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3分でわかるガス業界。今後の動向と将来性まとめ【2017年版】

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「ガス業界の今後の動向と将来性」について語っていきます。

基本としてガス会社には①家庭用ガスをメインに売る会社、②産業・工業用ガスをメインに売る会社、の2つの業界があります。前者はあなたにも馴染みの東京ガス・大阪ガス・東邦ガス、といった会社。後者は表にでないBtoB企業の大陽日酸・エアウォーター、といった会社。

この2つの業界は全く違いますので分けて考えます。

今回は「①家庭用ガスをメインに売る会社の今後の動向と将来性」に関する記事。いつもはグローバルの話から入りますが、家庭用ガス業界はドメスティック産業なので世界を見ても無意味。国内の話だけを展開します。

就職活動と転職の業界研究にお役立てください。

※家庭用ガス = 都市ガスとLPガス
※家庭用ガスをメインに売る会社も企業むけあります。

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ガス業界の現状と主要企業一覧(国内2016年)

①業界規模:約6兆円

②需要動向2015年度(206事業主の累計)

  • 家庭用: 9,241 百万m3 (前年比▲3.5%)
  • 商業用: 4,232 百万m3(前年比▲1.9%)
  • 工業用: 20,113 百万m3(前年比▲0.7%)
  • その他: 2,873 百万m3(前年比▲2.5%)

【合計需要】36,461 百万m3

家庭用や商業用の需要は天気によって左右される。寒い日が長ければ暖房を多く使うため、需要が伸びる。逆のパターンだと需要が減る。中期のトレンドは首都圏の人口増加に合わせて伸び続け、長期のトレンドは人口減少に伴って減る。また工業用は日本国内企業の工場稼働に左右される。こちらも長期トレンドでは減るだろう。

④売上ランキングと主要企業一覧

※都市ガスもしくはLPガスの販売を手がける企業

No.1 東京ガス
No.2 大阪ガス
No.3 東邦ガス(愛知)
No.4 西部ガス(福岡)
No.5 静岡ガス
No.6 日本瓦斯(鹿児島)
No.7 TOKAI HD(静岡・総合インフラ)
No.8 北海道ガス
No.9 京葉瓦斯(千葉)
No.10 広島ガス

ランキング外:関東天然瓦斯開発(ガス田開発)、大多喜ガス(千葉)、四国ガス、北陸ガス、中部ガス、日本ガス(鹿児島)、大丸エナウィン(大阪・石油製品ふくむ)、宮崎ガス、弘前ガス、八戸ガス

③ガス業界の国内市場シェアランキング(数量ベース)

※2015年度の実績データ

  1. 東京ガス: 38%
  2. 大阪ガス: 23%
  3. 西部ガス: 10%
  4. 東邦ガス: 2%
  5. その他: 17%

なんとガス業界大手4社で国内市場の73%を占めるガス業界。大口の都市ガスが自由化されたとはいえ、完全な寡占状態ですね。

▼▼▼▼▼

ランキングでは当然、人口が多い地域の会社ほど売上シェアが大きくなる。首都圏のガス会社、九州北部をカバーする西部ガス、東海地区をカバーする東邦ガスがメジャー。あとは横並びの団子状態。

ガス業界の課題と今後の動向

ガス業界における3つの課題に触れながら、今後ガス業界はどのような方向に向かっていくのかを考察する。

課題①2017年4月〜都市ガス自由化による競争激化

都市ガスとはLNGを原料とするガスのこと。人口密集地域ではパイプラインによって各家庭に届けられている。ちなみにもう一つの家庭用ガス、LPガスはすでに自由化されている。また、大口(業務用、法人むけ)の都市ガスはすでに自由化されている。

個人むけの都市ガスが自由化されれば、ガス業界も完全自由化になる。

今まで個人むけの都市ガスは決められた地域の会社から買うしかなかった。地域独占の商売だったため何も努力しなくても売れた、しかも高い値段で。

これが自由化されるとどうなるか?

まず大手4社の東京ガス・大阪ガス・東邦ガス・西部ガスにおきるであろう事態について下に図式化しておく。

  1. 新規参入が増える
  2. 値崩れする
  3. 今までより儲からなくなる
  4. 不要な人材をリストラ、または年収を減らしてコスト削減
  5. 残された人は低年収・激務になる

ただし都市ガスを供給している会社の強みは、各家庭に届けるパイプライン(水道管のようなもの)を保有していること。電力会社が送電線を持っているために最強であるのと同じ。パイプラインを他社に貸すことが前提で成り立つ都市ガス自由化であるため「パイプラインを貸す事業会社」を新たに作れば終わり。

結果、ガス業界大手4社は都市ガス自由化で売上が減ったとしても「新たなカネの成る木」を得る。これは書ききれないテーマであるため別記事を作成しようと思う。

課題②都市ガスは誰でも作れる

自由化の絡みでもう一つ。都市ガスが自由化されると電力会社は100%簡単に参入できる。なぜなら原料であるLNGの輸入量が、ガス会社よりも多いから。←火力発電に使っている。

同じロジックで総合商社(三菱商事・三井物産・住友商事etc)、石油会社(JX・出光興産・昭和シェルetc)も簡単にスタートできる。

ガス会社にとって最大の問題は「都市ガスを作るのに特別なノウハウが要らない」ということ。汎用的すぎて特許になんてならないし、製造ノウハウも何もない。だから総合商社や電力会社でなくても、化学素材メーカーや適当な商社ですら簡単に作れてしまう。

正直、今まで何も付加価値を生んでこなかったのだから、国に守られていなければ速攻で詰んでしまうゲームなのである。

で、生き残るために「規模縮小 & パイプライン別会社化」に進む。

課題③人口減少、需要減

説明不要かと思われるが国内事業をメインにしている企業全般、この問題からは目を背けられない。ガス業界の場合、首都圏の企業はダメージがまだ少ない。が、地方は深刻。

今後どうするのか?

