の課題とグローバルトレンドを解説する。

①自動運転

自動車業界にもっともインパクトを与えるであろうトレンド。運転を人工知能を使って無人化してしまおうというもの。

米グーグルや米アップル、その他ベンチャー企業が先行していた分野で彼らの意図は明確。

それは自動車業界を乗っ取ろうというもの。スマホのOSでマイクロソフトを駆逐したアップルとグーグル。自動運転技術において重要なのはOS(車を動かすコンピュータ)であることは疑いようがない。

家電メーカーを単なる下請け会社にしたように、トヨタもグーグルの単なる下請け組み立て会社になる日が近い?

この危機感をようやく察知したトヨタは2014年1月から専門チーム設立。アクションのあまりの遅さに吐き気がするが、巻き返しは十分に可能と思われる。

今後、自動運転のOSを完成させたメーカーがゲームチェンジャーとなるだろう。

②環境対応(HV?EV?PHEV?燃料電池?バイオディーゼル?)

世界中で排ガス規制はどんどん厳しくなる。

正しくはEV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)を売りたい自動車メーカーが政府に圧力をかけている。←これはどうでもよい。

環境対応について現時点で候補となる技術は主に6つ。

  1. HV(ハイブリッド):日系メーカーのみ
  2. EV(電気自動車):どこもやっている上、電機メーカーまでもが参入できる
  3. PHEV(プラグイン・ハイブリッド電気自動車):どこもやっている
  4. FCV(燃料電池):どこもやっている
  5. バイオディーゼル:既に実用化段階、日本はまだ
  6. 直噴ターボ:ドイツ勢つよい

このうちどれが本命になるかは流石にわからない。EV、PHEVとFCVが最も現実的か。ちなみにEVは2040年までに世界市場の35%を占めるというデータがある。←かなりうそ臭い。

私はEV、PHEVやFCVが環境問題に対する答えだとは思わない。なぜなら、それを作る過程でエネルギーや素材をガソリン車以上に消費しているから。何か新しいアイディアが必要。

「自動車に乗らないことが最もエコなのに、エコを主張してむりやり車を売らないといけない」この矛盾を自動車業界は解決できていない。

③途上国の急成長

フォルクス・ワーゲンVWの牙城である世界最大の中国市場。VWはトヨタに次ぐ世界第2位の販売台数を誇る。

しかしビジネスの中身はすごくチープ。単に現地生産の鉄クズ自動車を投入してローカルメーカーと戦い、消耗しているだけ。そのうえ排ガス不正リコールで2015年は過去最悪の赤字計上…

一方のトヨタやホンダ、日系メーカーは中国には深入りせず北米・東南アジアをメインに攻めるスタンス。これが大正解。中国ビジネスを甘く見ているフォルクス・ワーゲンはいずれ失脚するだろう。

途上国の販売台数だけ見たときに、中国はまだ伸び白を残しているし加えてインド、東南アジア、アフリカが成長著しい。

このマーケットにどこまでプレゼンスを発揮できるかが各社業績の鍵を握る。

④自動車の軽量化による燃費向上

鉄ボディー、アルミボディーからプラスチック(炭素繊維複合材)へ。

ガラスからプラスチック(ポリカ・アクリル)へ。

鉄やガラスをプラスチックに代えると車体がめちゃくちゃ軽くなる。すると燃費性能が大幅に上がり客も自動車メーカーも大喜び。

東レを筆頭に化学素材メーカーが仕掛けるプラスチック攻勢。彼らは本格的にガラスメーカー、アルミメーカーや鉄鋼メーカーに喧嘩を売っている。新規素材はまだ採用にはいたってないが時間の問題だろう。

>>炭素繊維メーカー vs 鉄鋼業界の勝者はどっち?自動車用途の課題と今後

おまけ:ハイブリットカーは日本だけ

ハイブリットカーは日本で盛り上がっているだけで海外ではほとんど見かけない。その理由は4つ。

  1. 世界最大の市場である北米のガソリン価格。日本の半額以下であり、安すぎて誰も燃費を気にしないこと。ただし米国は州によって排ガス規制が厳しいため売れる可能性あり。
  2. 電池性能が悪いこと。バッテリーは10万km走行で70%劣化するらしい。あまり車に乗らない日本人であればよいが、外人には向かない。
  3. パワー不足。欧米人にはまったくウケない。
  4. 車体コストが高いこと。日本では補助金により価格が抑えられているが海外でそんな制度はない。

