「嬉しい」気持ちを表す敬語フレーズ10選、ビジネスメール例文

「嬉しい・嬉しいです」をビジネスシーンや目上のヒトに使うと失礼?

とご心配のあなたへ。

「嬉しい・嬉しいです」の代わりにビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)でつかえる言い換え敬語を紹介する記事。

まずは要点のまとめから。

嬉しい・嬉しいです は目上のヒトに失礼?

嬉しい という言葉は喜びをあらわす語であり「嬉しいです」と使っても失礼ではありませんが…

嬉しいです と丁寧語「です・ます」をつかえば敬語としては成り立ちます。

ただ、

「嬉しい」「嬉しいです」はビジネスシーンでは使われることのない敬語フレーズであり、また目上のヒトに使うにも不適切な表現です。

ビジネスシーンで「嬉しい・嬉しいです」を使わない理由はおもに3つ。

  1. もっと素晴らしい敬語フレーズがある
  2. なんだか幼稚な感じのする表現である
  3. 経験則
    (ビジネスシーンで使われているのを見たことがない)

ということなので、

ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)で使うときには、もっと適切な敬語に言い換えをしましょう。

それでは具体的に、
「嬉しい・嬉しいです」という気持ちを表現する敬語フレーズを紹介します。

嬉しい の意味と使い方

本題に入る前にまず、「嬉しい」ってそもそもどんな意味?使い方は?という点につきザックリと復習しておきましょう。

嬉しい(うれしい) の意味

  1. 満足、喜ばしい。自分にとってよいことが起き、愉快で楽しい。
    例文「国体で優勝できてとても嬉しい」
  2. 相手から受けた行為に感謝しているさま。ありがたい。かたじけない。
    例文「お心遣いをいただき嬉しい限りです」

こんな感じの意味であり、
喜びを表現したり、嬉しい気持ちを表すときに使う言葉です。

嬉しい の使い方

嬉しい の使い方は…

①相手に感謝するとき
②自分が純粋に満足しているとき

ただし、ビジネスシーンで上司など目上のヒトや取引先に使うときに「嬉しいです!」はふさわしくない言葉。

繰り返しにはなりますが「嬉しいです!」ではなんだか幼稚な感じがするのですよね…

長くなりましたが基本事項の復習はここまで。

ここからは「嬉しい・嬉しいです」のビジネスにふさわしい言い換え敬語について詳しくみていきましょう。

嬉しい の言い換え敬語①喜びを表すビジネスシーン

嬉しい・嬉しいです の代わりにビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)に使える言い換え敬語。

まずは自分の喜びを表現する敬語から。

例文①光栄です・光栄に存じます・光栄でございます

嬉しい・嬉しいです の代わりに喜びを表現するビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)に使える言い換え敬語。

  • 例文「(至極)光栄です」
  • 例文「(至極)光栄に存じます」
  • 例文「(至極)光栄でございます」

意味は
「(この上なく)名誉に思う」であり、喜びを表現するビジネスシーンで使われます。「至極(しごく)=この上ない」を組み合わせればもっと大げさな表現になりますね。

「嬉しい」と「光栄」は違う意味ですが、どちらも喜びの気持ちをあらわすフレーズです。

たとえば以下のような使い方をします。とくにビジネスメールやスピーチなど、かしこまった敬語フレーズが好まれるシーンで使われることの多い表現です。

  • 例文「身に余るお言葉をいただき(至極)光栄に存じます・でございます」
  • 例文「このたびはノーベル賞をいただき(至極)光栄に存じます・でございます」
  • 例文「○○の賞をいただき(至極)光栄に存じます・でございます」

ちなみに、

普段のビジネス会話であれば上記のような堅苦しい表現は使わず、

  • 例文「そう言って頂けると光栄です」
  • 例文「ありがとうございます。光栄に思います」

こんな感じで使うとよいでしょう。

→ 「至極光栄」意味と目上・ビジネスにふさわしい使い方、例文

例文②嬉しく思います・存じます

嬉しい・嬉しいです の代わりに喜びを表現するビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)に使える言い換え敬語。

  • 例文「嬉しく思います」
  • 例文「嬉しく存じます」

意味・使い方は
「嬉しいです!」と喜びや満足の気持ちをあらわすときに使います。ここで「存じる」は「思う」の謙譲語。

ビジネスシーンでの使い方にはたとえば、何かしらのお土産とか賞をもらったときに「嬉しく思います」として使うとよいでしょう。

「嬉しく思います」「嬉しく存じます」の違いは、「存じる」をつかったほうがよりかしこまった敬語フレーズとなります。「存じる」は「思う」の謙譲語ですね。

ビジネスメールや手紙など文書では「嬉しく存じます」とするほうがよく、会話では「嬉しく思います」で十分に丁寧です。

文書のではよりかしこまった敬語フレーズを使うように心がけましょう(表情や態度で敬意をしめすことができないため)。

【ビジネスメール・会話での例文】

上司・目上のヒト
「ノマド君、昇進試験の合格通知きたよ。昇進おめでとう」

あなた
「ありがとうございます。とても嬉しく思います」

  • 例文「このたびの受賞に際し、皆さまより心温まるご祝辞をいただき、とても嬉しく思います」
  • 例文「このたびは身に余るご評価をいただき、とても嬉しく存じます」

