①依頼・お願いビジネスメール結びに使う”お役立て”
ビジネスにおける「お役立て」のいろいろな使い方
何かしら目上や上司・取引先に「役立ててほしい！！」とお願い・依頼したいときは…
- 例文「お役立てくださいますようお願い申し上げます」
意味は「役立ててくれるようお願いします」 - 例文「お役立ていただきたく、お願い致します」
意味は「役立ててほしい、お願いします」 - 例文「お役立ていただきますようお願い申し上げます」
意味は「役立ててもらうようお願いします」 - 例文「お役立て賜りますようお願い申し上げます」
意味は「役立ててもらうようお願いします」 - 例文「お役立ていただけますようお願い申し上げます」
意味は「役立ててもらえるようお願いします」 - 例文「お役立ていただければ幸いです」
意味は「役立ててもらえたら嬉しいです」 - 例文「お役立ていただきたく存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「役立ててもらいたいと思います」 - 例文「お役立ていただければと存じます。何卒よろしくお願い致します」
意味は「役立ててもらえたらと思います」
のようにお願いすると丁寧です。
「お役立ていただければ幸いです」「お役立て賜りますようお願い申し上げます」がもっとも丁寧な敬語であり、あとはほぼ等しいレベル。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするにすべて「役立ててね！よろしく」という意味なのです。
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望「～したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」＋丁寧語「ます」＋仮定「たら・れば」
②自分が”役立てる”ときに使える敬語
ビジネスにおける「お役立て」のいろいろな使い方
自分が「役立てるよ！」と言いたいときには…
- 【現在形】お役立てします／お役立ていたします
- 【過去形】お役立てしました／お役立ていたしました
- 【進行形】お役立てしております／お役立ていたしております
- 【希望①】お役立てしたく思います／お役立ていたしたく思います
- 【希望②】お役立てしたく存じます／お役立ていたしたく存じます
こんな感じの敬語をつかいます。
「お（ご）～します」は謙譲語「お（ご）〜する」＋丁寧語「ます」
「お（ご）～いたします」は謙譲語「お（ご）〜いたす」＋丁寧語「ます」
「～いたします」の部分にするべきことの中身がはいります。
たとえば、
何かしら連絡しなければいけないのであれば「（ご）連絡いたします」
何かしら対応しなければいけないのであれば「（ご）対応いたします」
ここで「（ご）連絡いたします」というように（ ）書きにしているのは「連絡いたします」としても丁寧な敬語だから。
ちなみに敬語「お（ご）～いたします」「お（ご）～します」は自分が「～する」ときにつかいます。
相手に「役立ててもらう」としたいときには…
「お役立ていただく＝役立ててもらう」
「お役立てくださる＝役立ててくれる」
という敬語をつかいます。
③禁止のビジネスメールに使う”お役立て”
ビジネスにおける「お役立て」のいろいろな使い方
上司なり取引先・目上の相手に「役立てることができません！」と禁止するときは…
- 【例文】お役立ていただけません
- 【例文】お役立ていただくことはできません
④断りのビジネスメールに使う”お役立て”
ビジネスにおける「お役立て」のいろいろな使い方
自分が「役立てることができません！」と断りをいれるときは…
- 【例文】お役立ていたしかねます
- 【例文】お役立てしかねます
- 【例文】●●のためお役立てすることが叶いません
- 【例文】お役立てすることが大変困難でございます
無理やり感のある例文になってしまいました…すみません。
こんなときには「ご対応いたしかねます」「お受けいたしかねます」「遠慮させていただきます」などの敬語をつかいますね。
また「〜いたしかねる（兼ねる）」は「～することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。
たとえば、
- 【例文】お応えいたしかねます
意味は「添うことができません」 - 【例文】お受けいたしかねます
意味は「受けることができません」 - 【例文】ご対応いたしかねます
意味は「対応することができません」
などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的
「〜しかねる」自体は敬語でもなんでもありませんが「できません」よりも丁寧に聞こえるため重宝するフレーズです。
ちなみに断りの敬語フレーズはほかにも「遠慮させていただきます」「●●には添いかねます」などいろいろあります。
⑤お礼メールに使う”お役立て”
ビジネスにおける「お役立て」のいろいろな使い方
あとはビジネスシーンで相手に何かしら役立ててもらったときの、お礼ビジネスメールにも使えます。
「役立ててもらいありがとう！」と言いたいときには…
- 例文「お役立ていただきありがとうございます」
- 例文「お役立ていただきましてありがとうございました」
- 例文「お役立て賜りましてありがとうございました」
