武田薬品工業の大卒総合職(文系&理系)って年収高い?低い?一般的な年収ランキングからは分からない総合職の給料をまとめてみました。とくに理系・研究開発職、事務系・間接部門の年収について。MR(営業)の年収については別途、記事にします。
新卒(学部卒/院卒)〜20歳代・30歳・35歳・40歳・50歳での目安年収と、各役職ごとの目安年収、残業代こみ年収、福利厚生のまとめとなります。
※追記)地域総合職と一般職の年収も追加しました。
転職・就活のご参考にどうぞ。
武田薬品工業の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
まずは会社全体の年収を見ていきます(数字は2016年の有価証券報告書より)。
- 平均年収:959万円
- 平均年齢:40.0歳
- 平均勤続年数:14.5年
- 参考|
2015年の平均年収|945万円
2014年の平均年収|943万円
2013年の平均年収|955万円
2012年の平均年収|943万円(38.7歳)
2011年の平均年収|924万円(38.8歳)
2010年の平均年収|953万円(39.0歳)
2009年の平均年収|950万円(39.4歳)
2008年の平均年収|993万円(40.3歳)
2007年の平均年収|1013万円(40.9歳)
2006年の平均年収|1030万円(41.8歳)
※平均年収は一つ前の年度の有価証券報告書を参照。たとえば「2016年=2015年度実績」となります。
かつては工場ワーカーも併せた平均年収で1000万円ごえ、これは驚異的な数字。でも最近はピーク時から100万円くらい下がっている状況です(それでも依然として年収高い)。
「武田薬品工業」という会社をご存じない就活生のために、ひとこと解説。
武田薬品工業は製薬・医薬品メーカーの国内トップ企業(No.2は大塚HD、No.3はアステラス製薬)。国内トップ3社に第一三共、エーザイをくわえた5社を製薬大手5社という。ちなみに世界ランキングでみると日系製薬メーカーはいずれもトップ10以下であり、グローバルでは中小規模の枠を出ない。
- 本社:大阪府大阪市中央区道修町四丁目1番1号
- 設立:1950年
- 2015年度決算:
売上 1.8 兆円
純利益 801 億円
それでは概要を解説したところで、大卒・総合職の目安年収を見ていきましょう。
武田薬品工業の総合職(研究開発職)の目安年収
MR(営業)の年収は別でまとめるとして、今回は技術系・研究開発職と、事務系・間接部門の年収です(もちろん総合職のみ)。
①年齢ごとの年収目安(残業代・各種手当て別)
年 齢 | 役 職 | 年 収 | 基本給 万円/月 |
ボーナス 月数/年 |
---|---|---|---|---|
~29歳 | なし | 630万円 | 35 | 6.0 (※4) |
30歳 | 主任 | 810万円 | 45 (※1) |
6.0 |
35歳 | 主任 | 900万円 | 50 | 6.0 |
〃 | 課長代理 | 990万円 | 55 (※2) |
6.0 |
40歳 | 課長代理 | 1080万円 | 60 | 6.0 |
〃 | 課長 | 1260万円 | 70 (※3) |
6.0 |
45歳 | 課長代理 | 1080万円 | 60 | 6.0 |
〃 | 課長 | 1260万円 | 70 | 6.0 |
50歳 | 課長代理 | 1080万円 | 60 | 6.0 |
〃 | 課長 | 1260万円 | 70 | 6.0 |
55歳 | 課長代理 | 1080万円 | 60 | 6.0 |
〃 | 課長 | 1260万円 | 70 | 6.0 |
60歳 | 主任 | 810万円 | 45 | 6.0 |
(※1)(※2)主任クラス・課長代理は裁量労働制となる。基本給に一定の残業代(みなし労働手当て)を含む。総合職であれば主任まではほぼ自動的に昇格。課長代理は総合職であれば数年の遅れはあれど、いつかは昇格する。
(※3)課長への昇進で同期でも差が出る。総合職であっても昇格は難しい、同期入社1/5人くらいのイメージ?
