恐縮の至り(読み:きょうしゅくのいたり)
恐縮の極み(読み:きょうしゅくのきわみ)
恐縮の限り(読み:きょうしゅくのかぎり)
の意味とビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方、注意点について。ビジネスメールの例文つきで誰よりも正しく解説する記事。
まずは要点のまとめから。
恐縮 の意味は…
① おそれて身がすくむこと
② 相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして申し訳なく思うこと
至り/極み/限り の意味は「この上ない」
至り=ある物事が最高の状態に達していること
極み=極まるところ、この上なしというところ
限り=限界、果て
ということで、
上記2つの単語をあわせると「恐縮の至り/恐縮の限り/恐縮の極み」の意味はどれも同じく…
- この上なく恐れ入ること
- この上なく申し訳ないと思うこと
ということになります。
「恐縮の至り/恐縮の限り/恐縮の極み」の使い方はホントにいろいろあり、「申し訳なく思う気持ち」「恐れ入る気持ち」をあらわしたいビジネスシーンであれば、たいてい使えます。
例文でみたほうが分かりやすいため、
代表的な使い方を少し(意味などくわしくは本文にて)
- 例文①たいそうなお品をいただき、恐縮の至り/恐縮の限り/恐縮の極みでございます
- 例文②私事にて恐縮の至り/恐縮の限り/恐縮の極みでございます
- 例文③お忙しいところ恐縮の至り/恐縮の限り/恐縮の極みではございますが、
- 例文④恐縮の至り/恐縮の限り/恐縮の極みに存じますが〜
上記の例文はどれも丁寧な敬語であり、
ビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)で使うのにふさわしい敬語フレーズです。
ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、本文中ではいろいろな例文を使いながら意味、使い方、注意点について説明していきます。
恐縮の至り・限り・極み の意味と使い方
意味
恐縮の至り/限り/極み の意味は冒頭でも解説したとおり
①この上なく、おそれて身がすくむこと
②これ以上ないほど、申し訳なく思うこと
たとえば、
「お忙しいところ恐縮の至りではございますが、ご返信のほどお願い申し上げます」とすると、
- 忙しいところホントに申し訳なく思うのだけど…メール返信してほしい
の意味となり、お願いごと・お詫び・申し訳なく思う気持ちを示したいときに使います。
「身に余るお言葉をいただき恐縮の至りです」とすると、
「褒めてもらって、ホントに恐れて身がすくむ思いです」という意味の丁寧な敬語フレーズになります。「ありがとう」とシンプルにお礼するよりも「こんな私に~してくれてホント恐れ入りますわ~」というような謙遜の気持ちが表れていて好感がもてますね。
使い方
「恐縮の至り/限り/極み」にどんな語を組み合わせるかでイロイロな敬語フレーズを作ることができます。
たとえば、
- 丁寧語「です」を組み合わせると「恐縮の至り/限り/極みです」
- 丁寧語「ございます」を組み合わせると「恐縮の至り/限り/極みでございます」
- 「思う」の謙譲語「存じる」を組み合わせると「恐縮の至り/限り/極みに存じます」
- あとに文章を続けたいのであれば「恐縮の至り/限り/極みですが~」「恐縮の至り/限り/極みではございますが~」
こんな感じで敬語フレーズを作ることができます。
ビジネスシーンでの使い方は、
①お願い・依頼、②お礼・感謝、③お詫び・謝罪 などで使います。「申し訳なく思う気持ち」「恐れ入る気持ち」を表したいときに使うとよいでしょう。
恐縮の至り をもっともよく使う
恐縮の至り/限り/極み はどれもおなじような意味ですが違いはというと…
使い勝手の良さというか、よく使われるフレーズかどうかに違いあり。
なぜかはよく分かりませんが「恐縮の至り」がもっともよく目にしたり耳にする表現です。
恐縮の至り/限り/極み と「大変恐縮」「至極恐縮」の違い
恐縮の至り/限り/極み と似たような表現には「大変恐縮」「至極恐縮」のような語があります。
これらの違いは以下のとおり
- 恐縮の至り/限り/極み=至極恐縮
- 「大変恐縮」は恐縮の度合いが低い
「大変」と至り/限り/極み/至極 とは意味が違います。「究極に至ってこれ以上はない」というときに至り/限り/極み/至極をつかい、「大変」だと「すごく・とても・非常に」という意味になります。
したがって、普段のビジネスメール・会話では「大変恐縮」で十分であり、ホントにとんでもなく恐縮するような事態がおきたときにだけ「恐縮の至り/限り/極み」
