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3分でわかる建設業界。現状と課題、今後の動向まとめ【2017年版】

就活・転職に必要な建設業界研究。

建設業界の現状と課題、今後の動向、将来性について現役営業マンがまとめた記事。誰よりも本格的に、でもわかりやすく解説しています。

就活・転職活動にお役立てください。

建設業界の現状

まずは建設業界の市場規模や、業界ランキングから見ていきましょう。

現状①市場規模:57兆円(前年比6.2%増)

建設業界の市場規模は元請のみの建設工事・受注高を参考にした(海外受注分も含む)。

2015年度は前年比+6.2%増の57兆円(民間41兆円、政府関連16兆円)となった。これは6年連続の増加。東京オリンピックにむけた投資が伸びているためと推測。

ただし念のために述べておくが、この数字は全盛期の半分程度にしか満たない。

歴史をご存じない就活生のために、建設大手50社の過去の流れを振り返ってまとめておく。

《建設大手50社のみの累計であるため上記の数字と異なる》

  • 1990年度:建設工事受注高25兆円
    • バブル期
  • 1991〜2000年度:15~19兆円
    • バブル崩壊〜失われた10年
  • 2001~2008年度:11~14兆円
    • いざなみ景気
  • 2009~2012年度:10兆円
    • リーマンショック
  • 2015年度:13.7兆円
    • 現在

これは大手50社のみの集計なので、市場全体を表すことはできていない。しかし、建設工事がピーク時の半分になっていることだけは見てとれる。バブル崩壊後、建設業者がことごとく潰れていったのも納得の数字である。

※国土交通省しらべ。調査対象は12,000業者、ダブルカウントになるため下請けの受注額は除除外した。

現状②売上ランキングTOP10

2017年時点での建設業界の売上ランキングをまとめる。「建設業」となっている企業のみ集計している。「不動産業界」については別でまとめる。

  1. 大和ハウス工業:売上3.1兆円
  2. 積水ハウス:1.8兆円
  3. 大林組:1.7兆円
  4. 鹿島建設:1.7兆円
  5. 清水建設:1.6兆円
  6. 大成建設:1.5兆円
  7. 大東建託:1.4兆円
  8. 竹中工務店:1.3兆円
  9. 住友林業:1.0兆円
  10. 日揮:8799億円
  11. 長谷工コーポレーション:7873億円

「建設業」に属する企業をざっくりとカテゴリーに分けると、以下の通り。ちなみに「不動産業界」は別でまとめる。

  • ゼネコン(大林組、鹿島、清水建設、大成建設、竹中工務店、長谷工など)
  • 住宅メーカー(大和ハウス、積水ハウス、住友林業、旭化成ホームズなど)
  • プラントエンジ会社(日揮、千代田化工など)
  • その他(道路、電気通信工事、ほか)

現状③国内住宅着工件数:92万戸(前年比4.6%増)

国内住宅着工件数とは、日本でどれだけ新しい住宅が建てられたか?という統計である。分譲マンション、賃貸マンション、戸建住宅、などすべてを含んでいる。

住宅を建てるお金が誰にいくかというと、

ディベロッパー(三井不動産など)などといったマンション開発者、ゼネコン(鹿島など)などの施工主、住宅メーカー(大和ハウスなど)などの戸建メーカーである。そして、最終的には材料を供給する化学素材メーカーや下請け業者も潤う。

したがって建設業界の現状と今後を知る上で、とても重要な指標である。

※建設業界用語がわからない就活生は、まずこちらの記事(「ディベロッパー」「ゼネコン」の違いとは?建設業界の用語まとめ)でご確認を。

国内住宅着工件数(新設)は2015年度の統計によると約92万戸で、2014年度対比、4.6%増であった。消費増税後の2013年度、2014年度は落ち込んだが、2015年度は大きく回復。消費増税前の2012年度89万戸よりも高い数字となった。

ただし全盛期と比べて半減しており、住宅メーカーにすると手放しで喜べる状況ではない。

こちらも昔話にはなるが、住宅着工件数の要所でのポイントをまとめる。

  • 1986~1990年度:住宅着工件数は170万戸が普通のラインだった
    • バブル期
  • 1991〜2000年度:120万戸を割ったことは一度もなかった
    • バブル崩壊〜失われた10年
  • 2001~2008年度:100万戸を割ったことはなかった。
    • いざなみ景気
  • 2009~2012年度:100万戸を初めて下回る!
    • リーマンショック
  • 2015年度:じわじわと回復するも安定の100万戸われ…
    • 現在

まとめると、リーマンショック後(2009年度)に初めて100万戸を下回り、低位安定して今にいたる。当時より回復はしているものの、建設業界にとってはまったく面白くない状況。

現状④公共事業国家予算:6兆円(前年対比±0)

公共事業国家予算とは、道路などを作るために国が割り振る予算である。

このお金は主にゼネコン(鹿島・清水建設など)へ流れ、最終的にはセメントメーカーや化学素材メーカー、下請け会社に流れる。したがって、建設業界の今後の動向を知る上で重要な指標である。

財務省によると、2016年度の公共事業予算は6兆円。

ここ数年は似たような予算であるが、ピーク時の15兆円(1998年度・バブル崩壊後の景気対策)からなんと半減。今後も増やすことは期待できず、厳しい状況におかれている。

こちらも昔話にはなるが、要所でのポイントをまとめる。

  • 1986~1990年度:10~15兆円
    • バブル期
  • 1991〜2000年度:10~15兆円
    • バブル崩壊〜失われた10年
  • 2001~2008年度:7~11兆円(年々カット)
    • いざなみ景気
  • 2009~2012年度:6~10兆円
    • リーマンショック
  • 2016年度予算:6兆円
    • 現在

建設業界の課題

嫌というほどネガティブな現状を見てきたので、課題については明白だが、念のため以下にまとめておく。

課題①国内市場の縮小

どんな業界でも当てはまる事項ではあるが、人口減少による市場の縮小からは逃げられない。

国内事業がメインだったゼネコン(鹿島、清水建設、大林組、大成建設、竹中工務店)は国内市場の縮小を必ず受ける。

そしてディベロッパー(三井不動産、三菱地所、住友不動産、東京建物など多数)も少なからず影響を受ける。特に中堅以下のクラス。

さらには住宅メーカー(積水ハウス、旭化成ホームズ、大和ハウス、他)も必ず影響を受ける。

オリンピック需要で足元はそれなりに回復基調ではあるものの、その後どうするの?