結局、性能とコストの面でガソリン車のほうがよいのである…

ちなみに自動車メーカーの志望動機にハイブリットカーがうんたら書く就活生が多いが、私は推奨しない。上述したようにハイブリットカーは日本のガラパゴス市場にしか適用できないからである。

自動車業界の現状と今後(日本国内)

◎日本の新車販売台数【2015年実績】:505万台(軽190万台)前年比▲9.3%

◎日本の新車販売金額【2015年推定】:約15兆円

◎日本の自動車業界規模(TOP10完成車メーカーのみ集計)

  • 業界規模:60兆3,720億円(メーカー業界トップ)
  • 経常利益計:4兆9,383億円
  • 労働者数:206,811人
  • 平均年齢:39.9歳
  • 平均勤続年数:17.5年
  • 平均年収:688万円

国内のマーケットは頭打ち、輸出も限界がある

化学メーカーのコメントと同じですが2012年以降、日系自動車メーカーの業績が上向いたのは円安による輸出好調が大きい。しかし国内生産で輸出というのは付加価値商品にだけ通用する方法。

為替頼みの戦略を展開するメーカーは危うい。マツダやスバルが代表的。

国内はますます軽自動車&ハイブリットカーへ

軽自動車やハイブリットカーといった、国内ガラパゴス市場に特化した製品を投入している会社はまず安泰だろう。具体的には軽自動車のスズキ、ダイハツ(トヨタグループ)、ハイブリッドカーを得意としているトヨタといったブランド。

日系自動車メーカーの将来性

日系自動車メーカーは一見すると、どこも優良企業。

でもリコール問題で一気に市場から追い出されるリスクあり。三菱自動車の燃費不正やフォルクスワーゲンの排ガス不正といったことは、問題とは見ていない。なぜなら消費者は5年も経てばすっかり忘れるから。

もっと大きな問題は安全性に関わる部分。たとえばタカタのエアバック問題。人の命に関わる問題を起こせば資金力の無いメーカーはすぐ廃業に追い込まれる。

話は逸れたが以下のような作戦を展開するメーカーが生き残るだろう。

①世界市場でパワーゲームを展開

パワーゲームとはローコストで性能のよい製品を作り、それなりの値段で売りまくること。多売作戦。これに成功しているのがトヨタとホンダ。

ホンダはかつて、おもしろい車を作るのが好きだったがいつの間にか平凡な自動車メーカーになってしまった。

グーグルの下請工場にならないよう自動運転の技術を確立すれば、22世紀まで安泰でしょう。

②国内ガラパゴス市場で稼ぐ

スズキやダイハツ(トヨタ子会社)といった軽自動車メーカーのこと。産業用ではいすゞのトラック。

日本の特殊な市場の中でプレゼンスを発揮できるメーカーは強い。

③品質(安全性・信頼性)は絶対に必要

ホンダの役員に質問した事がある。

なぜ日本の自動車メーカーは生き残っているのですか?自動車なんて部品を組み立てるだけなんですから、コスト高の日系メーカーは今後きびしくなるのでは?

《失礼にあたるので自動車メーカーの最終面接でこんな質問をしてはダメです…》

するとこんな答えが返ってきた。

日系メーカーの優位性は品質、これだけだ。品質管理水準が欧米・中国・韓国メーカーとはまったく違う。このノウハウは過去からの膨大な蓄積であって単純にコピーできるものではない。正直いって某韓国メーカーの車は、品質を除けば同等かそれ以上だ。

ということで日系メーカーの優位性は品質だけなんだとさ…追いつかれるまでにあと20年?50年?それは誰にも分からない。

④とがった製品で勝負

富士重工業(スバル)が代表格。パワーゲームに勝てない弱小メーカーにはこれしか活路なし。

かつてのホンダをみているように、とがった独自路線でコアなファンを獲得している。ぜひ継続して欲しい。

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『3分でわかる自動車業界。今後の動向と将来性まとめ【2016年版】』へのコメント

