就活・転職に必要な業界分析。今回は「自動車業界の動向と将来性」について語っていきます。自動車業界について知識ゼロの状態から、自動車メーカー社員と話ができるレベルまで持っていくための、全情報を提供します。
自動車業界の「現状 → 課題 → 今後の動向 → 将来性 → EVと自動運転の今後 → テスラ・モーターズをdisる会 → 年収」について順番にまとめていきます。
自動車メーカーはグローバルにビジネスを展開していて国内ばかり見ていても無意味。世界全体の話から入ろうと思います。
※2017年4月|就活生(2018卒・19卒)のために情報を更新
※※この記事を書くにあたり某大手自動車メーカー現役社員およびOB、ディーラーに話を聞いています。
自動車業界の現状と今後(世界)
◎新車・販売台数【2016年予測】:約7,439万台(2015年対比+2.8%)
◎新車・金額ベース【2016年予測】:約220兆円
◎地域ごとの販売台数【2016年予測】:
- アジア:3,360万台(中国2,460万台)
- 北米:2,113万台
- 西欧:1,373万台
- 南米:313万台
- 東欧:280万台
◎新車・販売台数【2022年予測】:1億台突破(2016年対比+34.4%)
【出典】Statista.comデータを参照、翻訳
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アジア、特に世界新車販売台数の33%を占める中国が最大の市場。北米、西欧と続く。
今後は東南アジア、アフリカ、インド、ブラジルを始めとする途上国で需要が伸びていくだろう。
世界の新車販売台数は2020年代前半に1億台(金額ベースで300兆円)を突破すると言われており、今後も伸びていく業界であることは疑いようがない。
自動車メーカー世界ランキング-2015年実績
つづいてグローバルで主要なプレイヤーの紹介。自動車メーカーの世界販売台数ランキングを見ていきましょう(出所は各社の決算報告資料)。
- 新車販売1015万台|トヨタ自動車
- 993万台 |フォルスク・ワーゲン(独)
- 984万台|GMゼネラルモーターズ(米)
- 853万台|ルノー・日産(仏)
- 776万台|現代・KIA自動車(韓)
- 664万台|フォード(米)
- 471万台|ホンダ
- 461万台|FCAフィアット・クライスラー(伊)
- 297万台|PSAプジョー・シトロエン(仏)
- 290万台|ダイムラー(独)
- 288万台|スズキ
トヨタ自動車とフォルクスワーゲン、GMは僅差で1~3位争いを繰り広げ、少し離れてルノー日産、現代(ヒュンダイ)、フォードが続く。
ルノー x 日産、現代 x KIA、FCA、PSAはアライアンスを組んでいるためこの順位にいるが単体での販売台数だともちろん、もっと少ない。
リーマンショック(2009年ごろ)による販売不振におちいって潰れそうになったメーカーは、他とアライアンスを組むことで生き残った(これを弱者連合とよぶ)。このような訳のわからないランキングになるのは、アライアンスが要因。日産が世界No.4って…明らかにおかしい。
2016年に三菱自動車が日産 x ルノーの弱者連合にくわわることとなった。これにより2017年版の世界ランキングは変わる予定。
※売上・利益のランキングはこちらの記事にしています → 自動車メーカーのシェア世界ランキング(売上・純利益・新車販売台数)
私は17卒の学生です。就活の話や業界の裏事情など、いつも面白く読ませていただいております。
実は、内定先が鉄鋼業界のため、自動車の軽量化のことでお尋ねしたいことがあります。
すでにプラスチック(炭素繊維複合材)は航空機などで使用されているとはいえ、未だ生産性の問題で価格が高いなどと伺ったことがあります。
そこで、東レや帝人などの炭素繊維メーカーがこうした問題を解決するまで、あとどのくらいの年数だとお考えでしょうか?また、自動車における鉄やアルミとの競争はどのような結果になると予想されますか?
面倒な質問だと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。