「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」意味と使い方・ビジネスメール例文

「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」について、意味と上司や目上への正しい使い方、注意点をビジネスメールの例文つきで誰よりもくわしく解説していく記事。

まず簡単にまとめを。

「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」の意味は「無理を聞いてもらいありがとう!」であり、ビジネスシーンではとくにお礼メールに活躍する表現です。

使い方はとくに上司なり社内目上・取引先に何かしら無理なお願いをし「了解です!」的な返信がきたあと

返信の返信メール書き出しでまず「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」とすると、相手への配慮があらわれていて好感がもてます。

たとえば、

  • 【例文】ご無理を聞いて頂きありがとうございました。
  • 【例文】ご無理を聞いて頂きありがとうございます。

というようにシンプルなお礼を書き出しにくわえるだけで丁寧。

なお。

相手にかなりの無理を言ってとんでもなく負担をかけたのであれば…

ありがとうではなく「申し訳なく思います」の意味で「恐縮です」「恐れ入ります」のようなフレーズを使ったほうがよいでしょう。

また。

等しく丁寧な言い換えとしては…

ご無理を申し上げたにも関わらず〜いただき+お礼」「無理なお願いにも関わらず〜いただき+お礼」などあり。

どの例文も社内メールで目上の人(上司や先輩)につかっても、社外のビジネスメールにつかってもよい丁寧な敬語表現です。

ざっくりとした解説はこれにて終了。

くわしくは本文中にて意味と使い方、注意点を述べていきます。

※長文になりますので、時間の無い方は「見出し」より目的部分へどうぞ。

意味

「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」の意味は「無理を聞いてもらいありがとう!」となります。

  1. ご無理を聞いていただき=「無理を聞いてもらい」の意味の敬語(謙譲語)
  2. ありがとうございました =お礼フレーズ

これら2つの言葉をあわせているだけなのですが、念のためくわしく解説しておきます。

“無理”の意味

無理(読み:むり)の意味は・・・

  1. 物事の筋道が立たず道理に合わないこと。また、そのさま。理不尽。「客が怒るのも無理はない」
  2. 実現するのがむずかしいこと。行いにくいこと。また、そのさま。「無理を承知で仕事を引き受けた」「下請企業に無理な要求をする」「1000億円調達するのはそもそも無理がある」
  3. しいて行うこと。押しきってすること。また、そのさま。「お腹いっぱいなのにデザートを無理に詰め込んだ」

“〜していただき”の意味と敬語

「〜していただき」は「〜してもらい」という意味の敬語(謙譲語)です。

漢字表記「頂き」vs ひらがな表記「いただき」はどちらも正しい日本語。

使い方はたとえば、

  • 例文①対応していただきありがとうございました。
  • 例文②確認していただきありがとうございます。
  • 例文③いつも利用していただきありがとうございます。

というように「〜してもらう」の意味としてつかいます。

また。

よりビジネスメールにふさわしい敬語にするためには「お(ご)〜いただき」に言い換えます。

  • 例文④ご対応いただきありがとうございました。
  • 例文⑤ご確認いただきありがとうございます。
  • 例文⑥ご利用いただきありがとうございます。

使い方

つづいて「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」の使い方について。

無理を聞いてもらいありがとう!」という意味ですので、とくにあなたが上司なり目上に無理なお願いをしたあとにつかうフレーズ。

使い方①お礼返信ビジネスメールなど(書き出しに使う)

「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」の使い方、まずは基本。

上司なり目上・社外取引先に何かしら無理なお願い・依頼をしたあと。

相手から「了解です!」的なビジネスメールがきたら返信メールではまず「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」としましょう。

シンプルにメール冒頭・書き出しにくわえるだけで相手への配慮が感じられて好感がもてますね。

なお「聞いていただき」の言い換えとして、

  • 尊敬語「聞いてくださり」「お聞きくださり」
  • 尊敬語「聞いてくださいまして」「お聞きくださいまして」
  • 謙譲語「聞いていただきまして」「お聞きいただきまして」