今後どうしたいのか?

誰も回答を用意していない(失笑)。残された会社人生をどう問題なく過ごすかにしか興味のない経営層は自分の退職金のことしか頭にないだろう。

で結局、他業界と同じく若い世代が何とかしないといけないという構図。

日本を何とかするべく頑張りましょうね…泣…

ガス業界の将来性

ガス業界の現状と課題を踏まえた上で結論。

今後、需要の減退とガスの完全自由化により間違いなく厳しい環境になるであろう、ガス業界。どんな企業が生き残っていくのかをまとめる。

①しばらくは何も変わらない

ガス業界が完全自由化されたからといって、ホイホイと新規参入企業が増えるわけではない。ルールも定かではないゲームに参入しても負けは見えているからだ。まず勢いのある新規参入企業数社が成功し、後追いで参入企業がどんどん増える。

10年くらいはそれなりに維持していくと考える。

その後、既存のガス会社はじわじわと、しかし確実にシェアを失っていくだろう。

②都市ガスのパイプライン事業会社

詳しくは都市ガス自由化の際に述べた通り。都市ガスのパイプラインを持っている企業(東京ガス・大阪ガス・西部ガス・地方都市ガス会社)は、パイプライン事業だけを別会社化すれば何も問題ない。そしてパイプラインを地方独占しているためレンタルの値段は決め放題。

国がもし何も関与しなければ、私なら1社につきレンタル料金1000億円/年で契約する。これで新規参入5社と契約すれば何もしなくても5000億円/年の売り上げになる。売上は減っても利益率がとんでもないことになりそう(笑)。

でも国がそんなことは許さないだろう。国の介入で適正価格にせざるを得ない状況になれば苦しい。

③ガスを奪られたら電力を奪る、結局チャラ?

電力会社が、ガス業界に参入するのは前述した通り。でも忘れてはいけないのは、電力も自由化されているということ。たとえば大阪ガスは電力自由化に合わせて火力発電所に投資し、電力を供給し始めた。他の企業も同じように考えるでしょう。

ただ、電力とガスのどちらが簡単に参入できるか?と聞かれるとガスと答える。ガスは簡単な設備投資でいいけど電力はそうもいかない。ということで「ガス会社vs.電力会社」でみるとガス会社のほうが不利な状況。

電力会社はガスを売って、ガス会社は電力を売る。

電力会社は電力を守るために値下げする、ガス会社はガスを守るために値下げする。

こんな感じで値段の下げ合い、消耗戦に突入。消費者にとっては嬉しいことだけど企業にとっては最悪。企業が儲からなくなると従業員は困る。何しろ年収が下がったり、激務になったり、リストラされたりするから…

日本に新たなブラック業界が増えてしまうかも…

④営業力の強い企業

他社と品質や価格面で何も変わらない商品を売る場合、最後は営業力に掛かっている。ネット集客が得意で、知名度が高く、飛び込み営業が得意な、押しの強い、ノルマのきつい会社(=ブラック企業?)は確実に生き残る。

現時点でどの企業の営業力が強いか?

と聞かれても答えられないが大手でないことは確か。

⑤おまけ:私が経営者なら自由化時代をこう乗り切る

私が経営者なら新規参入が予想される電力会社や石油会社とのバトルは極力避ける。理由は上述したように売値が下がってロクなことにならないから。

それではどうするか?

新規参入を敵としてみるのではなく、仲間として取り込む。

具体的には電力会社とアライアンス(=業務提携)して以下の取り組みをする。

  1. 電力会社・ガス会社で50%ずつ株を持ち合い営業機能だけを持つ別会社を作る。別会社では電気とガスの両方を売る
    →ガス会社・電力会社の営業は同じ客に違う商品を売るだけなので2つの会社で別々に営業する意味がない
  2. 営業マン半分をクビにする
    →1人の営業マンが電気とガスの両方を売るので半分の人数で済む
  3. 原料調達部門も電力&ガス会社で合同運営する
    →ガス会社と電力会社の買う原料は大差ない。これで原料調達部門を半分に減らせる。
  4. 浮いた人件費を料金の値下げに充てる
    →これは官僚・政治家に花を持たせるため。「自由化したのに値段は変わりませんでした」では官僚も政治家も立場がない
  5. 顧客は料金が下がって満足。官僚、政治家は自由化がうまくいって満足。電力、ガス会社はこれまで通りの利益が確保される。

言うのは簡単、やるのは難しいことは分かっているが…これが理想論です。詳しくは別の記事にしている。

>>都市ガス自由化。参入企業一覧とガス会社が今後も生き残る5つの方法

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