と聞かれると答えに困ってしまうだろう。

課題②海外展開が難しい

ということで、活路を見出すとしたら海外展開を強化していくしかない状況。

ではあるもののグローバル展開は多くの人が言うほど甘くない。

建設業界の大手は、すでに伸びている「東南アジア」、まだまだ伸びる「インド」「アフリカ」などの地域を攻めていくことになるだろう。

もちろん、こんなことは中国・韓国勢も考えているし世界中の誰もが同じことを考えている。

その中で、

日系ゼネコンの強みって何?

ディベロッパーの強みって何?

と聞かれると「?」が残る。ゼネコンが力を持つ国って実は日本だけだ、という話。

海外では建築事務所やデザイン事務所が最も強く、ゼネコンは本当に建設するだけの会社でなければならない。※書くと長くなるため省略

ゼネコンが強い日本、建築事務所が弱い日本とは正反対なのだ。結局、ゼネコンが海外で稼げるとしたら日系のディベロッパーから仕事をもらうしかないだろう。

そして、そのディベロッパーについても途上国の海外展開には課題あり。

なぜなら、途上国では政府が土地を持っていて買えないから(借地権を発行される)。そして、いい土地はローカルの人たちに既に抑えられている。このような状況下では、土地を高値づかみされる可能性が高く、基本的に儲からない…。

課題③景気の影響をモロに受ける

建設業界は証券会社などと同じく、国内景気の影響を最も受けやすい。

政府の税収が減り公共事業が減れば、ゼネコンと下請けは仕事が減る。

サラリーマンの給料が減れば、住宅を買う人も減る。

人口が減れば、住宅・マンション・オフィスは必要なくなる。

首都圏は今後20年くらい、何も心配ないだろう。それでもやはり、景気の上下だけはどうしょうもない。「良い時にはとことん良いが、悪い時には何をやってもしょうがない業界である」と認識しておこう。

課題④その他

よく新聞などで報道されており、いまさら詳しく書く必要もないため「その他の課題」として、箇条書きだけにする。

  1. 労働者不足
  2. 熟練労働者の引退
  3. 技術継承不足
  4. 業界全体が不景気
  5. 企業数が多すぎて競争激しい。誰も稼いでない。

建設業界の今後の動向

今後①グローバル展開を加速

この記事を書くために建設大手各社の中期経営計画に目を通した。

するとやはり、海外展開を加速するしかない状況のようだ。

正直なところ建設業界はみんな、自分で死ぬことがわかっている。だから建設大手は「とにかく海外、何としてでも海外」。と必死になって頑張っているのである。

ただ、そう簡単でないことは「課題②」の部分で詳しく解説しているため、省略する。

今後②あとは運まかせ

はい、あとは日本国内の景気回復を祈るだけ、という状況。

建設業界の将来性

最後に、将来性をまとめる。

将来性①スーパーゼネコンは生き残る

正直なところ、スーパーゼネコン(鹿島建設、清水建設、大林組、大成建設、竹中工務店)は30年後も潰れないで生き残っている。ただしM&Aにより集約される可能性は十分にある。

彼らのビジネスのやり方を知りすぎているため、ブログでは詳しくは書けない。書くと私が東京湾に沈む可能性がある。

将来性②ゼネコン準大手〜中堅以下クラスは集約必要

会社数が多すぎて競争が激しすぎる。結果、みんな稼いでいない。ほっておいても、オリンピック後に苦しくなる準大手〜中堅以下クラスは集約されていくだろう。

  • 準大手〜中堅ゼネコン
    ▼長谷工コーポレーション、戸田建設、五洋建設、前田建設工業、三井住友建設、フジタ、西松建設、東急建設、熊谷組、奥村組、ほか多数
  • その他
    ▼ナカノフドー建設、福田組、大豊建設、ほか多数

将来性③大手ディベロッパー・住宅メーカー大手はOK、あとは運任せ

住宅メーカーやディペロッパーは正直のところ、自分ではどうにもできない部分が多すぎる。頑張れるとしたら営業努力と広告宣伝か…。

消費税増税のときにも、ただ見てるだけ。

リーマンショックで景気が落ち込んでも、ただ見てるだけ。

という、不確実な部分が多すぎて将来性を読むことができない。大手はそれなりにやる、という一般的なコメントにしておこう(完全に逃げ)。

  • 財閥系(三井不動産、三菱地所、住友不動産、東京建物)
  • 私鉄系(東急不動産、京王不動産、小田急不動産、名鉄不動産、阪急不動産)
  • 金融系(野村不動産、ヒューリック)
  • ゼネコン系(清水総合開発、大成有楽不動産)
  • メーカー系(トヨタホーム、旭化成ホームズ)
  • 商社系(三菱、物産、住商、伊藤忠、丸紅、双日の一部門)
  • 独立系(森ビル、イオンモール)

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ここでは建設業界の他に、不動産業界にも触れましたが詳しくは別途、まとめます。

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