新日鐵住金の年収は高い?低い?年収ランキングからは見れない事実

新日鐵住金の大卒総合職(文系&理系)って年収高い?低い?一般的な年収ランキングからは分からない総合職の給料をまとめてみました。

新卒(学部卒/院卒)〜20歳代・30歳・35歳・40歳・50歳での目安年収と、各役職ごとの目安年収、残業代こみ年収、福利厚生のまとめとなります。

※追記)地域総合職と一般職の年収も追加しました。

転職・就活のご参考にどうぞ。

新日鐵住金の平均年収・平均年齢・平均勤続年数

まずは会社全体の年収を見ていきます(数字は2016年の有価証券報告書より)。

  • 平均年収:625万円
  • 平均年齢:38.7歳
  • 平均勤続年数:16.9年
  • 参考|
    2015年の平均年収|620万円
    2014年の平均年収|569万円
    2013年の平均年収|567万円

※平均年収は一つ前の年度の有価証券報告書を参照。たとえば「2016年=2015年度実績」となります。

「新日鐵住金」という会社をご存じない就活生のために、ひとこと解説。

新日鐵住金は鉄鋼メーカー国内トップ企業。世界ではNo.4の粗鋼生産量(46百万トン)をほこる。旧)住友金属と旧)新日鐵の合併により誕生した会社である。

  • 本社:東京都千代田区丸の内2丁目6-1
  • 設立:1950年
  • 2015年度決算:
    売上 4.9 兆円
    純利益 1454 億円

それでは概要を解説したところで、大卒・総合職の目安年収を見ていきましょう。

新日鐵住金の大卒・総合職の目安年収

①年齢ごとの年収目安(残業代・各種手当て別)

年 齢 役 職 年 収 基本給
万円/月
ボーナス
月数/年
~29歳 ~統括2 540万円 30 6.0
30歳 統括2 558万円 31 6.0
31歳 AM(主査) 800~1000万円 年棒制 年棒制
35歳 AM(主査) 800~1000万円
M1(課長) 1000~1200万円
40歳 AM(主査) 800~1000万円
M1(課長) 1000~1200万円
45歳 AM(主査) 800~1000万円
M2(次長) 1200~1400万円
50歳 AM(主査) 800~1000万円
M2(次長) 1200~1400万円
55歳 AM(主査) 800~1000万円
M1(課長) 1000~1200万円
60歳 AM(主査) 720万円 40 6.0

※AM(主査=アシスタント・マネージャー)から管理職あつかい。裁量労働制+年棒制となり一定の残業代(みなし労働手当て)を含む。
※総合職であれば統括2まではほぼ自動的に昇格(ほぼ2年毎に形式上の昇格試験がある)。
※AM(主査)への昇進で同期でも差が出る。数年の遅れはでるが、いずれは昇格する(総合職であれば)。
※管理職以降は年棒制であるため年棒が先に決まり、ボーナスは適当に決まる。年棒制であっても会社業績や個人査定によって上下あり、もっと上に振れることもある。
※年収はボーナス額で大きく変動する。2016年時点の業績だとこれくらいだが、業績がよければ10ヶ月分/年を超えたりする。

②役職ごとの目安年収(残業代・各種手当て別)

役 職 年 齢 年 収 基本給
万円/月
ボーナス
月数/年
~統括2 ~30歳 ~558万円 ~31 6.0
AM(主査) 31~40歳 800~1000万円 年棒制 年棒制
M1(課長) 35歳~ 1000~1200万円
M2(次長) 40歳~ 1200~1400万円
M3(部長) 45歳~ 1400~1600万円

※AM以降は裁量労働制のため、基本給に残業代(みなし労働手当て)を含む

  • 新卒-30歳|役なしではあるが3年おきにポジションが昇格し、そのたびにそれなりの昇給がある。もちろん毎年の昇給もあるが、ポジションの上がるタイミングでしか大きく上がらない。
  • 31歳~|AM(主査)へ昇格。裁量労働制となり、残業代は年棒に含まれる。残業がいちじるしく多い部署をのぞき一括の「みなし労働手当て」が残業代の代わりに支給される。
  • 35-40歳|M1(課長)になれるかどうかで年収が大きく変わる。同期入社の1/3人くらい。
  • 40-45歳|M2(課長)になれるかどうかで年収が大きく変わる。
  • 50-60歳|部長、理事、役員へ昇格できる人は少ないため無視している。