さてここからは、
「恐縮の至り/限り/極み」のビジネスシーン(メール・手紙・文書・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい例文と使い方を紹介します。
例文①~をいただき恐縮の至り/限り/極みです
恐縮の至り/限り/極み のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
- 例文「~をいただき恐縮の至り/限り/極みです」
- 例文「~をいただき恐縮の至り/限り/極みでございます」
「~」の部分にはイロイロな言葉が使えます。
たとえば、
- 例文「お心遣いをいただき恐縮の至り/限り/極みでございます」
- 例文「本日はお足元の悪いなかご足労いただき、恐縮の至り/限り/極みでございます」
- 例文「このたびはたいそうなお品をいただき恐縮の至り/限り/極みでございます」
- 例文「身に余るご評価をいただき恐縮の至り/限り/極みでございます」
「~をしてもらって、この上なく申し訳ない・恐れ入る」
「~をもらって、この上なく申し訳ない・恐れ入る」
「恐縮の至り/限り/極み」のもっともオーソドックスな使い方となります。「もらう・~してもらう」の謙譲語「いただく」を使い敬語にしています。
使い方
~をいただき恐縮の至り/限り/極みです の使い方は…
お土産をもらったり、何かしらの気づかいをしてもらった相手に伝えるお礼のフレーズとして使われます。
「ありがとう」とシンプルにお礼をするのもいいのですが、「恐縮」を使うことによって「こんな私のために~してくれて申し訳ない」という謙った(へりくだった)ニュアンスにしています。
ビジネスではつねに低姿勢であることが好まれます。
相手に負担をかける何かをさせたのであれば、「恐縮です・恐れ入ります」といったフレーズを使うとよいでしょう。
以下の例文もあわせてご参照ください。
ビジネスメール例文
- 例文(お礼メール)
~前中略~
このたびは、結構なお品をいただき厚くお礼申し上げます。
いつもながらお心遣いをいただき恐縮の至り/限り/極みでございます。 - 例文(相手に褒められた)
身に余るご評価をいただき恐縮の至り/限り/極みでございます。
結構な品=すばらしい品
例文②私事にて恐縮の至り/限り/極みです
恐縮の至り/限り/極み のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
- 「私事にて恐縮の至り/限り/極みです」
- 「私事にて恐縮の至り/限り/極みでございます」
あるいは、
「私事にて恐縮の至り/限り/極みではございますが、~」
「私事にて恐縮の至り/限り/極みですが、~」
※ 私事の読みは「わたくしごと」
「自分や家族の事で、この上なく申し訳ない」
ここで、私事(わたくしごと)は自分のことだけでなく身内にぞくする全ての都合のことを指します。
つまり家族のことであっても「私事」になります。敬語を使うときには相手からみたときに「ウチ」なのか「ソト」なのかを考える必要あり。
使い方
私事にて恐縮の至り/限り/極みです の使い方は…
ビジネスに関係ない自分の話をするときのクッション言葉として、「いや~自分のことでホントに申し訳ないんだけどさ…」のようなニュアンスで使います。
たとえば、
空き巣被害にあいまして…
私事にて恐縮の至り/限り/極みですが、事後処理のため本日休みをいただきます。
のように使うとよいでしょう。すると「いや~自分の都合でホントに申し訳ないんだけど休みますわ~」の丁寧な敬語フレーズになります。
その他にもイロイロな使い方ができます。
以下例文もあわせてご参照ください。
ビジネスメール例文
- 例文(上司への結婚報告メール)
~前中略~
私事にて大変恐縮です。
昨日10月10日に入籍いたしましたので、ご報告申し上げます。
結婚を機にますます仕事に精進して参りますので、
今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。 - 例文(商談)
実家が津波の被害にあいまして…
私事にて恐縮の至り/限り/極みですが、事後処理のため本日休みをいただきます - 例文(子供の風邪で休むメール)
本日、息子の急病のため休みをいただきます。
私事にて恐縮の至り/限り/極みではございますが、ご了承のほどお願い申し上げます。 - 例文(家族の都合で休むメール)
本日、母の介護のため休みをいただきます。
私事にて恐縮の至り/限り/極みではございますが、ご了承のほどお願い申し上げます。
例文③お忙しいところ恐縮の至り/限り/極みではございますが、
