「構いません」の代わりに使える8つの敬語(対目上の人・ビジネス)

構いません(読み:かまいません)は目上のひとに失礼?

と心配されているあなたへ。

「構いません」のビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい敬語を例文で紹介する記事。

まずは要点のまとめから。

構いません の意味は

・問題ないです、気にしません、差し支えありません、気づかわなくていいよ

構う は「気をつかう、気にする、世話を焼く」

という意味であり、
否定「ない」を使っているため反対の意味となります。

ここで「ません」は丁寧語「ます」+否定の「ない」をつかって敬語にしています。

構いません の使い方は?

① わたしは一向に構いません

② はい、それで構いません

③ 飲み物はなんでも構いません

こんな感じで使います。

「何であっても気にしませんよ」

つまり

「どうでもいいよ」

みたいな返事をしたいときに使われるフレーズ。

構いません は目上のひとに失礼?

このような意味と使い方をするため、ビジネスシーン(メール・手紙・目上・上司)に使える正しい敬語ということになりますが…

上司によっては失礼だと感じるひともいることでしょう。

「構いません」という言葉が失礼だと感じる理由は?

「どうでもいいよ…」みたいなニュアンスにとられてしまうからです。

どうでもいいよ…
という言葉はあまりに投げやりであり、状況によっては相手に不快感をあたえてしまいます。

たとえば先ほどの例文を使うと、

  • わたしは一向に構いません
    → わたしはどうでもいいよ
  • はい、それで構いません
    → はい、まぁそれでいいよ
  • 飲み物は何でも構いません
    → 飲み物はどうでもいいよ

みたいなニュアンスに感じられるのですよね。

構いません を丁寧に言い換えしよう!

ということで…

上司やビジネスパートナーとの間にカドが立たないよう、「構いません」をほかの丁寧な敬語に言い換えして使いましょう。

ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に最適な言い換えには、たとえば以下のようフレーズがあります。

  1. はい、お願いします
  2. お任せいたします
  3. ご意向に従います
  4. ご意向に沿うようにいたします
  5. 差し支えありません
  6. 差し障りありません
  7. お気になさらずにお願いします
  8. お気遣いなくお願いします

ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、

それぞれのフレーズについて、意味と使い方、敬語の解説、注意点を詳しくみていきましょう。

※長文になりますので、時間の無い方は「パッと読むための見出し」より目的部分へお願いします。

【例文①】お任せいたします

「構いません」の言い換えとして、ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい敬語。

まずはシンプルに
「お任せいたします」

意味は
「相手に任せる」

「する」の謙譲語「いたす」に丁寧語「ます」を使って敬語にしています。

「構いません」だとな~んか投げやりな感じになってしまうのですが、
「お任せいたします」とするとあなたの意思を明確にできます。

–ビジネスシーン例文–

【相手】
お飲み物はコーヒーと紅茶、どちらにしましょうか?

【あなた】
お任せいたします。

「構いません」とは違う意味となりますが、例文のようなシーンであればOK

【例文②】はい、お願いします

「構いません」の言い換えとして、ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい敬語。

シンプルに
「はい、お願いします」

ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)で「問題ありません」と許可をするとき。

構いません では失礼にあたるため単純に「はい、お願いします」とすれば丁寧な言い方となります。

たとえば…
以下のようなビジネス会話で使えます。

【上司】
この案件、人が足りてないみたいだから○○にも手伝ってもらうけど、どう?

【あなた】
はい、お願いします

こんなビジネスシーンで「構いません」を使うと、かな~り上から目線になりますので要注意。

上司に許可を出しているような感じになってしまい、不快感を与えることでしょう。

–ビジネスシーン例文–

上司『この教育資料、もう捨ててもいいかな?』

あなた『はい、お願いします』

【例文③】ご意向に沿うようにいたします

構いません の言い換えとしてビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に使える敬語フレーズ。

「ご意向に沿うようにいたします」

意味は
「相手の意思に沿うようにする」

ここで「いたす」は「する」の謙譲語。

尊敬語「お・ご」をつかい「ご意向」とし、謙譲語「いたす」に丁寧語「です・ます」で「いたします」とし敬語にしています。

ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)で「問題ありません」と許可をするとき。

構いません では上から目線で失礼にあたるため「はい、ご意向に沿うようにいたします」とすれば、腰が低く丁寧な言い方となります。

たとえば…
以下のようなビジネス会話で使えます。

【上司】
①この案件、人が足りてないみたいだから○○にも手伝ってもらうけど、どう?
②チーム編成を変えようと思うけど、どう?
③キミが適任だと思うけど、どうかな?

【あなた】
課長のご意向に沿うようにいたします。

こんなビジネスシーンで「構いません」を使うと、かな~り上から目線になりますので要注意。

上司に許可を出しているような感じになってしまい、不快感を与えることでしょう。

【例文④】ご意向に従います

「構いません」の言い換えとして、ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい敬語。

「ご意向に従います」

意味は
「相手の意思にしたがう」

尊敬語「お・ご」をつかい「ご意向」とし、丁寧語「です・ます」で敬語にしています。

ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)で「問題ありません」と許可をするとき。

構いません では上から目線で失礼にあたるため単純に「はい、ご意向に従います」とすれば丁寧な言い方となります。

たとえば…
以下のようなビジネス会話で使えます。

【上司】
①チーム編成を変えようと思うけど、どう?
②キミが適任だと思うけど、どうかな?

