文系就活生必見!化学素材メーカー営業に必要な化学知識

化学素材メーカー営業には化学専門知識など全くいらないという記事を書きましたが、それでも最小限はあったほうが仕事を進めやすくなります。

そこで、どんな知識が必要なのかをざっくりとまとめてみました。就職活動や転職のお役に立てましたら幸いです。

一言に「化学」といっても分野は広い

化学の分野はざっくりとは7分野。これは理系の化学専攻、大学院卒であれば全て基礎を習得します。ただし文系の場合にはチンプンカンプンで当たり前。この分野の基礎を全て学習しようと思うと4年は最低でも必要。さらには使わない知識ばかりを身につけてしまうので無駄に終わるでしょう。

  1. 有機化学;C(炭素)から成り立つ化学品の専門分野。いわゆる石油化学。
  2. 無機化学;Al(アルミ)、Fe(鉄)、Ti(チタン)などの金属を原料とした化学品の専門分野
  3. 高分子化学;プラスチック類の作り方における専門分野+天然高分子
  4. 化学工学;化学品の成形・加工・熱量など
  5. 物理化学;基礎的な分野。反応の理由を解明するために使う学問
  6. 量子化学;基礎的な分野。原子以下サイズのレベルから化学反応を解明する学問
  7. 生物化学;光合成とか。

これらのうち何を知っておけば役に立つのでしょうか?詳しく解説していきます。

センター試験レベルの化学知識+自社商品の周辺技術

センター試験レベルの化学知識だけでは客に舐められてしまう…

かといって大学で学ぶような専門知識を習得するには無駄が多い。

そこで私は「センター試験レベルの化学知識+取り扱う商品の周辺技術」を学びました。「図解化学」とか適当な本を買って熟読した記憶があります。ただし頭の中には入れておらず、辞書的な感じでその都度調べるのに使うのが良いです。

センター試験レベルの化学知識では、もっとも基礎となるスイへイリ〜べから入り化学反応の基礎、化学品の基礎物性などを学べます。知っておいて損はないでしょう。←下に、絶対に必要な化学知識をまとめておきます。

一方、取り扱う商品の周辺技術については入社後に学ぶことになります。この点は、お客さんや社内の研究員と話しをしているうちに、勝手に身につきますのでご安心を。

私も入社当時は、商社マンにすらバカにされる程度の化学知識と自社商品知識しかありませんでしたが、さすがに入社3年もするとスペシャリストになっています。

◎絶対にマスターしておくべき高校化学;

  1. 周期表暗記(H〜Caまで)
  2. 物質を構成する粒子と種類(原子、電子配置etc)
  3. 化学式・構造式の書き方
  4. 物質の名前と化学式(水・アンモニア・アルコール類etc)
  5. 物質の状態(固体、液体、気体)
  6. 物質を構成する結合の種類(イオン結合・共有結合・分子間力etc)
  7. 化学反応式
  8. 有機化学と無機化学の特徴

基礎は重要だという話

どの学問においても基礎は重要。化学の分野でも基礎があれば、今まで経験がないことも何となく応用して想像で分かるようになります。細かくなりますがやりとり例を出します。

◎化学素材メーカー営業の商談例:

【顧客】「ガラスの曇り止めに適用できるコーティング剤を新規開発しています。御社の◯◯という製品はベースの塗料として使えますか?」

【私】「申し訳ありません、現時点では知見がないのですが…弊社の◯◯という製品は△△という極性基を持つ為、ガラスとの接着・密着性は良好です。また、その極性基があるために水を上手く吸収することができ、その点においては問題ありません。ただし◯◯といった弱点もあり、適用してみないと分からない部分があります。コーティング剤は水系、溶剤系のどちらでお考えですか?」

【顧客】〜〜続く

化学の最も基礎的な部分が抜けていると、上記のように今まで知見の無かった新規用途が出てきたとき、質問に答えられません。回答がイマイチだったり確認のために時間を置いてしまうと、ビジネスチャンスを失うことにもなります。

なぜやってみなくてもある程度、結果が分かるかというと基礎があるからですね。

お手上げ状態になったら…

それでも分からないことは出てきます。その場合は「申し訳ありません、知見がありませんので確認します」と言って後で研究員に聞けば終わり。

もしくは「申し訳ありません、その用途には当社の知見がありません…弊社製品の代表的な銘柄のサンプルで、まずはご評価されては如何でしょうか?」これも常套手段。

売れるかどうかも分からない新規案件では、技術的な話しに付き合うのが面倒くさいのでサンプルを渡して結果を見ながら進める場合もあります。