(※4)年収はボーナス額で大きく変動する。そしてボーナスは会社業績(コア・アーニングス連動)と個人評価できまる。業績連動分は低位安定しているため大きく変わらないが、個人評価の良い人と悪い人で~1ヶ月/年の差がある。ここでは間をとった。
(※特別)同じ役職にずっと停滞していると、降格人事が行われる。行ったり来たりする。より外資系チックな年収体系に変わった。
②役職ごとの目安年収(残業代・各種手当て別)
役 職 | 年 齢 | 年 収 | 基本給 万円/月 |
ボーナス 月数/年 |
---|---|---|---|---|
なし | ~29歳 | ~595万円 | ~35 | 6.0 (※4) |
主任 | 30歳~ | 810~900万円 | 45~50 (※1) |
6.0 |
課長代理 | 32~40歳 | 990~1080万円 | 55~60 (※2) |
6.0 |
課長 | 40歳~ | 1260万円~ | 70~ (※3) |
6.0 |
部長代理 | 45歳~ | 1440万円~ | 80~ | 6.0 |
部長 | 45歳~ | 1800万円 | 100 | 6.0 |
※主任は裁量労働制のため、基本給に残業代(みなし労働手当て)を含む
※課長以上は残業代ゼロ
- 新卒-29歳|役なしではあるが3年おきくらいにポジションが昇格し、そのたびにそれなりの昇給がある。もちろん毎年の昇給もあるが、ポジションの上がるタイミングで大きく上がる。
- 30歳前後|主任クラスへ昇格。裁量労働制となり、残業代は基本給に含まれるものと想定。残業がいちじるしく多い部署をのぞき一括の「みなし労働手当て」が残業代の代わりに支給される。総合職であれば誰でも到達できる。
- 32~35歳|課長代理クラスへ昇格。裁量労働制となり、残業代は「みなし労働手当て」として基本給に含まれる。総合職であれば、いずれは到達する。
- 38~40歳|課長になれるかどうかで年収が大きく変わる。総合職であっても昇格は難しい、同期入社1/5人くらいのイメージ?
- 40~45歳|部長代理になれるかどうかで年収が大きく変わる。
- 45~50歳|部長になれるかどうかで年収が大きく変わる。
- 50~60歳|理事、役員へ昇格できる人は少ないため無視している。
③残業代込みの目安年収(月30h残業と仮定)
武田薬品工業のような巨大企業は激務度がマチマチであるため、平均の残業時間と言うのは意味ないのですが…。いちおうはメーカーの平均的な残業時間30h/月で、残業込み年収をまとめます。
年 齢 | 役 職 | 年 収 | 基本給 万円/月 |
ボーナス 月数/年 |
---|---|---|---|---|
~29歳 | なし | 719万円 | 35 | 6.0 (※4) |
30歳 | 主任 | 810万円 | 45 (※1) |
6.0 |
35歳 | 主任 | 900万円 | 50 | 6.0 |
〃 | 課長代理 | 990万円 | 55 (※2) |
6.0 |
40歳 | 課長代理 | 1080万円 | 60 | 6.0 |
〃 | 課長 | 1260万円 | 70 (※3) |
6.0 |
45歳 | 課長代理 | 1080万円 | 60 | 6.0 |
〃 | 課長 | 1260万円 | 70 | 6.0 |
50歳 | 課長代理 | 1080万円 | 60 | 6.0 |
〃 | 課長 | 1260万円 | 70 | 6.0 |
55歳 | 課長代理 | 1080万円 | 60 | 6.0 |
〃 | 課長 | 1260万円 | 70 | 6.0 |
60歳 | 主任 | 810万円 | 45 | 6.0 |
※主任・課長代理は残業代ゼロになり、基本給に「みなし労働手当て」が含まれると想定しています。
④注意点
【注意①】年収はボーナスの額により変わる(ここではボーナス6.0ヶ月/年の想定)。業績が良くなれば平均して年収100万円は普通に上がる。
