「結構です」「構いません」の意味と違い、使いわけ方について誰よりも正しく解説する記事。
まずは要点のまとめから。
結構です・構いません の違い
①意味の違いは?
結構です の意味は…
① いいですよ、問題ないですよ
② 必要ありません、要りません
構いません の意味は…
① 問題ないです、気にしません、差し支えありません
したがって
結構です・構いません の意味における違いは…
結構です には「要らない」の意味もあり、
構いません には「要らない」の意味はない。
ということが分かります。
結構です・構いません の違い
②使い方の違いは?
結構です の使い方は…
① 課長のアイディアで結構です。
② もうこれ以上は食べれません。デザートは結構です。
構いません の使い方は…
① わたしは一向に構いません
② はい、それで構いません
③ 飲み物はなんでも構いません
④ お構いなく先にお召し上がりください
したがって
結構です・構いません の使い方における違いは…
構いません は「要らない」の意味をふくむ使い方はしない、ということが分かります。
たとえば上記の例文だと、
「課長のアイディアで結構です=問題ありません」は「課長のアイディアで構いません=問題ありません」と言い換えできるものの、
「デザートは結構です=要らない」は「デザートは構いません=デザートは??」に置き換え不可ですね。
結構です・構いません の使い分け方
・要りません=結構です だけを使う
・問題ありません=結構です、構いません の両方OK
・気にしません=結構です、構いません の両方OK
これまでの意味と使い方から、
こんな感じで使い分けすればよいことが分かります。
ざっくりとした解説はこれにて終了ですが、
それぞれのフレーズについて、意味と使い方、敬語の解説、注意点を詳しくみていきましょう。
※長文になりますので、時間の無い方は「パッと読むための見出し」より目的部分へお願いします。
結構です の意味・使い方・言い換え
結構です の意味
結構です の意味は2つ
① いいですよ、問題ないですよ
② 必要ありません、要りません
結構です の意味はややこしくて、
はい、いいですよ!
いえ、ダメです!
という真逆の意味をもつ言葉。
「はい」なのか「いいえ」なのかを文脈によって判断します。
ここで「結構」の意味は・・・
- すぐれていて欠点がない
例)結構な品 - それでよい、満足
例)はい、コーヒーで結構です - それ以上必要ない
例)いえ、もう結構です
という意味をもちます。
こちらも文脈から判断するしかありません。
結構です の使い方
結構です の使い方は?
① 課長のアイディアで結構です。
② もうこれ以上は食べれません。デザートは結構です。
こんな感じで使います。
①の使い方をしたとき、
意味は「課長のアイディアで満足です、問題ありません」
②の使い方をしたとき、
意味は「デザートは必要ありません、要りません」
ということになります。
結構です は目上のひとに失礼?
このような意味と使い方をするため、ビジネスシーン(メール・手紙・目上・上司)に使える正しい敬語ということになりますが…
上司によっては冷たい、あるいは失礼だと感じるひともいることでしょう。
「結構です」という言葉が冷たい・失礼だと感じる理由は?
正直なところ、よくわかりません。
が、
そんなもん要らねぇよ!
必要ないっしょ!?
というニュアンスに感じてしまうのでしょうね。
実際には「問題ありません、満足です」という意味もあるのですが…
ただビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)では、相手に不快感をあたえる恐れのあるフレーズは使わないほうが無難です。
したがって、
上司(目上)との間にカドが立たないよう「いいえ結構です/はい結構です」ではなく、ほかの丁寧な敬語に言い換えするほうが無難。
【注意】
あくまでも「無難である」ということでNGかというと、そうではありません。
結構です の言い換え
ということで…
上司やビジネスパートナーとの間にカドが立たないよう、「結構です」をほかの丁寧な敬語に言い換えして使いましょう。
ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に最適な言い換えには、たとえば以下のようフレーズがあります。
- 例文『すみません…遠慮しておきます』
- 例文『お気持ちだけ頂戴します』
- 例文『あいにく予定が埋まっておりまして』
- 例文『もう少し自分でやってみます』
- 例文『今回は見送らせて頂きます』
- 例文『今回はご容赦いただければと存じます』
- 例文『はい、お願いします』
- 例文『ご意向に沿うようにいたします』
- 例文『ご意向に従います』
構いません の意味・使い方・言い換え
構いません の意味
構いません の意味は
① 問題ないです、気にしません、差し支えありません
② お気づかいは要りません
構う は「気をつかう、気にする、世話を焼く」
という意味であり、
否定「ない」を使っているため反対の意味となります。
ここで「ません」は丁寧語「ます」+否定の「ない」をつかって敬語にしています。
構いません の使い方
構いません の使い方は?
① わたしは一向に構いません
② はい、それで構いません
③ 飲み物はなんでも構いません
④ お構いなく先にお召し上がりください
こんな感じで使います。
「何であっても気にしませんよ」
つまり
「どうでもいいよ」
みたいな返事をしたいときに使われるフレーズ。
構いません は目上のひとに失礼?
このような意味と使い方をするため、ビジネスシーン(メール・手紙・目上・上司)に使える正しい敬語ということになりますが…
上司によっては失礼だと感じるひともいることでしょう。
「構いません」という言葉が失礼だと感じる理由は?
「どうでもいいよ…」みたいなニュアンスにとられてしまうからです。
どうでもいいよ…
という言葉はあまりに投げやりであり、状況によっては相手に不快感をあたえてしまいます。
たとえば先ほどの例文を使うと、
- わたしは一向に構いません
→ わたしはどうでもいいよ - はい、それで構いません
→ はい、まぁそれでいいよ - 飲み物は何でも構いません
→ 飲み物はどうでもいいよ
みたいなニュアンスに感じられるのですよね。
【注意】
あくまでも「無難である」ということでNGかというと、そうではありません。
構いません の言い換え
ということで…
上司やビジネスパートナーとの間にカドが立たないよう、「構いません」をほかの丁寧な敬語に言い換えして使いましょう。
ビジネスシーン(メール・手紙・上司・目上)に最適な言い換えには、たとえば以下のようフレーズがあります。
- お任せいたします
- ご意向に従います
- はい、お願いします
- 差し支えありません
- 差し障りありません
- お気になさらずにお願いします
- お気遣いなくお願いします
たとえば先ほどの例文で言い換えをするとしたら?
以下のような言い換えパターンとなります。
- 私は一向に構いません
言い換え「ご意向に従います」
言い換え「ご意向に沿うようにいたします」 - はい、それで構いません
言い換え「はい、お願いします」 - 飲み物は何でも構いません
言い換え「お任せいたします」