例文③嬉しい限りです・でございます

嬉しい・嬉しいです の代わりに喜びを表現するビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)に使える言い換え敬語。

  • 例文「嬉しい限りです」
  • 例文「嬉しい限りでございます」

意味と使い方は
「この上なく嬉しいです」の意味であり、喜びや満足の気持ちをあらわすときに使います。ここで「ございます」は丁寧語。

使い方としては「嬉しく思います」とおなじ。たとえば何かしらのお土産とか賞をもらったときに「嬉しい限りです」として使うとよいでしょう。

「嬉しい限りです」「嬉しい限りでございます」の違いは、「ございます」をつかったほうがよりかしこまった敬語フレーズとなります。「です」と「ございます」はどちらも丁寧語ですね。

ビジネスメールや手紙など文書では「嬉しい限りでございます」とするほうが丁寧であり、会話では「嬉しい限りです」で十分に丁寧です。

文書のではよりかしこまった敬語フレーズを使うように心がけましょう(表情や態度で敬意をしめすことができないため)。

【ビジネスメール・会話での例文】

上司・目上のヒト
「ノマド君、今回の査定ではトップの成績だったよ。おめでとう」

あなた
「ありがとうございます。嬉しい限りです」

  • メール例文「このたびの受賞に際し、皆さまより心温まるご祝辞をいただき嬉しい限りでございます」
  • メール例文「このたびは身に余るご評価をいただき、嬉しい限りでございます」

例文④喜ばしく思います・存じます

嬉しい・嬉しいです の代わりに喜びを表現するビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)に使える言い換え敬語。

  • 例文「喜ばしく思います」
  • 例文「喜ばしく存じます」

意味・使い方は
「喜ばしいです!」と喜びや満足の気持ちをあらわすときに使います。ここで「存じる」は「思う」の謙譲語。

ビジネスシーンでの使い方はこれまでの例文と同じく、たとえば賞とか栄誉になるような何かをもらったときに「喜ばしく思います」として使うとよいでしょう。

「喜ばしく思います」「喜ばしく存じます」の違いは、「存じる」をつかったほうがよりかしこまった敬語フレーズとなります。「存じる」は「思う」の謙譲語ですね。

ビジネスメールや手紙など文書では「喜ばしく存じます」とするほうがよく、会話では「喜ばしく思います」で十分に丁寧です。

文書のではよりかしこまった敬語フレーズを使うように心がけましょう(表情や態度で敬意をしめすことができないため)。

【ビジネスメール・会話での例文】

上司・目上のヒト
「ノマド君、今期のボーナスはすこし色つけといたよ」

あなた
「ありがとうございます。とても喜ばしく思います」

「喜ばしい」は他人ごとであっても使えるため、自分の気持ちを表すときに使う「嬉しい」よりも使い方の幅が広いですね。

例文⑤喜ばしい限りです・でございます

嬉しい・嬉しいです の代わりに喜びを表現するビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)に使える言い換え敬語。

  • 例文「喜ばしい限りです」
  • 例文「喜ばしい限りでございます」

意味と使い方は
「この上なく喜ばしいです」の意味であり、喜びや満足の気持ちをあらわすときに使います。ここで「ございます」は丁寧語。

使い方としては「喜ばしく思います」とおなじ。たとえば賞とか名誉になる何かをもらったときに「喜ばしい限りです」として使うとよいでしょう。

「喜ばしい限りです」「喜ばしい限りでございます」の違いは、「ございます」をつかったほうがよりかしこまった敬語フレーズとなります。「です」と「ございます」はどちらも丁寧語ですね。

ビジネスメールや手紙など文書では「喜ばしい限りでございます」とするほうが丁寧であり、会話では「喜ばしい限りです」で十分に丁寧です。

文書のではよりかしこまった敬語フレーズを使うように心がけましょう(表情や態度で敬意をしめすことができないため)。

【ビジネスメール・会話での例文】

上司・目上のヒト
「ついに部署の営業成績が全国トップになりました!おめでとうございます」

あなた
「部長、喜ばしい限りですね!」

「喜ばしい」は他人ごとであっても使えるため、自分の気持ちを表すときに使う「嬉しい」よりも使い方の幅が広いですね。

例文⑥ありがとうございます

嬉しい・嬉しいです の代わりに喜びを表現するビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)に使える言い換え敬語。