③残業代込みの目安年収(月40h残業と仮定)

新日鐵住金の特に理系は激務になりがちで、基本給+ボーナスの年収目安では意味がありません。そこで月40時間残業したと仮定して年収をまとめます。

年 齢 役 職 年 収 基本給
万円/月
ボーナス
月数/年
~29歳 ~統括2 642万円 30 6.0
30歳 統括2 680万円 31 6.0
31歳 AM(主査) 800~1000万円 年棒制 年棒制
35歳 AM(主査) 800~1000万円
M1(課長) 1000~1200万円
40歳 AM(主査) 800~1000万円
M1(課長) 1000~1200万円
45歳 AM(主査) 800~1000万円
M2(次長) 1200~1400万円
50歳 AM(主査) 800~1000万円
M2(次長) 1200~1400万円
55歳 AM(主査) 800~1000万円
M1(課長) 1000~1200万円
60歳 AM(主査) 720万円 40 6.0

※AMになると残業代ゼロになり、年棒にすべて含まれます。

▼▼▼

ここでは残業月40時間として計算しました。

ただし、本当はもっと残業している社員が多いと思われます。新日鐵住金の場合、36協定の上限が45H/月に設定されていると想定されます。45H/月を超えた分はサービス残業か、代休をとることになるでしょう。

そして残業代がゼロになるAM(主査)クラスは、実際には「みなし労働手当て」以上の残業をする羽目になり、時給換算では大きく年収が下がることになります。

それが嫌な人はAM(主査)を迎える前に転職しましょう。

④注意点

【注意①】年収はボーナスの額により変わる(ここではボーナス6.0ヶ月/年の想定)。業績がよくなれば平均して年収50万円は普通に上がる。

【注意②】賞与は「個人の査定・(部課)目標の達成度・会社業績」によって決まる。このうち影響大きいのが会社業績、次に個人の査定。会社の業績が伸びなければボーナスも伸びない。組合員であれば年によって、最低4ヶ月/年~最高12ヶ月/年くらいの差がある。課長以上は年棒制であるため、まずは年棒がきまりボーナスは適当に決められる。

【注意③】同期入社であれば30代中盤までは年収に差がつかない。差がつくのはそれ以降。

【注意④】サービス残業が常態化している。今後は改善するかも?

【注意⑤】AM(主査)クラスは裁量労働制。残業代ゼロの代わりに「みなし労働手当て」が支給される。ただし、著しく残業の多い部署は追加で残業代が支給される。

【注意⑥】管理職になると残業代はゼロ。

【注意⑦】年功序列だが、今後は実力主義にシフトするかも。

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まとめると、新日鐵住金の年収はボーナス次第(どこもそうかな?)。ボーナスの振れ幅がおおきく最低4ヶ月~最高12ヶ月とかになるため、鉄鋼市況がよくなることを祈りましょう。

地域総合職と一般職の年収

地域総合職と一般職の年収は上記の年収を

地域総合職は総合職の8割くらい、

一般職は総合職の6割くらい、

にしたイメージです。若いうちは年収の絶対額が低いため、そこまで大きな差は感じられないでしょう。当たり前ですが、年齢を重ねるほどに年収の差は開いていきます。

また、地域総合職と一般職は課長には出世できないとお考えください。

地域総合職であればAM(主査)が限界、

一般職であれば役職なしのまま会社人生を終える人が多いでしょう。

とはいえ、役職なしには残業代がちゃんとつけられるため基本給が上がると、お得になっていきます。残業代は基本給をベースに算出されるため、基本給が高ければ高いほど、残業の時給は高くなります。

新日鐵住金の福利厚生

  1. 独身寮|あり
  2. 社宅|あり
  3. 世帯手当|なし
  4. 住宅補助|なし
  5. 残業代|
    ・AM(主査)は裁量労働制であり残業代はゼロ。その代わりに「みなし労働手当て」が基本給に含まれる。
    ・管理職以降は残業代ゼロ。
  6. その他の福利厚生|通勤手当、出張手当、外勤手当、現場手当など
  7. その他の注意事項|

まとめると新日鐵住金の福利厚生は、イマイチ。寮や社宅あることが唯一のすくい。

福利厚生込みの年収を知りたい方は残業代込み年収に、福利厚生の金額(おおむね30万円/年くらい)を加算しましょう。

鉄鋼・非鉄金属業界の中でどのくらい?