をつかっても丁寧です。

使い方②”恐縮です・恐れ入ります”としても丁寧

「ご無理を聞いて頂きありがとうございました~」の使い方、あとは応用編。

すでに紹介はしましたが…

上司なり目上にかなりの無理を言ってとんでもなく負担をかけたのであれば…

ありがとうではなく「申し訳なく思います」の意味で「恐縮です」「恐れ入ります」のようなフレーズを使ったほうがよいでしょう。

こちらも使い方は簡単。

たとえば、

  • 【例文】ご無理を聞いて頂き恐縮です。
  • 【例文】ご無理を聞いて頂き恐縮でございます。
  • 【例文】ご無理を聞いて頂き恐れ入ります。
  • 【例文】ご無理を聞いて頂き大変恐れ入ります。

をビジネスメールの書き出しにくわえるだけで十分に丁寧です。

どれも意味としては「無理を聞いてもらい申し訳なく思います」となります。

【注意点】”ご無理を聞いて頂きありがとう”はこう使う

つづいて「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」を使うときの注意点をすこし。

①返信メールはお礼から入るのが基本

いい加減くどいのですが…

とにかく上司なり社内目上・社外取引先にメール返信してもらったり、なにかしら負担をかけたのであれば、まずお礼から入るのが礼儀です

絶対にお礼しなけきゃダメ!というのではなく。

ちょっとした気づかい、心づかいに「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」をつかうと丁寧ですね。

そうすると依頼を受け入れたほうも気持ちよく仕事ができるというものです。

また。

ほかにも返信ビジネスメールの冒頭・書き出しお礼に使える敬語フレーズとしては…

ご丁寧にご連絡いただきありがとうございます」などもあります。

ようは相手にメール返信してもらったり、なにかしら負担をかけたのであれば、どんな表現でもいいのでとりあえず感謝の気持ちをつたえましょう。

そうするとあなたの好感度もアップすること間違いなしです。

②無茶なお願いでなければ言い換えする

すでに解説したとおり「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」は「無理を聞いてもらいありがとう!」の意味であるため、シーンを選んでつかう必要あり。

無理なお願いでないにもかかわらず「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」では少々無理があります。

そんなときには別のフレーズに言い換えすると丁寧です。

【言い換えOK】”ご無理を聞いて頂きありがとう”の類語

つづいて「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」の類語を例文でまとめます。ビジネスメールではこれらの表現に言い換えすることもできますので、お好みの表現を用いてください。

どれも目上の人(社内上司・先輩)にはもちろんのこと、社外取引先にもつかえる丁寧な敬語にしています。ご参考にどうぞ。

類語①『ご無理申し上げたにも関わらず〜頂きありがとう』など

「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」の言い換え敬語。

  • 例文「ご無理を申し上げたにもかかわらず〜頂きありがとう」

意味は「無理を言ったにも関わらず~してもらいありがとう」であり、ビジネスシーンではお礼メールに活躍する表現です。

使い方はとくに上司なり社内目上・取引先に何かしら無理なお願いをし「了解です!」的な返信がきたあと

返信の返信メール書き出しでまず「ご無理を申し上げたにもかかわらず+お礼」とすると、相手への配慮があらわれていて好感がもてます。

たとえば、

  • 【例文】ご無理を申し上げたにもかかわらず、ありがとうございます。
  • 【例文】ご無理を申し上げたにもかかわらず、ありがとうございました。

のようなシンプルなお礼のほかにも、

  • 【例文】ご無理を申し上げたにもかかわらずお時間を頂けるとのこと、有難うございます
  • 【例文】ご無理を申し上げたにもかかわらずご対応いただき、ありがとうございました
  • 【例文】ご無理を申し上げたにもかかわらずご対応いただき恐れ入ります
  • 【例文】ご無理を申し上げたにもかかわらずご承諾いただき感謝申し上げます
  • 【例文】ご無理を申し上げたにもかかわらずご了承いただき厚くお礼申し上げます