恐縮の至り/限り/極み のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
- 例文「お忙しいところ恐縮の至り/限り/極みではございますが、~」
- 例文「お忙しいところ恐縮の至り/限り/極みですが、~」
「~」の部分にはいろいろなフレーズがきます。
たとえば、
- 例文「お忙しいところ恐縮の至り/限り/極みではございますが、ご返信いただければ幸いです」
- 例文「お忙しいところ恐縮の至り/限り/極みですが、ご対応いただければ幸いです」
- 例文「お忙しいところ恐縮の至り/限り/極みですが、ご連絡くださいますようお願い申し上げます」
「忙しいところ、この上なく申し訳ないのですが…」
使い方
お忙しいところ恐縮の至り/限り/極みですが~ の使い方は…
とくにビジネスメールに使われる、相手を気づかうクッションフレーズです。あとに続けて、何かしらの「お願い・依頼」がつづきますね。
ただし、
「至り/限り/極み」は「これ以上ない」という大げさな表現であるため、本当に申し訳なく思ったときだけにしましょう。普段のビジネスメールであれば「大変恐縮ではございますが、~」で十分に丁寧な敬語です。
その他にもイロイロな使い方ができます。
以下例文もあわせてご参照ください。
ビジネス例文
- 例文(ビジネスメール結び)
~前中略~
お忙しいところ恐縮の至り/限り/極みではございますが、ご返信いただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。 - 例文(ビジネスメール結び)
~前中略~
お忙しいところ恐縮の至り/限り/極みではございますが、
ご連絡くださいますようお願い申し上げます。 - 例文(ビジネスメール結び)
~前中略~
お忙しいところ恐縮の至り/限り/極みではございますが、
弊社オフィスまでお越しいただければと存じます。
何卒よろしくお願い申し上げます。 - 例文(ビジネスメール結び)
~前中略~
お忙しいところ恐縮の至り/限り/極みではございますが、
ご検討のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
例文④~のお願いにて恐縮の至り/限り/極みに存じますが、
恐縮の至り/限り/極み のビジネスシーン(メール/手紙/文書/社内上司/社外取引先/目上/就活/転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文。
- 例文「差し出がましいお願いにて恐縮の至り/限り/極みに存じますが、~」
- 例文「ぶしつけなお願いにて恐縮の至り/限り/極みに存じますが、~」
「~」の部分にはいろいろなフレーズがきます。たとえば、
- 例文「・・のお願いにて恐縮の至り/限り/極みに存じますが、ご対応いただければ幸いです」
- 例文「・・のお願いにて恐縮の至り/限り/極みに存じますが、ご了承のほどお願い申し上げます」
- 例文「・・のお願いにて恐縮の至り/限り/極みに存じますが、お取り計らいのほどお願い申し上げます」
「差し出がましいお願いでホントに申し訳ありませんが~」
「ぶしつけなお願いでホントに申し訳ありませんが~」
ここで、
「差し出がましい」は「余計なこと・でしゃばり・出すぎたマネ」の意味。自分のした行為にたいして「余計なんだけど…」と謙って(へりくだって)使う言葉です。
「ぶしつけな」は「無作法な、礼儀をわきまえない」の意味。自分のした行為にたいして「無作法で申し訳ないのだけど」と謙って(へりくだって)使う言葉です。
使い方
のお願いにて恐縮の至り/限り/極みに存じますが~ の使い方は…
例文②と同じく、とくにビジネスメールに使われる、相手を気づかうクッションフレーズです。あとに続けて何かしらの「お願い・依頼」がつづき、ビジネスメールの結びとなります。
ただし繰り返しにはなりますが、
「至り/限り/極み」は「これ以上ない」という大げさな表現であるため、本当に申し訳なく思ったときだけにしましょう。普段のビジネスメールであれば「大変恐縮ではございますが、~」で十分に丁寧な敬語です。
恐縮の至り/限り/極み の類語と言い換え
恐縮の至り/恐縮の限り/恐縮の極み の類語と言い換えについて。
ビジネスシーンでも使える言い換え表現をざっくりまとめておきます。
至極恐縮
恐縮の至り/恐縮の限り/恐縮の極み の言い換え or 類語としてもっともオーソドックスなのが「至極恐縮」です。
意味と使い方はまったく同じであるため省略します。
恐縮至極
至極恐縮の順序をかえて「恐縮至極」としても使えます。こちらも恐縮の至り/恐縮の限り/恐縮の極みの類語・言い換えとして使えます。