【あなた】
課長のご意向に従います。

こんなビジネスシーンで「構いません」を使うと、かな~り上から目線になりますので要注意。

上司に許可を出しているような感じになってしまい、不快感を与えることでしょう。

【例文⑤】差し支えありません

「構いません」の言い換えとして、ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい敬語。

(一向に)差し支えありません。

意味は
「支障ない、差し障りない」

差し支え(さしつかえ)が「都合の悪い事情・支障」の意味であるため、否定「ない」を使うと反対の意味になります。

丁寧語「ます」に否定「ない」をつかい「ません」として敬語にしています。

また
ここで「一向に」の意味は「まったく」。

「一向に」を前にもってくると「まったくもって問題ありません」というような意味になります。

「構いません=どうでもいいよ」と聞こえるのですが、「差し支えありません」と言い換えればネガティブな印象をもたれずに済みます。

–ビジネスメール例文–

【相手からのメール】
大変申し訳ありません。
諸事情により貴社訪問日程を変更させていただきたく存じます…後略

【返信メール】
承知いたしました、一向に差し支えありません

【例文⑥】お気になさらずにお願いします

「構いません」の言い換えとして、ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい敬語。

(どうか・どうぞ)お気になさらずにお願いします

あるいは

(どうか・どうぞ)お気になさいませんよう お願い申し上げます
(どうか・どうぞ)お気になさらないよう お願い申し上げます

意味は
「気にしないようにお願い!」
「気配りするようなことのないようにお願い」

相手への配慮を感じる素晴らしいフレーズです。

尊敬語「お〜なさる」に否定「ない・ず」を使って「お気になさらず~」という敬語にしています。

「構いません=どうでもいいよ」と聞こえるのですが、「お気になさらずにお願いします」と言い換えればネガティブな印象をもたれずに済みます。

また
「どうか」「どうぞ」「くれぐれも」といったフレーズを前にもってくると、より柔らかい印象のフレーズとなります。

–ビジネスメール例文–

【相手のメール】
大変申し訳ありません。
諸事情により貴社訪問日程を変更させていただきたく存じます…後略

【返信メール】
承知いたしました、お気になさらずにお願いします。

【敬語の補足】
・いたす は「する」の謙譲語
・いただく は「もらう」の謙譲語
・存じる は「思う」の謙譲語
・承知いたしました=了解!の丁寧な敬語フレーズ
・丁寧語「です、ます」

【例文⑦】差し障りありません

「構いません」の言い換えとして、ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい敬語。

(一向に)差し障りありません。

意味は
「支障ない、差し支えない」

差し障り(さしさわり)が「都合の悪い事情・支障」の意味であるため、否定「ない」を使うと反対の意味になります。

丁寧語「ます」に否定「ない」をつかい「ません」として敬語にしています。

また
ここで「一向に」の意味は「まったく」。

「一向に」を前にもってくると「まったくもって問題ありません」というような意味になります。

「構いません=どうでもいいよ」と聞こえるのですが、「差し障りありません」と言い換えればネガティブな印象をもたれずに済みます。

–ビジネスメール例文–

ビジネス相手『サーバー移管に伴い、メールサービスが以下時間帯にて休止いたします…後略』謝罪・お詫び

あなた『承知いたしました、一向に差し障りありません』返信メール

【例文⑧】お気遣いなくお願いします

「構いません」の言い換えとして、ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)にふさわしい敬語。

(どうか・どうぞ)お気遣いなくお願いします

あるいは

「お気遣いなくお願い致します」
「お気遣いなくお願い申し上げます」

意味は
「お気づかいのないようにお願い!」
「気配りするようなことのないようにお願い」

こちらも相手への配慮を感じるすばらしいフレーズ。

「構いません」の言い換えとして失礼にあたらない、すばらしい敬語となります。

会話シーンであれば「お気遣いなくどうぞ」でもOK。

ビジネスメールで使うときにはもう少しかしこまったフレーズが好まれます。

たとえば…

「お気遣いなどなさいませんよう、お願い申し上げます」
「お気遣いなさらないよう、お願い申し上げます」

といった文章にするとメールでは好印象。

–ビジネスシーン例文–

ビジネス相手『サーバー移管に伴い、メールサービスが以下時間帯にて休止いたします…後略』謝罪・お詫び

あなた『承知いたしました、お気遣いなくお願い致します』返信メール

※注意)「構いません」とは違う意味となるが、例文のようなシーンであれば使える。

こんなシーンではどれ使う?言い換えを状況別に

「構いません」の言い換えとしてビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に使える敬語フレーズを紹介してきました。

こんなシーンではどの言い換えを使う?

という質問がありそうなので、
状況別に言い換え例をまとめておきます。

私は一向に構いません:ご意向に従います で言い換え

構いません の言い換え、ビジネスシーン別(メール・手紙・上司・目上)。

たとえば以下のシーンでは、
「ご意向に従います」と言い換えすると好感がもてます。

【上司】
来週から掃除当番をつくろうと思うけど、どう?

【あなた】
課長のご意向に従います。

はい、それで構いません:はい、お願いします で言い換え

構いません の言い換え、ビジネスシーン別(メール・手紙・上司・目上)。

たとえば以下のシーンでは、
「はい、お願いします」と言い換えすると好感がもてます。

【取引先】
お飲み物はホットコーヒーでよろしいでしょうか?

【あなた】
はい、お願いします。

なんでも構いません:お任せいたします で言い換え

構いません の言い換え、ビジネスシーン別(メール・手紙・上司・目上)。

たとえば以下のシーンでは、
「お任せいたします」などと言い換えすると好感がもてます。

【取引先】
会食の件、和食・洋食・イタリアン・中華のどれがお好みでしょうか?

【あなた】
お任せいたします。

【参考】「お気遣いなく」は目上に失礼?意味と敬語の正しい使い方・例文

【参考】「結構です・構いません」の違い、使い方(対目上の人)

はい大丈夫です は目上の人には使わない