というように「~してもらい」の意味の敬語「お(ご)~いただき」というフレーズをくわえ、お礼したい中身を具体的にしても丁寧。

なお。

いちじるしく相手に負担をかけたのであれば…

ありがとうではなく「申し訳なく思います」の意味で「恐縮です」「恐れ入ります」のようなフレーズを使ったほうがよいでしょう。

また。

等しく丁寧な言い換えとしては…

無理なお願いにも関わらず〜」「勝手を申し上げたにも関わらず〜」などあり。

どの例文も社内メールで目上の人(上司や先輩)につかっても、社外のビジネスメールにつかってもよい丁寧な敬語表現です。

類語②『ご多忙にもかかわらず〜頂きありがとう』など

「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」は「ご多忙にもかかわらず〜頂きありがとう」に言い換えできます。

意味は「とても忙しいにもかかわらず」であり、似たようなビジネスシーンでつかわれます。

  • 無理を聞いてもらいありがとう
    =ご無理を聞いて頂きありがとうございました

なのか、

  • とても忙しいにもかかわらず〜してもらいありがとう
    =ご多忙にもかかわらず〜頂きありがとう

という意味の違いはあれど結局のところ上司なり目上・取引先のことを気づかうフレーズという点においてはおなじ事。

使い方はたとえば、

  • 【言い換え】ご多忙にもかかわらず+お礼
    例文「ご多忙にも関わらずご参加(ご出席)いただけるとのこと、有難うございます」
    例文「ご多忙にも関わらずお時間をいただけるとのこと、誠にありがとうございます」
    例文「ご多忙にも関わらずご返信(ご連絡・お返事・ご回答)いただき感謝申し上げます」
    例文「ご多忙にも関わらずご対応(お取り計らい)いただき、お礼申し上げます」
    例文「ご多忙にも関わらずご確認いただき、大変恐縮です」
  • 【言い換え】ご多忙中にもかかわらず+お礼
    例文は同上〃
  • 【言い換え】ご多忙の折にもかかわらず+お礼
    例文は同上〃

などとして使います。

ビジネスシーンにおうじて使い分けましょう。

なお上司なり目上に著しく負担をかけたのであれば「ありがとう」よりも「恐縮です」「恐れ入ります」といった、申し訳なく思う気持ちをあらわすフレーズをつかうとより丁寧です。

【敬語および言葉の補足】

※「折(おり)」は「季節、時節、時期」の意味

※「~の中」は「最中」の意味

※「○○いただき~」は「○○いただきまして」「○○くださいまして」と言い換えてもOK

※「恐縮」「恐れ入る」の意味はどちらも「相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして申し訳なく思うこと。おそれいること。また、そのさま。」

類語③『お忙しい中にもかかわらず〜頂きありがとう』など

「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」は「お忙しい中にもかかわらず〜頂きありがとう」に言い換えできます。

意味は「忙しい最中にもかかわらず」であり、似たようなビジネスシーンでつかわれます。

使い方はたとえば、

  • 【言い換え】お忙しい中にもかかわらずご参加(ご出席)いただき、+お礼
  • 【言い換え】お忙しい中にもかかわらずご返信(お返事・ご連絡)いただき、+お礼
  • 【言い換え】お忙しい折にもかかわらずご教示(ご確認・ご対応など)いただき、+お礼

のようにすると目上なり上司・取引先への配慮が感じられて好感がもてます。

ご多用=忙しいこと」「ご多忙=とても忙しいこと」をつかっても言い換えできます。

また。

上司なり目上に著しく負担をかけたのであれば「ありがとう」よりも「恐縮です」「恐れ入ります」といった、申し訳なく思う気持ちをあらわすフレーズをつかうとより丁寧です。

【敬語および言葉の補足】

※「折(おり)」は「季節、時節、時期」の意味

※「~の中」は「最中」の意味

※「○○いただき~」は「○○いただきまして」「○○くださいまして」と言い換えてもOK

類語④『無理なお願いにもかかわらず〜頂きありがとう』など

「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」は「無理なお願いにもかかわらず〜頂きありがとう」に言い換えできます。