【注意②】賞与は「個人の査定・会社業績(コア・アーニングス連動)」によって決まる。このうち影響大きいのが会社業績、次に個人の査定。会社業績連動分は低位安定しているため大きく変わらないが、個人評価の良い人と悪い人で~1ヶ月/年の差がある。組合員であれば年によって、最低4ヶ月/年~最高8ヶ月/年くらいの差がある。
【注意③】同期入社であれば30代中盤までは年収に差がつかない。差がつくのはそれ以降。
【注意④】主任クラスは裁量労働制。残業代ゼロの代わりに「みなし労働手当て」が支給される。ただし、著しく残業の多い部署は追加で残業代が支給される。
【注意⑤】管理職になると残業代はゼロ。
【注意⑥】成果主義とうたっているが実際には年功序列+ごますり主義。どの大企業も同じ。
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まとめると、武田薬品工業の年収は若いうちから高年収、30代中盤で頭打ちになるのが特徴的。メーカーの年収体系よりは商社の年収体系に近い。30代中盤以降も年収を伸ばそうと思うと運と実力、ゴマすりが必要。
地域総合職と一般職の年収
地域総合職と一般職の年収は上記の年収を
地域総合職は総合職の8割くらい、
一般職は総合職の6割くらい、
にしたイメージです。若いうちは年収の絶対額が低いため、そこまで大きな差は感じられないでしょう。当たり前ですが、年齢を重ねるほどに年収の差は開いていきます。
また、地域総合職と一般職は課長には出世できないとお考えください。
地域総合職であれば主任クラスが限界、
一般職であれば役職なしのまま会社人生を終える人が多いでしょう。
とはいえ、役職なしには残業代がちゃんとつけられるため基本給が上がると、お得になっていきます。残業代は基本給をベースに算出されるため、基本給が高ければ高いほど、残業の時給は高くなります。
武田薬品工業の福利厚生
- 独身寮|あり、なければ借り上げ社宅
- 社宅|あり、なければ借り上げ社宅
- 世帯手当|調査中
- 住宅補助|
・転勤者あり、他は1万円/月程度(調査中)。社宅や寮に入ること。 - 残業代|
・主任クラスは裁量労働制であり残業代はゼロ。その代わりに「みなし労働手当て」が基本給に含まれる。
・管理職以降は残業代ゼロ。 - その他の福利厚生|通勤手当、出張手当、外勤手当など
- その他の注意事項|
まとめると武田薬品工業の福利厚生は悪くない。
福利厚生込みの年収を知りたい方は残業代込み年収に、福利厚生の金額(おおむね50万円/年くらい)を加算しましょう。
製薬・医薬メーカー業界の中でどのくらい?
武田薬品工業の年収は製薬・医薬メーカー業界の中では「上の下~トップクラス」です。基本給は製薬大手5社(エーザイ、大塚、第一三共、アステラス、タケダ)と比べて低いものの、ボーナスで補う形となっています。
またメーカー業界全体でみると、製薬業界は年収高いため「トップクラス」となります。若いうちから高年収、30代中盤で頭打ちになるのが特徴的ですが、それを差し引いても素晴らしい年収です。
今後のことは正直、分かりません。製薬業界はギャンブルであり予測不能です。売れる新薬をいくつか投入できれば、20年(特許切れまでの期間)は計算できます。
ある程度まとまったら年収ランキングを作りますね(準備中)。
武田薬品工業に転職・就職するあなたへ
製薬・医薬業界の今後の動向(とくに先発製薬メーカー)
まず製薬・医薬品メーカー業界の流れと、今後の動向をざっくりと解説します。国内はとくに、ジェネリック医薬品を国策で増やしていったところが転換期になっています。
- 作れば売れる時代。新薬がどんどん上市
↓ - ブロックバスター時代(大型新薬をひとつでも開発すれば20年安泰)
↓ - 製薬バブル期へ突入!!
↓ - 開発をやりつくし、新薬開発の難易度はどんどん上がる。コストも上がる
↓ - そのうえ、国策でジェネリック薬品をどんどん増やすと言いやがる!!
