つづいて「至極」を使うときの注意点を解説します。
敬語を正しく使うことはもちろん、
ふさわしいビジネスシーンを考えて使いましょう。
使いすぎると大げさになる
至極は「究極に至る」ということですから、なにか「これ以上なく~」というときだけ使います。
たとえば、
【例文】
「日本の人口が減るのは至極当然だ」
みたいなビジネスシーンで使えますね。
日本の人口が減っていくのはそれはもう、これ以上ないくらいにあたり前の事実です。
いっぽうでこんなのはどうでしょうか?
【例文】
「スマップが解散するのは至極当然だ」
う~ん、これは賛否両論イロイロとありそうです。スマップ解散はあたり前のことではなく、ヒトによって意見がわかれるハズ。
こんなときに「至極当然」をつかってしまうと、相手に不快感を与えてしまいます。
すると、
せめて「スマップが解散するのは至極当然のことと存じます」と、自分の意見をあらわす「思う=存じる」を使うのであればギリセーフ。
ということで、
あまり使いすぎると「大げさだなぁ…」と相手に思われたり、相手にあらぬ不快感を与えるため、ガチであたり前のときにだけ使いましょう。
何が至極なのか?
至極 を使うときには、対象というか、一体なににたいして「至極」であるのかをハッキリとさせて使いましょう。
総理が辞任するのが「至極当然」なのであれば、
「総理が辞任するのは至極当然だ」というようになりますし、
部長が昇進するのが「至極当然」なのであれば、
「部長が昇進するのは至極当然です」となります。
【シーン別】違いと使い分け
至極当然 のビジネスシーン(メール・手紙・社内上司・社外・目上・就活・転職)にふさわしい使い方と、敬語フレーズを使った例文をみてきましたが…
こんなときにはどれを使う?
というビジネスシーンごとの使い分けを整理しておきます。
ビジネス会話なら…
- 例文「至極○○です」
- 例文「至極○○ですが」
○○の部分には恐縮・恐悦・真っ当・当然・光栄などがきます。
会話で「ございます」ばかり使うとバカ丁寧な感じがするため、「至極当然です」あるいは「至極当然ですが」で十分です。
ビジネスメール・文書なら…
- 例文「至極○○と存じます」
- 例文「至極当然のこととは存じますが」
○○の部分には恐縮・恐悦・真っ当・当然・光栄などがきます。
ビジネスメール・手紙など文書の場合、
シンプルなフレーズではなくよりかしこまった表現を使うと好感度UP。
なぜなら、文章は会話と違って態度で敬意をしめすことができないから。