意味はそのままダイレクトに「無理なお願いにもかかわらず」。

使い方はたとえば、

  • 【言い換え】無理なお願いにもかかわらず、ありがとうございます。
  • 【言い換え】無理なお願いにもかかわらず、ありがとうございました。

というシンプルな使い方のほかにも。

より具体的に了解してもらったことの内容をもりこみ「無理なお願いにもかかわらず〜いただき+お礼」としても丁寧です。

たとえば、

  • 【言い換え】無理なお願いにも関わらずご参加(ご出席)いただけるとのこと、有難うございます。
  • 【言い換え】無理なお願いにも関わらず面談のお時間をいただけるとのこと、誠にありがとうございます。
  • 【言い換え】無理なお願いにも関わらずご承諾(ご了承)いただき感謝申し上げます。
  • 【言い換え】無理なお願いにも関わらずご対応(お取り計らい)いただき、お礼申し上げます。
  • 【言い換え】無理なお願いにも関わらずご確認いただき、大変恐縮です。

のようにして使います。

いずれの使い方も目上なり上司・取引先への配慮が感じられてすばらしく丁寧ですね。

また。

身勝手なお願いにも関わらず」と言い換えても丁寧です。

【敬語および言葉の補足】

※「○○いただき~」は「○○いただきまして」「○○くださいまして」と言い換えてもOK

※上司なり目上に著しく負担をかけたのであれば「ありがとう」よりも「恐縮です」「恐れ入ります」といった、申し訳なく思う気持ちをあらわすフレーズをつかうとより丁寧です。

類語⑤『勝手を申し上げたにも関わらず〜頂きありがとう』など

「ご無理を聞いて頂きありがとうございました」は「勝手を申し上げたにもかかわらず〜頂きありがとう」に言い換えできます。

意味はそのままダイレクトに「身勝手なことを言ったにもかかわらず」。

使い方はたとえば、

  • 【言い換え】勝手を申し上げたにもかかわらず、ありがとうございます。
  • 【言い換え】勝手を申し上げたかかわらず、ありがとうございました。

というシンプルな使い方のほかにも。

より具体的に了解してもらったことの内容をもりこみ「勝手を申し上げたにもかかわらず、〜いただき+お礼」としても丁寧です。

たとえば、

  • 【言い換え】勝手を申し上げたにも関わらずご参加(ご出席)いただけるとのこと、有難うございます。
  • 【言い換え】勝手を申し上げたにも関わらず面談のお時間をいただけるとのこと、誠にありがとうございます。
  • 【言い換え】勝手を申し上げたにも関わらずご承諾(ご了承)いただき感謝申し上げます。
  • 【言い換え】勝手を申し上げたにも関わらずご対応(お取り計らい)いただき、お礼申し上げます。
  • 【言い換え】勝手を申し上げたにも関わらずご確認いただき、大変恐縮です。

のようにして使います。

いずれの使い方も目上なり上司・取引先への配慮が感じられてすばらしく丁寧ですね。

また。

身勝手なお願いにも関わらず」と言い換えても丁寧です。

【敬語および言葉の補足】

※「○○いただき~」は「○○いただきまして」「○○くださいまして」と言い換えてもOK

※上司なり目上に著しく負担をかけたのであれば「ありがとう」よりも「恐縮です」「恐れ入ります」といった、申し訳なく思う気持ちをあらわすフレーズをつかうとより丁寧です。

どれも丁寧だがビジネスシーンに応じて使い分け

で、

結局どれがもっとも丁寧なのか?ということですが・・・

正直なところすべて等しく丁寧です。

ただしビジネスシーンに応じてふさわしい、ふさわしくない事があります。日本語ネイティブの皆さまであれば大丈夫とは思いますが、言葉の意味を考えてつかいましょう。

また結婚や出産・その他めでたいシーンで「忙」はNGとなるためご留意を。

【例文】ビジネスメール全文