敬語「お読みいただく vs くださる」の意味と違い・使い方

あとはビジネスシーンごとに「お読み」の使い方・例文を紹介しておきます。

どの例文も上司や目上・取引先などのビジネスメールに使える丁寧な敬語フレーズにしています。ご参考にどうぞ。

すでに登場した例文もありますが、いちおう全てをまとめておきます。

依頼・お願いビジネスメール結びに使う”お読み”

ビジネスにおける「お読み」のいろいろな使い方

何かしら目上や上司・取引先に「読んでほしい!!」とお願い・依頼したいときは…

たとえば、

  • 例文「お読みくださいますようお願い申し上げます」
    意味は「読んでくれるようお願いします」
  • 例文「お読みをお願い致します」
    意味は「読んでほしい、お願いします」
  • 例文「お読みいただきたく、お願いいたします」
    意味は「読んでほしい、お願いします」
  • 例文「お読みいただきますようお願い申し上げます」
    意味は「読んでもらうようお願いします」
  • 例文「お読みいただければ幸いです」
    意味は「読んでもらえたら嬉しいです」
  • 例文「お読みいただきたく存じます。何卒よろしくお願い致します」
    意味は「読んでもらいたいと思います」
  • 例文「お読みいただければと存じます。何卒よろしくお願い致します」
    意味は「読んでもらえたらと思います」

のようにお願いすると丁寧です。

「お読みいただければ幸いです」「お読み賜りますようお願い申し上げます」がもっとも丁寧な敬語であり、あとはほぼ等しいレベル。

それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。

ようするにすべて「読んでね!よろしく」という意味なのです。

・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」

自分が”読む”ときに使える敬語

ビジネスにおける「お読み」のいろいろな使い方

自分が「読みます!」と言いたいときには…

  • 【現在形】お読みします/お読みいたします
  • 【過去形】お読みしました/お読みいたしました
  • 【進行形】お読みしております/お読みいたしております
  • 【希望①】お読みしたく思います/お読みいたしたく思います
  • 【希望②】お読みしたく存じます/お読みいたしたく存じます

こんな感じの敬語をつかいます。

「お(ご)~します」は謙譲語「お(ご)〜する」+丁寧語「ます」

「お(ご)~いたします」は謙譲語「お(ご)〜いたす」+丁寧語「ます」

「~いたします」の部分にするべきことの中身がはいります。

たとえば、

何かしら連絡しなければいけないのであれば「(ご)連絡いたします」

何かしら対応しなければいけないのであれば「(ご)対応いたします」

ここで「(ご)確認いたします」というように( )書きにしているのは「確認いたします」としても丁寧な敬語だから。

ちなみに敬語「お(ご)~いたします」「お(ご)~します」は自分が「~する」ときにつかいます。

相手に「読んでもらう」としたいときには…

「お読みいただく=読んでもらう」
「お読みくださる=読んでくれる」

という敬語をつかいます。

断りのビジネスメールに使う”お読み”

ビジネスにおける「お読み」のいろいろな使い方

「読むことができません!」と言いたいときには…

①上司なり取引先・目上の相手が「読むことができません!」とするときは…

  • 【例文】お読みいただけません
  • 【例文】お読みいただくことはできません

②▼自分が「読むことができません!」とするときは…

  • 【例文】お読みいたしかねます
  • 【例文】お読みしかねます
  • 【例文】●●のためお読みすることが叶いません
  • 【例文】お読みすることが大変困難でございます

無理やり感のある例文になってしまいました…すみません。

こんなときには「ご対応いたしかねます」などの敬語をつかいますね。

また「〜いたしかねる(兼ねる)」は「~することができない」という意味の敬語。否定語であり「〜しかねる」の謙譲語です。

たとえば、

  • 【例文】お応えいたしかねます
    意味は「添うことができません」
  • 【例文】お受けいたしかねます
    意味は「受けることができません」
  • 【例文】ご対応いたしかねます
    意味は「対応することができません」

などのようにして使います。ビジネスメールでは例文のように丁寧語「ます」をくっつけて「〜いたしかねます」として使うのが一般的

「〜しかねる」自体は敬語でもなんでもありませんが「できません」よりも丁寧に聞こえるため重宝するフレーズです。

ちなみに断りの敬語フレーズはほかにも「遠慮させていただきます」「●●には添いかねます」などいろいろあります。

お礼メールに使う”お読み”

ビジネスにおける「お読み」のいろいろな使い方

あとはビジネスシーンで相手に何かしら読んでもらったときの、お礼ビジネスメールにも使えます。

「読んでもらいありがとう!」と言いたいときには…

  • 例文「お読みありがとうございます」
  • 例文「お読みいただきありがとうございます」
  • 例文「お読みいただきましてありがとうございました」
  • 例文「お読み賜りましてありがとうございました」
  • 例文「お読みくださいましてありがとうございました」

のようにビジネスメール書き出しの挨拶にお礼として使うと丁寧です。

それぞれ意味や敬語の違いはありますが、結局はおなじことを述べています。

ようするに「読んでくれてありがとう!」という意味なのです。

どれも丁寧な敬語ではありますが、もっともかしこまった敬語は「~賜りましてありがとう」です。あとはどれも似たような丁寧レベル。

ほかにも色々ある”お読み”の例文

敬語の種類というのは本当にいろいろあります。

ほんの一例ですが他にもある使い方を例文にまとめておきます。

  • 例文「お読みいただきたく存じます」
    ※意味は「読んでもらいたいと思います」希望
  • 例文「お読みいただければと存じます」
    ※意味は「読んでもらえたら嬉しいです」希望
  • 例文「お読みいただければ幸いです」
    ※意味は「読んでもらえたら嬉しいです」仮定
  • 例文「お読みいただけましたら幸いです」
    ※意味は「読んでもらえたら嬉しいです」仮定
  • 例文「お読みいただけましたら幸甚に存じます」
    ※意味は「読んでもらえれば嬉しく思います」仮定
  • 例文「お読みいただければ幸甚に存じます」
    ※意味は「読んでもらえれば嬉しく思います」仮定
  • 例文「お読みいただけますか?」
    ※意味は「読んでもらえるか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
  • 例文「お読みいただけますでしょうか?」
    ※意味は「読んでもらえるだろうか?」でとくに会話シーンで使われるフレーズ
・「存じる」は「思う」の謙譲語
・「いただきたく」は謙譲語「いただく」+希望「~したい」
・「いただければ」は謙譲語「いただく」+可能形+仮定「たら・れば」
・「いただけましたら」は謙譲語「いただく」+丁寧語「ます」+仮定「たら・れば」

“お願い申し上げます=お願い致します”

ところでビジネスシーンでは、

「お読みくださいますようお願い申し上げます」としても丁寧ではありますが…

「お読みくださいますようお願いいたします」「お読みくださいますようお願い致します」と言い換えすることもできます。

また「どうか」という意味の「何卒(なにとぞ)」をつかい、

「お読みくださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます」

頭の片隅にいれておきましょう。