- 例文「お役立てくださいましてありがとうございました」
のようにビジネスメール書き出しの挨拶にお礼として使うと丁寧です。
それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。
ようするに「役立ててくれてありがとう！」という意味なのです。
どれも丁寧な敬語ではありますが、もっともかしこまった敬語は「～賜りましてありがとう」です。あとはどれも似たような丁寧レベル。
⑥ほかにも色々ある”お役立て”の例文
敬語の種類というのは本当にいろいろあります。
ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。
- 例文「お役立ていただきたく存じます」
※意味は「役立ててもらいたいと思います」希望 - 例文「お役立ていただければと存じます」
※意味は「役立ててもらえたら嬉しいです」希望 - 例文「お役立ていただければ幸いです」
※意味は「役立ててもらえたら嬉しいです」仮定 - 例文「お役立ていただけましたら幸いです」
※意味は「役立ててもらえたら嬉しいです」仮定 - 例文「お役立ていただけましたら幸甚に存じます」
※意味は「役立ててもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「お役立ていただければ幸甚に存じます」
※意味は「役立ててもらえれば嬉しく思います」仮定 - 例文「お役立ていただけますか？」
※意味は「役立ててもらえるか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ - 例文「お役立ていただけますでしょうか？」
※意味は「役立ててもらえるだろうか？」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」＋希望「～したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」＋可能形＋仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」＋丁寧語「ます」＋仮定「たら・れば」
“お役立ていただく vs お役立てくださる”の使い方
ややこしいので「お役立ていただく vs お役立てくださる」の使い方について。
代表的なパターンを表にまとめておきます。
こまかく解説していくとそれだけで記事がおわってしまいますので、目的にあわせてお使いください。
▼「お役立ていただく」の使い方まとめ（すべて敬語）
| ①基本 | ②+丁寧語”ます” | ③その他 | |
|---|---|---|---|
| 現 在 | お役立ていただく | お役立ていただきます | -頂くよう -頂きますよう |
| 過 去 | お役立ていただいた | お役立ていただきました | × |
| 進行形 | お役立ていただいている | お役立ていただいています | -頂いております |
| 過去~現在 | お役立ていただいていた | お役立ていただいていました | -頂いておりました |
| 希 望 依 頼 |
お役立ていただきたい お役立ていただきたく お役立ていただくよう |
お役立ていただきたいです お役立ていただきますよう お役立ていただけますよう |
-頂きたく思います -頂きたく存じます -頂ければと存じます |
| 可 能 | お役立ていただける | お役立ていただけます | -頂けるよう -頂けますよう |
| 仮 定 | お役立ていただければ | お役立ていただけましたら | × |
| 疑 問 | お役立ていただけるか？ | お役立ていただけますか？ | -頂けますでしょうか |
| 禁 止 | お役立ていただけない | お役立ていただけません | × |
| 命 令 | × | × | × |
※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります。
※ 「頂く」「いただく」は漢字でも平仮名でもOK
※「×」としたのは一般的につかわない
▼「お役立てくださる」の使い方まとめ（すべて敬語）
| ①基本 | ②+丁寧語”ます” | ③その他 | |
|---|---|---|---|
| 現 在 | お役立てくださる | お役立てくださいます | -くださるよう -くださいますよう |
| 過 去 | お役立てくださった | お役立てくださいました | × |
| 進行形 | お役立てくださっている | お役立てくださっています | -くださっております |
| 過去~現在 | お役立てくださっていた | お役立てくださっていました | -くださっておりました |
| 希 望 |
お役立てくださるよう | お役立てくださいますよう | × |
| 可 能 | × | × | × |
| 仮 定 | × | × | × |
| 疑 問 | お役立てくださるか？ | お役立てくださいますか？ | × |
| 否 定 | お役立てくださらない | お役立てくださいません | × |
| 命 令 | お役立てください | お役立てくださいませ | × |
※ ②+丁寧語”ます”をつかうとより丁寧な敬語になります
※ 「下さる」「くださる」は漢字でも平仮名でもOK
※「×」としたのは一般的につかわない