  1. 名前:17卒鉄鋼メーカー内定者 投稿日:2016/09/05(月) 09:05:13 ID:452179faa 返信

    私は17卒の学生です。就活の話や業界の裏事情など、いつも面白く読ませていただいております。
    実は、内定先が鉄鋼業界のため、自動車の軽量化のことでお尋ねしたいことがあります。
    すでにプラスチック(炭素繊維複合材)は航空機などで使用されているとはいえ、未だ生産性の問題で価格が高いなどと伺ったことがあります。
    そこで、東レや帝人などの炭素繊維メーカーがこうした問題を解決するまで、あとどのくらいの年数だとお考えでしょうか?また、自動車における鉄やアルミとの競争はどのような結果になると予想されますか?
    面倒な質問だと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

    • 名前:のまどサラリーマン 投稿日:2016/09/06(火) 15:39:07 ID:4599a3a81 返信

      返信が遅くなりまして申し訳ありません。
      おもしろいご質問だったため、(誠に勝手ながら)ご依頼のトピックスで記事を作成しました。

      http://nomad-salaryman.com/post-3214

      ご確認くださいませ。

      管理人

  2. 名前:17年卒素材メーカー内定者 投稿日:2016/10/11(火) 23:45:59 ID:ed0364855 返信

    いつも更新を楽しみにしております。
    自動車メーカーの将来について疑問に思ったのでコメントをさせていただきました。
    日系自動車メーカーが強い理由の一つに今まで培ってきたノウハウがあると思うのですが、その多くはエンジンの技術だと考えています。
    しかし、EVについては比較的簡単な技術でできてしまうと聞きます。
    EVが流行った場合、歴史ある自動車メーカーが持つガソリンエンジンの技術的ノウハウはアドバンテージでなくなり、差別化できないような気がするのですが、テスラなどの新規EV自動車メーカーに多くのシェアを奪われないのでしょうか?
    私自身の偏見もあると思いますが、どう考えていますでしょうか。よろしくお願いします。

    • 名前:のまどサラリーマン 投稿日:2016/10/19(水) 02:19:23 ID:f7a57c658 返信

      返信が遅くなりまして誠に申し訳ありません…
      さて私の考えですが、EVがメジャーになると以下のようなことが懸念されます。

      1.完成車メーカー自体は問題なし:
      車は「部品を買って組み立てる」というビジネスで成り立っている以上、EVに移行したとしても大きな勢力図変更は想定できないかと。
      EVに変われば、確かに大幅に簡単になりそうなイメージですが当然、何かしらの有効な特許をトヨタは抑えているでしょう。
      ただエンジン周りの技術が勉強不足でして…
      近しい人に状況をきいてみます!

      2.上流の素材メーカー
      EVが主流になったら…恐ろしいことになる化学メーカーがあります。
      スパークプラグの日本特殊陶業、日本ガイシ。
      排ガス浄化アルミナ繊維の三菱樹脂、イビデン。
      排ガス浄化、ジルコニア触媒の東ソー。
      など、完全に日系の独壇場なので、これらのメーカーは戦々恐々としているでしょう。

      ただEVは肝心の電池性能がどうしてもボトルネックで、主流にはならないと考えています…
      2040年までに全自動車の35%を占めるという統計はありますが、根拠がイマイチ明確ではなくて、現実はそう甘くないです。
      EVの課題をざっくりと挙げます。

      ・急速充電に耐えうる電池の開発
      ・充電スタンドの整備、設備投資
      ・電池性能悪い(パワー、持続力、安全性、どれをとってもガソリン車に劣る)
      ・安全性第一のため、無駄が多い電池設計をしている。本当はもっと高性能になるのですが…
      ・安全第一のため、電池製造コストが高くつく

      これは電池メーカーと化学メーカーが解決しないといけないのですが、LIBベースである限り全く出口が見えてません…
      とりあえず課題は山積みで、何か新しいアイディアが必要ですね。

      エンジン周り技術のことはもう少し勉強してみます!
      ご参考になりましたら幸いです。

      管理人

  3. 名前:シュルジョン 可織 投稿日:2016/11/17(木) 21:27:40 ID:3df7ebab1 返信

    この度は大変参考になるブログを拝見させて頂き誠に有難うございました。
    ブログに対しまして初めてコメントをさせて頂いていますが、称賛させて頂きたい内容でございましたので、お礼申し上げます。