ファナックは山梨県に本社を持つ、良くも悪くも何かと話題になるトリッキーな日本企業。産業用ロボットとファクトリー・オートメーションの専業メーカーで製品とコンピュータ制御システム、アフターサービスに定評がある。
強みを持つ産業分野は航空宇宙、自動車、コンシューマむけ製品の工程自動化。
産業用ロボットの累計グローバル販売250,000台超。
2015年度の売上は6,200億円(全社)。
世界シェア2位:ABB(スイス)
ABBはスイスに本社を持つ電力、重工業および電機メーカー。日本メーカーにたとえると日立製作所みたいな会社。産業用ロボットは同社のほんの一部にすぎないが、ファクトリー・オートメーション分野では40年以上の歴史を誇る。特に欧州系の自動車メーカー、フォルクス・ワーゲンやBMWが大口ユーザー。
従業員数は約14,400人、世界100カ国に展開。産業用ロボット製造工場とR&D拠点はスウェーデン、チェコ、ノルウェイ、メキシコ、日本、米国、中国に持つ。
産業用ロボットの累計グローバル販売300,000台超。
2015年度の売上は354億ドル(全社)。
世界シェアトップ:安川電機(日本)
安川電機は北九州に本社を持つ日本の電機メーカー。モーションコントローラー、ACモータードライブ、スイッチなど、自動車関連の電機製品を手がけるメーカー。
産業用ロボットは1980年代にスタートした新しい事業で1988年に最初の産業ロボット「モトマン」をリリース。これが世界で大ヒットを記録(企業むけなので表に出ない)。
特に自動車むけの溶接、ハンドリング向上、組み立て、パンチング工程に強み。
従業員数は約14,300人。世界28カ国に展開し海外売上比率は67%。全社売上4,113億円。安川電機は毎年20,000台もの産業用ロボットを生産している。
産業用ロボットの累計グローバル販売は300,000台以上。
2015年度の売上は1,541億円(ロボット事業のみ)。
まとめ
産業用ロボットは電機メーカー、工作機械メーカーの1部門となっておりランキングするのが難しいのですが…無理やりランキングしてみました。世界トップ4のABB、安川電機、クーカ、ファナックは横並びでトップを決めにくい状況。そしてクーカを買収した中国・美的集団の動向も気になる。
2016年現在、世界ランキングトップ10のうち6社は日系企業。産業用ロボットは自動車業界むけが需要のほとんどを占めるため、日系自動車メーカーと共に成長してきた結果ですね。
また、キーエンスやオムロンのセンサー事業も広い意味では産業用ロボットの一部だと思います。ファクトリー・オートメーションという大きなくくりの中にITシステムがあったり、産業用ロボットがあったり、センサーがあったりする、というイメージ。