「ありがとうございます」

とお礼だけするのもよいでしょう。喜びを表現するときに「嬉しい」「喜ばしい」を必ず使わなければいけない、ということはありません。

その他

わたしの思いつく限りで他には、フツーにお礼に使える敬語フレーズであればOK。

  • 例文⑦厚くお礼申し上げます
  • 例文⑧感謝いたします・申し上げます
  • 例文⑨深謝いたします
    「深く感謝する」の意味

などであれば使えそうですね。

嬉しい の言い換え敬語②お願いのビジネスシーン

嬉しい・嬉しいです の代わりにビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)に使える言い換え敬語。

つづいてお願いのビジネスシーンで使う敬語フレーズ。とくにビジネスメールでお願いをするときには「嬉しいです」の代わりに以下のような敬語フレーズを使いましょう。

例文⑩幸いです

嬉しい・嬉しいです の代わりにお願いするビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)に使える言い換え敬語。

  • 例文「幸いです」
  • 例文「幸いでございます」

意味と使い方は
「幸せです」の意味であり、喜びや満足の気持ちをあらわすときに使います。ここで「ございます」は丁寧語。

使い方としては「~していただければ幸いです」というようにお願いのフレーズを作ります。

そうすると意味は「~してもらえたら嬉しいなぁ、幸せだなぁ」というすご~く丁寧な表現です。ここで「いただく」は「もらう」の謙譲語ですね。

たとえば、ビジネスメールで以下のようにして結び・締めくくりに使えます。あまりに丁寧であるため会話では使うことのない敬語フレーズ。ご留意ください。

【ビジネスメール例文】

  • 例文「ご了承いただければ幸いです」
  • 例文「ご容赦いただければ幸いです」
  • 例文「お取り計らいをいただければ幸いです」
【補足】
・ご了承 は「理解して了解すること」の意味
・ご容赦 は「許すこと」の意味
・お取り計らい は「ものごとを上手く進めること」の意味

嬉しい のビジネスメール例文(全文)

さいごに「嬉しい」の敬語フレーズ「嬉しい限りです・嬉しく思います・喜ばしく思います・幸いです」を使ったビジネスメールの例文を紹介します。

【例文】受賞のお礼メール(社内メール)

メール件名: お礼

人事部
転職 様

お疲れ様です。

このたびは「人事育成アワードNo.1」をいただき、
厚くお礼申し上げます。

身に余る光栄をいただき、とても嬉しく存じます。

部署を代表してお礼申し上げるとともに、
今後も賞の名に恥じないよう、部下・後輩の育成に邁進してまいります。

大変略儀ではございますが、
まずはお礼かたがたご挨拶申し上げます。

メール署名

【補足】
・邁進(まいしん) は「目標にむかって突き進むこと」の意味
・略儀 は「礼儀を略すること」の意味

【例文】受賞のお礼メール(社外メール)

メール件名: お礼(転職ノマド)

ビジネス株式会社
営業部
○○ 様

いつもお世話になっております。

このたびは貴社にて実施の「ベストパートナーシップ賞」をいただき、
厚くお礼申し上げます。

身に余る光栄をいただき、とても嬉しく存じます。

弊社を代表してお礼申し上げるとともに、
今後も賞の名に恥じないよう、品質・サービスの向上に一層精進してまいります。

大変略儀ではございますが、
まずはお礼かたがたご挨拶申し上げます。

メール署名

【補足】
・精進(しょうじん) は「目標達成のために努力すること」の意味。邁進とほぼ同じ。
・略儀 は「礼儀を略すること」の意味

ちゃんとした敬語を使えるビジネスマンはゼロ(苦笑)

ちょっとココだけの話というか、
あまり敬語の使い方にきびしくしばられるのは良くないという話。

じつは、

ビジネスパーソンでちゃんとした敬語を使えているヒトは極めてマレです。ほとんどゼロといっても差し支えありません。

なぜなら学校でもベーシックな部分しか習わないことにくわえ、社会人になったら先輩や上司・取引先のBroken敬語から学ぶから。

結果として間違った敬語をつかう上司がいると、部下も間違えるという罪深い状況に…それがどんどん連鎖して、しまいには誰も正しい敬語を使わなくなるという悲劇。

まぁ、わたしもそのループの中にいるのですけど…

たとえば、

「伺います」「伺いたいです」「お伺いしたいです」「お伺いいたします」どれが正しい敬語ですか?

ときかれてもたぶん多くのビジネスパーソンは間違うことでしょう。

敬語って結局、その程度なのですよね…

→ 「お伺いしたい」「伺いたい」「伺いたく存じます」正しい敬語は?

その他、よく使う言葉の敬語変換

「頑張ります」の目上・ビジネスにふさわしい敬語7選、メール例文

→ 「ご理解ください」の代わりに使えるビジネス敬語、メール例文

→ 「大丈夫です」の敬語フレーズ7つ、ビジネスにふさわしい使い方

→ 「お願い」するときの敬語フレーズ7選と、ビジネスメール例文

→ 「受け取る」の敬語:謙譲語と尊敬語、ビジネスにふさわしい使い方