新日鐵住金の年収は鉄鋼・非鉄金属業界の中では「トップクラス」です。

また、メーカー業界全体でみると「会社の業績=ボーナスによる」。基本給は他大手メーカーと大して変わりませんが、ボーナスの振れ幅が大きすぎて計測不能です。ボーナスが10ヶ月分とかになるとメーカートップの年収になりますし、ボーナスが6ヶ月分だと大手メーカーの年収です。

で結局、新日鐵住金の年収って高いの?低いの?と聞かれても「その年の業績による」としか答えようがありません。申し訳ありません。

ある程度まとまったら年収ランキングを作りますね(準備中)。

新日鐵住金に転職・就職するあなたへ

鉄鋼業界の今後の動向

まず鉄鋼業界の流れと、今後の動向をざっくりと解説します。

  1. 建築、造船、自動車生産の拡大期
  2. 生産能力を拡大するだけでビジネス拡大
  3. インフラ投資、建設、造船需要の減少、自動車生産の海外シフト
  4. ビジネスも頭打ち~減少
  5. 輸出して余っているキャパを埋めよう!
  6. ちょうどよく中国の需要拡大により鉄鋼バブル発生!!
  7. 資源バブル崩壊、中国・韓国勢の台頭、グローバルでの生産余剰により厳しい時代へ
  8. 国内の生産能力縮小、さらなる業界再編なるか??(今ココ!!)
  9. 中国勢が淘汰されるのを待ち、市況が回復することを祈る…
  10. グローバルでそれなりにビジネスを展開

今後の課題は人口が減り、インフラ・建築・自動車需要が減っていく中で、どうビジネスを拡大していくか、という点につきます。まぁ誰にでも思いつくアイディアとしては「グローバル展開」「国内の業界再編」になります。

ただし特に何もしなくても会社の規模をダウンサイジングし、さらに業界再編で鉄鋼メーカーの数を減らせば、国内だけの経営でもそれなりにはやっていけるでしょう。

(国内自動車の生産や建築はゼロにはならないため)

建設業界の課題と今後の動向について、くわしくはこちらの記事(”3分でわかる鉄鋼業界。今後の動向と将来性まとめ2016年①世界情勢 ”)にしています。

新日鐵住金の将来性。今後どうなる?

新日鐵住金はグローバル展開の強化と、国内工場の競争力強化をテーマにかかげています。

国内の老朽化した工場は廃炉にし、海外ではすでに資本の入っている現地合弁会社へ積極的に関与していくものと考えます(今までは技術の流出を恐れ、放置気味であった)。

結論として、新日鐵住金は短期的には厳しい状況に置かれていますが、長期的には何も問題ないでしょう。

新日鐵住金の激務度・ブラック度

新日鐵住金は部署や上司によって、激務度がぜんぜん違います。

基本、製造現場は24時間体制であり、トラブルの際には呼び出しで休日もつぶれます(これは製造業に共通なのですが、鉄鋼は設備がとんでもなくでかいため、トラブルもとんでもなくでかい)。つまり激務になりがち。

いっぽうで、既存のビジネスと関係のない基礎研究所などは仕事まったり。プライベートが調整しやすいでしょう。

ただし鉄鋼業界は古くからの業界であり、とても官僚的な体質であることはあらかじめ認識しておきましょう。

鉄鋼・非鉄金属業界の業界研究記事

新日鐵住金の社員クチコミ・評判

新日鐵住金の「①激務度・ブラック度」「②年収事例」「③キャリアパス(出世の難易度)」「④その他」「⑤福利厚生」に関して情報をお持ちの方へ。「コメント欄」にてご教示いただければ幸いです。

転職者・就活生の役に立つようなコメントでしたら何でも構いません。事実に基づく批判もウェルカムです。

またデータには万全を期しておりますが、2017年公開時点での情報ですのでご了承ください。

それでは読者様からのご協力お待ちしておりますm(_ _)m