↓ - ジェネリック薬品にシェアを奪われる先発薬品メーカー(武田など)…
↓ - 頼みの新薬もなかなか生み出せない(企業によるが…)
↓ - 2010年問題、1990年ころに開発した新薬の特許がどんどん切れていく
↓ - 新薬は自社開発するものではなく買うものだ!!海外M&Aを加速(今ココ!)
↓ - M&Aした企業の収穫期に入れるか??
↓ - 製薬業界は安定から、ギャンブル業界へ
製薬・医薬メーカー業界はこれまでが出来すぎでした(上述した通り)。国内はジェネリック医薬品にどんどんシェアを奪われ、新薬開発もリスクがどんどん上がる、残された道は業界再編とM&Aだけなのか!?
今後のことは正直、分かりません。製薬業界はギャンブルであり予測不能です。売れる新薬をいくつか投入できれば、20年(特許切れまでの期間)は計算できます。
武田薬品工業の将来性。今後どうなる?
武田薬品工業は4大ブロックバスター(売上10億ドル以上の商品 x 4)を生み出して以来、とくに大きなヒットを生み出していない。
自社で何も生まれないものだから、苦し紛れに海外企業のM&Aを繰り返し売上だけは伸びたものの、収益性ではどんどん落ちています。
そして経営陣の顔ぶれをみて分かるとおり、武田薬品工業はもはや外資系企業になっています。まるで、かつてのソニーを見ているかのような迷走ぶり。多くの外人を経営陣にすえているのは、リストラを実行するためであると考えます(カルロス・ゴーンと同じやり方)。
「研究開発の再編」という名の下でリストラを加速している
武田薬品工業は、リストラとまでは言わないものの、退職せざるを得ない状況へ、従業員の追い込みを加速させています(特に研究開発職)。
まるで、かつてのソニーを見ているかのような迷走ぶり(しつこい)。
具体的には研究開発拠点のリストラ、米国への集約を進めており日本の研究所は閉鎖もしくは縮小。このため職を失うであろう人材が多くいるのですが、用意されるポストは海外または子会社への出向。銀行マンと同じで、ある期間(~3年くらい)を経ると完全に子会社や出向先へ転籍となり、給料が大幅にダウンします。
そうすると普通の人は「早期退職」を選びます。これが末路を迎えた大企業のリストラ大会です。
なぜ公にならないのか?
というと、リストラ(解雇)ではなく配置転換(出向・転籍)だからです。でも実質はほぼ、リストラのようなものです。
年収1000万円だった給料が
「お前、来年から子会社に出向な。3年後には年収500万円になるから、よろしくね」
となったら、あなたはどうしますか?そうなる前に退職金を多く貰って辞めるでしょう。
※これから就職・転職するあなたには関係ないことかもしれませんが武田薬品工業は今後、高給で定年までヌクヌクやれるような企業ではなく、より厳しい状況になっていくでしょう。外資系っぽいドラスティックな会社になっていく可能性があることを、十分に認識しておいてください。
武田薬品工業の激務度・ブラック度
武田薬品工業は部署や上司によって、激務度がぜんぜん違います。
既存ビジネスの現場(MR営業、製造現場など)に近ければ近いほど激務になりますが、それも上司によります。
いっぽうで既存ビジネスと関係のない基礎研究所、開発職などは仕事まったり。プライベートが調整しやすいでしょう。
製薬・医薬メーカー業界の記事
- 準備中
武田薬品工業の社員クチコミ・評判
武田薬品工業の「①激務度・ブラック度」「②年収事例」「③キャリアパス(出世の難易度)」「④その他」「⑤福利厚生」に関して情報をお持ちの方へ。「コメント欄」にてご教示いただければ幸いです。
転職者・就活生の役に立つようなコメントでしたら何でも構いません。事実に基づく批判もウェルカムです。
またデータには万全を期しておりますが、2017年公開時点での情報ですのでご了承ください。
それでは読者様からのご協力お待ちしておりますm(_ _)m